及川雫データベース - Flip Flop

概要

2016年11月19日から27日にかけてデレステ内で開催されたイベントであり、通例に従って新規追加された楽曲「Flip Flop」がそのままイベント名になっている。通常楽曲をプレイすることで手に入る限定アイテム(今回は「パタパタイコ」)を消費することでイベント楽曲をプレイしptを稼いでいく、所謂「アタポン形式」のイベントである。
本曲は元々アニメ(デレアニ)BD9巻の特典CDに収録されていた歌であり、そちらでは藍子と茜の2人で歌うデュエット曲であったが今回のイベント版ではさらに歌鈴と珠美、そして雫の3人が加わった5人編成での歌唱となった。雫にとってはCVが実装以後初めて参加・歌唱することとなった記念すべき楽曲である(さらに言えば歌鈴も)。今更言うまでもなく歌が重要な要素を占めるアイマスシリーズにおいて、CV実装から1年半以上も楽曲に参加してこなかった雫が初めて「持ち歌」を得たという事実がどれほど大きなことであるか、それについて多言を費やす必要はないだろう。惜しむらくは達成pt報酬にもランキング報酬にも選ばれなかった点だが、初参加の雫には少々荷が勝ちすぎたということか。後にSTARLIGHT MASTER 10「Jet to the Future」のカップリング曲としてフルバージョンがCD収録されており、ゲームバージョンとはパートが異なるもののどちらでも共通して聞くことのできる雫ののびやかな歌声には多くの雫Pが感じ入ったに違いない。
イベントコミュは「とある田舎の村のPVを撮影する」という内容になっており、曲のMVにも木々や草原といった豊かな自然がふんだんに盛り込まれているのが印象的(ちなみにMVに屋外が登場するのは本曲が初)。雫としてもデレステで多人数のアイドルと関わるコミュに登場するのは今回が初めてであり、メンバー内の立ち位置としては若干控え目な立場であったものの要所要所、特にオープニングとエンディングでは一際の光芒を放つが如き存在感を発揮、メインを張った2話や珠美の相手をする中でその内面を窺わせる4話などで、これまで主にデレマスの方で断片的に語られてきた雫の個性が遺憾なく発揮されることとなった。
初の「持ち歌」取得、そして雫の個性をより明確にしメイン媒体たるゲームの中でそれを描いたという点も含めて、本イベントは及川雫というアイドルの軌跡において大きな転換点となったイベントとして記憶されるべきものであろう。

イベント限定SR

[Flip Flop]日野茜

特訓前特訓後

[Flip Flop]脇山珠美

特訓前特訓後
茜はランキング報酬で珠美は達成pt報酬。雫は特訓前後とも珠美の方で登場しており、特訓前は第4話における焼き芋作りの場面としても使用されている。服装はコロッセオクイーン特訓前の衣服をアレンジしたデレステでの立ち絵に準拠しており、「ナイフは左手で使う」設定は本イラストが初出。特訓後で披露している独自のステージ衣装は後に発表される雫のイメージカラーとは若干異なるカラーリング(雫のイメージカラーは「白」)だが、パッションアイドルらしい配色に仕上がっている。惜しむらくは非常にアイドルらしい良質なデザインのこの衣装がドレスショップでの販売対象になっていない点だろうか。
珠美のイラストに登場しているので当然セリフは珠美のみなのだが、特訓前後とも雫のスタイルに言及しているというのがいかにも珠美らしい。イベントコミュではこの構えで珠美流の焼き方を実践している時に特訓前イラストが使用されているが、セリフの方では既に雫に火を通してもらった芋を使っていると話しており、若干シチュエーションが異なっている。

セリフ集

オープニング「Woh yeah!Slapstick!」

あらすじ
茜、珠美、藍子、雫、歌鈴がやってきたのは、紅葉が美しい村落。今回のお仕事は、秋祭りのステージで『Flip Flop』を歌うことと、村のPVに出演することだ。村の景色を見て、お仕事が一層楽しみになる5人。そんな5人を見て、PV制作に消極的だった実行委員もやる気に。みんなの心がひとつになった。
セリフ
山道
(茜)うおおおおおーーーーっ!山だっ!山だっ!山がっ!燃えているっ!うーーーっ、ボンバーーーーーー!
(珠美)ここは山、目的地は神社……。まさか、焼き討ちっ!?敵はどこにっ!?この珠美が成敗してくれましょうっ!
(歌鈴)茜ちゃんも珠美ちゃんも、怖いことを言わないでくだひゃいっ!あう……また噛んじゃった。あ、もっ、燃えるような紅葉、ってことですよねっ?雫ちゃん?
(雫)そうですねー、歌鈴ちゃん。辺り一面が真っ赤に色づいて、素敵な景色ですねー。実りの秋でもありますし、私、秋が大好きですー。
(藍子)この辺りは空気も美味しいですね。ちょっと都会から離れただけで、こんなにも違うなんて!お世話になるところも、きっと素敵でしょうね。
(茜)本当ですか藍子ちゃん!それは楽しみですねっ!早くたどりつきたいっ!よーーーーしっ!全力〜〜〜〜、ダーーーーーッシュ!
(珠美)あっ、あっ、珠美もお供しますぞ、茜殿ーっ!
 
合宿所
(珠美)ぷしゅ〜〜〜〜〜……。
(茜)ふぉ〜……良い建物ですねっ!何と言うんでしょうか……古いっ!良い意味でっ!ほらっ!見て下さい、珠美ちゃん!お庭が広いですっ!
(珠美)あ、茜殿の体力は、どうなってるんですか……?珠美は少し休憩させていただきます……ふぅ〜。
(藍子)それで、プロデューサーさん。今回のお仕事は秋祭りのゲスト、でしたっけ?
(プロデューサー)詳しくは実行委員の方から説明してもらいます。
(実行委員)いやー、アイドルのみなさん。こんなへんぴな村まで、お越しいただきありがとうございます!
(雫)いえいえ、へんぴ、だなんてー。のんびりしていて、素敵な所ですー!
(実行委員)そう言ってもらえると、お世辞でも嬉しいですね。私、役場の土井中と申します。
(土井中)何も無い所ですが、合宿するにはうってつけですので!どうぞ、のんびり過ごしていただければと。
(歌鈴)お、お世話になりますっ!私たちも、お祭りを盛り上げられるように、精いっぱい歌わしてもらいますっ!
(藍子)歌う曲は『Flip Flop』ですねっ。今回は5人の力を合わせて、ハッピーなステージにしましょうね。
(土井中)今回は、秋祭りでのLIVEと合わせて、プロモーション映像の撮影にも協力いただきたく……。
(珠美)プロモーション映像……。それはこの村のPVということでしょうか?
(土井中)はい。秋祭りはいくつかの自治体合同で開催します。ステージで、それぞれ秋をアピールするPVを流すことになっていまして……。
(茜)なるほどっ!私たちが、この村の秋をアピールするわけですねっ!
(土井中)アピールと言っても、この村の名産は「いも」くらいなので。おいもを持って、何かコメント頂くだけで大丈夫です!
(藍子)おいもを持って、コメント……。それだけ、ですか?
(土井中)ええ。毎年同じような内容ですから。今回はアイドルの皆さんが映っているだけで、最高のアピールになりますよ!
(雫)うーん……。本当に良いところって、そこだけなんでしょうかー?
(茜)……ううむ。
(珠美)茜殿?
(茜)ダーーーーーメーーーーーですっ!それではダメですっ!そこに、燃える心はありませんっ!私たちが燃えていなければ、見る人も燃えませんっ!
(歌鈴)わ、私も、そう思いますっ。私たちが映ってるだけでいい、なんて。それじゃあ、この村のPVじゃなくなっちゃいますしっ!
(土井中)とは言っても、本当にそれ以外……。
(珠美)無いならば、見つけてみせよう、良いところっ!良いところ探し、珠美はいくらでもお手伝いしますっ!
(雫)わぁー、それ、楽しそうですねー!知られていない名産や絶景が、どこかに待っているかもしれませんよー。
(土井中)ありがたい申し出なのですが……。その、色々と大丈夫ですか?
(藍子)あ……そうですよねっ。プロデューサーさん。すいません。私たち、勝手にお話を進めてしまって……。
(プロデューサー)思ったようにやってみよう。
(藍子)……ありがとうございますっ!LIVEに向けての練習と、村の秋のPV撮影。ふふっ、楽しい合宿になりそうですねっ。
(土井中)では、よろしくお願いします!みなさんを見ていると、私もやる気がわいてくるようで……。お手伝いできることがあれば、何でも言ってください!
(雫・藍子・茜)よろしくお願いしますっ!
        よろしくお願いしますっ!
        よろしくお願いしますっ!
(珠美・歌鈴)よろしくお願いしますっ!
       よろしくお願いしますっ!
 
(雫)そういえば……今回はPV撮影だから……。監督になる人がいるんじゃないでしょうかー?
(茜)かっ、監督!練習方針や作戦を決める重要な役目ですねっ!
(歌鈴)あ、茜ちゃん、そっちの監督じゃなくて……。ビデオとかカメラとか得意な人がいいんでしょうかっ?だったら……藍子ちゃんとか?
(藍子)私?えぇと、みんなが良ければ、やってみようかなっ?簡単なカメラくらいしか使ったことないですけど。
(茜)私は大賛成ですっ!藍子ちゃんが私たちを導いてくれるならば、ハッピーな映像になること間違いなしですっ!
(珠美)はいっ!藍子殿の優しくゆるふわな雰囲気、ぴったりだと思いますっ!
(雫)はいー、みんなでお手伝いしましょうー!
(歌鈴)私もご迷惑をかけないように頑張りましゅっ!うう……。
(茜)では、藍子監督っ!掛け声をっ!
(藍子)はいっ!みんなで秋を目いっぱい楽しんで、見てる人も楽しくなっちゃうような、そんなPVを作りましょうねっ。頑張るぞーっ!
(雫・茜)おーーっ!
     おーーっ!
(珠美・歌鈴)おーーっ!
       おーーっ!
デレステにおいて雫が他アイドルと絡むコミュとしては本コミュが初となる。パッションを体現した存在とも言うべき茜が参加しているだけに、一見して非常ににぎやか(騒がしい?)なやり取りが強烈な印象を与えるが、最初の5人のセリフだけでそれぞれの性格や個性を端的に表現するテキストの絶妙さは見事というところであろう。村の実行委員の苗字が「土井中」といかにもな名称になっているのは、オープニングに限らず「Flip Frop」のコミュ全体が終始明るいコメディタッチで描かれることの象徴と言えようか。
実行委員の提唱する消極的な村の「魅力」に最初に疑義を唱えたのが雫であったのは、彼女もまた同様に岩手の牧場という田舎の出身であるからというばかりでなく、普段からその「田舎」をこよなく愛しているからこそのものだったのだろう。一連の展開は雫のこの一言から始まったと言って良く、今回の話を牽引するきっかけを生み出した功労者とも言える。あくまできっかけであって実際に牽引したのは別人(茜)というのもこの当時の雫らしくて良いのだが、積極性を学んだ近年の雫であればまた違った立ち回りを見せてくれたのかも、と想像してみるのも楽しいだろう。

第1話「レッツ・モミジ・ハンティング」

あらすじ
秋といえば、紅葉。茜、歌鈴、藍子の3人は、寺の庭掃除をしていた。手際のよさを茜にほめられた歌鈴は、実家が神社で、掃き掃除が日課だったからと明かす。そんな最中、歌鈴は転び、落ち葉にダイブ!その様子を見た茜と藍子は、落ち葉のベッドをPVに取り入れることにした。歌鈴のドジが名案となった。
セリフ
合宿所の庭
(藍子)歌鈴ちゃんは、秋と言ったら何を思い浮かべます?
(歌鈴)そうですね〜、私はやっぱり紅葉の秋ですっ!真っ赤に色づいた紅葉なんかは、神社でもよく見る景色ですし。
(茜)秋は紅葉狩りが楽しいって言いますからねっ!でも、動かない紅葉を狩るというのは……面白いんですかねっ?
(茜)もっとこう、猪狩りとかのほうが……。
(藍子)ふふっ、茜ちゃん。紅葉狩りっていうのは、紅葉を見て楽しむことを言うんですよ。
(歌鈴)あっ、でも、あながち間違いじゃないかもしれませんっ。私、秋のお掃除が好きで。いっぱい紅葉を集めると達成感がありますからっ!
(藍子)たしかに、そうかも。こんなに積もった落ち葉を集めるのは、なんだか楽しそうっ。
(歌鈴)はいっ!これから、お庭のお掃除だからちょうど良いですね。ほうきを使ったお掃除なんて久しぶりだから、ワクワクしちゃいますっ!
(茜)では私もお手伝いしましょうっ!歌鈴ちゃん、ほうきをっ!
(歌鈴)は、はいっ。
(茜)落ち葉は私が狩りつくしますっ!うぉぉぉぉっ!ばさばさばさばさばさばさーーーっ!
(藍子)あ、茜ちゃん、そんなにしたら余計に散らかっちゃいますよ〜。
(歌鈴)それに、あんまり強くすると、土までとれちゃいますからっ!こうやって……さっさ、さっさ、ってなでるみたいに、優しくするといいんですよっ。
(茜)おー……おおー!みるみる落ち葉が集まっていきますっ!なんという技術っ!これが大和撫子のパワー!
(歌鈴)そ、そんなことは……えへへ。実家にいたころは、私が掃き掃除の係だったから、慣れてるだけかもっ。
(藍子)歌鈴ちゃんのご実家は神社なんですもんね。
(歌鈴)はいっ。秋になると紅葉が綺麗な場所なんですよっ。それが目当てに参拝にいらっしゃる方も多くって。
(歌鈴)……そうだ。せっかくだから紅葉もPVに入れちゃいませんかっ?赤く染まった木々を見てるだけで、秋って感じ、しますからっ!
(茜)都会にいては見られない風景ですからねっ!でも、こんなに綺麗な自然に囲まれているのに、村の人は気づいていないんでしょうか?
(藍子)うーん……。住んでる人たちにとってはありふれた光景だから、かなぁ?あえて映すほどの事でもないって思っちゃうのかも。
(歌鈴)それに秋で紅葉、なんて誰でも思いつきますよね……。ううっ、す、すいませんっ。大したアイディアじゃなくてっ!
(藍子)歌鈴ちゃん、そんなことないよ。きれいな物を見つけられるのは、心がきれいな証だから。
(歌鈴)あ、藍子ちゃん……っ!ありがとうございますぅぅ〜。よし、お掃除係としても貢献できるように、精いっぱい頑張ります!えいっ!えいえいっ!
(茜)あっ、そんなに急いで掃除をしたら……。
(歌鈴)ふえっ?……ひゃっ、ひゃぁぁっ!
 
(歌鈴)あうっ……こけちゃいました〜。掃除さえも満足にできないなんて……。ううう〜っ。ドジでノロマな歌鈴のバカ〜。
(茜)歌鈴ちゃん、ケガはないですかっ!?
(歌鈴)は、はいっ。落ち葉がクッションになってくれて……。
(藍子)落ち葉……。……私、良い事思いつきましたっ!
(歌鈴)えっ?
 
(プロデューサー)調子はどう?
(藍子)あっ、プロデューサーさん、良いところに。ささっ、こっち、こっちですよっ!
(茜)日野茜っ!お先に失礼しまーーすっ!ダーーーイブっ!ばさばさーーーっ!
(プロデューサー)これは?
(藍子)落ち葉のベッドですっ!ただ紅葉を撮るだけじゃなくって、ここにみんなが寝転んでたら楽しいだろうなって♪
(歌鈴)私のドジも、たまにはお役に立てたでしょうかっ!せっかくだから、みんなで寝てみましょうっ!……よかったら、プロデューサーさんもご一緒にっ。えへへっ♪
 
こうして、アイドルたちが落ち葉のベッドで、気持ちよさそうに眠る映像が撮影されたのだった……

第2話「白い秋の恵み」

あらすじ
秋といえば、牛乳。雫は、珠美と藍子に、近くの牧場で搾った新鮮な牛乳を振る舞う。実家が牧場の雫は、牛乳を飲みながら、藍子や珠美に牛を取り巻く環境や酪農家の現実を話す。それを聞いて心を動かされた珠美と藍子は、雫と牧場へ撮影に向かう。こうして、雫の思いやりがPVに収められたのだった。
セリフ
合宿所
(雫)秋と言ったらですが、私にとってはやっぱり、牛乳の秋ですーっ!
(珠美)ほう。牛乳、ですか?珠美は一年中、毎朝おいしく飲んでますよ!
(雫)珠美ちゃん、素晴らしいですー!これからも、いーっぱい牛乳を飲んでくださいねー。
(珠美)はいっ!毎朝の牛乳で、いつか珠美も雫殿のように……。
(雫)私みたいにー?
(珠美)……はっ!あ、いえいえ!なんでもありませんよ!はははは!
(藍子)ふふふっ。秋は旬の食べ物が多いですけど、牛乳も秋が美味しくなるのかな?
(雫)そうですねー!秋は涼しくなって、過ごしやすいですよね。それから食べ物も美味しい季節ですー。
(雫)牛さんが元気に美味しいご飯をいっぱい食べる時期だから、冬に向けて、牛乳も美味しくなるんですよー!
(藍子)そうなんですねー。秋は、みんなが幸せになる季節ですね。牛さんも、美味しい牛乳をもらう私たちも!
(珠美)さすが雫殿……。おいかわ牧場の娘の名は伊達じゃないですね!牛乳のことにかけては右に出るものはいないほど!
(雫)ありがとうございますー♪というわけで、今日は近くの酪農家さんからわけていただいた、新鮮な牛乳を用意してもらっちゃいました!どうぞー。
(珠美)おお、これはこれは!では、ありがたく、いただきまーすっ!んっんっんっ……。
(雫)んぐっ、んぐっんぐっ……ぷはぁー。コクと甘味が豊かで、とっても美味しいですねー!
(藍子)うん、本当に美味しい!やっぱり、土地によっても牛乳の味は違うものなんですか?
(雫)はいー。土地だけじゃなく、気候やお水、食べ物、過ごし方……。いろんな要素で変わってきますねー。一番大切なのは、牛さんが健康で快適に過ごせるかどうか、でしょうかー。
(珠美)……健全な精神は、健全な肉体に。美味しい牛乳は、健康な牛さんから、というわけですね!なるほど!
(雫)ええー。きっと、この牛乳を作ってくれた牛さんはとっても大切にされているんだろうなって思いますー。
(雫)牛さんは、住む場所や生き方は選べませんよね。だからこそ、牛さんにおいしい牛乳を作ってもらえるように、元気にのびのびしていてもらいたいって思うんですー。
(藍子)雫ちゃん、とっても優しいんですねっ。牛さんのことをそんなに考えて……。
(雫)いえいえー。……牛さんの理想の環境のためには、お金がいっぱいかかります。時には、現実的にならないといけないことだって……。
(雫)だから、設備とかお商売とか、いろいろなところで工夫して、素敵な牧場にしようと頑張っている生産者さんのことは、応援してあげたいと思うんですー。
(珠美)ほぁー……雫殿は立派です!心が大きい!珠美も微力ながら、たくさん飲んで応援しますっ!
(藍子)……私も応援しますっ。それに、せっかくだから、その牧場に行ってみませんか?こんなに美味しい牛乳を頂いたお礼も兼ねて!
(雫)監督、いいんですかー?行きましょう、行きましょうー!牧場で牛さんと一緒にPV撮影ですねー!とーっても楽しみですー!うふふ♪
 
こうして、アイドルたちが、牛とふれあう映像がPVに追加された……
「秋と言えば牛乳」というあらすじの強引な書きっぷりはさておき、コミュ中の主たるガジェットが牛乳ということで雫がメインとなっているコミュであり、当然デレステとしては初(アイドルコミュを除く)。だからかどうかは不明だが雫と絡む藍子・珠美どちらとも雫と同じ16歳、つまり同年齢トリオでのやり取りが展開されている。
牛乳を勧めてくる雫が相変わらずであったり同い年でありながら違い過ぎる雫のスタイルに羨望する珠美の様子など面白おかしい場面も出てくるが、牛乳や牛についての知識を披露するだけでなく、酪農を営む上でのシビアな現実を踏まえながらもなお牛を大切に想い、同様の想いを抱きながら牛を飼育しているであろう酪農家への気遣いを見せたりと、これまで直接的に触れられては来なかった「牛」、そして「酪農」そのものに対する雫の真摯さが初めて明確に描かれたコミュともなった。穏やかでのんびりした性格だけでない、雫の内なる「強さ」を前面に押し出した本コミュは、多くの雫Pが見たかった・待ち望んでいたものではなかったろうか。牧場の様子をPVに収めようと藍子が思いついたのも、そんな雫の強さと優しさに感じ入ったからなのだろう。あくまで想いを吐露しただけであり牧場撮影を発案したのが雫ではないという点も各々の個性を尊重しており巧い構成である。

第3話「上を向いて転ぼう」

あらすじ
秋といえば、スポーツ。茜の提案で、茜、雫、歌鈴の3人は、スポーツをするため山へ行くことに。どんなレジャーをするのかと思いきや、やるのは特訓(!)走り出す3人だが、歌鈴はさっそく転んでしまう。ドジな自分ではスポーツの秋を楽しめない…と嘆く歌鈴に、茜は優しく手を差し伸べるのだった。
セリフ

(茜)秋と言えばっ!もちろんスポーツの秋ですっ!さあっ、みんなで秋のスポーツレジャーに出かけましょう!
(雫)おーーっ!
(歌鈴)は、はいっ!あれ、でもこの辺りにレジャー施設なんて……。
(茜)何を言ってるんですかっ!見渡す限りの山っ!そして森っ!特訓にはうってつけのロケーションじゃないですかっ!
(歌鈴)えええっ!と、特訓っ?レジャーじゃなかったんですかっ!?
(茜)歌鈴ちゃん……何事も、強くなるのは楽しいことですっ。つまり、特訓もまたレジャー!これぞ、完璧なスポーツ理論ですっ!
(歌鈴)今の完璧ですかっ!?体育会系の人って、すごいっ……!
(雫)うふふ、でも、野山を駆け回るだけでとっても楽しい気分になれちゃいますからー。茜ちゃんと一緒に走ってみましょうっ。
(歌鈴)し、雫ちゃんまで……。でも、あの、私……。
(茜)さあ、みんなで美しい自然を駆けぬけましょうっ!行きますよーーーっ!うおおおおおおっ!
(雫)もおおーーーーーっ。
(歌鈴)お、おおーーー……はうっ!あっあっあっ……きゃあああっ!
(歌鈴)ふぇぇ……やっぱり転んじゃいましたぁ……。
(茜)大丈夫ですかっ!歌鈴ちゃんっ!さあっ、手をとって!
(歌鈴)あ、ありがとうございますっ……。
(茜)さあ!気を取り直してもう一度行きましょうっ!うおおおおおおっ!
(雫)もおおーーーーーっ。
(歌鈴)お、おおお〜〜……はわっ。
(雫)あっ、また……。
(歌鈴)おっとっとっと……!
(茜)踏みとどまって!歌鈴ちゃんっ!
(歌鈴)む〜〜〜……やっぱダメですぅーー!
(歌鈴)ふぇぇ……。やっぱり私、ダメな子……。私には、スポーツの秋を楽しむことなんてできないんです〜!
(雫)歌鈴ちゃん、泣かないで下さいーっ。はいっ、立てますかー?
(歌鈴)あ、ありがとうございます……。でも、あの。私、ここで見守ってますからっ!お2人はスポーツの秋を……。
(茜)何を言っているんですか、歌鈴ちゃんっ!私たちはチームです!全員で一丸となって頑張るんですよっ!
(茜)100回転んだっていいんですっ!でもその代り、101回立ち上がりましょうっ!私も手ならばいくらでも貸しますっ!片手で足りなければ、両手を!
(雫)茜ちゃんの言う通りですー。のんびりしてる牛さんも、群れになると力強く走るんです。きっと私たちも一緒に走れば、強くなれるはずですー!
(歌鈴)茜ちゃん、雫ちゃん……。こんなドジな私を見捨てないでいてくれるんですかっ?親にも友達にもお手上げされたドジの私を……!
(茜・雫)もちろんですっ!
     はいー!
(歌鈴)……うぅ。わ、わかりましたっ。私も……私も2人と一緒に走りたいですっ!
(茜)燃えてきましたね、歌鈴ちゃんっ!さあ、行きましょう!この山の彼方までっ!
(雫)晩ご飯までには帰りましょうね〜。
(歌鈴)はいっ!それでは、歌鈴、行きますっ!うおおおーーーーっ!……あっ。
(茜・雫)あっ。
     あっ。
(歌鈴)はぅ……でも、まだまだーーっ!
(茜)その意気ですよっ!歌鈴ちゃーーーんっ!
 
スポーツの秋、あらため、特訓の秋は遅くまで続いた……
相変わらずパッション全開の茜を前にしてはどうしても控えめにならざるを得ないものの、その茜に同調して一緒に駆け出したり脳筋思考で歌鈴を激励したりと、雫もまたまごうことなきパッション系アイドルであることがよくわかるコミュである。はつらつハーヴェストのセリフで触れられていた「野山を駆け回っていた子供の頃」の感覚を思い出したのかはわからないが、自然に溢れた牧場で育ってきた雫のこと、村の山や森に対しても親和性が高かったであろうことは想像に難くない。
茜や歌鈴は17歳なのでこの3人の中では雫は最年少なのだが、2人の強烈な個性もあってあまり年齢差に縛られないフランクな付き合い方をしているというのが見て取れる。茜のことを「さん」ではなく「ちゃん」付けで呼んでいるのも、そんな良い意味での気安い関係性から生まれたものなのだろう。

第4話「かくも険しき御芋道」

あらすじ
秋といえば、食欲。珠美、雫、歌鈴の3人は、村の名産であるさつまいもで焼き芋をすることに。珠美は格好をつけて焼こうとするが、あえなく失敗。落ち込む珠美を、雫と歌鈴は優しく励ます。仲間の助言を受け、珠美は再度挑戦することに。失敗を超えて、美味しい焼き芋ができたのだった。
セリフ

(珠美)秋と言えば、やっぱり食欲の秋ですっ!腹が減っては戦はできぬ!と、いうわけで、名産のさつまいもを頂いてきましたよっ!
(雫)わーいっ!
(歌鈴)ぱちぱちぱちー!
(珠美)歌鈴殿が集めてくれた落ち葉もあることですし、たき火で焼き芋と参りましょうっ!きっと、季節感のある映像になること間違いなしっ!
(歌鈴)わぁ〜。落ち葉でたき火って、私やったことないですっ。楽しみですっ……けど、危ないから私は少し離れて見てますねっ。
(雫)じゃあ、火起こしからですねーっ。私、準備してきますー。
 
火起こし後
(雫)はーい、火がつきましたよーっ。
(歌鈴)まだまだ落ち葉はありますから、足りなかったら言ってくださいねっ。
(珠美)おおっ!雫殿、流石の手際ですっ。では、さっそくお芋を焼きましょうっ!いざっ!
(雫)あっ、珠美ちゃん、待って下さいー。燃えている所に芋を入れても焦げちゃいます。おき火にしてから焼きましょうー。
(珠美)おき火、とは?
(雫)えっと……灰になって、うっすら火がついている状態、ですかねー。
(歌鈴)雫ちゃん、詳しいんですねっ。
(雫)うふふ、アウトドアは得意なんですよー。さ、珠美ちゃん。焦らずのんびりやりましょうー。
(珠美)むむむ……。
 
数分後
(雫)芋をホイルに包んで、灰の中にいれて……っと。はい。あとは待つだけですよー。
(珠美)何だか、想像していた焼き芋とイメージが違いますな……。えっ、どれくらいで焼けるんですか?
(雫)1時間くらいですねー。
(珠美)い、1時間っ!そんなにかかるのですか……。
(歌鈴)それだけあれば、お庭もだいぶ綺麗になりそうですっ。私、あっちの方を掃除してきますっ!
 
数分後
(珠美)むぅ〜……。
(歌鈴)珠美ちゃん?どうしたの、難しい顔して……。
(珠美)何というか、地味、というか……。もっとこう、燃え盛る炎!焼けるいも!みたいに、動きのある感じにならないものでしょうかっ!?
(雫)う〜ん、とは言っても……どうしましょうー?
(珠美)……よしっ!焼き芋を待つ間に、珠美流の焼き芋にチャレンジしたくっ!雫殿、歌鈴殿、ご協力をっ!
(歌鈴)は、はいっ。
(雫)……わかりましたーっ。とりあえず、やってみましょうー!
(珠美)ご覧あれ!これぞ珠美流……。必殺!脇山一刀流、焼き芋の構えっ!しゃきーんっ!
(歌鈴)珠美ちゃん、かっこいいですっ!
(雫)うふふっ。楽しそうで、良かったです〜。
(珠美)では、いただきますっ!がぶっ。……か、固い。
(歌鈴)こっちは中までホクホクで美味しいですっ!
(雫)お芋はじーっくり火を通してあげると、ホクホクあまーくなってくれるんですよー。
(珠美)くっ……所詮、我流の付け焼刃ではダメだったか……。
(雫)珠美ちゃん。焼き芋は美味しくなるまで、じっと見守ってあげることが大事なんですよー。
(珠美)なんということ……。珠美は……珠美は、焼き芋の真髄を理解していませんでしたっ!見栄えばかりこだわって、何という未熟者っ!
(雫)珠美ちゃんが焼いてたものも、もう一度火を通せば食べられますから。再挑戦、しませんか?
(歌鈴)落ち葉はまだまだありますっ!珠美ちゃん。失敗しても、次で成功すればいいんですよっ!
(珠美)お2人とも……ありがとうございますっ!あらためて、よろしくお願いいたしますっ!
 
NGシーンも交えつつ、名産のさつまいもを十分にアピールする映像が撮影できた……
「アウトドアが得意」という雫の新たな要素(設定)が判明したコミュであるが、やはり本コミュでの白眉は珠美が自分流の芋の焼き方にチャレンジする際の「……わかりました」という返事に込められている雫の気持ちだろう。
即答ではなく一呼吸置いてからのこの返事、恐らく珠美の提案した芋の焼き方がうまくいかないことは分かっていたにも関わらず、それを飲み込み敢えて珠美なりの焼き方を実践してみることにした、その思案の一呼吸であったと思われるが、そこに至った雫の思いとはどのようなものだったのか。珠美の行為を頭から否定しない大らかな性格故という面もあったろうが、個人的にはそこに珠美に対しての一種の「憧れ」のような気持ちもあったように思われる。たとえ結果がどうであろうとまず行動する、珠美のその行動力や積極性に惹かれたように思えるのだ。
自分がどうしても積極性に欠ける性格だからこそ(この時点ではまだそれほど表出していない設定ではあったが)、まず行動する・行動できる人に感銘しもっと見ていたいと考える。珠美のお世話をするとか面倒を見るなどという感覚は当人には断じてなく、むしろ珠美の行為に自分では見出せなかった驚きや視点を見出し、それをリスペクトしたが故の返事だったのではなかったか。常に新鮮な気持ちで相手の行為を見ることができる雫の視点は、当人の自覚に拠らず雫にとってかなり大きな魅力の1つだと言えるだろう。

第5話「しあわせのおすそわけ」

あらすじ
秋といえば、写真。PVの素材を撮るために、カメラを片手に秋の山を歩く茜と藍子。カメラに不慣れな茜に、藍子は優しくアドバイスする。その助言とは『自分が幸せに感じるものを撮ろう』。それを聞いた茜が撮ったのは、秋を満喫する藍子の笑顔。珠美にしあわせのおすそわけもでき、大満足の茜だった。
セリフ
(藍子)秋と言えば、写真の秋っ。この季節は素敵なものがいっぱいで、お散歩してるだけで撮りたいものがたくさん見つかりますねっ。
(茜)藍子ちゃん!これはどうですかっ!スピード感ある写真が撮れましたよっ!
(藍子)これは……ブレちゃってるかも……。
(茜)あ、あれ。ダメですかーっ!?
 

(茜)写真って、難しいですねっ!シャッターチャンスを逃さないようにと思うと、つい力んでしまって……!
(藍子)ふふふっ、そんなに慌てなくても……。
(茜)あっ!あの木に止まってる鳥!いただきですっ!それーっ!!
(藍子)茜ちゃん、そんなに大きな声出すと……。
(茜)逃げられました。しょぼん……。藍子ちゃん、何か写真のコツとかないんですかっ!?
(藍子)うーん……。私も上手なわけじゃないから、技術的なアドバイスはできないけど……。写真を撮ること自体を目的にしないこと、かなぁ?
(茜)写真を?撮ること自体を?目的に?しないこと?……とは?
(藍子)ふふふ。お散歩するとね、色んなものに出会うよね。お昼寝してる猫とか、綺麗に咲いた花、空にかかる虹……。見つけたら、なんだか幸せな気持ちになれるもの。
(茜)あぁ、そういえば……。藍子ちゃんの写真は、どれもほっこりしますよね!らしさがにじみ出てる感じがします!
(藍子)そうかな?ふふふっ。そう言ってもらえると嬉しいなっ。
(藍子)もともと、写真が趣味だったわけじゃないんだけど……。お散歩して、見つけた幸せを誰かにもおすそ分けしたいと思って、写真を撮るようになったの。
(藍子)だから、写真を撮るのが目的じゃなくて、自分が幸せに感じるものに出会えれば、いいんじゃないかなぁ。私は、そう思ってお散歩しているよ。
(茜)なるほどー!でも、今日はPV用の素材を撮影に来たんだから、撮れなかったら困っちゃいますね……。
(藍子)ふふふっ。その時は出会えるまでお散歩を続けましょう♪
(茜)な、なるほどーーー!いやぁ……藍子ちゃんの精神力、尊敬しますっ!私が足を引っ張ってしまって、申し訳ないっ!
(藍子)いえいえ♪だって、こうやって茜ちゃんとおしゃべりしながら、お散歩してるだけで、とっても楽しいからっ♪
(茜)……藍子ちゃんっ!
(藍子)ふふふっ、さっ、茜ちゃんもたまにはのんびり歩いて、幸せを探しにいこうっ♪なーんて、ふふふっ。
(茜)……はっ!今っ!幸せ、感じたかもしれませんっ!……ここだっ!
(藍子)えっ?
 
数時間後
(珠美)藍子殿ー!茜殿ー!焼き芋ができましたよー!
(茜)あっ、珠美ちゃーん!くんくんくん……いい匂いがしますっ!
(珠美)ふっふっふ。珠美が仕込んだ芋も、そろそろ焼き上がるころかと!ぜひ、お2人にも味わっていただきたいっ!
(藍子)わぁ、楽しみですっ。それじゃ、みんなのところに戻りましょうか。
(珠美)それで、お2人は……どうでした?写真撮影の方は順調でしたか?
(茜)ふっふっふ……幸せ感じる写真、バッチリ撮れましたよっ!
(藍子)もう……茜ちゃんたら。
(珠美)藍子殿、何か、問題でも?
(茜)珠美ちゃん、これを見て下さいっ!私の最高傑作ですよっ!
(珠美)これは……ぶれてますね。鳥……?
(茜)あっ、え?あ?こ、これじゃなくて……こっちですっ!
(珠美)これは、藍子殿。おぉ、素敵な笑顔ですね!……でも、これがこの村の秋の良いところと関係が?
(茜)この笑顔はですね、この村の秋を満喫する藍子ちゃんの笑顔なんですっ!この笑顔が、ここの良さの証拠なんですよっ!
(藍子)もう……恥ずかしいからやめてって言ってるのに、聞いてくれなくて。ちゃんと景色も自然も私の方で撮ってるからねっ。
(茜)いやいや、この笑顔が何よりのお宝写真!そうだ!みんなに見せてこよう!未央ちゃんにも送って〜、あとはプロデューサーさんにも!
(藍子)あ……!茜ちゃん、ダメ〜っ!恥ずかしいから〜っ。
(茜)いやいや、幸せのおすそ分けですよっ!藍子ちゃんの教えですからねっ!
(藍子)もう……ふふふっ。じゃあ、お返しに写真がうまく撮れなくて、しょんぼりしている茜ちゃんの写真、シェアしちゃおう。
(茜)あああ〜、藍子ちゃん、それは〜……。
(珠美)なんだか、楽しそうでいいですね!是非、珠美の写真も撮っていただきたいっ!
(藍子)もちろんっ。せっかくだからみんなで記念撮影もしちゃいましょうっ♪
(珠美)賛成ですっ!
(茜)藍子ちゃん〜、さっきの私の写真はっ……!
(藍子)あれはシェア決定ですっ。
(茜)そ、そんな〜……。
(藍子)うふふっ。
 
幸せそうに秋を満喫するアイドルたちの表情が、PVを彩った……

エンディング「Laugh and grow happy!」

あらすじ
秋祭りでのLIVEとPV撮影のお仕事を終えた5人。実行委員から感謝の言葉をもらい、村で過ごした日々を振り返る。5人は名残惜しさを感じながらも村を後にする。この秋、少女たちが得た恵みは、季節が変わっても鮮やかに残り続けることだろう。
セリフ
LIVE後
(藍子)秋祭りLIVE、お疲れさまでしたーっ!
(茜・珠美)お疲れさまでしたーっ!
      お疲れさまでしたーっ!
(歌鈴・雫)お疲れさまでしたーっ!
      お疲れさまでしたーっ!
(藍子)ここまでみんなで過ごした時間、幸せいっぱいでしたねっ。みんなにもそれが伝わってたらいいなぁ……。
(雫)はいー。素敵な自然に、素敵な仲間。もぉーっと、この時間を楽しみたかったですけどー。
(珠美)終わりがあるから美しい……。有終の美を飾れたのではないでしょうかっ!
(歌鈴)はいっ!お祭りは終わっちゃいましたけど……。思い出はずっと続きますからっ!
(土井中)お疲れさまです!今日までありがとうございました!みなさんのお力で、本当に魅力的なPVになったと思います。心からお礼を言わせて下さい!
(プロデューサー)≪自然に触れて魅力が引き出せたね≫
(藍子)うふふ……思えば、私はお散歩したり、写真を撮ったり、私にとっては、いつも通りに、自分のペースで過ごしていただけのような気がしますけどっ。
(茜)確かにっ!でも、私はいつもと違う場所で新鮮な気分で走れましたっ!それに、カメラもちゃんと撮れるようになりましたしっ!
(藍子)うふふっ。カメラ仲間が増えて嬉しいですっ。また一緒にお散歩行きましょうねっ。
(茜)もちろんですっ!
(雫)私は、牛乳をたーっぷりいただいて、幸せでしたー。牛乳の良さが、みんなに少しでも伝わっていたなら嬉しいですー。
(珠美)今回、雫殿の知識には感服しましたっ!牛乳だけでなく、焼き芋の作り方まで精通しているとは!
(雫)うふふー。お役に立てて何よりですー。焼き芋、美味しかったですねー。
(歌鈴)はいっ!自分たちで焼いたからか、さらに美味しく感じましたっ。
(珠美)珠美はアイドルとしての心構えを、まさか焼き芋から学ぶことになるとは思いませんでした……。でも、見かけや見栄えだけではなく、心をもっと大事にしていきたいと思いますっ。
(歌鈴)私は、久しぶりにいっぱい落ち葉掃除をしましたっ!なんだか、充実感があります〜。みんなともいっぱい楽しめましたし。
(藍子)落ち葉のベッド、ふわふわで気持ち良かったですねっ。
(茜)はいっ!爆睡でしたっ!
(歌鈴)それに、みんなのおかげで、私、少し成長出来た気がしますっ。転んでも、みんなが助けてくれるから……、転ぶのが、ちょっとだけ怖くなくなりましたっ!
(茜)100回転んだ成果が出ましたねっ、歌鈴ちゃん!
(珠美)100回っ!?
(雫)歌鈴ちゃんのすごいところは、何度転んでもケガをしないところですねー。
(藍子)神様に守られてるのかもしれませんねっ。
(珠美)でも、転ぶのもドジ神様のせいと言っていましたし……ううむ。
(プロデューサー)≪そろそろ撤収しようか≫
(藍子)あっ、もうそんな時間ですかっ!名残惜しいですけど……私たちのホームに帰りましょうっ!
(茜)はいっ!帰っても、毎日を目いっぱい楽しんで、素敵なものに出会いたいですね!
(雫)きっと、出会えますよー!新しいお仕事や、新しいユニット、新しいドラマが、これからも待っているはずですからー。
(珠美)珠美もっ、いろんなものに触れて、いろんな人のお話を聞いて、心も体も、もっと大きい人間になりたいですっ!
(歌鈴)はいっ。自分ひとりでは大変なことも、誰かと一緒だったら乗り越えられましゅからっ!……あう。
(茜)うふふふっ!歌鈴ちゃん、次は噛まないような特訓ですねっ!例えば……舌の筋肉のトレーニングとかっ!
(歌鈴)ええっ!また過酷な特訓がっ……。
(珠美)それは一体どのような訓練内容なんでしょう……?
(茜)舌で……こう……ダンベルを。
(珠美)危険極まりないっ!
(土井中)お車が着きました!みなさん、どうぞ!
(藍子)じゃあ……そろそろ行きましょうかっ。本当にお世話になりました!きっとまた、遊びにきますねっ。私たちの幸せな思い出と時間が詰まった、この場所に!
(藍子・茜)ありがとうございましたーっ!
      ありがとうございましたーっ!
(珠美・歌鈴・雫)ありがとうございましたーっ!
         ありがとうございましたーっ!
         ありがとうございましたーっ!
1つの大きな仕事を成功させ、それぞれの体験や思い出を振り返りつつ感慨に浸るという実にエンディングらしい内容だが、それでもオープニングと同様に5人のにぎやかさが強調されているのが、いかにも「Flip Flop」のコミュらしい。
多少強引な解釈ではあろうが、各々の思い出は最終的には雫言うところの「素敵な自然に、素敵な仲間」に集約されるものであり、コミュ中では終始控え目な立ち回りではあったものの、物語を牽引するきっかけとなる一言を生み出した雫が一連の物語を端的に総括するセリフを最後に口にしたというのは、雫の性格や行動理念を考える上で非常に重要な事実と言えるだろう。実家の牧場という「田舎」から外へ歩み出しアイドルとなって多くの仲間と出会った雫が実家と同様の「田舎」にやって来て、仲間たちと共にアイドルとしての成果を上げたというその実績は、彼女にとっても大きいものとなったに違いない。