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『月影に惑いて』


その鉢植えの花を持ち込んだのは、ロビンだった。
「熱帯の花で、一年に一度しか咲かないそうよ」
今にも開きそうな、ふっくらとした蕾が垂れ下がっている鉢をテーブルの上に置きながら、
彼女は言った。
「へーぇ。なんかもったいつけてんなぁ」
ウソップがつんつんと蕾を突く。
「新月か満月の夜中に咲くのですって」
「夜中だってさ。おこちゃまなお前は、寝ちまって見られねぇかもなァ」
サンジくんがチョッパーの頭を小突いてからかうと
「オっオレっ、ちゃんと起きてっからなっ」
チョッパーがむきになって応じる。
「どんな花が咲くのか、ちょっと楽しみよね」
「次の満月って、いつだ?」
「なぁー、それ食えるのか?」
「おまえ、食うつもりなのかよっ」ビシィ!
ウソップの突っ込みがはいったところで、
月下の美人と名をもつその花が開くのは、おそらく今夜だろうとロビンが言い、
皆で見ることにしたのは、昼間のこと。
ただ、じっと咲くのを待つような奴らじゃない。
「よーし、今夜は宴会だぁー!」
ルフィの号令の下、宵の口から少しずつ開いていくその花を肴にして、当然のように大騒ぎとなった。
夜半、真っ白な花が開ききった瞬間には、もう絶好調で。
「満開だぁ!」と騒ぎつつも、もう花そっちのけで、みんな浴びるように飲んでいた。
当夜見張り番の私は、悔しいけれど少しセーブしていて、
その結果、一番に転がっていたチョッパーを避難させるべく抱き上げつつ、
べろんベろんになったルフィとウソップのお尻を叩き、男部屋へと追い立てる役を担う羽目となった。
私が戻ってきたときに、ラウンジに残っていたのはゾロひとり。
珍しいことにあの酒豪が壁に凭れ、しゃがんだ姿で大鼾をかいていた。
すぐ傍には暑さの所為か、シャツが乱暴に脱ぎ捨てられていた。
相変わらず行儀悪い。
あれ、サンジくんとロビンは……と見渡すと、テーブルの上に「お先に」のメモ。
こちらはそつがないわね、と顔を上げると
その向こう、キッチンの床に、転がる黄色い頭がみえた。
「あーもう。こんなとこで転がってちゃだめよ。あの馬鹿と違って、サンジくんは繊細なんだから」
おだてすかしながら引っ張り起こして、男部屋へと移動させる。
「ナ〜ミさぁ〜ん、愛してますぅ〜」と呆けて抱きついてくるのを
「わかった、わ〜かったから。ほら、風邪ひかないでよ」
往なしながら床につかせ、毛布の上をぽふぽふと叩いて、部屋から退散した。
再びラウンジに戻ってきても、毬藻頭は相変わらずだった。
つん、と突いてみたが、びくともしない。
サンジくんと違って、コイツは動きそうにないなぁ……と溜息をつく。
ロビンならこいつを運べるのだろうけれど……。
彼女に助けを求めようかとも思ったが、しばらくほおっておくことにした。
大丈夫よね。こいつってば、頑丈だし。
テーブルの上に残された酒をグラスに注ぐ。それを手にして、隣に座り込んだ。
ほら、残すと勿体ないし、ひとりで飲むのも侘しいし……。
勝手な言い訳をしながら、甘い匂いを発散させている、白い花に乾杯。
隣を少し意識しつつ、杯を重ねる。
「んがっ!」
不意に響いた鼾に驚いて思わず覗き込んだ。
大口あけた寝顔があまりに無防備に思えて、しばらく釘付けになる。
そういえば、こんなふうにじっくりとこいつの顔、見たことなかったな、と思い入る。
いつも気づかれないようにそっと窺うだけだった。
それすらも……。
部屋中に漂う強い香りに少し酔いながら、最後の一杯をぐいっと飲み干す。
そろそろ見張り台にいかなきゃ……と思ったその時、ぐらり、と男が倒れ掛かってきた。
ずっしりとした重みを肩に感じて、動けなくなる。
洩れかかる寝息と、じんわりと伝わってくる体温。
これってちょっと不味い。
……とにかく退かなくちゃ。
こいつを壁に戻すのと床に転がすのと、どっちがいいのかと迷い、後者に決める。
このまま私が退けばよい。今、こいつの肌に触れたくなかった。
なるたけそっと、と身をずらす。
とすっ、と背後に倒れた音を確かめ、ほっと一息して腰を上げようとしたら、
いきなり手首を掴まれ、低い声が響いた。
「行くな」
ぐいっと引き戻されて、床に思い切り頭を打ちつける。
「…っ痛ぁ、なにすんの…」
振り向いて睨もうとしたら、あいつの腕の中に収まっていた。
「えっ」
抗う間も与えられずに口づけられる。
私の唇をなぞるように、舌を辿らせ、声をあげようと開きかけた隙間を縫って、忍び込ませてくる。
湿り気を帯びた私の唇には少し荒れた唇が押し付けられ、
口内では私に絡み 吸いつこうとする舌が、執拗に動く。
声もだせず、拒むこともできない。
押し戻そうとする両腕に、少しも力がはいらない。
そんな形だけの抵抗などお見通しとばかりに、私の躰に指を這わせて、あいつは耳元で低く囁いた。
「ここに居ろ」
耳朶を甘噛みされ、項に唇を落とされ、なによりその言葉が、声が、背中を駆け抜けた。
「俺を無視するな」
無視なんてどうして出来ると言うの。あんたが重荷だと感じとれるくらい、一挙一動見続けてきたのに。
苦い想いも、絡みつく気配も、時折投げつけた悪意混じりの視線も、
あんたに向かう全てのものに、蓋をしたのはついこの間のこと。
それを再びあんたは開こうというの?
スカートの裾から忍び込んだ手が、ショーツ越しに私を弄る。
「やっ」
押しのけようとした私の両手を空いた手で軽々と捕らえ、指の動きは止めてくれない。
触れられた箇所に意識が集まり、どうしたらよいのかわからなくなる。
布越しの感覚に飽き足りない指が、隙間から忍び込み恥丘を撫でる。 
少しずつその位置をずらしつつも、襞を分け入ることなく、くるくると周りを窺うだけの動きに
焦らされた私の腰は、触れて欲しいとうねってしまう。
すっと蜜壷に指が落とされ、くるりと一掻きしたあと、引き抜かれた。
「あうっっ……」
「ちゃんと感じてんじゃねえか」
あいつは愛液でてかった指を、ぺろり、と舐め にやっと笑った。
「やめてよっ」
かっとなって顔を背けた私に構わず、一気に服を引き剥がしにかかる。
露わになった胸元に手をあてがい、口づけ、食む。
揺れる乳房を余すところ無く舐めまわし、
恥ずかしげもなく立ちあがった突起を、強弱込めて唇で挟み、震わせる。
「あっ…だ…めぇ……」
拒絶の言葉と裏腹に、ざわざわと湧き上がる官能を期待する感情。
目の前の男に伸ばされた両手は、宙を彷徨いどこか戸惑いを隠せない。
それがなんなのか、霧の中の記憶を窺い辿る最中にも、
「お前はどうしてぇんだ?」
残酷な言葉を掛けられ、躰が熱くなる。
求めているのは、こいつなのか私なのか。
混沌とした思いの中、感じることしかできなくなってゆく。

「脚たてろ」
よくしてやるよ、とあいつは囁く。
余計な言葉も必要な言い訳も与えられないまま、
一言下された命に、私を求めて蠢いている指先に、ただ身を任せ従ってしまう。
私を抱く理由も訊けずに。
おずおずと立ち上げた脚。私はなにを期待しているんだろう。
隠しているものを全て引き出そうとするかのように
大きく太腿を開かれて、あいつの前に秘所が晒される。
割れ目を拡げられ、男の暖かい吐息がそこに吹きかかる。
陰唇にぴったりと張り付いた唇の柔らかさと、時折吸い上げられる力強さ。
先程は私の口内を弄っていた舌が、同じ熱を持ったまま味わうように粘膜を舐めあげる。
その先端を硬く尖らせて、肉襞をなぞり、蕩けきった秘壷へと差し入れられる。
「あ、あぁ…んっ…くっ」
滲みでる愛液をこそげるように抉り、肉芽へと移動する柔らかな舌。
より敏感になってゆく淫靡な箇所は、それではもう足りないと戦慄いている。
脚をさらに割り開き、躰を捩じ込んできたあいつは、
私の濡れそぼった陰唇に自身を押しつけてきた。
滴り落ちる蜜をその先端に纏わらせて、ぬるぬると入り口を嬲る。
襞がそれを捕らえようと蠢き、ひくついているのがわかる。
「やらしいな」
絡みながら少しずつ塊を飲み込んでゆく一点を凝視し、あいつが息を呑む。
「言わないで…」
「いいぜ…。感じろよ……」
繋がったまま私を抱き起こし、腰を引き寄せて根元まで埋め切ってしまう。
「ひっ、ぁんっ…」
ねえ、私感じてもいいの? あんたにこうやって抱きついてていいの……?
泣きそうな想いを抱えて、私は喘ぎ、すすり啼く。
この声は、こいつにはどう届いてるんだろう……。

私の中の具合が好いと囁いて、男は抽挿を繰り返す。
胎内の肉壁を擦る幹はより一層硬くなり、私を責めたてる。
あいつの熱を一身に受け止め、まだ足りないと猶も求め、しがみつく。
「んっ、あぁっ、だ…めぇっっ、ゾロッ、ゾロぉ……」
がくがくと揺れる躰。
蜜壷は、より深みへとあいつを誘い込み、離したくないと締めつけている。
絶頂へと駆け上ってゆく最中「愛している」と唇を吸われ、
「わ、たし…もっ…」
愛してる、といいかけたそのとき、耳元で囁かれた名前に凍りつき

 ―――目が覚めた―――
手首を掴まれたまま二人、床に転がっていた。
倒れたときに打ちつけた後頭部が、ずきずきとその痛みを主張していた。
力なく添えられた手を外し、そっと起き上がる。
夢の中でさえも、結局私を受け入れてはくれない。
小さく溜息をついて、投げ捨てられていたシャツを拾い上げた。
ぱんぱんと広げ あいつの上に掛けようとして、胸の傷痕に眼がとまる。
引き寄せられるように、胸を渡る斜めの傷に頬を寄せ、そっと口づけた。 
背に受けることを拒んだ潔さ。その翳に潜む敗北感。
痛々しくともこの痕は、誇りの証し。
指を伸ばし、そっと傷痕に触れる。
ずっと、こうしたかったんだ……。
今更のように気づいた己の欲望に、嘲笑ってしまう。
つつっ、と上から下へとその痕を辿ると、鍛えられた胸元がぴくり、と動いた。
思わずその手が止まり、固まる。

お願いだから、眼を開けないで。
起きてても、気づかない振りをして。 
顔を上げて、祈るような想いで男の息遣いを確かめる。
なんの変化もないことに安堵し、
二本だけ揃えた指で、固く結ばれたその口元にそっと触れてみた。
返す指を己の唇に当ててみる。もうそれが精一杯だった。
これだけ。
これでもう充分……。
嘘や裏切りなど何度もやってきたはずなのに、
後ろ髪引かれる思いを感じたのはどうしてなんだろう。
ごめんね、ロビン。ごめんねゾロ。
ごめんなさい、サンジくん。
胸の中で繰り返し詫びながら、ずっと愛しく想っていた人の寝顔を眺め続けた。
その胸に紅い花を散らしたい衝動を辛うじて抑える。
大切なものを失うことを怖れながら、なおも捨てきれずにいる臆病で薄暗いこの想いは、
どこまでも私に纏わりつく。
それでも夜が明ければ、知らぬ顔で日常を過ごしてゆくのだろう。
ロビンとゾロがさり気ない言葉を交わすその横で、
私はサンジくんの大げさな愛情表現を、当然のように受け止めているのだろう。
自分勝手な小さな秘密を抱えながら、微かな光を手放せずに縋っているのだ。
向い合うこともできずに記された傷と裏切りを隠して、彼に笑いかけるのだ。
後ろめたさを身に纏い、そしてそれが故に、私は彼に優しくできる。

ふと顔を上げると、窓ごしの月明かりに照らされ、
可憐に咲いた白い花は、少しずつ萎みはじめていた。 
月影の下、妖しく咲き誇っていたこの花は、彼女を思い起こさせる。
けれども彼女の想いは、一夜限りのものでなく。
ひっそりと咲き散ってゆく、密やかな一時のこの行為は、
この花に似つかわしいのは私かもしれないと思わせる。    

「別名を『Moonlight Cinderella』というのよ」
彼女の言葉を思い返す。
冷たい月の光に魅せられた一夜の儚い夢は、夜明けと共に消えてゆく。
誰にも知られることなく。
二度と花咲くことはない。

今宵、私の想いは枯れてゆき、実を結ぶことはない。
そして秘密の棘となる。

  ― End ―
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