Snow＊Love
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ginmansizuku 2021年04月25日(日) 16:49:33履歴
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概要 
2020年12月20日から28日にかけて開催されたアタポン形式のイベント。デレステのイベントにメインで参加するのはミラーボール・ラブイベント以来1年ぶりで、アタポン形式イベントに参加するのはこれで3回目となる。イベント用楽曲はイベント名にあるとおり「Snow＊Love」。初出はアニメ版シンデレラガールズ劇場の2017年12月分エンディングであり、歌唱者は雫の他には市原仁奈、大槻唯、高森藍子、依田芳乃と全員パッション系アイドルなのが特徴。雪と恋愛のイメージを重ね合わせた正統派ラブソングであり冬のイベントにはまさにピッタリの曲であったが、発表後もデレステのほうではまったく触れられず（本曲に限らずアニメしんげき2期、3期の歌はデレステでほとんど扱われていないが）、初出から丸3年経ってようやくのデレステイベント楽曲化と相成った。雫と完全な初顔合わせは唯くらいで、他の3人とはそれぞれいずれかの媒体において何らかの形で共演済みである。
雫にとって前回イベントとなるミラーボール・ラブでは実質的に主役級のストーリーが展開されたが、今回のイベントコミュはクリスマスの時期を舞台とした仁奈中心のストーリーになっており、家族が揃わず寂しい想いをすることの多い仁奈が幼いなりにしっかり考えみんなと協力して、「2つ」のクリスマスイベントを成功させるまでを描いている。そのため相対的に雫たち他の4人の出番は少なくなっているが、そんな中でもイベントコミュ後半にて雫にフォーカスが当てられており、短いながらも雫の内面の成長が描写された。ただ雫の物語は仁奈の話とリンクはするものの基本的に別軸で進行する筋になっているため、本コミュは仁奈の話と雫の話とで2部構成的な作りになっているとも言える。仁奈の成長とは別のところで、それでいて仁奈の成長に影響を受けつつ、前回イベントにおける苦悩とは異なる感慨を抱いた時、雫は自分自身をどのように見つめ直すのか。苦悩を克服するといった大きなドラマ性はない小さな、しかし雫の今後を占うことにも繋がる重要な変化を見逃してはならないだろう。
雫にとって前回イベントとなるミラーボール・ラブでは実質的に主役級のストーリーが展開されたが、今回のイベントコミュはクリスマスの時期を舞台とした仁奈中心のストーリーになっており、家族が揃わず寂しい想いをすることの多い仁奈が幼いなりにしっかり考えみんなと協力して、「2つ」のクリスマスイベントを成功させるまでを描いている。そのため相対的に雫たち他の4人の出番は少なくなっているが、そんな中でもイベントコミュ後半にて雫にフォーカスが当てられており、短いながらも雫の内面の成長が描写された。ただ雫の物語は仁奈の話とリンクはするものの基本的に別軸で進行する筋になっているため、本コミュは仁奈の話と雫の話とで2部構成的な作りになっているとも言える。仁奈の成長とは別のところで、それでいて仁奈の成長に影響を受けつつ、前回イベントにおける苦悩とは異なる感慨を抱いた時、雫は自分自身をどのように見つめ直すのか。苦悩を克服するといった大きなドラマ性はない小さな、しかし雫の今後を占うことにも繋がる重要な変化を見逃してはならないだろう。
イベント限定SR
［Snow＊Love］市原仁奈
| 特訓前 | 特訓後 |
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特訓前はキグルミアイドルの面目躍如と言わんばかりにトナカイ（と言うよりブリッツェン）の着ぐるみを着て、特訓後は雫たちと同じ共通のステージ衣装を着用しての登場となっている。詳細は後述するが本イベントコミュにおける雫の話は雫個人で完結しているため、他メンバーを巻き込んだ仁奈の成長の話を象徴するかのような、ほぼ全員集合している特訓前イラストに雫だけいないのは物語展開の上では矛盾はないのだが、それでもやはり少々物足りない。アニメEDには雫と仁奈が仲良く手をつないでいる画があっただけに尚更残念ではあるのだが、いつか再び2人がどこかの媒体で共演することを期待して待つとしよう。特訓後で仁奈や唯が着ている衣装のデザインは、雫・藍子・芳乃と同じくアニメEDで着用していた衣装に準拠しており、カラーだけ白からクリーム色に変わっているのも同様である。
セリフ集
オープニング「Love for your X'mas」
| あらすじ |
| クリスマスを家族で祝えない仁奈は、両親のように働きたいと、お仕事という名のプレゼントをねだる。雫、唯、藍子、芳乃は、アイドルとして、仁奈を含むみんなを幸せにしたいと思う。Pは快諾し、あったかく楽しいクリスマスにするため楽曲『Snow＊Love』のミニイベントが始動する。 |
| セリフ |
| 公園 （仁奈）じんぐるべー、じんぐるべー…… （女の子）ママ！クリスマスケーキ、おっきいの買ってね！やくそくー！ （男の子）パパからのクリスマスプレゼント、なんだろーなー！たのしみーっ！ （仁奈）…… （仁奈）…………いーなぁ……。 （仁奈）でも……だいじょーぶでごぜーます。……うん。だって仁奈は、つえーですから！ （藍子）お疲れさまです、プロデューサーさん♪お茶が入りましたよ。 （プロデューサー）≪ありがとう≫ （藍子）はい、芳乃ちゃんも♪ （芳乃）いただきましてー。ふーふー。 （雫）お茶請けに、おいかわ牧場産のミルククッキーをどうぞー♪はい、芳乃ちゃんもー。 （芳乃）ほほぉー。さくさくですねー。 （仁奈）おはよーでごぜーます！ （唯）おはよーでごぜーまーす♪ （藍子）仁奈ちゃんも唯ちゃんも、おはよう♪ （芳乃・雫）おはようございますー。 （仁奈）プロデューサーっ！きーてくだせー！ （プロデューサー）≪どうしたの？≫ （仁奈）仁奈、プロデューサーからクリスマスのプレゼントがほしーです！ （唯）わぉ♪仁奈ちゃん積極的ー♪ゆいもプロデューサーちゃんからプレゼントほしー！ （プロデューサー）≪何がほしいの？≫ （仁奈）仁奈、お仕事がほしーです！仁奈にクリスマスのお仕事をくだせー！ （藍子・雫）えっ？ （唯）えーっ！？クリスマスに、おシゴトっ？フツー逆じゃないっ？ （芳乃・雫）そうなのでしてー？ そうなんですかー？ （プロデューサー）≪仁奈、どうかしたの？≫ （仁奈）えっと、えっと……。 昨夜の市原家 （仁奈の母親）ごめんね、仁奈……クリスマス、仕事が入っちゃって……。 （仁奈）………… （仁奈）『ごめんな、仁奈……年末年始も、海外出張から帰れそうになくて……』。 （仁奈）……だいじょーぶでごぜーます、パパ、ママ。だって、仁奈は……。 （仁奈）仁奈は、もう、わかってるですよ。パパもママも、ほんとーは仁奈と一緒にクリスマスしてーって。でも……どーしてもできねーなら。それなら…… （仁奈）パパとママとおんなじよーに、クリスマスにお仕事するです！そーすりゃ仁奈も、パパとママとおんなじです！プロデューサーやみんなともいられて、さびしくねーですし！ （藍子）仁奈ちゃん……。 （プロデューサー）≪わかった≫ （仁奈）ありがとーごぜーます、プロデューサー！よーし、さっそくレッスンだー！ （唯・藍子・雫）…………。 （雫）仁奈ちゃん、前よりも、成長している……んでしょうかー。 （藍子）でもなんだか……少しだけ、寂しい気も……。 （芳乃）藍子さんー。寄り添う気持ちも大切ですが……わたくしたちが為すべきは、あいどるとしてー。みなみなを幸せにすることではありませぬかー。 （芳乃）その「みな」の中にはもちろん、仁奈さんも含まれておりますとー。わたくしは、そう思いましてー。 （藍子）芳乃ちゃん……うんっ、そうだね。 （唯）それならっ！プロデューサーちゃん、ゆいたちも、クリスマスのプレゼント……お仕事ちょーだいっ♪ （プロデューサー）≪もちろん≫ （プロデューサー）クリスマスに、『Snow＊Love』のミニイベントをしよう。すぐに企画するよ。 （唯）やたっ☆プロデューサーちゃん、だーいすきっ♪ （雫）ふふっ。楽しそうですねー。私も、一緒にがんばりますよー。 （芳乃）ふぁんのみなさまに、素敵なくりすますを。それに……。 （藍子）仁奈ちゃんや、私たちにとっても、あったかで楽しいクリスマスになりますように……力を合わせましょう♪ （芳乃・唯・雫）おーっ♪ |
先述のとおり今回のイベントコミュは実質仁奈メインなので雫の出番はそれなりなのだが、今話ではデレマス・デレステ通じてすっかり板についた「乳製品の差し入れ」というところで存在感を発揮。クリスマスに仕事をするなんて普通逆では？という唯の素直な問いに芳乃と共に疑問を口にする一幕もあり、次話で触れられる2人のクリスマスに対する見解についての伏線張りも入念に行われている。
第1話「Each of the winter」
| あらすじ |
| 『Snow＊Love』を披露するミニイベントに向けて、レッスンをこなしていく5人。それぞれ生まれ育ちが異なるために、似ていても違うところがあるのだということに気づく。クリスマスにあまり馴染みのない雫や芳乃にも、みんなで一緒に楽しく過ごしてもらえるよう、仁奈は張り切るのだった。 |
| セリフ |
| レッスン中 （仁奈・唯）ワンツー、ワンツー！ （藍子・雫・芳乃）スリーフォー、ファイブシックス♪ （振り付け師）みなさん、今回は急に決まったミニイベントですので。本番まで、あまり時間がありませんから……しっかり覚えてくださいね。 （仁奈・唯）はいです！ はーい☆ （藍子・雫・芳乃）はーいっ！ はいー！ はいでしてー。 レッスン後 （仁奈）おー・いえー・いえー・すのーらーぶ…………びしっ♪ （雫）わぁー。仁奈ちゃん、バッチリですねー。 （唯）ってゆーか……朝から今までレッスンだったのに……元気だねー。ゆい、ちょっとお疲れちゃんだよー。 （仁奈）へへー！仁奈はまだまだ元気ですよ！みんなと一緒のレッスン、すげー楽しかったので！ （藍子）ふふっ。そうだね。それになんだか私、今日は新しい発見もできちゃいました。 （芳乃）ほぉー。どのようなー？ （藍子）芳乃ちゃんも、雫ちゃんも。私と歳が同じで、どちらかというとマイペースな方ですけど…… （藍子）一口にマイペースって言っても、3人とも、テンポがちょっとずつ違うんだなぁって。 （雫）うふふー。そうですねー。ゆっくりのんびりなところは似てますけど、ちょっと違いますねー。 （芳乃）ふふー。そうですねー。生まれ育ちを、異にするからでありましょうー。 （芳乃）雫さんは北国の生まれで、寒さにも強いそうですがー。わたくしは、さほどでもなくー。この季節になると……ぶるりぶるりとー。 （唯）そうだねー！ちょっと前まで真夏でゴー！ゴー！してたのに、もうすっかり寒くなったねー。 （雫）そんなときには、あったかいミルクをどうぞー♪ （芳乃）やや、これはこれはー。助かりますー。 （雫）仁奈ちゃんのほうは、お砂糖多めにしておきましたー♪ （仁奈）ぷはーっ！あったかくてあまくておいしーです！ （唯）ゆい、寒いのあんまりスキじゃないけど……クリスマスやお正月が近づくと、ワクワクしちゃうよね！ （雫・芳乃）…………。 （藍子）そうですね。クリスマスのイルミネーション、とっても綺麗で。ついつい、カメラで撮っちゃいます。 （雫・芳乃）なるほどー……。 ほほー……。 （仁奈）んーっと……雫おねーさんと、芳乃おねーさんも、あんまクリスマス楽しみじゃねー感じですか？ （芳乃）というよりもー。わたくしが生まれ育った離れ小島では、くりすますが、あまり行われておりませんでしたのでー。みなさまほどには、わくわくができないのでしょうー。 （雫）そうですねー。私も、同じようなものですー。クリスマスでも、お正月でも、牛さんのお世話はありますからー。 （唯）えーっ！お正月もっ？そっかぁ、そうだよねー。タイヘンだー。 （雫）ふふっ。大変なように見えるかもしれませんけどー。生まれたときから、それが普通でしたからー。 （芳乃）そのおかげで、こうして美味しい牛乳をいただけるのですねー。ごくごくー。 （仁奈）ごくごくー！ （藍子）そう思って、このミルクをいただくと……雫ちゃんの牧場の牛さんたちが、大切に育てられてるんだなって感じちゃいますね。 （雫）はいー。牛さん、ラブですからねー♪ （唯）うんうん！クリスマスもね、ラブだよー♪ （芳乃）らぶー？ （唯）そそっ。らぶーなひとと過ごす日！ （唯）ゆい、アイドルのみんなも、友だちも、家族も、プロデューサーちゃんもだーいすきだけど……。 （唯）今年のクリスマスは、ファンのみんなと一緒♪ラブラブなクリスマスにしちゃおー！ （藍子）うん、そうですね。そうしましょっか♪ （仁奈）あとあと……雫おねーさんも芳乃おねーさんも、仁奈とクリスマスをするですよ！仁奈と一緒なら、楽しく過ごせるですよ！ （雫・芳乃）仁奈ちゃん……。 仁奈さん……。 （芳乃）ふふー。そうですね。そういたしましょうねー。 |
他の特筆点としては今話に限らずコミュ全体として芳乃との絡みが多いことがあげられ、今話においても事情は少々異なるものの生まれ育った場所の関係で、どちらもクリスマスというものに一般的なそれとはズレた印象を持っているというのを2人が口にする、という描写が存在している。これにももちろん物語上の必然的な理由があるのだが、それについては後の解説にて。
第2話「Please,say indulgence」
| あらすじ |
| 女子寮のクリスマスパーティーの準備を手伝う5人。和気あいあいとした女子寮での話を聞いた仁奈は憧れを抱く。女子寮に住みたいと言うが、ワガママだったとすぐに撤回する。仁奈はいい子でいるためにも、Pがとってきたお仕事を頑張るためにも、ファンのみんなへ、お手紙を贈ることにした。 |
| セリフ |
| 女子寮 仁奈たちは、女子寮でのクリスマスパーティーの準備を手伝っていた…… （藍子）うーん……リース、こんな感じでいいかな？ （仁奈）わーっ！藍子おねーさん、すげー器用でやがりますー！ （藍子）ありがとう、仁奈ちゃん。っていっても、お手伝いをしたのはちょっとだけ、だけどね。寮の子たちが、はりきって飾り付けしてるから。 （唯）裕美ちゃんとか、智絵里ちゃんとかとか、めちゃ器用だよねー！ （雫）みなさーん、お待たせしましたー。お昼ごはんの、特製シチューですよー。 （芳乃）おぉー。これはまた、とてもかぐわしくー。 （仁奈・唯）いっただきまーすっ♪ （藍子）ごめんね雫ちゃん、芳乃ちゃん。私たち、寮住まいじゃないのに、ごちそうになっちゃって。 （雫）いえいえー。たくさん作って、みんなで食べるほうが、おいしいですしー。寮のみんなで、よくシェアとかもするんですよー。 （仁奈）へーっ！それじゃあ、みんなで一緒にごはん作って食べたりとかもするですか？ （芳乃）そうですねー。時間があえば、にはなりますがー。 （芳乃）寮には、お料理が得意な方も多くー。ついつい、ご相伴にあずかってしまいますねー。響子さんや肇さんたちのお料理は、とても美味でしてー。 （仁奈）へーっ、へーっ……！ （唯）テスト前には、べんきょー会したりもしてるみたいだよねー。ゆいも今度、お世話になろっかな〜……。 （藍子）お世話になるといえば……私も歌鈴ちゃんや、美穂ちゃんの寮のお部屋にお泊りさせてもらったりしたこと、ありますよ。ユニットでのお仕事で、いろいろ相談したいときとかに。 （仁奈）おとまり……！べんきょーかい……！わーっ、わーっ……！ （仁奈）いーな、いーな、いーな、いーなっ……！仁奈も……仁奈も、寮にすみてーでごぜーます！ （仁奈）寮だったら、ママがいないときもひとりでごはん食べなくていーでごぜーますよ！ （雫）仁奈ちゃん……。 （仁奈）そーだっ！パパとママも、寮に住んでもらうですよ！それに、プロデューサーも！ （藍子）ええっ！？ぷ、プロデューサーさんも……っ？ （藍子）で、でも、うーん……いちおう、アイドルの女子寮なわけだし……。たまに遊びに来てもらうぶんには、いいと思うんだけど……。 （仁奈）……だめでやがりますか？ （唯）んーん！でも、ゆいたちじゃ決めらんないし、プロデューサーちゃんに、聞いてみよっか！ （仁奈）……えへへ。 （仁奈）だいじょーぶでやがります。ほんとにできるなら、きっとプロデューサーが、もっと早くそうしてくれたと思うですし……。 （仁奈）ちょっとだけ、ワガママ言いたくなっちまったですよ。ごめんなせーです。 （芳乃）ふむー……。仁奈さんは、もっと我がままでもよろしいのではないでしょうかー。 （仁奈）そーですかね？でも、いー子にしねーと、サンタさん来てくれねーですし…… （仁奈）仁奈、今でもワガママだと思いますよ！クリスマスのお仕事も、プロデューサーががんばってとってきてくれたの、仁奈は知ってるです！ （仁奈）だから仁奈も、お仕事がんばるでごぜーます！だからだから……じゃーんっ！ （唯）それって……お手紙セット？ （仁奈）そーです！仁奈、早苗おねーさんたちのお手伝いしたとき、ママにクリスマスのお手紙書くことにしたですけど……ママだけじゃなくて、ファンのみんなにも、お手紙書くんだー！ （芳乃）なるほどですねー。まごころ篭めてしたためる文は、きっとあたたかさが伝わるでしょうー。 （藍子）ふふっ。ファンのみんなに、きっと良いプレゼントになりますね♪ （雫）わぁ、良いですねー。なら私は、牛乳をプレゼント……したいですけど…… （雫）いくら冬でも、生ものは難しいかもですねー。それじゃあ、私もお手紙を書いていいですか？ （仁奈）もちろんでごぜーます！食べ終わったら、みんなで一緒に書くですよー！ |
では今話は仁奈が単純に周りを気にしてわがままを引っ込めて終わりという話なのかというとそうではなく、実は最初のクリスマスイベント実施の頼みからして仁奈のわがままであり、それが実現している時点で仁奈は十分わがままを言い、そして周りにそのわがままを受け入れてもらっているのだと、それを他ならぬ仁奈本人に言わせているところに今話の肝がある。単にわがままを言わなくなったことを証とするのではなく、わがままは今までどおりに言うが通じるわがままと通じないわがままがあり、通じるわがままについてはそれがわがままと承知の上で聞いてもらっているのだと仁奈が自覚していることを成長の証左としているのは、仁奈1人に限定した話でなく「子供の成長」という大きな視点から見ても丁寧且つ真摯な描写と言えるだろう。そして最後に出したファンに手紙を書くという仁奈の案はもうわがままではなく、自分たちのクリスマスをみんなで一緒に楽しもうという彼女なりの強い意思の表れでもあった。
第3話「Growing pains」
| あらすじ |
| クリスマスイベント当日。他事務所のアイドルたちとともに、ファンとの交流を行っていく5人。しかし、仁奈と歳の近いアイドルが、家族と一緒がよかったと休憩中に控え室から抜け出してしまう。仁奈は彼女の気持ちに寄り添い、一緒に会場へ戻っていく。様子を見ていたPは仁奈の成長に目頭を押さえるのだった。 |
| セリフ |
| クリスマスイベント当日 そして、クリスマス当日――仁奈たちはイベントで共演する他事務所のアイドルたちと、挨拶を交わしていた…… （アイドルA）わぁー、ホンモノのユイちゃんだー！雑誌みてるよー！ （唯）えへへ、あんがとーっ！今日はよろしくね☆ （アイドルB）よ、芳乃ちゃん！私、アイドルをとるか……好きな人をとるか迷ってて！いきなりだけど……人生相談、乗ってもらえますか……！ （芳乃）ふむ、ふむー。わたくしでよろしければ……いべんとのあとにでもー。 （仁奈）仁奈と歳のちけー『じゅにああいどる』のコもいるですね！おいくつでやがりますか？ （トモミ）……トモミ。11。小6。 （仁奈）仁奈はここのつですよ！よろしくおねげーします、トモミおねーさん！ （トモミ）……ん。 （仁奈）……？えーっと…… （スタッフ）そろそろ本番でーす！準備、お願いしまーす！ （藍子）はいっ♪まずは、私たちからですね。 （雫）ふふっ。たくさん、もーりあげちゃいましょー♪ （プロデューサー）≪がんばって！≫ （唯）みんなーーーっ！メリークリスマーーース♪ （仁奈）クリスマスは、ラブな気持ちって教わったですよ！仁奈たちと、たくさんラブラブするですよー！ （ファンたち）うおぉぉぉーっ！ラブラブするよーっ！これでクリスマスも、さびしくないぜーっ！ （雫）サイン会とお渡し会も、ぜひ参加していってくださいねー♪ （芳乃）お待ちしておりますよー♪ サイン会 （雫）えーっとー。強めの握手、ご希望ですかー？それじゃあ、ぎゅぎゅーっ♪ （ファン）うおおっ……！これが牧場で鍛えた、雫ちゃんのパワー……！すごい抱擁力だ……！ （芳乃）ふむふむー。そなたの探し物は、おそらくすぐに見つけられるでしょうー。飼われている猫さんに、お願いするのが吉でしてー。 （藍子）わぁっ……プレゼントのお花ですか？ありがとうございます！とっても綺麗ですね……♪そういえば、このお花の花言葉って……。 （スタッフ）（ああっ……列がなかなか進まない……でも、待っているお客さんもなんだか幸せそう……！？） 途中休憩 （仁奈）ふいーっ♪ファンのみんなと、たくさんこーりゅーできたでごぜーます！アンコールも、がんばるですよ……。 （トモミ）…………。 （仁奈）……あれっ？トモミおねーさん？ （仁奈）トモミおねーさん！どこいくですかっ？ （トモミ）……！ （仁奈）待ってくだせー！トモミおねーさん！ （トモミ）ついてこないで……！あたし、帰るんだからっ！ （仁奈）でも、でも……！まだ、お仕事おわってねーです！帰っちゃだめでごぜーますよ！ （トモミ）でも……あたし、パパとママとクリスマスしたかったの！パパとママと遊園地に行って、帰りはレストランでごはん……楽しみにしてたのに……！ （仁奈）……！ （仁奈）えーっと、えーっと……！トモミおねーさんのパパとママも、トモミおねーさんと同じ気持ちのはず……。 （トモミ）そんなことないっ！ （仁奈）！ ぅ……、……ぅぅ〜……。 （トモミ）あっ……。……ご、ごめん……。 （トモミ）あんただって……そりゃ、仕事なんて、イヤよね。せっかくのクリスマスなのに……。 （仁奈）仁奈も……仁奈も。ほんとは……パパとママと、クリスマスやお正月、してーでごぜーます。 （仁奈）けど……おうちに帰っても。誰もいやがらねーですし。それに……。 （仁奈）仁奈には、プロデューサーや、おねーさんたちがいてくれるです。 （仁奈）みんなだってきっと、じぶんのパパやママとクリスマスしてーって思ってるですよ。ですけど……仁奈と一緒に、お仕事してくれやがります。 （仁奈）だから仁奈は、このお仕事をめーいっぱい楽しむですよ！そんで、パパとママに楽しかったって教えてあげるです！ （トモミ）あんた……。 （仁奈）だから、仁奈、最後までお仕事がんばるです。お仕事をぽいってするのは、よくねーですよ。いい子にしてなきゃ、サンタさん来てくれねーでやがりますから！ （トモミ）…………。 （トモミ）……あたしも、戻るわ。 （仁奈）ほんとでやがりますか！？ （トモミ）……うん。自分より小さい子にそんなに言われたら……ワガママ言えないし。それに……。 （トモミ）サンタさんのプレゼント、欲しいもんね。 （芳乃）……。 （プロデューサー）≪……。≫ （芳乃）ふふー。お声がけしようと思いましたが……とどまって、正解でしたー。 （芳乃）……仁奈さん、なにやらとても、大きくなったように感じますねー。そうは思いませんか、そなたー？ （プロデューサー）≪嬉しいような≫ （プロデューサー）≪さびしいような……≫ （芳乃）……そなたー？目頭を押さえて、どうしたのですー。ふふふ……。 （芳乃）わたくしたちも、早く戻らねば、でしてー。あんこーるに、遅れてしまいますからねー。 |
その仁奈は過去のストーリーコミュなどでも見られたような、自分と同じように両親もまた寂しい気持ちを抱いているのを理解することで寂しさを紛らわすという立ち回り方から一歩先へ進み、自分の意思で積極的にクリスマス（の仕事）楽しむというスタンスに変化している。確かに当初クリスマスの仕事を求めたのは寂しさを紛らすためのわがままであったかもしれないが、プロデューサーやアイドルのお姉さんたちと一緒にがんばっていくうちに、クリスマスのイベントは寂しさを紛らす代償行為ではなく心からみんなと一緒に楽しみたい、みんなを楽しませたいという純粋な欲求に代わっていった。その胸中の変遷は前話でファンに手紙を書く案を自分から積極的に打ち出した点からも明らかであり、「子供のわがまま」から「アイドルとしての願い」に仁奈の気持ちが昇華されたことの証明でもある。もちろん完全に吹っ切れたわけではなく未練のようなものもまだ残したままであり、それが「いい子にしてないとサンタが来ない」という言葉に表れてはいるが、仁奈の年齢を考えればここまでの境地に自分で辿り着けただけでも素晴らしいことであるのは疑いない。そこに至るまでには辛い想いも幾度となく経験したであろう、それでもアイドルとしての意思を毅然と示す仁奈の姿に目頭を熱くしたのは、きっと劇中のプロデューサーだけではないと信じる次第である。
第4話「Lovely love carrier」
| あらすじ |
| クリスマスパーティーが開催される女子寮に行くと、仁奈は自分をプレゼントにして、Pに感謝を贈った。パーティーから数日後、仁奈は父親から、年末年始は一緒に過ごせると言われる。だが、大晦日はLIVEがあるから一緒にいられない。だから見に来てほしい。そして正月は一緒に遊ぼうと、約束をするのだった。 |
| セリフ |
| イベント終了後―― （雫）プロデューサーさんー。お疲れさまでしたー。 （プロデューサー）≪お疲れさま≫ （藍子）プロデューサーさん、この後は……？ （プロデューサー）≪事務所で、今日の報告書を……≫ （藍子）えっ？お仕事なんですか？ （藍子）報告書って……明日じゃダメなものなんですか？ （プロデューサー）≪そうでもないけど……≫ （雫）そうですかー。それじゃあ…… （雫）プロデューサーさんを、パーティーに連行しちゃいますー。早苗さんに教わった捕縛術で……タイホですー♪ （雫）ほらほら藍子ちゃんー。プロデューサーさんの右側が、お留守ですよー。これじゃ逃げられちゃいますー。 （藍子）は、はいっ。た……タイホ、です♪ （藍子）あ、でも……手錠とかはありませんから……任意同行？っていうのですけれど。 （藍子）わぁっ、雪ですね♪綺麗……。 （雫）都会の雪は、ちょっと水っぽいですねー。岩手に比べて、あったかいからでしょうかー。 （藍子）天気予報、見てなかったけど……積もるかな？積もったら、子どもたちが喜びそう……♪ （雫）でも……たくさん積もると雪かきが、大変ですー。牛舎の屋根が、落ちちゃうかもですしー……。 （雫）ふふっ、ごめんなさい。ちょっとロマンティックが足りてなかったかも……ですねー。 （藍子）雫ちゃん……雫ちゃんのおうちは、とっても雪が身近だったんですね。 （雫）そうですねー。雪かき、冬になるとたくさんしてましたー。 （雫）でも、大変なことばっかりじゃなくて。みんなで雪合戦したりとか、かまくらを作ったりとか、楽しんでましたよー。 （藍子）そうだったんですね。ふふっ、よかった♪ （雫）はいー。せっかくのホワイトクリスマスですからー。スノーでラブ、なパーティーにしましょうねー。 女子寮 （藍子）お邪魔しまーす♪ （雫）ただいまですー。 （唯）おかえんなさーい♪ （芳乃）おかえりなさいませー。 （唯）寮のみんな、お仕事だったり、お買い物に行ったりしてるっぽいけど。たぶん、すぐ戻ってくるよー。 （芳乃）さ、そなたー。おあがりなさいませー。 （プロデューサー）≪お邪魔します≫ リビングの真ん中に、大きなプレゼント箱がある…… （芳乃）こちらは、わたくしたちが用意したそなたへのぷれぜんとでしてー。 （雫）わぁー♪中身はなんでしょうー？ （唯）それじゃあプロデューサーちゃん、ヒモのそっち側もってー！せーので開けよー♪せーのっ！ （仁奈）めりー・くりすまーーーすっ！！ （仁奈）でやがります！へへーっ、びっくりしたですかプロデューサー！？ （プロデューサー）≪びっくりしたよ≫ （仁奈）プロデューサーは、仁奈にみんなと一緒の、すげーたのしークリスマスをくれたですよ！だから今度は、仁奈とみんながお返しするでやがります！ （プロデューサー）≪ありがとう。でも……≫ （プロデューサー）仁奈が楽しもうとしたから、楽しめてるんだよ。 （仁奈）？ どういう意味でやがりますか？ （芳乃）何事も、気の持ちよう……ということでしてー。仁奈さんの小さき身に、大きくしなやかな心が備わりつつある証でしょうー。 （仁奈）うーん、よくわかんねーです！ムズカしー話は抜きにして、ジュースでカンパイするですよ！ （藍子）ふふっ。それじゃあ、いまコップを…… （玄関からの声）「「「ただいまー！」」」 （唯）あっ！寮のみんな、帰ってきたっぽいー！ （芳乃）ではでは……ここからはみなで、ぱーてぃーですねー。 （雫・仁奈・藍子）メリー・クリスマスー♪ そして、その日の深夜 （仁奈）むにゃむにゃ…………もっと遊ぶです、プロデューサー……♪ ………… …… （サンタクロース？）……ふぅ♪なんとか、間に合ったみたいですねー。良い子への、プレゼント……♪ 数日後 （仁奈の父親）仁奈！ （仁奈）えっ……パパ！？パパだー！？どーしたでやがります！？まだ帰ってこれねーんじゃ……！ （仁奈の父親）それが……仕事が予定より、だいぶ早く終わって。運よく、飛行機の空席もあって……年末年始は、日本で過ごせることになったんだ。 （仁奈）ほんとでやがりますか！やったー！ （藍子）ふふっ。良かったね、仁奈ちゃん♪ （仁奈）うん！……でも…… （仁奈）パパ。ごめんなせーです！仁奈……おーみそかは、パパといられねーです！ （仁奈の父親）そうなのかい……？ （仁奈）うん。だって仁奈は……みんなとカウントダウンLIVEをするですよ！そのために、レッスンもしてますし！ （仁奈）だからパパ！パパも仁奈たちを、見に来てくだせー！それで、お正月は仁奈と一緒に遊ぶですよ！やくそくです！ （仁奈の父親）……うん、そうだな。約束だ……！ |
そして今話は仁奈にとってのエピローグであると同時に、雫の物語のプロローグ的要素を湛えた話でもある。生まれ育った環境故にクリスマスや冬の雪と言ったものに対しても世間一般の印象より現実的な見方をしてしまう、そこに優劣の差はないもののどうしてもギャップを拭いきれない雫は今回の一件を経て何を思うのだろうか。
第5話「Warming snow」
| あらすじ |
| ファンレターの返事を書いている芳乃のもとに、雫と唯がやってくる。さまざまな悩みに答える芳乃は、雫にも何か悩みがあるかと尋ねた。その日の夜、Pから声をかけられた雫は、考えごとをしていたと話す。牧場はかけがえのない場所だが、アイドルになって味わう気持ちもまた特別なのだと。 |
| セリフ |
| クリスマス翌日 （芳乃）さらさら……さらさらさら……。 （雫）お疲れさまですー。 （唯）あれっ？よしのん、なに書いてるのー？ （雫）お手紙……ですかー？ （芳乃）でしてー。こちらは、いただいた『ふぁんれたあ』へのお返事ですー。 （唯）すごい、ファンレターいっぱーい！よしのん大人気じゃーん！ （芳乃）みなさま、『ふぁんれたあ』とともに、わたくしにお悩みを届けてくださるのですー。悩める方々をお導きすることは、わたくしの役割でしてー。 （雫）なるほどー。芳乃ちゃんが書いてるファンレターのお返事って、お悩みのお答えでもあるんですねー。 （芳乃）はいー。この季節……くりすます前から、ばれんたいんにかけては、恋のお悩みをよく頂戴いたしますねー。 （芳乃）わたくしもー、色恋の沙汰にはまだまだ疎い、未熟者なのですがー。 （唯）そーなんだ、たいへんだー。じゃあじゃあ、ゆいがお手伝いしたげる！一緒にラブなお返事、考えよ！ （芳乃）おおー。それは、大変に心強くー。唯さんと力を合わせれば、鬼に金棒ですー。 （唯）よーっしっ、ゆいとよしのんの恋のお悩み解決コンビ、『飴玉おせんべい号』！発進〜♪ （芳乃）ぶろろーん。ぶろろーん。 （雫）わぁー。すごそうですねー。 （唯）あはっ☆雫ちゃんも一緒にカナボーしちゃう？ （雫）んー……すみませんー。私、恋のお悩みは、あまり力になれなさそうでー。逆子の牛さんの取り上げだったら、力になれるんですけどー。 （芳乃）ふむー。では、雫さんも……何かお悩みなどありましてー？ （雫）えっ？いえいえ、そんなことないですよー。 （雫）えーっと……ふたりがお返事を考える助けになるようにー。あまーいカフェオレ、いれますねー。 （唯）わーい☆ミルク多めでおねがーい♪ その日の夜 （雫）……ふぅ。 （プロデューサー）≪お疲れさま≫ （雫）あっ。プロデューサーさんー。お疲れさまですー。 （プロデューサー）≪……どうかしたの？≫ （雫）えっ？えーっと…… （雫）ふふっ。プロデューサーさんは、私の考えごとに気づくの、上手ですねー。芳乃ちゃんにも、ちょっと気づかれちゃってたみたいですけどー。 （雫）あ、悩みってほどのことじゃ、ぜんぜんないんですよー？ただ……なんといいますかー。 （雫）昨日のパーティーや、イベントを思い出して。牛さんみたいに、反芻してたんですー。普通のクリスマスって、こういうものなんだなーって。 （プロデューサー）≪普通だったかな……≫ （雫）ふふっ。そうですねー。普通じゃなく、楽しかったと思いますー。 （雫）おかげで……クリスマスを、みんなが楽しみにする理由も。なんとなくですけど、わかった気がしたり……。 （雫）……あのですねー、プロデューサーさんー。おいかわ牧場は、私にとってかけがえのない場所です。生まれ育った、温かくて、大切な。 （雫）でも……東京に来て、アイドルになって。色んなお仕事を経験させてもらって。牧場では味わえない、楽しいことも、それ以外のことも…… （雫）もっともっと、知りたいなって思うようになってるんですー。何度でも、ゆっくり反芻して、幸せな気持ちになれるような。特別な気持ちを……。 （雫）たとえば……こんなふうに。誰かと、ロマンティックな気持ちで雪を眺めたりとか。……これが、スノーでラブな気持ち……？ （雫）……なんてー。ふふっ。私だと、スローなラブって感じかも、しれませんねー。 （雫）プロデューサーさんが、話を聞いてくれたおかげで……なんだか、自分の中でも整理が出来た気がしますー。明日のレッスンも、がんばりますねー。 （振り付け師）みなさん。レッスンの用意は良いですか？ （仁奈）はーいっ！ （芳乃）締めくくりのかうんとだうんLIVEまで、あと少し……。 （藍子）とっても楽しかった今年も、もうすぐ終わっちゃいますけど……。 （唯）最後までラブたっぷりで、楽しんでこーね♪ （雫・仁奈・芳乃・藍子）おーっ！ |
今回の雫の物語は悩みではなく内省と決意の物語であったと言え、そう考えると細かな差異はあるものの同じように世間一般とは隔たった場所で生まれ育った芳乃と絡む場面が多かったのも頷ける。似通った環境で育ちながら人の内面に触れる機会が多かった故に、多様な価値観を受け止める素養が既に出来上がっていた芳乃と出来上がっていない雫、この2人の対比があったからこそ雫の決意がより確固たるものとして一際の精彩を放つのである。ミラーボール・ラブイベントではアイドルとして魅せることについて悩んだために雫とは離れた立ち位置のゲストキャラクターがキーとなったが、今回は普段から雫に近しい存在の仲間たちがキーキャラクターとなっているというのは、雫の物語を語る上での妙味と言えるだろう。もちろん雫が相談という形で自分の気持ちを口にしたからこそきちんと気持ちを整理できたという点で、プロデューサーの存在がまた大であったことも忘れてはなるまい。
雫が決心する最後の一押しとなったのが「プロデューサーと2人きりで夜の雪を眺める」シチュエーションというのも、雫のセリフを考えるとなかなかに意味深長だが、雫の中におけるプロデューサーという存在の立ち位置に変化をつける兆しとなるのだろうか。
エンディング「New year,Love year」
| あらすじ |
| 年末に向けて女子寮の大掃除をする雫たち。手伝いをする仁奈は、みんなにお礼がしたいと話す。それなら、アイドルだからこそできることをしよう。大晦日も、来年も、その先も。楽しくて、特別な気持ちになれる時間を、彼女たちは届けていく。いっぱいのラブを伝える、アイドルとして。 |
| セリフ |
| 女子寮 （芳乃）ごしごしー。ぱたぱたー。きゅっきゅっきゅー。 （仁奈）わぁー！窓がぴっかぴかだー！芳乃おねーさん、お掃除がすげーうめーです！ （芳乃）ふふー。お任せあれですよー。 （芳乃）祓い清めるは、拝み屋の役割……澱んだ気や穢れは、部屋の汚れに呼び寄せられますー。ですので、拝み屋にとって、掃除は基本中の基本なのでしてー。 （仁奈）えーっと……？ （雫）そうですねー。牛舎もいつも、綺麗にしておきたいですー。牛さんが、病気になっちゃいますからねー。 （雫）よいしょっとー。ソファの位置、元に戻しておきましたよー。 （仁奈）わぁー！雫おねーさん、すげーパワーでやがります！ （藍子）こんにちはー。 （唯）ハロー☆ （芳乃）おふたりとも、いらっしゃいませー。 （藍子）事務所に行く前に、寄ってみたんですけど……大掃除中だったんですね。何かお手伝いします？ （雫）いえいえー。大丈夫ですよー。この通り、もーすっかり片付きましたー。 （唯）ってゆーか、みんなこまめにおそーじしてるから、寮っていつもキレーだよね。 （芳乃）寮のほうの大掃除は、これにておしまい……仁奈さんー。手伝ってくださり、ありがとうございましたー。 （仁奈）どーいたしまして！ほんとはもっと、みんなにおれーがしてーですけど……。 （雫）お礼、ですかー？ （仁奈）おねーさんたちや、プロデューサーのおかげで、仁奈はすげー楽しいクリスマスが出来たです。だから、そのおれーがしてーんです！ （藍子）仁奈ちゃん……。 （藍子）私たちも、プロデューサーさんも。仁奈ちゃんがクリスマスを楽しんでくれたなら、きっとそれで満足だよ。 （藍子）でもね……お礼をするなら、アイドルだからこそ出来ること。ファンのみんなに、プロデューサーさんに、ステージで、いっぱいのラブを届けましょうね。 （仁奈）はいっ！ （唯）プロデューサーちゃん、おはーっ！ （藍子・雫・芳乃）おはようございますー。 （プロデューサー）≪おはよう！≫ （仁奈）おはよーごぜーます、プロデューサー！ （プロデューサー）≪みんな、大みそかは宜しくね≫ （雫）はい♪事務所のみんなと、力いっぱい……今年の締めくくりを盛り上げちゃいますー。 （唯）うん☆でもでも、大みそかだけじゃなくて！ （唯）来年もゆいたちと、いっぱいラブラブしよーね☆プロデューサーちゃん！ （芳乃）らぶらぶ、でしてー。 （藍子）来年も、その先も……みんなで、良い年にしていきましょうね……♪ （仁奈）よろしくおねげーします！プロデューサー！ |
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