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柘榴(ざくろ)

あいつと初めて会って一緒に旅をするようになった頃──
まだアーロンパークが落ちる前、ルフィと「手を組む」って条件で一緒に旅をするようになった頃、私はあいつのことが気に入らなかった。
勿論、脳天気で夢ばっかり見ているルフィなども気に入らなかったけど、それ以上にあいつのことが嫌だった。
あいつはいつも血の匂いを纏い、"野獣"の別名に相応しいと思うようなどこかぎらぎらした部分を持っていた。
一目で同類だ、と分かった。
だから私はあいつを誘ったのだ。あいつの目から私の真実をくらますために。

「大胆だな」
あいつの口づけは酷く乱暴で、私は喉元に刃物を突きつけられている気分がした。
「とか言いながら、ここは一体なに?」
我ながら、柄にもなくはすっぱな口振り。
男を惑わす色香を意識的に使いながら、あいつの下半身を弄ぶ。
そんな私の様子ににやりともしないで、あいつはろくな前技もなしに口を押さえつけ肩に私の足を担いで、立ったまま押し込んできた。
「んッ……んッ……うぅッ……」
酷い男。
それ以上に酷い女。
そこには愛もなく、快感もなく、ただの戯れだけ。相手を貪り合うだけの肉食獣のような戦い。
私は一体何をやっているんだろう?
なんでこんな男とこんなことをしているんだろう?
その答えを知るのは、アーロンパークが落ちてから。
昼間の激闘の疲れのためか、あいつ──ゾロは、村はずれの木の下でまた眠っていた。
そう言えば、気づくとこいつは寝てばかりだったから、疲れとかそういうのではなく、単にそういうヤツなのかもしれない。
私は、ゾロの寝顔を見下ろして。そして持っていたビールジョッキの中身をその寝顔にぶちまけた。
「な、なにしやがんだ!」
飛び起きるゾロに、私はそっと口づけした。
「な、なんだよ…」
こいつでも、こんな顔をするんだ。
明らかに動揺して、微かに頬を赤くしている。
「…ひまつぶし」
「余所を当たってくれ」
「嫌」
「いい加減にしろ、酔っぱらい」
「私が酒に酔ったりしないって、あんたなら知っているでしょ?ゾロ」
「何の用だ?」
「キスしたいの…」
「もう、仮面は必要ないんだぞ?」
その言葉に、私は凍り付き、そしてしばらくしてからようやく息をついた。
「あんたには、最初から何もかも分かっていたのね…」
「ああ…分かっていた」
「アーロンのこととかも?」
「海賊狩りをしていたからな…おおよそは」
「知ってて抱いたの?」
「お前が望んだから」
「私が?」
「自分を痛めつけて、逃避していた」
甘く見ていた。
見くびっていた。
こいつは何もかもを見透かした上で、私を抱き、私を弄んでいたのだ。
「ぐっ…」
今日は涙腺がおかしい。こんなことですら、涙が溢れてしまう。
そんな私をゾロは酷く優しく抱き締めた。
「もう、何もかも終わったんだ…」
「ん…」
「お前は自分に偽る必要もなくなったんだ…自分の本当に望む夢に歩くことが出来る…」
「そうね…」
胸元の開いたアロハシャツから覗く大きな傷跡。
この傷を押して、こいつはこの村のために──ううん、私のために戦ってくれたのだ。
また涙が溢れてくる。
今度は優しい涙。心の奥に残った憎悪や哀しみを洗い流す涙。暖かい涙。
こいつは本当に同類なのだと思う。同類だからこそ私を理解できるのだとる。
私はおずおずとその傷に触れる。
ゾロの負った心の傷を我がことのように理解する。
こいつは私と同類だから。
その悔しさも怒りも、我がことのように分かる。
私たちはどちからともなく口づけた。
これは愛ではない──でも、今までのような憎しみからのものでもなく。
それは、そう──似たもの同士が傷を嘗め合う、そんな口づけ。
でもその口づけは酷く優しくて、私は唇を交わし合う度に心が洗われて、柔軟な感性が戻ってくるのを感じた。
ゾロの顔を見つめる。
なんだか初めてこいつの顔を見たような気がする。
なんだよ?と目で問いかけてくる。
私は言葉の代わりに微笑んで返事をして、また口づけた。
ゾロの瞳は、私が思っていたよりも澄んでいて、そして蛇のように冷たいと思っていた唇は、とても熱かった。
ゾロの口づけが首筋から胸元へと落ちたとき、私は初めて恥ずかしいと思った。
「ダメ……」
でも言葉とは裏腹に、抱き締める手に力が籠もる。
そんな心と体の乖離した私を何もかも分かっているあいつは、何も言わずに胸をまさぐる。
知らず知らず呼吸は弾み、それはいつしか甘い嬌声へと変わっていった。
数え切れないほど口づけを交わし合い、そして私は待ち受けた手を受け入れた。
「はぁああんっ」
そこはもう、十分なほど潤ってゾロを誘っている。
ゾロの指が掻き回すほど、優しく指を突き立てるほど、周りに聞こえるんじゃないかと思うほどに淫猥な水音を立てて躰が熱くなった。
躰がとろけきってしまうと啜り泣く頃、ゾロは灼熱の固まりで私を貫いた。
私は歓喜を持ってそれを受け入れる。
「ああっ……ああっ……ああっ……」
遠くの歓声を聞きながら、私は恥も外聞もかなぐり捨てて、悶え狂った。


もう、仮面はいらない──
好きな男に抱かれて喜んでいいのだ……
す、好きな?
私は今、何を考えていたの?
だって私は──
「ナミ!もう限界だ…イクぞ……!」
私は思わず、ゾロの顔を見る。
切ない表情で微笑んでいる。
その顔を見た瞬間、私はまた涙が溢れるのを感じた。
「ゾロ……ゾロ!!」
その瞬間、私はゾロに口づけを求め、ゾロは口づけを落としながら私の中に全てを放った。
快感の内に、私は全てを悟る。
どうやら私は、この男を愛していたらしい──

私から体を離してどさりと転がり、簡単に身支度を整えたかと思うと、ゾロはそのまままた眠ってしまった。
私は乱れた服を整え、足下に絡んだ下着をつけて、ゾロの隣に座る。
遠くでは相も変わらぬお祭り騒ぎ。
私はふと自分の寄りかかった木を見上げた。
そこにはたわわに実った柘榴。
柘榴は血の味──
そんな言葉が脳裏に蘇る。
ゾロとのキスはいつも血の味がした。
柘榴の実の花言葉は"結合"──
少し頬が赤らむのを感じる。
でも柘榴の花言葉は──馬鹿。
まるで愚かな私のことね、と自嘲気味に微笑んだ。
この気持ちは、例えゾロ自身どれ程承知していたとしても、私は一生こいつに言うことが出来ないないだろうから。
何故なら私たちは、互いが似すぎている同類だから。
魔獣と魔女の同類だから。
あんたのこと愛しているだなんて、そんなこといった方が負けだって、お互い
よく知っているから──
  • FIN -
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