全文
中庭 |
李衣菜 |
あ、まゆちゃん。 レッスンルーム、場所変更になったって。 あと、衣装の採寸、明日じゃなくて明後日だってさー。 |
まゆ |
李衣菜ちゃん…いろいろとありがとうございます。 すっごく、すーっごく助かってますよぉ。 |
李衣菜 |
あー、いーのいーの。これくらい、たいしたことないし。 みんなはやっぱりレッスンに集中したいでしょ? |
まゆ |
そうですねぇ…。 たしかに、今回は集中して頑張りたいですから…。 でも、良かったんですか? |
李衣菜 |
ホントはリーダーがいて、その人がやるのがいいと思うんだけど、 ユニット結成したときに決めてなかったからね。 だったら、その仕事くらいは私がやってあげようかと思ってさ。 |
まゆ |
すてき…。 でも、李衣菜ちゃんって不思議ですよねぇ。 |
李衣菜 |
へ?なにが? |
まゆ |
私たちみたいに、頼る人が多いときは頼もしく見えますし…。 逆に、しっかりした人と組んでるときは、甘え上手に見えるから。 |
李衣菜 |
えぇっ?そ、そうかなぁー…。 そんなこと…どうだろ。 あんまり考えたことないからわかんないや。 |
まゆ |
甘え上手で頼られ上手って、すてきです。 まゆも、そうなりたいなぁって思いますから。 |
李衣菜 |
ふーん。そうなのかなー。まぁ、よく分かんないけど、 まゆちゃんはたまに目がマジだからさー。 それじゃちょっとプロデューサーさんも引…。 |
まゆ |
プロデューサーさんが、ひ…? その先は、なんですか…? |
李衣菜 |
そ、それ!それだよ!目が怖いって! ちょっと、落ち着いて!落ち着いてさ! |
まゆ |
あ、はい…ごめんなさい、ちょっと頭に血が上っちゃって…。 |
李衣菜 |
それ怒ってるって意味で使うような…。まぁいいか。 まゆちゃん、もっとフツーの女子っぽい感じでさぁ、 ライトな感じがいいんじゃないの? |
まゆ |
ライト…ですか? 普通の女の子って、どんな感じなのが普通なんでしょう…。 |
李衣菜 |
んー、あ、雑誌の『男子にされたい仕草ランキング』とか よんでるんじゃないのかな。 いや、わかんないけど…。 |
まゆ |
そういえば、まゆが連載持ってた雑誌に、 そういうコーナーがいっぱいありましたねぇ…。 顎クイ、袖クル、壁ドン、なんだかいろいろありましたよ。 |
李衣菜 |
あるでしょ!そういうやつ! いや、私も詳しくは全然知らないんだけど…。 そういうの、されたーいとか…ないの? |
まゆ |
うーん…想像したら、照れちゃいますけど…。 ベタに壁ドンとか、いいなぁって思います。 |
李衣菜 |
じゃあ、やってみよっか。 |
まゆ |
は、はい…? |
李衣菜 |
じゃあ…いくよ。 |
まゆ |
やさしく…お願いします…。 あと、なにか、グッとくる台詞も…。 |
李衣菜 |
えぇっ!? わ、わかった。 |
お…俺の女に…なれよ…。 |
まゆ |
きゅん…。 |
智絵里 |
えっ…? |
李衣菜 |
ご、誤解なんだって、ホントだって〜! |
智絵里 |
ほ、ほんとうに…? |
まゆ |
…。 |
智絵里 |
まゆさん…。 なんか、まんざらでもないみたいですけど…。 |
李衣菜 |
ご、誤解だよ〜! |
コメントをかく