バージョンにもよりますが、Acrobatのプリンター機能を使ってCADからPDF形式で図面を仮に作成しておき、さらにAcrobatで画像での書き出しをする際に図面の「種類」としてTIFF形式を選択することによって、図面TIFFファイルを作成することが可能です。しかし、作成の際に設定を誤りますと不適正な図面TIFFファイルとなり、XML署名ツールがまったく反応しないということが起こり得ます。ですから、他のQ&Aも参考にして「作成した図面TIFFファイルが適正かどうかのチェック」をすれば原因がわかると思います。
XML署名ツールが「まったく反応しない」という場合には特に拡張子(ファイル名の最後の「.」以下の文字(通常3文字))に誤りがある可能性が高いです。図面TIFFファイルの拡張子は「〜.tif」となっていなくてはなりませんが、Acrobatで図面TIFFファイルを作成する際に何も設定を変更しないで変換操作をすると、拡張子の部分が「〜.tif
f」(
「f」が2つある)となってしまうことがあります。この状態では「XML署名ツール」は全く反応しません。図面TIFFファイルをD&D(ドラッグ・アンド・ドロップ)しても「追加」ボタンでファイル選択しようとしても「XML署名ツール」は反応しませんし、もちろん電子署名も付与できません。
この場合の対処方法としましては、図面TIFFファイルを右クリックして表示されるメニューから「名前の変更(M)」を選択して、ファイルの拡張子の部分を正しく「〜.tif」(
「f」が1つ)に変更するか、またはAcrobatで図面TIFFファイルを作成する際に、拡張子の部分として「〜.tif」(
「f」が1つ)を指定してファイルを作り直せば、「XML署名ツール」がきちんと反応するようになると思います。
余談になりますが、Windowsの標準的な設定では拡張子の部分が表示されない設定になっていますので、この状態では「名前の変更(M)」から拡張子を自由に変更することができません。そもそもこの拡張子というのはファイルとそれを実行するためのソフトウェアを関連付ける大切なものであり、パソコンのことを良く知らない初心者が無闇に変更すべきものではありませんので、Windowsでは標準的にこれが変更できないように「拡張子が表示されない」よう、あらかじめ設定されているのです。
このWindows7の標準設定を変更したい(拡張子部分も常に表示させたい)場合にはファイルエクスプローラのメニューの「整理」⇒「フォルダーと検索のオプション」⇒「表示」タブ…と選択し、項目の中の「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。そして最後に「全てのフォルダに適用(L)」ボタンをクリックすれば設定の変更完了です。(Windows8(8.1)の場合は少し違うと思います)。これで拡張子が常に表示されるようになりますので、ファイル名の変更で拡張子も変更することができるようになります。
【重要なお知らせ】
Acrobat使って図面TIFFファイルを作成するときの解像度の指定ですけど、リストの中から「236.22ピクセル/cm」を選択しますと、600dpiの図面TIFFファイルができてしまいますので、法務局で地図情報システムに登録する際に警告メッセージが表示されます。たとえ警告メッセージが表示されてもそのまま登録できるらしいので、過去にはそのまま見逃してくれる神様のような登記官もいらっしゃったようですけど、最近になって、400dpi以外の図面データでは登記情報提供サービスに不具合が生じることが発覚し、
「必ず補正の指示を出して400dpiの図面データに差し替えさせよ」という内部通達が出ているようです。無用のタイムロスを避けるためにも、作成の際には
直接キーボードから「157.47ピクセル/cm」と打ち込んで解像度を指定してください。そうすれば400dpiの図面TIFFファイルが作成でき、スムーズに登記が完了するでしょう。できましたら最初にも述べましたように、図面TIFFファイルに電子署名を付与する前にその図面TIFFファイルが適正なものであるかどうかの確認をするようにしてください。