ONEPIECEエロパロ保管庫 - 2/103-117(ルフィ×ナミ)
視線 ─ SIDE NAMI ─

ルフィの瞳は、酷く熱いけどどこか飄々としていて、私を切ない気持ちにさせ
た…


気が付くと、ルフィを目で追っていた。
ロビンにあのことを聞いて以来だ。
ルフィが私の視線に気づいて、怪訝な顔をしている。
「なんだよ?」
ルフィの問いを聞き終える前に、慌てて立ち去る。
だって言えないじゃない。
あんたのことが好きで、ロビンとあんたが寝たから嫉妬しているだなんて。
今までどれだけ努力を払って、この気持ちを隠してきたと思っているの?
精一杯の努力を払って、みんなの前では普段通りの私を演じるのだけれど、気
が付くと目の端でルフィを追っていた。
強くて、バカで、熱い男。
きっとどんなに深い仲になったとしても、私の手には入らない自由な男。
いっそ嫌いになれたらどんなに楽なことだろう。
この気持ちは私だけの秘密にしておく。墓場まで持っていくつもり。
日誌を書こうとラウンジに行くと、ルフィが机に頬杖を突いて座っていた。
ルフィにしては珍しく、複雑な表情をしている。
最近意図的に避けてきたけど、その時の私は何故かルフィの傍へ近づいてい
た。
「あーあ」
大きな溜息をついて、机に突っ伏した。
「珍しいわね」
思わず声を掛けてしまったが、その瞬間後悔する。
「ルフィが溜息つくの、初めて見た」
「んん、そうか?」
「うん」
「ナミ、なんか怒ってるか?」
その真っ直ぐな視線にどきっとする。
全てを見透かすような、黒い瞳。
「なんで私が?」
我ながら、なんて空々しい応え。
適当に誤魔化してこの場を立ち去ろうとした時、ルフィは明るい表情で私に笑
いかけた。
「ロビンとオレとのことは気にすんな」
なんてこと言うの?
ルフィの笑顔は明るすぎて、私は泣きたくなった。
「何よ、それ」
「別にロビンもオレもあれっきりだし、お前が気にするようなことはねぇ」
気にするなっていったって、それは無理というものよ、ルフィ。
あんたには私の気持ちなんかわかりゃしないでしょうけれど。
「もう、いきなり、何よ」
「あ、お前そのこと気にしてたんじゃねぇのか?」
「そのこともあるけど…」
「他にもあるのかよ?」
まただ。
全てを見透かすような、まっすぐな黒い瞳。
私の嘘を全て見透かす、深い黒。
「ここでは話せない…今夜はロビンが見張りだし、後で部屋に来てよ」
「いいのか?」
「うん…」
矢張り、声を掛けるべきではなかった。
逃げ場のなくなった私は、鬱蒼とした気分でラウンジを立ち去る。
ルフィには嘘は通じなかった。
私の負け。どうすればいい?
お風呂にちゃぷんと浸かりながら、溢れる涙をお湯で洗う。
もう、どうしようもない。
ロビンに嫉妬する自分に気持ちを話すしか、もう術はない。
嫌われた方がいっそ楽になるだろう。それにルフィの気持ちを聞いてみたい。
ロビンとは何でもないとルフィは言うけれど、あの綺麗な女性(ひと)と何でもないはずはない。
現にロビンはルフィのことを好きだと言っている。
「あなたには悪いけど」と宣戦布告までしてくれた。
体を洗いながら、自分の裸身を見つめる。
決して女として魅力がないとは思わない。
でも、相手はあのロビン。背が高くすらっとしているのに、出るところは出
て、ウエストなんか驚くほどに細い。
あの抜けるような白い肌を、ルフィはどうやって愛したんだろう?
自分の日焼けした肌を見て、私は小さな溜息をつく。
好きなの、ルフィ。
でも、私はどうしたらいいの?
部屋に戻るのが、すごく怖かった。
「ナミィーー」
ノックもせず、いきなりあいつは部屋に入ってきた。
「なんだよ話ってのは」
って言いながら、いきなりみかんを食べてるし。
卓上に置いておいたみかんは、あっという間にあいつの腹の中に収まった。
「あー?勝手に食べたわね?」
「なんだよ?いけねぇのか?」
「そうじゃないけど…」
なんて情けない顔なの。
もう、あんたがまだ熟れていないみかんまで全部食べちゃうからあげないだけ
で、ほんとはあんたにも食べさせてあげるつもりなんだけど。
こと食べ物に関してのルフィはあまりに真剣で、私は吹き出した。
私の笑顔を見たルフィはとても嬉しそうに笑った。
「やっと笑ったな」
「ん」
あんたが嬉しそうだと私も嬉しい。
そう、単純なことなの。
「わざわざ来てもらって、ごめんね」
「オレも話あったし、気にすんな」
「気にすんなって、さっきも言ったね…」
「ロビンとのことか?」
「うん…あ、ルフィ、何か飲む?」
「飲みもんより、食いもんねぇか?なんか腹減った」
「ないわよ。もう、私に付き合って少し飲みなさいよ」
「えーーー」
「文句言うな」
ひさしぶりのルフィとの軽口に少し気持ちが軽くなる。
酒の席でのこととして、全部言ってしまおう。
そして明るく振られれば、明日からまた私は笑うことが出来るのだから。
私は息を吸い込んで、意識的に明るい表情を作って言った。
「私、ルフィのこと好きなの」
「ふぇ?」
「ゾロとかサンジくんとか付き合ってみたりもしたんだけど…やっぱりルフィが好きなの。
ロビンからルフィに抱かれたって聞いて、もう私駄目だなって。
ずっと言わないつもりだったんだけど…」
「なんで言わないつもりだったんだ?」
「ルフィは私よりももっと熱いものに夢中だから」
ルフィは無言で私を見つめた。
「女を置いて夢を追う自分のものにならない男に惚れるなんて、我ながらどうかしていると思ったわ。
でも、あのアーロンパークで私を救ってくれたあの時から、私はもうあんたしか見えなかった…
大きな夢をひたすら追う男の背中を見つめながら、その男の船に指示を与えることしか私にはできなかった…」
「ナミ…」
「あんたがロビンを好きでも構わない。私はルフィ、あんたのことが好き」
ああ、言っちゃった。
全部。
もうどうなっても構わないと思っていたのに、ルフィは静かに私を抱き締めた。
「ナミ…ほんとにロビンとはなんでもないんだ…泣くなよ…」
ルフィが心底困ったような顔をしているのを呆然として見つめる。
「ルフィ…」
信じられない。
ルフィが、私の気持ちを全部話したというのに、ゾロやサンジくんとも寝たって話した上だというのに、私を抱き締めている。
「オレじゃナミを幸せにしてやれねぇかもしれねぇ…それに賞金首だ。冒険のこととなると何でもすぐ忘れる…」
「うん…」
「お前みたいなヤツにはお前だけを見てくれる優しいヤツの方が幸せになれると思うぞ」
どうしよう…
あんたの言葉、私の気持ちを受け入れてくれたって思っていいの?
「私もそう思う」
「オレでいいのかよ?」
「あんたがいいの、ルフィ…」
「バカだな…」
「あんたに言われたくないわ、ルフィ」
吹き出した私を見て、ルフィも笑い出した。
もう、ホントにバカ。
私、自分で自分を追い込んでたって言うの?
信じられない!
ルフィは私を引き寄せ、唇を重ねた。
ルフィとのキスは、酷く甘いけどどこか切なくて、私は胸が痛くなった。
ルフィと唇を合わせる度に、胸の奥が痛む。
こんなキスは初めてだった。
「あっ……」
あまりに切なくて思わず吐息を漏らすと、ルフィは優しく微笑んだ。
その笑みがやっぱり切なくて、私の吐息はどんどん甘くなる。
「うわっ、ナミ、色っぺー」
全く、なんてこと言うのよ。
「バカ…」
明らかにむっとした表情をするルフィが可愛くて、私は啄むような口づけをした。
ルフィとのキスは気持ちいい。
淫らで、甘くて、切なくて。
ルフィの唇が首筋を滑る。
「はぁっ…」
体中に電流が走り、深奥から熱くて切ないものが溶けていく。
慣れた様子で服を脱がし、胸を揉む。
またちくりと嫉妬心が胸を焦がす。
そんな自分が恥ずかしい。
ルフィは私の体も心も全て剥いでいく。
ルフィの黒く澄んだまっすぐな瞳には、私はどう映るのだろう?
「ルフィ…なんだか…恥ずかしい…」
「オレはどんどん嬉しくなってきた」
「あん…何で?」
「ナミが色っぽくて」
率直なルフィの言葉が嬉しい。
私はルフィの腕に飛び込んだ。
ルフィの唇を舌を腕を胸を指先を視線を全て感じて。
私はルフィに溶けていく。
「ルフィ大好き…」
「オレも」
「あ、始めて好きって言ってくれた」
「バカだな…」
ルフィの腕の中で涙が溢れた。

ルフィの指と舌が徐々に下に降りていく。
そこに近づくにつれ、私の胸は破裂しそうになった。
もう下着の中は自分で分かるほど濡れていて、ルフィを待っている。
ホットパンツを脱がせるのを腰を浮かせて手伝うと、あとはもう下着が一枚。
ルフィの下着越しの愛撫に、体がびくびくっと震える。
下着の隙間から指を差し込み愛撫を始める。
もう、駄目。
「あぁぁ……んっ…」
ルフィの背中に回した指に力がこもる。
ルフィは最後の一枚をはぎ取った。
糸を引き、蜜が溢れ出す。
いやだ…恥ずかしい…
「すげー濡れてる」
「イヤ………あん…ん……」
「気持ちいいか?」
「いい……触って…」
ルフィの指先が優しく私を掻き回す。
目眩がするほどの快感が私を貫く。
「あっ…んん…っ……」
ルフィの顔を見たくて目を開くと、ルフィは私に愛撫を施しながら、袖無しのボタンと格闘していた。
片手で脱ごうとしたら、耳が引っかかって取れないらしい。
こんな時だってのに、とってもルフィらしくて。
私はくすくす笑いながら、ルフィの服を脱がせてあげた。
そのまま、テントを張っているズボンに手をかける。
ルフィのそこを見るのはとても緊張する。
一気に下着ごと下ろして絶句した。
ちょ、ちょっと待って。
これって何?
「…おっきい……」
私だってそれ程男を知っているわけでもないんだけど、これって大きすぎない?
ゴム人間だからって、この膨張率はなに。
ちょっと、そもそもこれって入るの?
「イヤか?」
なんて分かり易いの。
明らかに不安そうな顔。
「ううん、ルフィのなら全部好き」
当たり前でしょ?
嬉しそうなルフィの顔を見て、私はルフィの先をぺろっと舐めた。
ホントは口でするのって好きじゃないけど、ルフィのならいいかも。
ううん、むしろ嬉しい。
嬉しそうな気持ちよさそうな顔を見ながら、私はルフィのに舌先を滑らせた。

唇と舌と口腔と喉を使って愛を施す。
本当に気持ちよさそうな顔。
反応を見ながら、色々試してみる。ルフィの気持ちいいところ、全て知りたい。
歯を軽く当てると、ルフィが低く呻いた。
嬉しくなると、自分の中心部が溶ける。
頑なな私の気持ちが溶けていく。
あなたが気持ちいいと、私もいいの。
突然、ルフィが体勢を変えた。
え?と思っているうちに、跪いた私の足の間にルフィの顔があって、丁度ルフィの顔を跨ぐような感じに。
ルフィに私のここが丸見えになるのは、ちょっと恥ずかしい。
足下まで溢れた蜜を指で掬い、ルフィがぺろっと舐めた。
私も負けじとルフィへの奉仕を再開する。
ルフィはルフィで、私のに愛撫を始めて。
あっ。そんなことすると…
「あっ…あっ…んっ…ん……」
愛芽と愛芯を同時に刺激され、私はルフィのから口を離して思わず喘いだ。
ルフィが触れるところ、全てが気持ちいい。
もう、口でしていられない。我慢できない。
イクっ……!!
頭の中が真っ白になって、ふわふわと漂いだした。

快感の余韻に浸る間もなく、ルフィは私を抱え上げて膝の上に下ろした。
もう既に潮を吹いたかのように濡れた私の体は、ルフィを容易に受け入れた。
私の欠けた心も体もルフィでいっぱいになる。
「はぁ……ん…」
後ろ向きの座位は、顔が見えなくて少し切ない。
その分ルフィは腰を突き上げながらも私の弱いところも刺激を与えて、さらなる高みへと導いてくれる。
「あんっ…あんっ…あんっ…」
自分の声をどこか他人のもののように感じる。
酷く甘くて、切なくなる。
ルフィとのセックスは、酷く気持ちが良くて満ち足りた優しさに包まれたのだけれど、やっぱり心の奥はどこか切なかった。
本気で好きな相手との念願のセックスなのに、どうしてこうも哀しいのだろう?
愛する人に愛されて、他に何が欲しいというのだろう?
私は涙を流す代わりに、ルフィの首に手を伸ばして引き寄せて、唇を求めた。
甘いキス。淫らなキス。
口腔全てをルフィに犯され、私はルフィの口腔全てを犯していく。
唇とルフィに満たされた部分、双方の快楽は相乗効果で私を高め、そして河岸
へと誘(いざな)った。

「ナミ、大丈夫か?」
「ルフィ…」
気が付くと、ルフィに背後から抱き締められていた。
イった後、少し気を失っていたらしい。
快感に脈打つ体は貪欲で、さらなる愛を求めている。
「来て…」
私の哀しみも、全て満たして。
背後からルフィに突かれて、私は思う様狂った。
甘い嬌声は荒い息となり、ルフィの息も荒くなる。
ルフィ、大好き。この世の中で一番好き。
決して私の手の中には収まらない男。
だから、好き──
絶叫と共に、私は意識を手放した。
目を覚ますと、ルフィが私を見つめていた。
ソファーベッドに半分ずり落ちそうになりながら、ルフィは頬杖を突いて私を見つめてにっと笑った。
その優しさに、また涙が出そうになる。
「あ…私、寝てた?」
「ん…」
「恥ずかしい…」
「なんで?」
「好きな人の前であられもない姿を晒して」
切なすぎて狂う私の姿をルフィはどう思ったの?
「あ…あられ??せんべいか?」
どうしてこういう時に、ギャグを飛ばせるの。
シリアスに決めることすら出来やしない。
もう、いいわ。
「バカ…」
「バカとは何だ」
「バカよ、ルフィ。でも私もバカ。もっと早く好きって言っておけばよかった」
「オレもバカだな。ナミに好きだって言っておけば、いつも一緒に寝られたのにな」
「バカ」
やっぱり、バカで熱くて優しい男。
「でも大好きよ、ルフィ」
「オレも…」
口づけを交わす。
この口づけが甘ければ甘いほど、淫らであれば淫らであるほど、私は自分に手に届かないものに気づかされて切なくなる。
でも、もういいの。
私はルフィの男としての愛情を手に入れた女として、それで満足なのだから。
きっと、ルフィは夢のためには私を置いてどこかに行ってしまうのだろうけれど。
それまでは──精一杯私なりに、あなたを愛するわ。
この気持ちは、もう誰にも話さない。それが例えルフィその人であったとしても。
もう、これは私だけの秘密。絶対に墓場にまで持っていく。

< FIN >