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『二月十四日、二十四時』

今だから打ち明けよう。俺がまだバラティエにいた頃のことだ。この時期になると、あんな荒くれ者揃い
の店でもなんとなくソワソワした空気が流れた。まぁ、イベントの時期は同時に稼ぎ時でもあるわけだから
、「バレンタイン・デイなんで仕事休みます」なんつう言い訳はクソジジイには通用するはずもない。あの
店の連中の何割が彼女もちだったかと言うと……いや、これは伏せておこう。馴染みの酒場のレディに営業
用のチョコレートをもらうのがせいぜいだろとか暴いちゃ可哀想だからな。
それはともかくだ。
副料理長でありながらウェイターも兼業することが多かった俺は、お客様にチョコレートをいただくことも
多かった。いや、そりゃもうもらった。何割が義理で何割が本命とかは秘密だが、まぁとにかくもらった。
……それが。その俺が。
「なんでチョコ作ってんだ?」
深夜のキッチンで、テンパリングしながら一人ごちて、これはやっぱりおかしいんじゃなかろうかと首を
傾げた。

事の発端は数日前に遡る。
食糧補給に立ち寄った島で、買出しに出かけようとする俺を引き止めて、彼女は言った。
「サンジくん、お願いあるんだけど」
「なんだい、ナミさん」
「もうすぐバレンタイン・デイよね」
「そうだねーっ♪」
思いっきりニコーッと笑って、…まぁ、当然もらえるものと思ってのことなんだが。なんだろう、前日に
キッチンを使わせて欲しいとかそういうお願いかなぁ、うわ、ナミさんの手作りチョコレートもらえちゃう?!
とかパヤーッとなるだろうがよ。パヤーッと。……なるんだよ!ああ、案外俺って古風な男だよな。
だがしかしだ。次の瞬間、彼女が言うことにゃ。
「チョコレート作って欲しいの。全員分」
「へ?」
「あ、サンジくん以外は勿論義理よ?でもほら、仲間としてそういうことをしておくのも大事かなって」
……絶対嘘だ。倍返し狙いだ。でもそれ、通用する相手っていないと思うんだが。なんかそういう雑誌でも
読んだかな。
「えーと、ナミさん。義理ならその辺で買ったものでも良いんじゃないかな」
「でも、せっかくなら美味しいほうが良いじゃない」
「ま、まぁそうだけど」
「だから、サンジくんが作ったのが一番美味しいと思うのよ」
…………。
料理を仕事にしてて、こんなこと言われて、心擽られない男がいたらお目にかかりたいね。わかってる!
わかってるよ操縦されてるって。けど。
「では最高に美味いチョコレートをご用意しましょう、お姫様」
言わずにいらりょか。ああ、俺のバカ。

「自分がもらうチョコを自分で作っている俺って一体」
一人ごちてまた落ち込んだ。悲しいかな、落ち込みつつも働き者の手は動く。オレンジリキュールで風味
付けしたガナッシュを、テンパリングしたチョコレートでコーティングしてツノ立てて……うう、我ながら
完璧だ。
テイクアウトのためのラッピング技術だってそりゃ、あるし。くそう。淡いオレンジの包装紙で包み、ダーク
オレンジのリボンをかけ終えた箱は六つ。あまりの完璧さに、逆に虚しさを感じて溜息が出た。
「自分がもらうチョコを自分で作ってラッピングまでする俺って一体」
一人ごちてまたまた落ち込んだ。
俺の方がどうしたって彼女を好きなんだよなぁとか、そういうことを考えちまう。どこまでもいつまでも
イコールにならない……。

「あーーーっ!やめやめやめっ!」
「うわっ!何?!」
「はっ?あ……ナミさん。どうしたのこんな夜中に」
「んー、首尾はどうかしらと思って?」
「完璧ですよ?ははははは」
我ながら乾いた笑いだ。ナミさんは不思議そうな顔をして、ふうん?と言うと、テーブルの上の箱に気が
ついた。
「ん、ちゃんとロビンの分もあるわね」
「倍返しの可能性があるとすれば俺以外ではロビンちゃんくらいだろ?」
言うとにんまり笑う。ん?なんかこれは…たくらみが…。
「倍返ししてくれるつもりなんだ」
「へ?」
「高くつくわよぉ?」
「いや、俺そんな高い材料使ってないぜ?」
「何言ってんの?」
きょとんとしながらナミさんは後ろ手に隠していたものを、俺の眼の前に差し出した。黒い包装紙に茶色の
リボンがかかった小さな箱を押し付けるようにして渡してくる。え?何これ。どゆこと?
「サンジくん、この間の島に『シェ・イトゥー』の支店があったの知ってた?」
「……嘘だろ?」
「んっふふふ、甘いものの情報は女の方が早いわよねー、やっぱ」
シェ・イトゥーといえば偉大なる航路でも三本の指に入ると言う老舗中の老舗の洋菓子店で、絶対支店を
出さないので有名なのに。支店出してたぁ?あの島に?いつの間に?そりゃちょっと栄えた感じの島では
あったけど……。
「あれっ?じゃあちょっと待ってくれ。全員分って頼まれて俺が作ったのは?」
「ああ、これ?これは私がもらうのよ」
「へ」
テーブルの上に並んだ六箱のうちの一つを手にとって、悪戯っぽく笑う。それは俺が受け取った名店の包装
とは比べ物にならないくらいお粗末なはずなのに、彼女が言うことには。
「だってサンジくんのチョコレートのほうが美味しいのに決まってるもの」
……やられた。
勘弁してくれよ、ほんとに、こういうサプライズ。心臓に悪いんだって。俺を喜ばせてどうしようってん
だろ、ほんとに。
弱りきって目を見ると、変わらず悪戯っぽい表情。
「食べないの?」
「え、……あれ?もう、十四日?」
「二十四時をまわったところ。だからもうバレンタイン・デイよ」
「あ、あ…そう。そうか。えーと……ありがとう。いただきます」
な、なんでこんな照れくさいんだ。バカみてぇ、俺。ガキかっつうの。包装を解く自分の手が、何故だか
上手く動かなくて、もどかしい。その下から現れたサテンの布張りの大仰な箱に、妙な緊張を覚えた。箱代
も高そうだな、と思いながら僅か四粒のトリュフチョコレートの一つを抓んで、口に入れた。
……素材が違う。チョコレートそのものも、酒も、何もかも良いのを使ってる。そうか、なるほど、これが
名店の味というやつか。でも待てよ、俺なら…。
「仕事の顔してる」
「えっ?」
目を上げた瞬間、彼女の嬉しそうな顔が視界に飛び込んできた。
「私も食べて良い?」
「あ、うん。勿論」
箱を差し出すと、一つ抓んで、無造作に口に放った。頬をもごもごさせながら味わって、飲み下すと、何
やら困ったような顔になる。
「うん、美味しい。…けど」
「けど?」
「それだけって感じ。何であんな高い値段ついてるのかしら。失礼しちゃう」
「あー…それは、原価とか、後…まぁ色々。ビジネスの話だよ、ナミさんのほうが得意だろ」
口ごもる俺に、んふ、と笑うと、彼女は俺が作ったチョコレートの包みを解いた。酷く気恥ずかしい感じが
する。でも……。
オレンジ風味のトリュフを口に含んで転がすと。
「…やっぱりサンジくんのほうが美味しい」
たちまち蕩けそうな笑顔になった。よし!俺正解!内心でガッツポーズ決めてると、ナミさんは悪戯っぽく
唇を舐めて。
「料理に限っては、ビジネス抜きのほうが美味しい、ということかしら」
「そのココロは?」
「内緒」
「ちぇ。……ところで、バレンタイン・デイのプレゼントはこれだけ?」
「サンジくんこそ、これだけ?」
…ったく、参るよ。
腰を抱き寄せて唇を合わせると、ふわりとチョコレートの風味が漂った。催促するように歯を舌先でノック
すると、やらかく開いて。ちゅくちゅく吸いあいながら…。
……あ、やべぇ、…かも。
俺が白状するより先に、ナミさんは首に抱きついてきた。唇を離すと、ゾクッとするような潤んだ目で見上げ
てくる。そして…。
「あんまりエッチなキスしちゃダメ……」
こんだけ煽っといてそれはないだろ。髪の中を指で掻き混ぜながら、テーブルの上に押し倒す。ちらりと、
今夜の見張り誰だったっけ、とか頭を掠めたけど、知るもんか。恋人達のイベントだぜ?目ェつぶってくれ。

「あ…ん…」
タンクトップの上からおっぱいを撫ぜまわした。風呂上りだからなのか、ノーブラ。たちまち先端がぷくん
と尖って、触って欲しいと主張する。くにくに指先で捏ねながらキスすると、積極的に舌を絡めてきた。
可愛い…マジ乳首弱いよね。もっともっとってどんどんエッチな顔になっていく。でも俺としては
「お願い」が聞きたいんだなぁ。
意地悪く布の上から指で挟んだり抓んだりして触っていると、俺の首の後ろから手が離れて、おずおずと
タンクトップの裾を捲り上げる。ぷるん、と形の良いおっぱいが露になって…。
「直に…」
「ん?」
「して…?」
「仰せのままに♪」
ベビーピンクの小さな蕾にちゅっとキスすると、ピクン、と肩を震わせた。指先で揺すぶったり、舌で転が
したり、つぶしたり、唇で食んだり。そこはやらかくて固くて、ナミさんは仔猫みたいな可愛い声出すし、
ちっとも飽きない。
いや、ぶっちゃけるとさっさとイれたいんだけど。焦らして焦らして焦らしたほうが最高に気持ち好いから
さ。意地悪しちゃうねぇ。俺の唾液でぬっとり光ってる乳首とか見ると、触れてもないのにビショビショに
なっちゃってるアソコだとかさ、想像してまたコーフンするわけだ。
中途半端に捲くれ上がってたタンクトップを脱がすと、バンザイの格好にされてナミさんは目を潤ませている。
ちょっと汗ばんだ脇の下に顔を寄せて舐めると…
「ひぁっ!や、ダメっ…サンジくん、そこ…やっ」
「んん?」
「恥ず、かしいっ、あっ、ん……」
もっと恥ずかしいトコ舐めたこともあるのにィ?まだ開発の余地があるのかと思うとほんとにタマんないね。
頭の上に両手をまとめたまま、つつぅっと二の腕まで舐め上げると腰を捩って悲鳴を上げた。
「あんま騒ぐと誰か来ちゃうかもよ」
「やぁ、ん……だってっ……!」
「だって?」
聞いたのに唇噛んで黙りこくってるから、しつこくチロチロ舐めてると、声上げるのを堪えながら、顔真っ赤
にして腰を捩っている。
「ナミさん、そんなに唇噛んでたら切れちゃうよー?」
「……っ!…っ!」
させてんのは俺か。ちょっと中断して、顔覗き込むと恨めしそうな表情をした。あ、ちょっとイジめすぎ?
引っ叩く?と両手解放して右頬を差し出すと今度は唇を尖らせる。かっわいい…。
「ナーミさん」
「………」
「ナーミさん、ゴメンね?」
「…思ってもないくせに。…ニヤけてる!」
ぎゅっ!と鼻抓まれて、ますます顔の筋肉が緩む。ダメだな、俺。コントロール、コントロール。気合で。
ガッツで。
と、引き締めた途端に焦れたように、
「やんもぉ……」
…やっぱダメかも。いやいやいや、頑張れ俺。気付かれないように、ブレス。
「…イヤでなくするにはどうすれば良い?」
「………」
強情だ、とんでもなく強情だ。でもだから可愛い。喩えるなら、そうだな。永遠に読み終わらないミステリー
小説を手にしたような気分なんだよ。こんな幸運、そうそうない。次にはどんな展開が来る?ノックして
みようか。
「ここかな?」
「…んっ」
「ここかも」
「ん、ふっ…」
ミニスカートの下に手を滑り込ませて、ショーツの上から。とん、とん、とん。ソコはとっくにグショグショ
で、ノックの度に滑って俺は上手く叩けない。ナミさんはもどかしげに、それこそ、「ここ!」と言うよう
に腰をくねらせて…。
「入っても良い?」
「ん、んっ…」
OK?NG?勝負ドコかな。…では、こうしましょう、レディ。俺は、小さなショーツを脱がすと、ナミさんに
もらった老舗中の老舗の名店のトリュフチョコを一粒抓んで…
「あ!……何っ?!」
「入室の前に心を落ち着けたいので、ホットショコラを一杯、欲しいんデス」
ぐゅ、とソコに押し込むと、ビクビクッと震えた。先人への冒涜、というのもソソるね。中指の付け根の
寸前までツっこんだけど、あれ?丁度この辺りって、確か…。
「や、ぁーーーーーっ、サンジ、くぅんっ……!」
ビンゴ!
イイところに当たってしまったのらしく、ナミさんは腰をくなくな揺らしながら、涙目で見上げてくる。
荒い呼吸のおかげで、形の良いおっぱいがイヤらしく上下する。ぷくんと尖った可愛いベビーピンクが視界
で揺れて、ちゅっ、と吸えば、ひぁん、と鳴いて。ひゅうひゅう喉鳴らしながら、もう涙零してる。
「…蕩けちゃう?」
「ん、はぁっ……あっ、や、…コック、のくせ、にっ、こんな、の………」
「……反則?」
「だぁ、って……!」
言うなり、とろっと、スリットから溢れてきた、ホットショコラ。顔を寄せて舐めれば、熱い。美味しい
けど「ただそれだけ」のチョコレートが、ナミさんのカラダの中で、「タダモノではない」チョコレートに
変わる。その特権を持ってるのは、俺だけ。…まったく、ゾクゾクするね。コックで良かった、俺。美味い
ものとそうでないものの区別がつく。そして、彼女が作ったホットショコラは。
「うま……」
「ヤ、らしいっ…も、やだっ!…」
「…ヤじゃないでしょ、ナミさん。…美味しくたいらげられてよ」
「やぁっ…!」
じゅうっと音を立てて啜ると、後から後から甘露が溢れ出す。ヌメる内側に舌を埋めれば、とびきり可愛い
声で鳴く。食っちゃいたい、食っちゃいたい、食っちゃいたい。骨までバリバリ食っちゃいたい。だって
ヒクヒクしてて、ヌルヌルしてて、天井はザラッとしてる。知ってる、知ってるけど。もっと。もっと…。
「……入って良い?」
「…キてぇ…」
心底切なげな声に、パンツのジッパーを慌ただしく下ろす。そうして、ぬじゅうっ、と、押し入って、期待
しつつも予想外の展開をはらむ世界へ飛び立つ、このスリル。…タマんないね。だってヒクヒクしてて、
ヌルヌルしてて、天井がザラッとしてるのはとっくに知ってんのに。そうだな、喩えるなら…………
今は無理だ。
ぬぷん、ぬぷん、と音を立てて出入りする俺の相棒に視線が注がれてるのを感じる。蜜が絡んでヌラヌラして、
ソコに出たり入ったりしてる俺のモノから目を離せないでいる彼女の表情と言ったら!たまらなく可愛い。
たまらなく愛しい。
いたわりたい泣かせたい傷つけてそこを舐めたい気持ち好くさせたい支配したい服従したい亡くしたくない
泣かせたくない、…他に?!
「ナミさん!」
「な、に…」
「好きだ。愛してる」
ああ、他に言葉を持たない俺。突き上げながら、きゅんと窄まってくる入り口が、「もっとォ!」と言って
るのを知ってるけど。余裕ないよ、愛してるのに。余裕を与えてくれないほどに、気持ちイイ君のカラダに、
溺れてる真っ只中なんだ、俺なんか。なぁ、ナミさん。どこまでたっても俺にとっては、「愛してる」は
「君が欲しい」と同義語だよ。この恋人達のイベントの日に、君を愛してるとしか、俺は言えないんだぜ。
語彙がねぇなぁ、あんまりだ。
「…っね、…ナミさん」
「んっ、んっ……ふ、んゥっ……な、ァ、に……?」
「…俺…っ」
「あ、んっ………ん、ん?っ……アァん、イ、ィっ!」
あー!ダメだ、グチュグチュ前後させてたら、やっぱり考えてたことはどっかに行っちまった。足抱え込ん
で体中揺さぶって、さっきまで愛について考察していた俺よ、どこへ行った!ナミさんも理性飛んじゃった
みたいに髪振り乱して、腰振って…ああ、ダメだ、もう限界。
「イク……」
「んーーーーーーーーっ!」
ぎゅうっとしがみついたまま、動けなくなってるナミさんの中に全部………は、はは……あ、途端に疲労が。


「やっぱ疲労回復には甘いものよねぇ」
コトの後、正確にはコトの後始末の後。俺が作ったチョコを口に放り込んで、ナミさんは笑った。そうか、
彼女も疲れるのか。ちょっと安心した。俺は汚してしまったテーブルクロスを取り替えて、床に落ちてしま
った残り五箱のパッケイジを拾って、中身を確認しながら、テーブルの上のものを落としてしまうほど常軌
を逸してしまったことに少し恥じ入った。なんかこの繰り返しだな、とか思いながら、彼女を見るとやっぱり
特別なのだ。変わることがないような気もするし、変わって欲しいような気も……。
「ナミさん」
「なぁに?」
「俺にも甘いものください」
と、言えば、顔寄せてきてチョコレート味のキス。うん、これはスタンダードな反応。かと思えば、唇離して。
「デザートの後にデザートって贅沢?」
と、首を傾げる。あれっ?食われちゃったのは、俺?
謎は生まれ続け、飽きることはない。なるほど、一生かかっても読めないかもな。でも放り出す気なんか
さらさらないんだから、俺もまた謎。そしてスタンダード。


                                           end.
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