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『Chocolate Kiss』

「あっ、ペル様!」
宮殿の中庭に面した長い回廊を士官室に向かって歩いているとき、ふいに誰かに呼び止められた。
振り返ると国王付きの若い侍女が、小走りに近寄ってくる。
―さて、国王から急ぎの用でも頼まれたか?
「何か?」
立ち止まって次の言葉を待っていると、側に来た侍女は辺りを軽く見回し、持っていた小さな黒い袋から何か取り出す。
「あの…少し早いとは思うのですが、これを……」
小さくそう言うと、両手を差し出し俯いた。
手の中に隠れるほどの大きさのそれは、紺色の包み紙に銀のリボンが掛けられ、白いカードが添えられている。
……またか。
心の中で小さく溜め息をついた。
この包みは『バレンタインデー』の贈り物だ。今日だけでもう5人になる。
チャカと違って、おれは最近こういうことにあまり興味がない。
好きな女性からならいざ知らず、そうでない方から戴くのは有難くも申し訳ない、としか思えないのだ。
だが、忙しいであろう仕事の合間を縫って、任務上どこにいるかわからない自分に会いに来ていると思うと、彼女らの気持ちを無下にはできず、
頬を緩めて微笑を浮かべ、当たり障りのない態度で受け取ってしまうのだ。
「ありがとう。わざわざ悪かったね。……しかし、早く仕事に戻った方がいい」
「そうだな。こんなところイガラムさんに見つかったら大変だぞ」
声のした方を見ると、すぐ側の小部屋から笑みを浮かべたチャカが姿を現した。
「チャカ……」
「チャ、チャカ様っ!?で、ではわたくしこれで失礼致します!」
一礼してそそくさと去っていく侍女の後姿をぼんやり見送っていると、チャカがニヤニヤしながら歩み寄ってきた。
「はは、相変わらず大変そうだな。顔が引きつっているぞ」
「仕方ないだろう。邪険に扱うわけにもいかないし。それに、今年は……」
「そうだな。仕事とはいえお前がしばらくいないとなると、焦り慌てる女の気持ちもわからんではない。
だが渡されて困るくらいなら、『好きな女がいる』と一言言ってやればいいのに」
はは、と曖昧に笑って誤魔化すと、同じく士官室へ向かうチャカを促し歩き出す。
正確にはバレンタインデーは来月だ。
しかし、おれは世界会議に出席なさるビビ様の護衛を仰せつかっていて、その日は聖地マリージョアにいることになっている。
これで今年のチョコレート攻めは免れたと思っていたのに……
甘かった。
一ヶ月前倒しでやってきた上に、自室の片隅で日々増えていく贈り物の山。
まあ、この贈り物の数で男としての面目や、自尊心(言っておくが主にチャカに対してのだぞ)が保たれるのは確かなのだが。
「ところでおまえの方はどうなりそうだ?今年の成果は」
「俺か?俺はいつも通り当日だろうな。
イガラムさんがいない間は、余程のことがない限り、護衛隊長代理としてこの宮殿を離れるわけにはいかんしな」
今回の世界会議には国王ではなく、ビビ様とイガラムさんが向かうことになっている。
アラバスタ王国としては、立志式を迎えられたビビ様、つまり正統な王位継承者としての王女のお披露目も兼ねているのだ。
そして、ビビ様直々の命を受けて、おれが王女の護衛を務めさせていただくことになった。
しかし正直気が重い。
世界会議での護衛となると、片時も離れることは許されないのだから……
ふぅ、と息を吐いた私を見て、チャカは言った。
「まあそんなに心配するな。お前がいない間でも、チョコレートは俺が責任持って預かっておいてやるから」
その満足げな横顔を見て、おれは更に大きな溜息をついた。
「…チャカよ、お前おれのことを大きく誤解してないか?おれはそんなに女性に執着しているわけじゃないぞ」
「まあ最近はそうでもないな。だが昔のお前を知ってるせいか、そのような言葉も霞んで聞こえるが」
口の端を軽く上げ、ちらと視線を寄こす。
「……確かに女性との付き合いを軽くみてた時期もあったさ。よりどりみどりだったからな。しかし、あれは若気の至りだ!今は違うぞ!断じて違う!」
すると、視界の端に碧い影が入り、チャカの挑発に乗ってしまったことを途端に後悔する。
「何が違うの?」
おれとチャカとの間からひょいと顔を出してきたのは、お出掛けになるのか髪を束ね、フードのついたマントを着たビビ様だった。
「ビビ様…!」
「おお、これはビビ様。ご機嫌いかがですかな」
「いいわよ。ありがとう」
……チャカのこのわざとらしい口調からして、ビビ様がいらっしゃることをわかってておれをからかったな。くそっ、なんてヤツだ……!
にこやかに挨拶を交わすふたりを、おれは憮然とした顔で見ていた。


今でこそ復興が進み、その影も大分見られなくなってきたが、このアラバスタ王国は以前、崩壊寸前にまで陥ったことがある。
戦いが最終局面を迎え、宮前広場に仕掛けられた砲弾が時限式だと知り、おれは無我夢中でビビ様のいらっしゃる時計台の機械室へと向かった。
そのとき、為す術も無く大砲の前に佇む王女の姿を見て、気付いてしまったのだ……
家臣としてだけでなく、おれは男としてビビ様をお慕いしていると――!
しかし、国の存亡を左右する爆発がすぐそこに迫っていて、おれに残された時間はあまりにも少なすぎた。
そしておれは、誇り高き守護神ファルコンとして、命を賭してビビ様をお守りすることを選んだのだ。
その後大怪我を負ったものの、処置が早かったおかげで、幸いおれは一命を取り留めることになる。
宮殿へ戻り、護衛兵として復帰してからも、王国最強の戦士という呼び名に恥じぬよう鍛錬を重ねてきた。
全てはビビ様の為に――。
しかし、トリトリの実の能力を、以前ほど活かせてないのではないかという気がしてならない。
(手合わせを頼んでいるチャカは『そんなことはないぞ』と言うが、この男、たまに平気な顔で嘘をつくのでいまいち信用できないのだ)
精神的な弱さが、肉体や技術にも影響を及ぼすのは十分承知している。
しかし、自分の体は自分が一番よくわかっているからこそ不安は尽きない……
―しかし、なぜ万全でないこのおれをご指名になられたのだろう。イガラムさんだけで充分ではないのか。
……いや、命令を受けたからには何をもってしても私がお守りせねばならんのだ。
名誉なことではないか。余計なことを考えるのはもうやめだ――…

そう自分自身を納得させていると、
「……へぇ、『よりどりみどり』で『若気の至り』。今のペルからは想像できないわね」
「なっ!……おい、いつのまにそんなことまで!ビビ様にお聞かせするような話ではないだろう!!」
気が付けば、チャカはさっきおれが貰った小箱を手に、楽しげに会話していた。
「そしてこれがつい先ほどの贈り物です。ペルの部屋にはもう小山ができてますよ」
「チャカ!!いい加減にしろっ!!」
おれの剣幕に肩を竦めたチャカの向かいで、ビビ様がなだめるように優しく仰った。
「いいじゃない。素敵なことだと思うわ。好きな人の側にいられて、気持ちを…伝えられるって」
「ビビ様……」
にこっと微笑むビビ様の顔はどこか少し寂しそうに見えた。
そう、ビビ様の想いはきっとここには無いのだ。
誰とまではわからないが、どこかで航海を続ける仲間の一人に、今でも向けられているに違いない。
果てしなく広がる空を見上げては、ひとり溜息を付き涙を流すビビ様に気づいたときは、家臣であることなど忘れて、この胸がじりと焼け付くのを感じた。
―これは……嫉妬、だ。
今まで一度も感じたことの無かった気持ちに驚くと同時に、ビビ様への想いがこんなにも強いものだったことを改めて気付かされた。
そんな時に今回の護衛の話が飛び込んできたわけだ。
―…お守りするのが仕事なのに、自分から襲い掛かったなんて洒落にもならん。
四六時中本能と戦うことを考えると、溜息は当分尽きそうもない。
「じゃあ出掛けてくるわ。ペル、大変だろうけど来月よろしくね」
「あ、はい……いってらっしゃい」
太陽と見紛うばかりの笑顔が向けられ、おれはまたも深く溜息をついた。


しかし、懸念していた不安が噴出することもなく、忙しく時間は過ぎていき、世界会議も最終日を迎えようとしていた。
世界政府が管理するホテルのスウィートルーム。
たくさんのゲストルームから、出入り口に最も近い一室を与えられ、シャワーを終えたおれは、リビングに面した主寝室の気配を窺う。
―ビビ様はおやすみになられたようだな……やれやれ。まだ気は抜けんが、どうにか何事も無く終わりそうだ。
しかし、備え付けのキッチンで眠気覚ましのコーヒーを淹れてリビングに戻ってくると、なんとビビ様がソファーに腰掛けこちらを見ているではないか!
「ビ、ビビ様!いつの間に!?」
寝間着にガウンを羽織り、にっこり微笑んでいるのを見て、危うくカップを落とすところだった。
動揺するおれをさして気にする様子もなく、ビビ様はにっこり微笑まれる。
「今までお疲れ様。少し話さない?明日で終わりだし少しくらいなら構わないでしょう」
ビビ様の分としてグラスにワインを注ぎお持ちすると、交換するようにビビ様はごそごそとポケットからなにか取り出す。
「はい」
その手には、かわいらしくリボンがかけられた碧いガラスの器があった。
中に何か入っているようだが……
「これは…?」
「ハッピーバレンタイン。日付が変わってから渡そうと思ってたの。パパとイガラムには内緒よ」
そうか。今日はバレンタインデーだ。
「ペルって甘いものあまり得意じゃないでしょう?だからできるだけ小さいチョコにしたの」
おれのために、ビビ様が自ら選んでくださったのか……いやいや、なにを期待している。義理チョコというやつだ。
でも、本当はつくりたかったんだけどね、と仰るのを聞き、ますます喜びが込み上げる。
床に片膝を立てて跪き、ビビ様に向かって頭を下げる。
「お心遣い、いたみいります」
「嬉しい?」
「ええ、もちろん」
「うふふ。良かった」
つられて顔をほころばせたおれを、ビビ様がじっと見つめてくる。
「あの……どうかなさいましたか?」
「ううん、喜んでくれてよかったなって。国を出る前からずっと溜め息ばかりだったから心配してたの」
…驚いた。ビビ様にだけは気づかれまいと毅然、悠然と振舞っていたつもりだったのに。
「はは、参りましたね。しかしそのように仰ってくださるのはビビ様だけですよ」
まっすぐな瞳に誤魔化すこともできず笑ってそう言うと、ビビ様は――…
「……だって、ペルが私を見てくれてるように、私もペルのことを見てたもの」
「今……なんと?」
心臓がどくどくと大きな音を立て始め、いただいたばかりの器が手の中で小刻みに震える。
おれを見てた?は、まさか…聞き間違いだ、そうに決まっている!
しかし。
「チャカに相談したの。そしたら、ペルも私のこと、って……」
……チャカ〜〜!!お前という奴は!知っていたのならなぜ言わんのだっ!
ああ…ほくそ笑むヤツの顔が目に浮かぶ……
「違うの…?」
「えっ!いやっ、そうではなく……あの、私は……」
―いかん! 落ち着け! もう覚悟を決めろ!
悲しげなビビ様の表情にしどろもどろになりながらも、冷静さを取り戻すように大きく息を吸い込んだ。
「あの、ビビ様……今更かもしれませんが、聞いていただけますか?」
脈は一層速くなり、手の平にじっとり汗が滲む。
「身分もわきまえず、このような無礼をお許しください……あの、私は――」
跪いたまま、絹のようになめらかな手を取ると、見つめてくる瞳をまっすぐ見上げて、はっきり言った。
「私は、心よりビビ様をお慕いしております……」

「――ペル………嬉しい」
おれの、一世一代とも言える告白に、ビビ様は満面の笑みで応えてくださった。
ふう、と息をつく。しかしいくつかの疑問が頭をよぎる。
「あの……私は、国を救ってくれた英雄たちの中に、ビビ様の想い人がいるものと思っていたのですが……」
「……ええ、いたわよ。……でも、彼に対しては、私の中ではもう過去形の恋よ」
「そう、なのですか?」
「共に戦った『仲間』ではあるけどね……私の側にはいつもペルがいてくれるんだもの

ごくりとつばを飲み込む。
「では、もうひとつだけ伺いたいのですが……」
「いいわよ、なあに?」
「以前、切なそうに空を見上げ、その、涙されていたのは……」
するとビビ様は、すっと立ち上がり窓辺へ向かうと、重たげなカーテンを小さく開けた。
傍らに立ち、高い位置でカーテンを支えると、ビビ様はその隙間から星の瞬く夜空を眺める。
「空を見るとね、思い出してしまうのよ……あの日ペルが砲弾を掴んで空に飛び去ったときのこと。
すごいスピードで遠ざかっていくペルの姿が今でも目に焼きついてる。
あのとき、思わず伸ばした手にひらひらと落ちてきたペルの羽根が、まるでさよならと言ってるみたいだった。
戦いが終わり、自分を奮い立たせようとはしていたけど、一人になると辛くて悲しくて寂しくて……
でも…あなたは帰ってきてくれたわ。
大変な怪我を負わせてしまったけど、あなたが生きていてくれたことがただ嬉しくて……涙が、出てしまうの」
布を握った手に力が入り震える。
―ああ、なんということだ! あの涙がおれへ向けられたものだったとは!
「そして、今、私の隣にいてくれる……」
話し終えたビビ様は、恥ずかしそうに頬を染めて、おれを見上げてくる。
その表情はなんとも言えず愛らしく、そして心から愛しく思われた。
「――今夜は、あなたのお傍から離れられそうにありません…っ」
気がつけば、おれの両腕はビビ様の体をきつく抱きしめていた。

―幼い頃からお仕えしているが、こんなに体中でビビ様を感じるのは初めてかもしれん……
抗う様子のないビビ様の髪の毛に頬を寄せると、ふわりと漂うバラの香りが鼻腔をくすぐる。
すう、と胸いっぱい吸い込むと、気持ちが少し落ち着いた。
そしてふと思い立ち、ビビ様の耳元で囁く。
「ビビ様、先ほど戴いた物、開けても構いませんか?」
「えっ、今?」
「はい。今頂きたいのです」
「もちろん構わないけれど……」
カーテンを閉じ、ビビ様とソファへ戻るとテーブルの上の碧いガラスを手に取る。
リボンを解き蓋を開けると、中には親指の爪ほどの大きさのハート型のチョコレートが十ほど入っていた。
一つつまみ上げ口に入れると、舌の上で甘い欠片が溶けていく。
疲れた体に染み渡り、頭の中に甘い香りが広がる。
ビビ様が選んでくださったチョコレートは、甘すぎず、くど過ぎず……うん、美味い。
そして、反応を気にするように覗き込むビビ様に笑顔を向けた。
「とてもおいしいですよ。ビビ様もおひとついかがですか」
「ええ。頂くわ」
ビビ様はほっとしたような表情になり、予想通りの答えにおれはにっこり微笑むと、こう言った。
「チョコレートのことは誰にも内緒にするんですよね?」
そして小さなハートを一つ摘んで、自分の口にくわえる。
「ペル……?」
おれは問い掛けには答えず、ビビ様の顔に掛かる碧い髪を梳くようにかき上げ、顎を捕まえ上を向かせる。
そしてチョコを挟んだ唇を近づけると――
「ん……っ」
動きの止まったビビ様に、文字通り甘くとろけるような口付けを落とした。
舌でチョコレートを差し入れ、ビビ様の口の中で甘い香りを楽しむ。
「んっ……は、ぁっ……」
「いかがですか、お味の方は」
とろんとした瞳のビビ様に優しく微笑みかける。
「甘いわ、とても……」
「ビビ様の唇も、今まで味わったことのない甘さですよ。もう一度頂いても?」
そう言うと、熱っぽく潤んだ視線が向けられ、おれはビビ様のチョコレートを残らず味わった。


とろける様な香りに包まれ、立っていられなくなったビビ様を抱え上げると、主寝室へ移る。
―イガラムさんがセミスウィートに泊まってて良かった……
などと、不埒なことを考えながら、キングサイズの豪奢なベッドへそっと体を下ろすと、再び口付け、静かにガウンを解き寝着のボタンを外していく。
差し入れた舌に応えるように、ビビ様も控えめながら小さな舌を絡めてくる。
頬に添えた手の平を耳の方へ移動させると、髪をかき上げ耳を露出させる。
耳殻に沿って親指を滑らせ、残りの指で耳の後ろ側をくすぐるように触ると、「ん……」と鼻を鳴らし小さく体をくねらせた。
かわいらしいその声に下腹部が反応するが、あくまでもソフトに、少しずつ刺激を与えていく。
降りていく唇は、顎を掠め、なだらかな肩口や肩甲骨に口付け、首筋に狙いを定めた。
何度か食むように唇を寄せ、つつ、と舌先を滑らせると、悩ましい溜息と共に顎を反らせる。
―ああ…ビビ様のこのような姿態を見られる日が来ようとは、夢にも思っていなかった。
白い肌が徐々に露になっていき、いやがうえにも気持ちが昂ぶる。

ゆっくりと前をはだけていくと、そこには頂を薄紅に彩られた豊かなふくらみが見て取れた。
「美しい……」
思わず感嘆の声を上げてしまうほど、瑞々しく、しかし妖艶で魅力的なその体。
熱い吐息を漏らしたビビ様は、紅く染まった顔を恥ずかしそうに逸らしている。
ふくらみを左右から寄せるように揉むと、弾力のある柔らかさが心地いい。
ほのかに彩られた先端を軽く爪で擦ると、ぷく、と主張してくる。
ふくらみに手を添えたまま、片方の蕾を優しく指で捏ねるように摘み、もう片方を口に含んで何度も啄ばむ。
「…ん……あぁ…はぁ!…あっ、ぅんん……」
断続的に甘い調べが聞こえ始め、更に舌を尖らせ突つき、舐り、軽く吸う。
「あぁっ、ペルっ…私に、痕を付けてっ……あなたの、唇で…いつまでも…残るように」
「……はい」
左右の乳首を交互に刺激し、硬くなった先端を舐め上げたあと、ちゅっと吸って口から離す。
ぷるんっと弾かれたふくらみにもう一度唇を寄せ、彩の脇にきつく吸い付いた。
甘さの中を突然走る痛みにビビ様は顔をしかめ「つっ……!」と小さく声を出す。
顔を離すとそこには濃い紅色の花が散っていた。
逆側にももう一つ―
いくつもいくつも散らしていく。
まるで自分のものだと言わんばかりに。
「好きです……ビビ様…」
そう言ったおれを、濡れた瞳で優しく見つめて……
「私も、大好き」
笑顔で両手を伸ばしたビビ様を抱き締め、頬にそっと口付けた。

全て脱ぎ去ったふとももの隙間から、くちゅり、と湿った音をさせて、おれの指が濡れる。
「んっ……」
漏れそうになる声を、唇を噛んで耐える姿に、おれの理性は今にも失われそうだった。
「力を、抜いてください」
そう声をかけ、体をビビ様の脚の間に押し込むようにして、脚を広げさせる。
途端に、秘唇からとろりと流れ出る体液。
「はぁ……いゃぁ」
愛液の垂れる様を見られ、恥ずかしさにビビ様の口から微かに吐息が漏れ、顔を隠してしまう。
「ビビ様」
指を敏感な芽に添え、低く囁くと、びくっと体を震わせる。
「とても…素敵です、ビビ様」
ぬめりを指で掬い、塗りつけるように擦ると、たちまち我慢しきれなくなり甘い声が聞こえてくる。
「あぁっ、んっ……ああぁ…やぁっ、ん、はぁ…っく、ぅぅん…あんっ……っはぁ」
耳に口付け、耳朶を柔らかく食む。
「好きです、ビビ様。そのかわらしい声も、あなたを包むこの香りも、華奢なカラダも、抜けるような白い肌も……
私に、あなたの全てを見せてください」
親指を陰核に添え、中指をつぷ、と泉の中心へ埋め込んでいく。
「あ…ん、やぁ、……っはぁ…」
中に入れた指の動きは、親指の刺激を助長するはず。
案の定、喘ぎ声と水音はどんどん大きくなり、溢れる愛液はすでにシーツに小さな染みをつくっていた。
「ぅ、んんっ……あぁっ!はぁっ…くぅっ……あっ、ぃゃ…あぁん!やぁ…」
顔を隠す腕をそっと退かすと、ビビ様はぎゅっと目を瞑り、襲ってくる快感から逃れようとする。
「目を開けて……私を見てください」
言われるまま、うっすらと瞼を開いたビビ様を見つめる。
「あなたを愛してます。ビビ様」
そう言ってそっと口づけたあと、胸に顔を寄せ、指の動きを激しくする。
乳首と陰核とを同時に弄り、そして差し込んだ指を軽く曲げると胎内の性感帯を刺激した。
「あぁっ、あぁ、んんっ!……やっ、あっ、ダメぇ…あんっ…はぁっ、あっ!だめっ!あぁ!ああぁぁーーー!!!」
入り口が指を締め上げると同時に、切ない喘ぎ声が一際大きくなり、ビビ様は意識を飛ばしてしまう。


―マズい!やってしまった……!
「ビビ様、ビビ様!」
ぺちぺちと頬を叩いて、意識を覚醒させる。
「……んっ…ぁ…ペル……」
「ああ、よかった……大丈夫ですか、ビビ様?」
「私……気を失っちゃったのね」
「すみません。私が……」
「ううん、気にしないで。ペルは悪くないわ。だって私――」
おれの耳に口を寄せるとビビ様はこう仰った。
「とっても気持ちよかったもの」
そうやって、ふふ、と微笑まれ、おれの首に腕を絡めてくるビビ様のなんと愛らしいことか。
「ねえ、ペル?」
「はい」
「私ね、あなたにしてあげたいことがあるの」
「はっ?」
……まさか。まさか、な。
「ペルにも気持ちよくなってほしいの」
がばっと体を離すと魅惑的な瞳で見上げてくる。
「うっ…ビ、ビビ様、それはもしや……その…く、口で、ということですか?」
こくん、と頷くと髪が小さく揺れる。
そんな嬉し……いや、だめだだめだ!さすがに王女にそんなことはさせられん!
「しかしそれは……」
「嫌なの?」
「嫌なわけありません!」
…即答してしまった。その答えにビビ様はにっこりと笑い……
「じゃあいいのね」
ああ、この嬉しそうな顔を見て、断れるヤツなんぞこの世の中におるまい……

「ビビ様、無理はなさらないでくださいね……」
胡座を崩して座り、足元のビビ様に声をかける。
「う、ん……」
さすがに怒張したモノをこの至近距離で見て、少し臆したのだろうか。
―だめだ、やはり止めさせよう……
しかしビビ様は、おずおず手を伸ばすと軽く握ってきた。
そしてその口から出てきた言葉にまた驚かされる。
「ペルのって、大きい……」
「……一体誰と比べてるんです…?」
「内緒♪」
はぁ、溜息が出る。一瞬萎えそうになるのをぐっと堪えて、手の動きに集中した。
しかしそのテクニックたるや、先ほどとは比べようもないほど私を驚かせた。
手首を使った滑らかな指の動き、緩すぎずきつ過ぎずちょうどよい握り具合。
―これを、どこで習得したのだ、ビビ様は……っ!
そして、亀頭に軽く口付け、舌を出すと先走りを、ねろ、と舐る。
小さな唇が開かれ、おれのモノがついにビビ様の口の中に――!
暖かい口腔に迎え入れられ、どくんと心臓がはねる。
唇でカリの部分を挟み、舌は亀頭全体を舐めるように押し付けたり、先走りを掬うように尖らせたりと自在に動く。
指は付け根とカリの間を上下に動き、ゆっくり扱き続ける。
おれは片手をついて体を支え、空いた手で、紅潮し色気に満ちたその顔に落ちてくる髪を押さえると、先端を咥えたまま、ビビ様が上目遣いでこちらを見て微笑むのだ。
目の前で繰り広げられている猥褻な映像は夢か幻か――。
しかし、王女の手と口を犯しているのが現実であることは、目を瞑っていても伝わってくる刺激によって明白だった。
乱れた髪の毛の間から覗く肉棒は、ビビ様に握られ、可愛らしい舌と唇で愛おしそうに愛撫されていて……
壮絶に淫靡な光景だ……!
唇を硬くすぼめ、浅く深く、ビビ様が頭を上下させ始める。
サオは、じゅぶと音をたてて口腔に飲み込まれていき、先走りとビビ様の唾液が混ざり、ぬらぬら光って見え隠れする。
罪の意識に苛まれながらも、頭を痺れさせる官能的な刺激に本能が呼び覚まされていく。

裏筋に尖らせた舌をちろちろと這わせ、かと思えば陰嚢をべろりと舐め上げ口に含む。
緩急付けた舌使い。富んだテクニック。
―くそっ誰だ…ビビ様にこんなことを教え込んだのは……!
根元を扱き、口をすぼめて顔を上下させ、息の荒くなったおれの様子を伺い見る。
限界が近づいていることを告げると、ビビ様は吸い込みを更にきつくし、動かすスピードがぐんと上がった。
―いやっ、ちょ、ちょっと待ってくれ!それはヤバい!!いくらなんでも口の中に出すわけには……!
「ビ、ビ、様っ……!」
最後の力を振り絞りなんとか耐えようとするが、努力むなしく、堰をきったように押し寄せてくる快感の波。
―駄目だっ、出る……!
「……っ………は…っ!!」
―やってしまった……しかも…ああ、なんてことだ……
どくん、どくんと脈打つ肉棒を優しく扱きながらビビ様は目を閉じ、そして吐き出された白濁をこくりと全て飲み干していく。
「気持ち…よかった?」
「は、い……」
精神的疲労と肉体的疲労からぐったりしてしまったおれに、擦り寄ってくるビビ様からは、艶かしい色気が漂っていた。

疲労感はやや残るものの、大きく息を吸い込むと呼吸はほとんど整ってきた。
そして、ビビ様を少し乱暴に抱き寄せ押し倒すと、首筋にかきつき脚を広げさせた。
「きゃっ!」
「ビビ様にも、お返しして差し上げますよ」
秘唇が開かれ、ぐちゅ、と音をさせておれの指を飲み込んでいく。
―やられたからやり返すというのは子供のすることだといつか聞いたな……しかしこういうことは子供にはできまい。
「はあ……ぁん、さっきも、…った、のにっ」
「あれだけで、もう充分ですか?まだこんなになっているのに?」
びしょびしょの秘所を弄られ、首筋や耳も舐められて、ビビ様は喘ぎとも溜息ともつかないような声を発し、おれの体に縋り付いてくる。
指を出し入れすると、切なげに眉を寄せて甘く啼き始めた。
「あん、んっ、あっ、やっ、んんっ」
ぐちゅ、ちゅぶ、と声と合わせる様に水音が聞こえる。
「聞こえますか、ビビ様。こんなイヤラシイ音をたてるほど、あなたのココは濡れてるんですよ」
「あぁ…いやぁ……」
「もっと聞こえやすくして差し上げましょう」
そう言って指を抜くと足元に移動し、ふとももの間に顔を埋めて陰核に舌を伸ばす。
「やあっ!あっ、ペル!」
制止するように伸ばされた両腕がおれの頭を押し返そうとするも、快感に流され力が入っていない。
「は…やぁ、だめぇ……ぅんっ、はぁぁ……」
指と舌で弄るたびに聴覚を刺激する声が聞こえ、再び反応する下腹部。
「ビビ様、いかがですか……」
「あぁっ…ふ……いい、の……」
「気持ちいいですか?」
「う、んっ……気持ち…いいっ…あぁっ」
善がるビビ様の姿に、自分自身も最大値を振り切る勢いで大きくなっていた。
「私に…あなたの全てを味わわせていただけますか……」
「ええ、来、て……私の、中にっ…お願い……っ」
ビビ様の腰に手を添え、先端で探るように秘裂を擦って、一気に貫く。
「あぁぁっ!…こん、なっ…すごい……っ!」
吐息を漏らしたビビ様の中は熱く、ぬるぬるしていて、それでいてときゅきゅっと絡み付いてくるような…ああ、とにかく気持ちいい……
最奥で繋がり、おれはビビ様への欲望が急速に高まっていくのを感じていた。

ぐちゅ、じゅぷと卑猥な音が響く部屋の中。
おれの体の下では、王女があられもない姿で嬌声を上げている。
腰を動かしながら、乳房に手を添え乳首をつまむと、中がきゅっと締まったのがわかる。
「んんんっっ!…っ…ああっ、あんっ!」
白いすべすべした脚を持ち上げ広げると、より深いところで繋がることができる。
その分、奥まで打ち付けることになり、ビビ様は短く高い声で啼くのだ。
「はぁっ!やぁん、あっ…うっ、んっ、やっ…」
―今まで知らないことはないくらい長い時間お仕えしてきたのにな……体が繋がって初めて知ることのなんと多いことだろう。
「あぁ!ペルっ!すごいのっ!ああぁん!」
「…ビビ様、お声が、少し高いかと…」
「んっ、だって、ガマンっ、で、き、ないっ」
厚い壁のおかげで声が外へ聞こえることはないのだが、指を噛んで堪える姿にますます欲情し、腰の動きは激しくなる。
「あんっ!そんなっ、やっ、ダメ!声がっ、あぁ!」
「声を出しては、ダメですっ、我慢してください」
「そんなっ……っああ、もうだめっ、イ…き……そ…ぅんんっ!」
更に激しく腰を打ち付けると、ビビ様は髪を振り乱し、高く高く啼いた。
「あっ、ふっ、んんっ、だめっ!やっ!あっ、やぁっ…ああぁぁーー!!」

絶頂を迎えた体から一度離れ、肩で息をするビビ様をうつ伏せにして、腰を高く上げさせる。
「えっ?…やっ、待ってペル!私、まだ……」
「待てません。少しでもあなたとつながっていたいのですから」
ぐっと腰を押し付ける。
「ああっ!だめっ、だめなの!ああっ、あーっ」
中がひくつき双丘がぷるぷると震える。
―入れただけでまた……おれの愛する方はなんと愛らしいのだろうか……
「ビビ様、大丈夫ですか?」
「……ひどい、ペル……だめって言ってるのに」
肘をついた四つん這いの格好で顔だけこちらに向けてくる。
恨みがましい表情も、全て愛しく思われるから不思議だ。
「何笑ってるのよ……」
「いえ、あまりにもビビ様がお可愛らしくて…」
そう言うと顔を真っ赤に染めて、前を向く。
「動いても?」
視界の中のスカイブルーが上下に揺れ、おれは律動を開始した。
すぐに細い腰をくねらせて、自らも貪欲に快感を求めて動く。再び聞こえてくる嬌声。
ビビ様を貫くたびに、溢れ出た愛液がじゅぷじゅぷといやらしい音を立てる。
奥へ奥へ打ち付けると、ビビ様はついに体を支えきれなくなり、肩で快感を受け止め始めた。
限界が近づいてるのを感じたおれは、もう一度体を離し、今度はビビ様を仰向けに寝かせる。
「やっ!…なんで?!」
今度は高まっている途中で引き抜かれ、泣きそうな顔のビビ様に軽く口付けた。
「あなたの顔を見ていたい……いきますよ…ビビ様……」
そう言うときつい秘所に腰を突き入れ、猛然と揺さぶる。
「あぁっ、そん、な!やっ!ああっ、あっ、スゴい……ぁっダメ!ま、た、イク……っ!」
背中に痕が残るほどおれを抱き締め、涙を零しながら、口付けを求めてくる。
「ペル…好き、好きよっ……あぁっ…いい、あぁん!いゃぁ、おかしく…なりそっ……」
「まったく、っ、最後の最後までっ、可愛い方だ……っ…愛してます、ビビ様…っ」
限界を超え、全身を駆け上がってくる快感に、頭が真っ白になる――!!
「んんっ……あっ、やぁっ!ペルっ!ああっ、だめ!ダメっ、あぁっ!あっ、ペ、ルぅ――……っ!!」

「…『若気の至り』じゃなくて今もじゃない。……ペルのエッチ」
外の暗闇が濃い藍に色を移していく中、おれの腕の中で、ビビ様がぼそっと言った
それを聞き流せるはずもなく、苦笑いで返す。
「私は、ぎりぎりとは言えまだ20代ですから……ビビ様こそ、あの舌使いはどなたに教わられたのです?驚きましたよ」
「…誰でもいいじゃない。ペルみたいによりどりみどりじゃないことは確かよ」
拗ねたように唇を尖らせる。
「…昔、若さ故の過ちもいくつか犯しましたが…そんな私はお嫌なのですか?」
ぴくり、と体が止まる。
「…嫌、よ……」
「ビビ様……」
腕の中のビビ様が、切なく眉を寄せ、潤んだ瞳で見上げてくる。
「私だけを…見てくれないと、嫌」
その瞬間、おれは言葉を失った。
「…私、世界会議とバレンタインデーが重なってるの知って、私のいない所でペルが誰かを見つめるのなんてイヤだったの……
だから、我が儘だってわかってたけど、私と過ごしてほしくてペルに護衛を頼んだのよ……」
「だがそのおかげで、今こうしていられる。我が儘ではありませんよ…少なくとも私にとっては……」
優しく笑みを浮かべ、長い睫に縁取られた瞳を見詰めると、ビビ様から口付けてきた。
きつく抱き締め、視線を絡ませる。
「いなくならないでね、もう二度と……そして、私だけを見つめてて」
「……約束します、ビビ様……私は、あなたをお守りし、あなたと共に生きていきます――」

そして朝になり、世界会議最終日。
王たちの会議が開かれ、真面目な話し合いがなされている間中、おれとビビ様が何度もあくびをかみ殺していた事は…言うまでもないだろう?

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