オリロンパwiki - ガガガロンパ エピローグ
975 : ◆MHdQKyTE3k  2017/01/14(土) 23:28:10.54 ID:WcHBdMbG0
             Cruel Ending 『熱も色もなく透明な絶望』




…没落。
 

かつてこの希望ヶ峰学園は、所属していることこそが最大のステータスであった。



あらゆる分野において優秀な人材を産み出すこの学園は、いつしか日本社会のヒエラルキーの頂上にあった。







学園長交代。この学園の「終わりの始まり」はそこに起因しているのだろう。


最後の学園長は生徒だったと聞く。弱冠十六の人間が学園をまとめ上げられる筈はなく、側近の専制を許したそうだ。




側近は頗る優秀だったと聞く。ただ、彼の雇った教員が














この希望ヶ峰で起きた惨劇の遠因となった。これは、恐らく事実だ。






976 : ◆MHdQKyTE3k  2017/01/14(土) 23:30:19.50 ID:WcHBdMbG0
遠因と言ったのだから、当然直接的な原因が存在する。





それは彼の教え子だ。彼は気に入った教え子に対し洗脳に近い行為をしていたと前々から噂されていた。


先ほどの教え子も、またその被害者の内の一人だ。





彼女は二年の時を経て狂った。



生命に対する罪の意識という物が薄れていたらしい。




死刑囚を人体実験に利用し、その遺体を弔うことなく、街中に放置。



やがてそれが明るみにでると、世間は寄ってたかって彼女、そして希望ヶ峰をバッシングした。



希望ヶ峰も彼女も、その事実を否定した。


世間が赦すはずもない。









それはまた、一部の希望ヶ峰の人間も同じであった。


彼女と同じクラスの生徒は彼女を庇った。

二年過ごした仲間を疑えず、また信じていたためだ。



だがもう一方の生徒は、世間に同調した。













第一の惨劇は、そのために引き起こされた。





977 : ◆MHdQKyTE3k  2017/01/14(土) 23:40:29.59 ID:WcHBdMbG0






とある日から、その教室は血で染まるようになった。








一方のクラスの十六人は、皆人としての機能を失った。

辛うじて生を繋いでいるが、生きていると形容できたものではない。





彼らを痛めつけたのは、言うまでもない「彼女」だ。

自らを疑い、敵視した、ただその罰として。





それほど彼女は狂っていたのだ。






この惨劇を希望ヶ峰は隠匿した。



名声も、彼女も、希望ヶ峰は守ろうとした。



そしてまた、彼は強欲だった。

どちらかを守るために、どちらかを切り捨てようとせず、どちらも守れなかったのだ。











彼女への盲信が止まぬ彼らは、彼女の心を殺した教員を殺した。





この事件の犯人は誰なのか、未だに分かっていない。

ただ唯一分かるのは、その教員は明らかな殺意を持って殺されたという事だけ。

…今語っている内容は憶測も含んでいる。


980 : ◆MHdQKyTE3k  2017/01/15(日) 05:56:57.16 ID:HJzAbbs20
二度目の惨劇は、一ヶ月かけて発生した。




いや、本当のところは分からない。


 


希望ヶ峰が封鎖されていた期間が一ヶ月強であり、開放された時点で全員死亡した事実しか残っていない。

だが封鎖した理由を付けるのなら、一月に渡り実行されたと考えるのが自然だろう。






生物室に九人の遺体。

寄宿舎に一人、娯楽室に一人、書庫に一人、保健室に一人、体育館に三人。

この中には先述の「彼女」も、「学園長」も含まれていた。









生物室の遺体は冷凍保存されていたそうだ。

寄宿舎の遺体は自殺。

娯楽室の遺体は頭部がなく、保健室の遺体は焼け焦げて身元が特定しきれない。

書庫の遺体は中毒死、体育館の遺体の内一人は縊死、残る二人は出血死。

遺体の片方は何故か笑みを浮かべていたそうだ。























斯くして希望ヶ峰は、「希望」を振りまくことが出来なくなった。








 





これはまた、どこか違う世界のお話。








【元スレ】
【オリキャラ注意】加賀「ガガガロンパ!」亜堂「2スレ目!」【安価進行】