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『ノイズ』

 焼け焦げた皮膚は見た目ほど痛くもない。包帯の下は蒸れて痒いのだが、何日と経たず
にそれもなくなるだろう。
 何十時間もの間最高潮を保ち続ける大饗宴を横目に、サンジはニコチンの混じる溜息を
吐いた。いくら脳内である種の麻薬が分泌されていたからと言って、気持ちよくアルコー
ルを摂取し続けたからと言って、いつまでも歌い踊り続けることができるわけもない。様々
な人間が代わる代わるに盛り上げているからこそ、何日間にも渡るお祭騒ぎなのだ。
 サンジは宴の中心にある円から少し離れたところに薪を組んで作った焚き火をぼーっと
見つめながら目を閉じた。そして、煙を吐きながら彼女を思った。
 焼け焦げた肌はもう痛くない。でも、彼女のことを思うと身体中がぴりぴりと痛む。自
分が意識を失っていた間、彼女の身に一体何が起こったのか。果たして、彼女は本当に無
事だったのか。気丈な彼女は自分に隠しているだけで、本当な何か大変な目にあったので
はないだろうか。そう考えると気が気ではない。胸が、傷が、身体中が痛むのだ。
 お祭騒ぎからふと我に帰るとまず頭をもたげるのはそれで、サンジは一人アルコールや
ニコチンを摂取するのだ。
 巨大な輪を作り歌い踊る人影が見える。彼はそちらに目をやり、無意識にその娘を探し
ている自分に気づいて苦笑する。
「誰か探してんの?」
向き直ろうとすると肩を叩かれて、不意を付かれる。
「ナ、ナミさんっ!」
無意識に探していた本人が思わぬ登場の仕方をしたものだから、サンジは大袈裟なほど驚
いた。
「何よ?私じゃ不満?」
ナミは少し不機嫌そうに口をとんがらせて、サンジの隣に腰を下ろした。
「いえいえ!めっそうもないッ!!」
サンジはぎこちなく否定して、ナミが差し出すビールジョッキを受け取った。
 泡立つ穀物酒を一口飲んで、ちらりとナミの顔を見る。焚き火の炎に照らされる彼女の
顔は赤く火照り、はっきりと陰影ができていて、いつもより魅力的に思えた。
 燃え盛る炎はぱちぱちぱちと火の粉を撒き散らし、遠くに聞こえるのは喜びに満ちた歓声。
 サンジはビールを一気に飲んでから、ナミに切り出した。
「ナミさん。俺は自分がふがいねェし、それ以上に君のことが心配で心配で落ちつかねェ
んだ。」
サンジは困ったような表情を彼女に見せて苦笑する。
「私は平気よ。」
ナミもまた困ったような表情で彼に言う。
「本当に?酷い目に遭わなかった?何もされなかった?怪我は?」
サンジは早口で彼女を質問責めにする。
「酷い目には遭った。何もされずには済んだ。怪我は本当にしてないわ。」
「本当かい?意地張ってない?嘘吐いてない?」
「本当だってばッ!」
ナミはそう叫んでから、溜息を吐いてビールを飲み干した。
 そして、黙って焚き火を見つめている。サンジも同じ物を見つめている。二人は黙った
まま、しばらく背後の大宴会の喧騒を聞いていた。
「そんなに、そんなに心配なら、その目で確かめてみる?」
「え?」
「私はどこも怪我なんてしてないし………」
ナミは言いながら着ていたパーカーを少し乱暴に脱ぎ捨てた。ビキニトップに支えられた
肉塊がぶるんと揺れる。
「なんにもされてない………。」
そして一瞬、ほんの僅かに躊躇して、しかしあくまで思い切りよくその瑞々しい重みを支
えていた細い布紐を背中で断ち切った。
 ナミはサンジの様子を窺おうともせず、下を向いて黙ったままパンツもショーツも脱い
でしまった。サンジはそんな彼女の行動を呆然と見つめていたが、指の股に挟んだままだ
った煙草の火が指を微かに焦がした時ふと我に帰って、咄嗟に彼女に背を向けた。
 遠くで幾人もの人の声が交じり合って聞こえてくる。焚き火は相変わらずぱちぱちぱちと火
の粉を撒き散らしながら、二人を赤く照らし続ける。
「ナミさん、俺は………。」
サンジは新しい煙草を咥えて低い声で言う。
「もし、君が好きでも何でもない男の前でそういうことができるなら幻滅するよ。」
低いトーンで言い切って、目を閉じる。
 控えめなようでその実これ以上ないほどストレートな言葉を投げ付けられて、ナミは唇
を噛んだ。
「私は、私は自分のカラダには自信があるし、別に見られたって恥ずかしいとは思わな
い。………見られても構わないけど、見て欲しいって思ったの初めてだから………。」
サンジは火の点いたマッチを投げ捨てた。
「だから、サンジくんは幻滅しなくてもいいのよ。」
ナミは一歩だけサンジの背中に近づいて、空唾を飲み込んだ。
 ぱちぱちぱちと火の粉は降り、向こうのお祭騒ぎは勢いを増すばかり。それなのにいや
に静寂な空間がそこにはあった。
「ねェ、だからちゃんと見て。その目で確かめて。」
責めるようにそう訴える自分がいつの間にかその言葉の意味をすりかえていたことにナミ
は気づいてはいた。
 見て欲しいと思うのは、意地になっているからでもない。況してや、サンジを納得させ
るためでもない。ただ純粋に見て欲しいと思った。その感情は複雑にして最も単純かつ純
粋な欲望である。
 サンジは火の点いていない煙草を咥えたまま、振り返る。するとナミは一瞬恥ずかしそ
うに眉を顰めてから、くるりと身体を反転させた。後ろから見ろと言うことらしい。
 オレンジ色の炎に照らされるその肌に細かな凹凸などなく、あまりに滑らかで、それで
いてしっとりとした印象を受ける。横からの光源によってできた肩甲骨の滑らかな陰はア
ンシンメトリーで、背骨のラインも真っ直ぐ伸びている。それにそって視線をずっと下げ
ると小さく引き締まった尻の割れ目がある。弛みはなく、しかし充分と厚みのある尻とそ
れに連なる腿のラインは滑らかでとても女性的な丸みがある。そして、すらりと伸びた脚、
その踵に至るまで、勿論生々しい傷など一つもなく、だからこそ逆に左肩の刺青の下にあ
る古傷が痛々しい。
 そこに視線を感じたのかナミは思わず下半身にきゅっと力を入れた。小ぶりな尻が一瞬
窄む。
 サンジは無意識のうちに一歩彼女に近づいて、ナミもまた無意識のうちにゆっくりと身
体を反転させた。
 彼女が顔を赤らめているか否かはその光が赤みを帯びている為にわからないが、しかし
ナミは唇をきゅっと結んで、頼りない眉の下で少し目を伏せていて、長い睫毛の影ができ
ている。
 サンジはまた一歩彼女に近づいて、彼女の身体をじっと見つめた。勿論傷などどこにも
ない。そして、彼にとっても最早それはどうでもいいことに成り下がっている。
 その滑らかな肌は暖色に染まっているのにどこかひんやりした印象を受けてしまうのは
鎖骨の形がはっきりとわかるからなのだろうか。女性的な部位の肉付きはいいが、やはり
彼女は痩せている。鎖骨の窪みにできた影、細い腰の中心にある形のいい臍は縦線であり、
突き出した腰骨はその部分の肉の薄さを物語る。反面、発育のいい乳房はその実年齢より
も幼い印象を受ける顔立ちには不釣合いであるが、逆にそのアンバランスさが官能的です
らある。丸いお椀型の双丘は思う存分重力に逆らい上を向いた乳首は、見つめるほどに輪
郭をはっきりとさせている。ナミはそれに幾ばくかの羞恥を感じたのか咄嗟に身体の正面
を両腕で隠してから、一秒と経たずにそれを上げて両手を交差させるようにして顔を隠し
た。
「なんか恥ずかしくなってきたけど………。」
そこで台詞を止めてふうっと息を吐いた。
 すっかり先端を尖らせた乳首は彼女の呼吸に合わせて僅かに上下する。煙草を箱に戻し
てから、サンジは長い両足の付け根にあるそこだけボリュームにある繁みに息を飲み、
その魅惑的な肉塊に手を伸ばしかけた。
「ふれてもいい?」
先端に指が触れかけたところで手を止めて、顔を背けるナミの顔を見上げて彼は言った。
 ナミは顔を隠したまま少しだけ上を向き、少しだけ間を置いてから「いいわよ」と言っ
た。自分の声が耳に入ると身体が熱くなる。何度かリフレインして、鼓動が速くなる。
 サンジは止めていた手を少し戻してから、立ち上がって彼女の両腕を掴んで下げさせた。
 そして、その薄く乾燥して少し硬い唇でナミの柔らかく潤いのある唇に触れた。
 ナミはびっくりして、ピントの合わないまま自分の視界のフレーム内にサンジを納めて
シャッターを切る。そして、もう一度ゆっくりと目を閉じた。
 サンジは閉じた唇を開きもせず、角度を変えもせず、数秒間彼女の唇の弾力を堪能した
だけでキッスをやめ、彼女を強く抱きしめて言った。
「俺、もっとふれていたい、いや、ふれ合いたいよ。」
彼女に頬擦りをしながら言った。
「うん。」
ナミはサンジの首にしがみつくように抱きついて、頷いた。
「こんなところでごめんな。でも、俺は今すぐ君を抱きたいんだ。」
今このタイミングを逃すとずっとその思いと遂げられないと彼は思っていたし、
「私も………。」
彼女もまた今このタイミングを逃すと永遠に交われないように感じていた。
 宴はなおも続き、聞き慣れた歌声や見知らぬ笑い声が交じり合って耳に届く。焚き火は
火の粉を創造し続け、ぱちぱちぱちと音は途切れることもない。
 二人はできるだけ草の生い茂った場所を選んで腰を下ろした。サンジはシャツを脱ぎ、
ばつの悪そうに苦笑して、包帯の上から自分の身体を撫でた。
「サンジくん、私は自分の盾になってくれる人だとか甘やかしてくれる人だとか、そうい
う存在が欲しいわけじゃない。」
ナミはサンジの胸に顔をぴたりとくっつけて、そう言った。
「私はただサンジくんが欲しいの。」
そして、ナミはサンジの目を見つめて言った後、少しだけ照れて俯いた。
 サンジはそんなナミの顎を捕まえて顔を上げさせ、少しだけ乱暴に唇を奪った。そして、
そのまま少し強引に彼女を押し倒してからキッスをやめ、彼女の顔を覗き込んで言った。
「俺もナミさんが欲しい。」
彼はそう言ってから、ナミの顔をじっと見つめた。
 サンジの顔は影になっていてナミにはその表情はよくわからなかったが、ナミには彼が
とても照れた表情をしているように思えて思わず顔が綻んだ。そして、暗くて見えない彼
の顔を見つめて、ゆっくりと頷いた。
 二人は再び接吻に耽る。初めて愛しい者の中に侵入し、お互いの舌を絡ませ、唾液を混
ぜ合い、奪い合うようなコミュニケーション。
 唾液の刎ねる音が耳に届き、抱き合って密接した肉体は二人の鼓動さえもシンクロさせ
ていく。相手のリズムが、音が、熱が、自分に届き体の中に浸透していく。まるで溶け合
っていくかのような錯覚。
 誰かを得る、ということは二人の身体が一つになることで自分の身体の一部になるとい
うことであり、欲しい、と思うことはそういった状態を望むことではないか。ならば、セ
ックスという行為は成る程愛しい者を欲する場合、極めて単純かつ有効な手段であり、そ
してまた原始的で本能的な行為であるとも言える。
 夜の中で赤い炎に照らされるという状況では視覚的にその熱の上昇を感じることは難し
い。自らの体温と相手の体温に差が無ければ触れて感じることも易くはない。しかし、少
しずつ浮き出してきた汗と荒くなった呼吸だけでも充分知れる。
 サンジはただ夢中でナミの滑らかな肌を愛撫する。唇と舌でそこを這っていると、額か
ら流れ落ちた汗が彼女の肌の上で他の体液と同化しながら滑り落ちる。そうやってやっと
自分の抱える熱と昂ぶった感情を客観的に捉えることができる。その瞬間に限ってのみ、
ではあるが。
 程よい硬さのある女性的な脂肪の塊を一つその手の中に納めようとするが、端から溢れ
掴もうとすると掌から離れてしまう。サンジは掌の汗を自分の衣類で拭って、今度はゆっ
くりと寄せ上げるように乳房を掴んだ。ゆっくりと形を変えながら先端の突起を親指でこ
すると、ナミは小さく声を漏らす。その吐息を摘むようにキッスして、今度は先刻より強
く摘み上げた。
「ンっ、やっ……。」
ナミは眉根を寄せて唇を噛む。
 サンジはもう片方の膨らみに顔を寄せて、はっきりと起立した乳首を口に含み強く吸い
上げる。するとナミはびくっと震えて、指先にあった雑草を掴んだ。サンジは一度彼女の
身体を抱きしめてから、再び胸を愛撫する。
「かッ、かんじゃだめ………」
ナミは胸元にあるサンジの頭を捕まえる。
 サンジは胸の先端を口に含んだまま、反対の胸を愛撫していた手をゆっくりと滑らせる
ように動かして、繁みを掻き分けた。そして、陰核を引っ張り出して、指の腹でこするよ
うに撫でる。
 ナミは「あッ」と控えめに声を上げて、サンジの頭を抱きしめた。そして、唇を噛んだ
まま首を左右に振っている。サンジはそんな彼女の様子を窺おうともせず、更に奥の裂け
目を指ですっとなぞる。充分にしっとりとした秘部を何度か行ったり来たりして、愛液で
指を湿らせてから、蜜の溢れている内部に中指を埋め込む。そしてゆっくりと出し入れを
始め、徐々にそのスピードも上げる。
「誰も気づかねェから。」
サンジはやっとナミの顔を覗き込んで、低い声で言った。ナミは目を大きく見開いてから、
ぶんぶんと首を振る。サンジはその仕草をとても可愛らしく、そして愛しく思った。
 サンジはもう一度ナミに口付けをしてから、彼女の太腿を押さえつけるようにして開か
せてそこに顔を埋めた。
「やっ、ああッん……。」
サンジがいきなり舌を差し入れるものだから、ナミは声を上げて身震いした。
「あッ、さ、サンジく……だ、ダメ……」
ナミはサンジの頭を引き離したいが、力が入らない。サンジは構わずナミの秘裂を舌でな
ぞっては侵入し溢れ出した液体を絡めたり啜ったりしている。
 鳥肌が立ちびくびく身体が震え、背筋を微弱な電流が走るような感覚が波のように押し
寄せたり引いたりする。女の肉体というのはより強い刺激を与えられるから昇りつめると
いうものでもない。こんな風に擽るような刺激を与え続けられていてもムードや状況次第
ですぐに限界に達してしまいそうになる。
 ナミはこのまま一方的に愛撫されるまま達してしまうのが口惜しいのだ。欲しいものは
指でも舌でもない。しかし、現状が不快かというとそういうわけでもなく、身体は正直す
ぎるほどに反応している。自分はこんなジレンマを抱えたまま達してしまうのは残念では
あるが仕方がないと諦めたところで、サンジは入り口を指でなぞり始めた。
「あッ………。」
また音を帯びた吐息が漏れる。ナミは無意識に自分の胸元にあった手でその豊かの膨らみ
を寄せ上げて指先で突起を弄くった。
 眉を顰めて瞼を開閉させるナミの顔を赤い炎が照らしている。サンジは指でひくついて
いる蜜壷を掻き混ぜながら、汗ばんだ彼女の太腿に頬をぴたりとつけ、陰核を吸い上げ
る。
「あッ、あッ、ああッ…ンッ…」
ナミはびくんと痙攣して、首を反り返らせたままがくんと頬を冷たい地面につけて項垂れ
た。
 尚も盛り上がり続ける大宴会。人々はひたすら大きな火を取り囲んで歌い踊り笑い続け
る。そして、火の粉はぱちぱちぱちと。
 サンジは汗の浮かんだナミの身体を優しく撫でてから、唇を重ねた。そして、何度も唇
を重ねたり離したりする。何度も何度も接吻をする。好きだと呟くようにキッスをする。
 口付けの嵐の中で、サンジはベルトに手をかける。ガチャガチャと音がして、ジッパー
の下りる音がする。ナミはまた更に上昇する体温と加速する鼓動を感じながら、サンジの
首に腕を回して抱きしめた。
 そして、サンジはゆっくりとナミの中に入っていく。
「あッ、ああッ、あああッ。」
彼女は目をぎゅっと瞑り、サンジを強く抱きしめて、注ぎ込まれる快楽に身を捩じらせた。
「あーーーっ。」
根元まで納め終えるとサンジは息を吐く。そして、その圧迫を堪能した。
 サンジは彼女の脚を持ち上げて更に奥に突き進み始める。すると、ナミはそのリズムに
合わせて艶かしく息を吐き声を上げる。その官能的に歪む表情が、だらしなく半開きな口
元が、不思議な非対称なラインを描く眉が、瞼を閉じたり開いたりしながら虚ろな眼球で
自分を見たり逸らしたりする愛しいその娘が、徐々に自分のものになって行くような実感
が湧いてくるのを感じながら、それでいて物足りていない。
 繋がっているのは局部だけか。性器だけか。それだけでは物足りない!
 サンジは身体を倒して、その胸板でナミの胸を押し潰した。その身体を抱きしめて、何
度も何度も唇を重ねて、舌を絡ませ唾液を混ぜ合わせて、肌と肌を触れ合わせこすり合わ
せて、陰茎の出し入れのように激しく、激しく。全身全霊で一つになる。愛しいその存在
を自分と同化させる。体液も鼓動も感情も全て同調させて、自分のものにする。
 セックスとは全身でするものだ!そうでなければ意味がない。
 それでも、まだ物足りない。まだまだ欲しいのだ。
「好きだ!好き、好きだ!ナミさん、好きだ!好きなんだ!」
言葉の持つ重みなどたかが知れているかもしれない。しかし、それが大した効果をもたら
さなくとも仕様せずにはいられない。抱き合うだけでは足りない。繋がりあうだけでも
物足りない。口付けだけでも足りていない。この想いを、情熱を、伝える術は全て使って、
それでもまだ足りないかもしれない。
 サンジはキッスの合間にその想いを吐き出し、局部ではねる体液の音や肌のぶつかり合
う音やお互いの吐息さえ消してしまう勢いで、彼女にそう告げ続ける。
「好きだ、好きだ、好きだ!」
そして、奥へ奥へと突き上げる。締め付けてくる肉壁を掻き分けて、出し入れのスピード
を上げる。
 ナミは鳴きながら、泣きながら、サンジの唇に貪るように吸い付く。しっかりと彼にし
がみついて、突き上げられるままに腰を振る。
 好きだ、と言われる度に胸が高鳴る。体温が上昇する。気持ちが昂ぶる。下腹部に力が
入る。

 好きな男に、好きだと言われる。それ以上の興奮がこの世に存在するでしょうか!
 ナミはサンジを抱きしめるあまり思わずその背中に爪を立てて、痙攣しながら声を上げ
る。
「……じくっ……さ、っじくっ……っんじくっ……さんじくっ……。」
彼女は合間にその名前を口にする。サンジは相変わらず自分への想いを唱え続け、責め立
てる間隔はかなり短い。
 宴は続く。いつまでも馬鹿騒ぎ。火の粉は弾けてぱちぱちぱちと。
「……さん、じくっ……さんじくっ……サンジくんッ!」
押し寄せてくる快楽の波は理性の次は思考力までさらってしまう。ナミはただ本能のまま
にその男を抱きしめている。
「……サンジくんっ、サンジくんっ、すっ、好きィーーーッ!」

 好きな女に、好きだと言われる。それ以上の悦びがこの世に存在するだろうか!

 欲望を膣の中に吐き出すと同時に耳に届く声。頭の中は真っ白になり、明るい炎のおか
げで闇は訪れない。



 サンジはナミの肩に顎を乗せて、小さな焚き火の最後を見届ける。
 大分小さくなったオレンジ色の炎はもうすぐ二人の顔を赤く染め上げることはできなく
なる。最後にたくさんの火の粉をぱちぱちぱちと振りまくだけだ。
 それでも、宴は終わらない。飲めや歌えの大騒ぎ。
 サンジはナミの肩に額を乗せて、目を閉じた。金色の髪とオレンジ色の髪が混ざり合っ
たところで、その姿は暗闇に溶けた。
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