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【言霊】言葉にあると信じられた呪力。


「セクハラですね。」
今日もこの人の傍で、この言葉を紡ぎだす。
「ンマー!セクハラだな。カリファ。」
繰り返されるその言葉。この人の脳に深く刻み込め。そして私を―

私を見なさい。


<ガレーラカンパニー社長室にて>

「……取材を受けて頂き、その後、本社に戻って書類に少々お目通しをお願い致します。」
社長室の朝は、秘書のカリファのテキパキとしたスケジュール報告で始まる。
「めんどくせーが…ンマー今日はそれでいくか。」
この部屋の主である社長兼市長のアイスバーグは、一見して気の無い返事をしているようにみえる。
しかし、ピンと張った背筋や、鋭く落ち着いた眼差しは、一つ一つを推考している事を物語っていた。
「では、私は秘書室に下がらせて頂きます。」
「ん。あぁ、カリファ。」
隣室への扉を開けるカリファに向かって、アイスバーグが声を掛ける。
「また新しい服買ったのか?良い色だな。似合ってる。」
胸が広く開いたオレンジのニットジャケットに、深いスリットが切り込まれている黒いマイクロミニスカート。
ストイックなアイテムだけに、覗いた柔肌が一層艶めいて見える。
少し間を空けて、カリファは微笑んだ。
「恐れ入ります。ですが、アイスバーグさん。それはセクハラですね。」
アイスバーグの優しい笑いに下卑たセクハラの匂いが皆無なのを承知の上で、カリファは答える。
「ンマー、そうなるかな。」
書類に目を落としたアイスバーグからは、温かいオーラが滲み出てきているようだった。
そこから、目を逸らすようにカリファは隣室へと足を急がせた。

「もう時間切れなのはわかっているな。」
秘書室に入ったカリファを待っていたのは、先程とは真逆の闇のようなオーラを持つ男だった。
聞き取れない程の小さな声で、会話を交わす。
「なかなか隙を見せないので。…努力はしています。」
「そう言って5年だ。まさかお前に堕とせない男がいたとはな。」
カリファの視線は動かない。屈辱的な言葉に動揺しないように防衛しているようにも見える。
「それとも、奴は同性愛者か?俺がいったほうがよかったか?」
「…ゲイでは無いと思われます。あなたでは無理かと…ルッチ。」
妙に断定的な返事に、男は眉を曇らせる。
「まるで俺に奴を触らせたくないような物言いだな。…どちらにせよおそらく今日、夜には決行する。」
「わかりました。では。」
カリファが話を断つと、その男は足音一つ立てずに窓から出て行った。

<アイスバーグの寝室にて>

目まぐるしい一日が終わり、アイスバーグはベットサイドに本を置き、スタンドに手を伸ばした。
トントン
ノックと共に、カリファの声がドアの外から聞こえてくる。
「アイスバーグさん、シェリー酒を少々お持ちしましたが…」
「ンマー!!さすがだな、カリファ。今日は色々あったからな。
 丁度、寝酒が欲しかったとこだ。まあ入れ。」
「恐れ入ります。では、失礼致します。」
礼儀正しく一礼して入ってきたカリファに、アイスバーグの目が釘付けになる。
解かれた栗色の長い髪が濡れたように煌いていた。
身に着けているのは、シンプルな薄紫のロングネグリジェ。
くるぶしまで届く裾は、一足ごとにフワリと揺らめいて滑らかな弧を描いた。
そして絹の光沢を放つシフォンの極薄い生地は、妖しいほど美しい曲線を浮かび上がらせる。
華奢な紐で結ばれた清楚な白いショーツが、その下に着けている唯一の布だと分かるように。
息を呑んで固まっているアイスバーグの横のサイドテーブルに、トレーを置くと、
カリファは羽根のように優雅にベッドに腰を下ろした。
「これも昨日買ったんです。似合ってますか?」
細い首を斜めに傾げて、妖艶な琥珀色の瞳をスイと流す。
アイスバーグは、その言葉にハッとするが、返事がなかなか出てこないようだった。
しばらく口をパクパク動かして、ようやくうわずった声を絞り出す。
「…カリファ…似合ってはいるが、それは、― 間違っているな。」
いったん話をし始めると、徐々に落ち着きを取り戻してきたようだった。
「そうでしょうか?  ほんとうに……そう…?」
甘い声が、もう一度冷静さを取り払おうとするようにたたみ掛けてくる。
攻撃ともいえるその声を、アイスバーグの深い声が有無を言わせず包み込む。
「そう― だ。そういう姿や声は、大切にとっておいた方がいい。
 カリファ、君がこれから出会うたった一人の男性のために。」
その言葉に、今度はカリファが動きを失う。
瞳からは淫靡な光が消え、呆然と漂う視線は迷子の子供を思わせた。
「…カリファ?」
アイスバーグのいたわる様な呼びかけに、カリファは一旦うしろを向いた。
そして、もう一度こちらに向き直した時には秘書の顔へと変貌し、ツンと顎を上げていた。
「それこそ…セクハラですわね。」
「ははは…ンマーそうだな。寝酒をありがとう。おやすみ、カリファ。」
いつもとさして変わらない雰囲気となり、カリファは部屋を後にした。
「おやすみなさい。アイスバーグさん。」

<カクの部屋にて>

「…ん、んふ…ふぅ……ふはぁ、ぁ…ぁ」
くぐもった控えめな声が、僅かな振動と共にベットのシーツから漏れてくる。
「珍しいな。お前さんがわしの所にくるとは。」
「フ…声…出さないで、頂戴…」
両手の細い指を組み、網のようにカクの口を塞ぐ。
電気ひとつ点いてない真っ暗な部屋で、更に月明かりさえ通さぬようシーツを被っている。
それでも、横たわるカクの上に跨ったカリファの身体が激しく上下すると、
二人を覆っていた布が、はらりと床に落ち、無造作に脱ぎ捨ててあった薄紫の衣服に重なった。
端正な横顔に浮かぶ汗が露となり、濡れた半開きの唇から突き出された顎をなぞって滴っている。
ポタ…ポタ…とカクの胸に落ちる水滴が次第に増えていく。
闇に慣れたカクの目には、それが何なのか見て取れていたが口に出さないでいた。
仲間に対する思いやりなのか、面倒に関わりたく無いからなのかは、
彼の表情から推察できない。
彼にとって、表情、曳いては感情は、目的の為の手段に過ぎないのだ。
笑った方が良い時は笑う。いつからかそれが当たり前になっていた。
だから、カリファがいつに無く険しい顔で部屋に来て、伽を迫られた時も
当たり前のように応じた。
これで彼女の気が済み、今夜の作戦が滞ることなく遂行されれば、
それが最善であると考えたのだ。
とはいえ、このままでは少しばかり息苦しいのも事実だった。
「カリファ、そろそろ手を…」
「― 黙っててって、言ったでしょうっ!!」
顔を紅潮させ、カリファはさらに強く口を塞ぐ。
ただならぬ彼女の様子に、窒息する程では無いので、カクはそのまま従う。
くびれた細い腰を、くねらせるように幾度か回す。
…ジュ…グジュ…
その度に、結合部から卑猥な音が鳴り、カリファが眉間に皺を寄せながら下唇を噛む。
根元まで咥え込んだ彼女の淫靡な武器は、絞り上げるようにきつく締まっていく。
ざらついた内側が蠢くように収縮を始めると、どんな男根も快楽の罠に暴発させられる。
「――… む …!!」
どくっどくっ… 塞がれた口から呻き声が漏れ、
彼女の中でビクビクと痙攣しながら、留めなく罠に堕ちた獲物が流れ込んでくる。
少し縮まった為に開いた隙間から、乳白色の粘液が溢れてくるが、まだ、抜こうとはしない。
寧ろカリファは腰を突き出し、無理やり奥まで押し込むように前後になすりつける。
「――ンンッ…ンン…んく…くぅうっ…ぅんんっ!!」
声を立てないようにきつく結ばれた唇の端から、苦悶の喘ぎが漏れる。
ヌラリと濡れた陰毛が擦れ、むき出しのクリットに刺激を与え、それを繰り返す。
 
「…まるで、マーキングだな。」
ふいに、暗い声が静かに部屋に響く。
その声の主は、薄い月明かりになぞられたウェーブの入った長髪を夜風になびかせ
絡み合う二つの影を見物するように、窓枠に腰を掛けていた。
「……失せて。今、必要ないわ。」
「 ほう…」
冷淡に拒絶するカリファの声に、ルッチは面白そうに片眉をあげる。
音を立てずに床に降り立つと、薄紫の布をつまみ上げ、ヒラヒラと左右に振った。
「余程殺させたく無いらしいな。タイムリミットぎりぎりまで― か。
 …これから出会うたったひとりの男の為に…―だったかな?」
全てを見通している恐ろしさが、カリファの背中を走る。
「悪趣味ね。それとも彼のティラノザウルスでも狙って潜んでいたのかしら。」
その言葉の裏に隠された意味が、不気味な感情を渦巻かせる。
カクは身を逸らし手早く服を着ると、無表情のまま部屋を出て行った。
ルッチは薄く哂い、毒ずく事で平静を保とうとしている彼女の頬を無造作に掴む。
「猫と大きく違う所を、知っているハズだが?」
柔らかい肌を傷つけないよう、寸止めで爪を立てる。カリファは目を脇に流した。
「そう。猫と違って豹は発情期が無い。ただ、メスの匂いを嗅ぎ付け……」
顔を寄せてそう言いながら、じわりとカリファの後ろに回る。
冷酷な手は頬から首へ、胸へと這っていき、捕らえた獲物を弄ぶように揉みしだく。
「ルッ…やめ…」
振り払おうとするカリファの肩のうしろから、ルッチは顎を乗せるようにして耳に囁く。
「― ヤるだけだ。シンプルでいいと思わないか?」
まさに肝を冷やすというゾクリとした戦慄を、カリファは感じた。
ルッチはそのまま、彼女に震える間を与えずにベッドに肩を押し付ける。
組み伏せられた背中から、冷たくなった尻を引き付けて丸い丘を割る様に押し広げる。
僅かに震えることを許されたその穴は、先程の情事の跡を残し、ぬかるんでいた。
「馬鹿な男だ。堕ちてさえいれば、死を免れた上にコレを味わえた物を。」
薄く長い舌で、一筋ゆっくりと舐めあげる。
「……ひぃぁっ」
空気を飲み込むようにカリファが啼く。
ルッチは屈服させた雌を満足そうに眺めると、トドメを射すかのように突きたてた。
「望み通り、時間まで遊んでやろう。奴を思い出す暇もないほどにな。」



ほどなくして、アイスバーグの寝室から5発の銃声が鳴り響いた。

<アイスバーグの寝室にて>

「……何が起きたのかは知らんが、酷いもんだよ。」
手当てする医師の先には、蒼白のアイスバーグの顔があった。
弾痕は急所が外され、じきに意識が回復する事を、その二人は知っていた。
しかし、カリファは何故か流れ出る涙を堪える事が出来なかった。
この先の過酷な運命を知っていても、尚。

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