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『ねがい』

ワイパーが命を懸けた戦いに参加するようになって6年。
あたしがワイパーに絶対言えない気持ちを抱えてから。もう6年。

空が闇に覆われる頃、負傷した男たちが村へ帰還する。
アッパーヤードに攻め入るのはこれで何度目になるだろう。
戻るたびに傷だらけのワイパーは無言であたしを抱く。
傷の手当てもほとんどせず。血で汚れた体のままで。

何も言わずあたしは抱かれる。
ワイパーの腕の中、ますます強くなっていく想いを秘めて。
そのたくましい体に刻まれていく死闘の証をなぞりながらあたしは思う。
――女だからといって守られてるだけなのはいやだ。守らなくちゃ、あたしが。
ただそれだけ。その一心で銃を持ち仲間と共に森へ入る。
それでも何も言わず、ワイパーは他の仲間よりあたしを優先して助けてくれる。
――足手まといにはなりたくないのに。
ワイパーがあたしをかばって腕を怪我した。かなりの出血。
テントの中でその傷口を拭うと、かなり深く切れていた。
薬を塗り、きつく布を巻きつけながらため息をつく。
そんなあたしを見てワイパーが口を開いた。
「どうした。気分でも悪くなったか」
「そんなんじゃないよ。ただ……」
「ただ、なんだ?」
「あたしはこのまま戦いに加わってていいんだろうかって。今日だってワイパーにこんな怪我を…」
ワイパーは黙ってたばこをくわえ火をつける。
「あたしだってエネルを倒したいよ。女だからって守られてるだけなんていやだ。
でも少しくらい戦えたって男にはかなわないんだ。だけどあたしは、ワイパーに…」

「ワイパーにはあたしのせいで血を流してほしくないんだよ!」

いつのまにか涙があふれていた。止まらない涙に顔を覆う。こんな弱いあたしは見せたくない。
しばらく黙っていたワイパーは、あたしの顎に手をかけ顔を上げさせると
その力強い眼差しを向けてはっきりこう言った。
「女だから守るんじゃない。ラキ、お前だから守るんだ」
思いもかけない言葉に驚く間もなく、あたしの唇はくせのあるたばこの匂いでふさがれていた。
服を脱がされるとぱらぱらとヴァースがこぼれ落ちる音がする。
首筋や肩に残ったそれを、ワイパーがねっとりと舐め取っていくたびに声が漏れる。
舌が胸の先端に到達するとすでにそこは硬く尖っているのがわかる。
熱い口の中に含まれた途端に体中の力が抜けてしまい、がっしりした腕に支えられる。
しかしそれが怪我をした方の腕だと気付き、思わず体を離そうとする。
だが、離れるどころか逆に強い力で抱きしめられてしまった。

たばこと血の匂いの中、ワイパーの鼓動が聞こえてくる。
大戦士カルガラの血を引く男の、その命の音。

「ラキ、よく聞け。おまえに敵を倒そうという気持ちがある限り、おれはお前を支えてやる。
そのせいでおれが傷付こうがお前はそのまま前へ進むんだ。それがおれたちの戦いだ」
見つめてくるその瞳の中に、強さを伴ったやわらかい光が浮かんでいる。
初めて見るその眼差しに、この気持ちをどう表現すればいいのかわからなくなる。
ワイパーの首筋に腕をまわし唇を奪う。切れた唇から血液独特の少し鈍い味がする。
あたしたちは舌を絡め合いお互いの体にのめりこんでいった。
聞こえるのは二人の鼓動と荒い息使いだけ。
ワイパーは熱く硬くなったものに手を添えるとあたしの中心へと入ってくる。
いままでに何度となく受け入れたこの熱があたしの体で大きな炎となる。
動くたびに腕に巻いた白い布にどんどん広がる紅い跡が痛々しい。
しかし、かなりの激痛に違いないのにそんなそぶりをまったく見せず
強く激しく、そしてやさしくあたしを包み込む。

「ああっ、ワイパー!ぅんんっ、あぁ、あはぁ……」
背中にあるいくつもの傷跡に指を滑らせる。
完治する間のない体をおして神官たちに挑み続けるその姿。
瞳が。腕が。背中が。
ワイパーのすべてがこんなにも愛しい。

だから、死なないで――

思わず流れた一筋の涙にワイパーが気付く。
それを指でぬぐうとあたしの頬に手を添えてこう言った。

「おれは死なない。エネルを倒して故郷へ帰るまで…
そして、おれたちの故郷でお前をこの手に抱くまでは!」

あたしの心が聞こえたかのような言葉。それがワイパーの本心。
三度口付けを交わすとあたしの肩をつかみ、より深く深くつながるように打ち付ける。
限界が近いことを感じその広い背中にしがみつくと、それを合図に更に奥へと激しい挿送を繰り返す。
「ワイパー、ああぁっ、もう、来るっ、んっ、あぁっ、あぁぁー!!」
「……ぅ、っく…!」
ワイパーの心が聞けたのはこの一度だけ。
あの後シャンディアのほこりをかけた戦いはさらに激しくなっていったから。
しかしそのさなか、あたしは戦線離脱を決める。
もし仲間が、ワイパーが倒れてもそれを踏み越えていく覚悟。
それがあたしにはどうしてもできなかった。
戦鬼ワイパーの視線の先にはエネルの姿しかなく、その覚悟は私のそれとは比較にならないことを痛感したから。
もう誰にも止められない戦い。
ワイパーはあたしに何も言わなかった。あたしは待つことに決めたのだ。

森へ向かう仲間たちの先頭を行くワイパーの背中に向かってつぶやく。
「死なないでねワイパー。必ず帰ろう、故郷へ。あたしと一緒に……」

そして最後の戦いが始まる。

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