エネルギー
エネルギーの単位は通常J(ジュール)が用いられます。
定義は、「1ニュートンの力が力の方向に物体を1メートル動かすときの仕事」
実際には、地球上でおよそ102グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を1メートル持ち上げる時の仕事に相当します。
しかし、原子核を対象とした場合、これでは数値が大きすぎます。
したがって、eV(電子ボルト)という単位のほうがよく用いられます。
定義は、「1 Vの電位差がある自由空間内で電子1つが得るエネルギー」
1 eV = 1.6 x 10-19 J
原子核や電子一つ一つを考える場合は、こちらの単位のほうがわかりやすいです。
断面積
断面積は、核反応などが起こる確率を考える場合に用いる単位です。
反応断面積、というような用い方をします。
普通は、m2を用いますが、核反応ではb(バーン)を用いる場合のほうが多いです。
1 b = 10-24 cm2 = 10-28 m2
照射線量
X線やγ線が空気を電離する量を照射線量といい、Ckg-1で表します。
もともとは、標準乾燥空気 1 cm3を電離して1 esuの電荷が生じる放射線量を1レントゲン(R)と定義しています。
1R = 2.58 x 10-4 Ckg-1
空気を電離する量を表す単位なので、人体に対する影響を考える場合は、このような単位は用いません。
吸収線量
物質1 kgが照射されて1 Jのエネルギーを吸収したときの吸収線量を1グレイ(Gy)といいます。
吸収線量は、放射線と物質の種類を問わずに定義されています。
1 Gy = 1 J/kg
人間に対する吸収線量を考慮する場合は、実際には、放射線を吸収する組織や放射線の種類などの違いによって、放射線による影響が異なるため、これらの値をさらに補正した実効線量、等価線量が用いられます。