オリロンパwiki - ロンパーズ エピローグ
331 : ◆11nx.E09nc  2016/09/27(火) 23:24:05.26 ID:jp8wGtzro
舞丈「…ふむ、オシオキマシーンは起動しないか…やられたね」

柿生「これで…」

宍戸「でも、ここからが山だぜ!?なんとか逃げ出さねえと!」


舞丈「いいや、違うね。まだ届かない」

舞丈「なぜなら、この選択はあくまで手段でしかない!僕か渚くんが死なない限り…扉のロックは解除されないからね」

宍戸「じゃ、結局意味ねえじゃねえかよ!!!」






渚「…なら、やることは決まっている」


332 : ◆11nx.E09nc  2016/09/27(火) 23:25:07.68 ID:jp8wGtzro
<<<ナギサ<<<


俺は自分の席を離れ、不敵な笑みを浮かべる舞丈にゆっくりと近づく

そしてさっきは見つからなかったのか、それともなにかの意図があって回収されなかったのか

懐に入っていたそれを突きつけた



アナ「探偵くん…、その銃…!」

舞丈「ふふ…」

柿生「…デザートイーグル…!でも、なぜ!?だってそれは、私の部屋に!!」



渚「お前はあの日『すべての部屋を開放した』と言っていた」

舞丈「ああ、言ったね」

月宮「まさかとは思うけれど…」

円山「私たちの個室も開放していたというのですか!?」

宍戸「え、ちょ、み、見られたら困るものとかあるだろ!!」

愛野「どうしよう…なんのことかわからない」

ヨイクマ『まあ、そりゃ愛野さんはね…』


333 : ◆11nx.E09nc  2016/09/27(火) 23:26:01.66 ID:jp8wGtzro
渚「俺は、柿生が銃を手放したことを確認してから、その足で柿生の部屋に向かった。部屋の机には、銃と弾丸…揃えておいてあった」

俺はコッキングを済ませ、再度銃口を向ける

舞丈「いいね、絶望的だ。先に言っておくけれど、僕を殺せば君はただの殺戮マシーン、絶望キラーに戻ってしまうと思うよ」

舞丈「そうなった君が、彼らにどんな影響をもたらすか…まあ、彼らは希望を抱いてるようだし、今となってしまっては僕にも分からないよ」

舞丈「でも…少なくとも、いい影響は与えないだろうね。それでも引くかい?その引き金を」


アナ「た…渚くん!!」

俺は引き金を…

↓1

1引く
2引かない

334 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/09/27(火) 23:30:22.81 ID:Qtyhpp1+0
2

335 : ◆11nx.E09nc  2016/09/27(火) 23:40:21.20 ID:jp8wGtzro
渚「……」



頭の中に、全てが崩壊していく中で、死んでいった人間達を思い出す

―――――――――

あの人たちが、何をしたというんだ…
むごたらしく殺される理由があるというのだろうか?
子供だっている…まだ、この先を長い時間を生きていくはずだった

なぜ…関係のない人がこんな絶望を背負わなくてはならないんだ…


ふざけるな…
絶望を…一つ残らず消し去ってやる…

―――――――――


渚「…ふん」

俺は銃を下した


舞丈「…な、何を…しているン……だい?」

渚「これで決別だ」


渚「俺はもう二度と約束は破らない」

338 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:20:40.76 ID:hwPJG4f4o
俺が向き直るとみんな深刻な顔でこちらを見ていた

渚「…なんだ?」

ただ一人は比較的笑顔でこう聞いてきた

アナ「探偵くん、これでいいの?」

渚「ひとまずは…みんなが望んでいるわけでないのなら、これで構わない」

アナ「なーんだ、本気で心配しちゃったじゃん」

柿生「ナギくん…ありがとう、これで全員揃って動ける」

渚「安心するのはまだ早い、こうなった以上なにが起こるかわからないぞ」

愛野「じゃあ、モタモタしてないでここから逃げないと!」


舞丈「逃げる…?何を馬鹿なことを言っているんだい?玄関は開かないさ、僕か君が死なない限りはね」

渚「さぁ、どうだろうな」

舞丈「何か…勝算でもあるのかい?」

渚「ふん」

舞丈「まあいいやってみなよ!…ただし」


339 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:21:13.36 ID:hwPJG4f4o
ビーストモノクマ「「「「ウププ!!!」」」」

宍戸「な、なんだありゃああ!?」




どこからともなくモノクマの亜種が大量に出現した
なるほど…見るからに凶暴だ




舞丈「キリバタウンや塔和シティも襲わせた戦闘モノクマの一つ、ビーストモノクマさ」

舞丈「ここだけじゃない、既に学園全域にモノクマ達を解き放ってるからね、ケガで済むといいけどね!」


月宮「まずいわ、ここから出ましょう!」

円山「ですが、ひとまず裁判場から移動するにしてもどうやって?」

ヨイクマ『学級裁判自体は終わっているから、エレベーターは動くよ!』

宍戸「じゃあ、ずらかるってことでいいんだな?」

柿生「ええ!みんな!エレベーターに走って!!」


340 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:22:36.71 ID:hwPJG4f4o
愛野「あれ?…足が…うまく」


愛野は車いすから立ち上がろうとしたが、大きく体制を崩してしまった


渚「!…愛野!」



しまった
愛野は寝たきりだったんだ、いきなり動くのは無理がある



柿生「愛野さん!」

円山「お任せください、私が援助します!柿生様は早くエレベータへ!」


円山は今まで見せたことはないほど素早く愛野の元へ駆け寄った


円山「愛野様!こちらへ」

愛野「う…うん!」


だがビーストモノクマとやらはみるみるうちに距離を詰めていく


アナ「早く!急いで!!モノクマが…」

渚「くっ…」


341 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:25:03.25 ID:hwPJG4f4o
俺はエレベーターの中から銃を構えてみる


銃の弾は一発しかない…ここで使うしかないのか?
しかし、そもそも一発ではなんとも…

やはり直接…


宍戸「ちくしょう!!見てるだけでいられるか!!!」

アナ「あ、歌舞伎君!!」


俺が判断を渋っている内に、宍戸が向かっていってしまった



ビーストモノクマ「がるる…死んじゃえぃ!」

愛野「いや…!」

円山「うわぁ、愛野様!」


342 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:26:30.70 ID:hwPJG4f4o
宍戸「うらああああ!!!」

宍戸は間一髪のタイミングで、モノクマに十手を振り下ろす


ビーストモノクマ(ガツン!!
ビーストモノクマ「うわっ…トホホ…」

モノクマはそんな言葉を発しながら、ピ…ピ…ピ…とタイマーのような不吉な音が聞こえてきた

柿生「いけない!爆発する!」

宍戸「なっ!?」


ドカーン!!

宍戸「うぉわ…!!!」

愛野「きゃ!!」

円山「ひぃぃ」



月宮「今よ!渚くん、エレベータの閉ボタンを!」

アナ「ちょ…!」
柿生「ええ!?」

渚「…!」



343 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:27:28.55 ID:hwPJG4f4o
エレベーターは閉じきった…

アナ「ほ、本当に間一髪だったね」

渚「ああ…」




愛野「うぅ…」

宍戸「痛つつつ…」

円山「し、死ぬかと思いました…」


爆発の衝撃で三人とも奇跡的に閉まる直前のエレベーターの中へとふっ飛ばされてた


月宮「さすがに冷や冷やしたわ、渚くんがボタンを押してくれなければ、あのままモノクマ達もなだれ込んできたかもしれなかった事を考えると」

アナ「ああ…なるほどね、焦ったぁ」



柿生「………」

渚「…柿生?」

柿生(プルプル…!

渚「どうした?」

柿生「!」



どちらを操作しますか?↓1

1渚
2柿生


344 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/04(火) 22:38:15.60 ID:mxwQQtIK0
1

345 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 22:52:32.13 ID:hwPJG4f4o
柿生がなぜか震えている…なにか様子が…



柿生「ぷはぁ・・・・!!」

渚「?」



柿生「疲れました!慣れない話し方はするもんじゃありません!!」


アナ「あ、戻った」

柿生「皆さんいつもどうやってこんな話し方を続けてるんです!?」

愛野「どちらかというとそっちの方が変よ…」

柿生「で、でも!だって円山君だって敬語じゃないですか」

円山「え、ええ確かにそうですが…こちらの方が少数派なのは確かです」

柿生「そんなぁ」


月宮「…く、ふふふ」

宍戸「ふ、あははは、なんだよそれおかしいぜ!」

ヨイクマ『でも確かにちょっとぎこちなかったよね』

柿生「そ、そうですか…?」


なぜだか、みんなの緊張感がほぐれていく
ここからも危険なのだが

エレベーターはもうすぐ到着するだろう




346 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 23:05:14.19 ID:hwPJG4f4o

渚「ヨイクマ、上の状況はどうなってるんだ?」

ヨイクマ『うーん、至るどころにモノクマはいるみたいだよ?大丈夫?』

渚「どこか安全な場所はないか?」

ヨイクマ『体育館なら、なにもいないけど…あれ?なんでだろ?」

渚「…ひとまず、そこまで行くしかないか」


愛野「扉…どうするの?」

宍戸「開かないんだよね?」

柿生「えっと…ごめんなさい、実はそこまでは考えていなくて」

月宮「まあ、当然ね。ここまでは想定できないわ」



渚「二つほど、手がある」

柿生「そのうち一つは絶対に容認しません!」


鋭いな…


渚「なら、なんとかして破壊するしかない」

宍戸「てやんでい!!」

宍戸「さらっと流すなよ、もう一つはなんだ!?」




347 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 23:22:29.07 ID:hwPJG4f4o
渚「俺が死ねば扉は開く」

宍戸「おお、そりゃスルーだわ」


ヨイクマ『もうすぐ着くよ!みんな』

柿生「まずは体育館までですね」

円山「愛野様、大丈夫ですか?」

愛野「だいじょ…」

アナ「走れはしないよね、医者くんなら止めそう」

円山「では今一度私が…」


宍戸「いいや、俺がおぶってやらぁ」

愛野「ええ?宍戸が?」

宍戸「なんで微妙に不満そうなんだよ」

月宮「でも、状況的にみて誰かが背負っていった方がよさそうね」


愛野「私…そんなお荷物みたいな」

宍戸「なんなら、ここから出てから旨いもん食わせてくれよ、神谷ばっかりで羨ましかったんだ」

愛野「…もう」

アナ「それいいね!パティシエちゃんのケーキおいしいから」



348 : ◆11nx.E09nc  2016/10/04(火) 23:47:24.87 ID:hwPJG4f4o
渚「宍戸、さっきの十手を貸してくれ」

宍戸「おう?」

渚「俺が前に出る、武器が欲しい」

アナ「大丈夫なの?」

柿生「だったら私も!」

渚「だめだ」

柿生「でも渚くん一人じゃ」


渚「いや、一緒に前に出てもらう役は円山に頼みたい」

円山「わ、私ですか!?」

渚「ああ…周りの警戒を頼みたい、俺は前を向く」

円山「…かしこまりました」




349 : ◆11nx.E09nc  2016/10/05(水) 00:05:05.31 ID:S1c5+wFgo
チーン


扉は開く

モノクマ「クマぁ!!!」

渚「はぁ!」


エレベーターから飛び出した俺は一番近くにいたモノクマを蹴り飛ばした

それほど重いものではない、なんとかなりそうだ


円山「皆様!こちらです!」

宍戸「オラオラオラ!!」

月宮「モノクマだらけね…」



円山「は!渚様、左方に!」

渚「くっ」

モノクマ「がるる!!」


流石に、物量が…



353 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:04:54.68 ID:fMVN9R7No
渚「邪魔だ!」

モノクマ「うぷぅ!?」

ドカーン…!



渚「くっ…リーチの短い武器だけじゃ丸腰も同然か…?」

なんとか蹴散らしていくが、次第に限界が見えてきている
このままでは…


宍戸「ったく、なんつーバリエーションだよ!?」

アナ「あっちは火炎放射器みたいなの持ってるよ!!」

愛野「他にも武器ないの…!?」

アナ「流石に武器庫までは行けないよ!」

ヨイクマ『気を付けて!ここにはジャンクモノクマっていう厄介なのもいるから!』

月宮「さらに厄介なのとなると、あまり想像したくはないわね…」


柿生「…ジャンク…そうです!」


354 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:06:35.93 ID:fMVN9R7No
円山「な、渚様!!後ろを!!!」

渚「なに…!?」

モノクマ「エクストリィィム!!」

俺は背後から迫っていたモノクマに気が付かず反応が遅れてしまった
鋭いかぎ爪が目に入る、くらってしまえばひとたまりもないだろう

万事休す…か…

ただ…これでも扉は開くだろう


最悪の展開だけは免れるはずだ…






だが俺の考えていた通りにはならなかった

355 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:07:07.66 ID:fMVN9R7No
柿生「ええい!!」

ガン!!

モノクマ「うがぁ!!」

ドカーン


柿生「大丈夫ですか!?」

渚「か、柿生、お前…」

いつの間にか柿生は釘バットを持っていた

柿生「これですか?ナギくんが倒してバラバラになったモノクマから取ってきたんです」

柿生「少し下がっててください!」

渚「…な、馬鹿な事を言うな!下がっているのはお前…」

柿生「言います!…みんなを守るためならいくらでもバカになってみせます!」


柿生「えい!」
モノクマ「ノウ!」

柿生「や!」
モノクマ「そんなぁ…」

柿生「通してください!!」
モノクマ「絶望的ぃ!」


信じられないことに、柿生は無数のモノクマ達を適切に対処していた
未来機関で受けたであろう戦闘訓練の影響か…?


356 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:07:50.85 ID:fMVN9R7No
渚「……」


あいつは、ずっと俺たちの後ろをついてきていた
そんな奴だった…

お人よしで、怖がりで、鈍感で、自信が持てないでいて
虫も殺せないほど優しくて…

ただひたすらに、俺たちと一緒に居たがっていた
引き剥がされないように必死だったような印象があった

そんなあいつが…


柿生「皆さん!ついて来れてますか!!」

あいつはここまで変わったのか



柿生「離れないでください!一緒じゃないと意味がないんです!!」

いや、きっと根本は変わっていないんだ
ただあいつは、みんなと共にありたいだけ

こんな簡単なことは初めから分かっていたはずなんだ


357 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:08:29.47 ID:fMVN9R7No
渚「…俺がモタモタしていた内に、逆に抜かされたのかもしれないな、アラタ」

ふん、なら俺も止まるわけにはいかない
ましてやあいつの後ろで腐っているわけにはいかない!

渚「柿生、左は任せるぞ」

柿生「はい!」


俺たちは戦っていった…



愛野「なに…?あのデタラメな戦闘力…」

アナ「これって無双系アクションゲームの画面かなにか?」

宍戸「なあ、俺たちも渚と同じ絶望キラーだったんだろ?…本当にあんな感じだったのか…?」




月宮「…おかしい」

愛野「どうしたのよ?」

月宮「舞丈君はあの後何をしてるの?無事でいるのなら、このまま何も仕掛けて来ないとはとても考えられないのだけど…」

円山「皆さま、もうすぐ体育館です!」


ヨイクマ『…ヤバい!』

宍戸「んあ?」

ヨイクマ『あいつが来た!』


358 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:08:57.15 ID:fMVN9R7No
ミシミシ…ズガーン!!


柿生「か、壁が…!?」

体育館も目前に迫ったところで
突如真横の壁がすごい勢いで破壊される


巨大ジャンクモノクマ「シュー…」

柿生「え」

まずい…!

俺はとっさに柿生の腕を引っ張り
柿生と場所を入れ替える形で庇った


巨大ジャンクモノクマ「!!!!!!」

そして


ザシュ

渚「うぐっ」

ザシュ

渚「ぐああああああああ…」

右腕を中心に鋭い斬撃を受けてしまった
目でしっかり見える量の血が噴き出す

アナ「た、探偵くん!!!」

柿生「ナギくん!!!!」

裏返るほどの悲鳴が聞こえ
意識が朦朧とする
右腕は焼けるように熱く…

ただ…それでも足は止めないでいた


359 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:18:50.62 ID:fMVN9R7No
〜体育館〜

渚「く…?」

アナ「探偵くん!よかった…死んじゃったのかと思ったよ」

渚「どれくらい経った?」

アナ「いや全然、3分ぐらい!」


体育館の扉の外からは、ドアを叩く大きな音が怒号のように響いている


渚「あまり状況は良くないな」

アナ「うん、いまみんなどうするか考えてる」

渚「…やはりここに来たのは正解かもしれないな」

アナ「え?モノクマがいないから?」

渚「ああ、あれだけ量がいながら、なぜここだけあの兵器が配備されていないか」

アナ「…黒幕、舞丈くんにとって都合が悪いから?」

渚「それくらいしか理由がない。普通のモノクマであればここにも出入りしていたからな」

アナ「そうなると、それはなんで?」

渚「単純だ…邪魔なんだろう」

渚「ここは元々シェルターだと聞いた、シェルターからの脱出手段が用意されていてもおかしくはない」

渚「当然黒幕にも使用可能ななにかだ」

アナ「そうか!あんなのがいたら、アタシ達の脱出の邪魔だけじゃなくて、黒幕にとっても邪魔だから!」

渚「あとは…それを見つければ、くぅっ!!」

右腕から激痛が走る



360 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:30:26.80 ID:fMVN9R7No
アナ「無理しないで!応急処置も満足にできてないんだから」

ケガ部分を見ると、不十分ではあるが包帯が巻かれていた

渚「この包帯は…?」

アナ「アタシ、学級裁判の前に保険室にいたから、何かに使えると思って救急箱を持ってきてたんだ」

アナ「でも医者くんじゃないと、こんな大きなケガどうしたらいいのかわからないよ!」

渚「落ち着いてくれ」

アナ「落ち着けるか、バカぁ!!アタシがさっきどれだけ冷や冷やしたと思ってるんだよ!」

渚「俺は死なない、まだアナスタシアになにも返していない」

アナ「え?なんの…こと…?」

渚「正直、先ほどまでは死んでもいいと思っていた。俺が死んでも扉は開く」

渚「だが、今は俺にも希望ができた」


渚「ここで死んだら、あいつの願いを踏みにじってしまう」

渚「柿生!」


愛野「ねえ!渚が起きてるわよ」




361 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:39:39.13 ID:fMVN9R7No
柿生「あ、ナギくん、目が覚めましたか?」

渚「気が付いているかも知れないが、ここにある違和感の正体を突き止めろ。お前ならできるはずだ。お前の才能なら…」

柿生「私の才能…?」


柿生「は!」


柿生はスケッチブックを取り出すと最初のページの方を開く

円山「柿生様、どうなさいました?」

柿生「私、実はここの風景をスケッチしてるんです、照らし合わせればもしかしたら!」



柿生「あれ…?あの壁の木の絵…どこか…違う?」


ドカン!ドカン、バキバキ

宍戸「おいそろそろ扉がやべえぞ!!」


柿生「ここ…押せる?」

何をおもったのか柿生は教壇の後ろの壁を思いきり押し出している


ガガガガ…

柿生「ひ、開いた!」




362 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:48:52.37 ID:fMVN9R7No
宍戸「おお!?」

月宮「警戒は怠らないで!罠の可能性も…」


柿生「なんか、見るからにデラックスな車があるんですけど…」

円山「これはまた、大層ご立派なスーパーカーですね」

愛野「これで…強行突破するの?」

月宮「…」


ブロロロロ…


月宮「エンジンはかかるみたいね、問題は誰が運転するかだけど」

柿生「私、免許取った記憶はありません」

宍戸「お、俺?無茶いうな」

愛野「私も、車なんて運転したことないし」

円山「わ、私はできますが…しかし、こういった車は…」

月宮「私も、運転自体はできるけど、適正とは言えない…渚くんもあの状況だし、そうなると…」


渚「アナ、お前。走り屋をやっていたと聞いたが」

アナ「え?ちょ…誰から?」

渚「夜の亡霊」

アナ「……」

363 : ◆11nx.E09nc  2016/10/07(金) 23:54:59.26 ID:fMVN9R7No
モノクマ「「「うぷぷ」」」

巨大ジャンクモノクマ「!!!!!」


ドンドンドン…!!!


依然としてモノクマ達は体育館の扉を破壊しようとしていた
いかに希望ヶ峰学園の扉が頑丈であろうとも限度というものがあり
いよいよ、扉も朽ち果てようとしていた
その瞬間…

ドカーン!!!

モノクマ「「「ぎゃー」」」

巨大ジャンクモノクマ「ウブブ!!」


アナ「とばせとばせェ!」

愛野「凄い、モノクマ達が吹き飛んじゃってる」

宍戸「てか俺も吹き飛ぶうううう、死ぬうううう!!!」


ガン!ガツン!


円山「ひぃぃ!」

アナ「ヒャッホオオオ!!」


アナの運転は想像以上に荒々しかった
だが、技術は確からしく、細い道も難なく走り抜けていく
モノクマ達も太刀打ちできないようだ

364 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:03:49.39 ID:bHXrCN/jo
円山「扉です!」

渚「月宮、たのむ今だ」

月宮「ええ!」


―――――――――

宍戸「あらよっと!準備はできたぜ!」

愛野「それで、玄関の扉はどうするのよ?」

渚「破壊するしかない」

月宮「簡単にいうけれど…なにか手段は?」

柿生「それに確か機関銃が・・・」

渚「あれは学級裁判前に俺が破壊した」


アナ「でも、凄く頑丈な扉なんでしょ?」

渚「ああ、シェルターなら、外側からの耐久力は計り知れない、破壊することは難しいだろう」

渚「外側からならな」

円山「…どういった意味でしょうか?」

渚「外側からの衝撃に対しての耐久力に特化しているなら、内側からはそうでもないと考えられる」

柿生「でも、さすがにそれだけじゃ、この車で特攻なんてしても危険なだけです」

渚「だから、これを使う」

365 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:09:02.83 ID:bHXrCN/jo

【天城の爆薬】

柿生「あ、これ!」

アナ「あれ?武器庫を爆破するのに使ったんじゃないの?」

渚「あれにはモノクマを爆弾替わりにしたんだ。こちらは一切使っていない」

愛野「もう、なんか色々凄いんだけど…」

渚「これを、扉に向かって投げ…」


俺はデザートイーグルを取り出して言う

渚「狙撃する」

―――――――――


月宮「計算通りなら…まさか、ダーツを猛練習した成果がこんなところで生かせるとはね」

月宮「えい!」


月宮の投げた爆薬は丁度扉の前を浮かんでいる

366 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:14:14.24 ID:bHXrCN/jo

渚「今だ…くうっ!?」


まずい、右手の負傷のせいで上手く狙いが定まらない…!


柿生「ナギくん」

そこに一人の腕が添えられた

柿生(コクッ!

――――――――

渚「だが、単純に考えて成功率はかなり低い、失敗すれば死ぬだろう」

アナ「…」

愛野「…」

宍戸「…」

円山「…」

月宮「…」


柿生「大丈夫ですよ!!」

柿生「だってみんなでやるんですよ!」

柿生「この最高のメンバーで失敗するなんて思いません!」

柿生「自信を持って言えます!保証だってできます!」

柿生「だから…行きましょう!」

―――――――――

367 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:18:13.55 ID:bHXrCN/jo

渚「ふん、行くぞ」

柿生「はい!」



銃身はぶれなくなった
限りなく小さい的に自然と狙いが合う

あとは引き金を引くのみだ

月宮「渚くん、柿生さん!」

円山「どうか、お願いします!」

愛野「お願い!お願いっ!」

宍戸「うおおおお、突っ込めえええ」

アナ「アクセル全開!!」



渚「行け!」

柿生「行けええええええええええ!!!」



バン!


368 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:32:17.37 ID:bHXrCN/jo
――――――――――――――

<<<マイジョウ<<<

舞丈「ははは、どうやら…またしても負けたみたいだね、超高校級の絶望さん」

舞丈「さぞ、つまらないだろうね…いやがっかりさせてごめんよ、僕は驚きもしなければ、絶望もしていないんだ」

舞丈「だって、『僕』はなんとなくこうなるって思っていたからね。僕だって彼らのことを結構分かってるつもりなんだよ」


ヨイクマ『それで、どうするの舞丈くん?』

舞丈「さあ、わからないさ?僕は舞丈千人でも江ノ島盾子でもない不安定な存在だからね、どんな意思従うべきなのか…」

舞丈「当然君たちと一緒に行くことはできないよ…僕にはもうその資格がない」

舞丈「だからといって、絶望にもなりきれないみたいだ」

ヨイクマ『舞丈君…』

舞丈「君は彼らの元にいるといいよ、そのためにモデルをアホ毛を加えた『僕』に設定したんだし」

ヨイクマ『でも…』

舞丈「ほら、彼らがあまり遠くにいってしまうと端末間の転移ができなくなってしまうよ?僕のことは、知らないふりをするか、まあ死んだとでも言ってくれれば構わない」

舞丈「いずれ、彼らの前に再び立ちはだかるかもしれないし、それともそうならないかもしれない。どちらがいいのかもわからないけどね」

ヨイクマ『君は、ボクをモノクマから逃がしてくれた。いつかきっとお返しを…」

舞丈「はい転送」

ヨイクマ『え!ちょ…(シュン!


転送完了!


舞丈「これでいい」


僕はこうして、希望と絶望の間を歩いていく
少しでもバランスを崩すことがあれば、どちらかに染まるかもしれない
でも決して自分からそれを起こすことはできないだろう

とにかくここから動いてみようか
これが、前に進んでいるのか、それとも後ろに下がっているのか
それすらわからないまま…

369 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:42:18.07 ID:bHXrCN/jo
〜希望ヶ峰学園の外〜

「で、動きはあったか?」

赤羽「いや、結局なにもわからないままっすよ、ついに黒幕からの反応もないっす」

「ならいっそ、こちらからしかけてみるのもありではないのか?」

向井「ったく、特務ってやつは何やってるんだ?神谷さん生きてんだろうな?」

赤羽「な、柿生さんはきっとうまく…!」


ドッカーン!!!!


「前方にて爆破!!前方にて何か爆発が確認!!」

「なんか出てくるぞ!!」

「体制を整えろ!向かい撃つぞ!!」


赤羽「あ!待つっす!あれは!」



宍戸「うわぁぁああ!!」

愛野「ああ!宍戸が吹っ飛んだわよ!?」

アナ(><)

月宮「ケホッ…ケホッ!凄い衝撃だったわね…」

渚「ふぅ…なんとか、うまくいったの…か?」






370 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:45:14.52 ID:bHXrCN/jo
円山(ぽー……)

柿生「円山君?円山君しっかりしてください!!」

円山「このようなお花畑…私には勿体ないの…ではない…でしょうか?」

柿生「わぁぁ!戻ってきてください!!あわわわわ」



赤羽「か、柿生さん!じゃなくて…生存者確認っす!直ちに救助を!!」










371 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 00:54:03.19 ID:bHXrCN/jo
<<<カキエ<<<


柿生「ふ…うーん、ここは?」


気が付くと、私はヘリコプターの中にいた
辺りを見回すと、見慣れたビルが…

柿生「じゅ、14支部!!?」


〜未来機関〜


あの後、希望ヶ峰を脱出したその後、私たちは外で待ち構えていた機関に救出され
私はというとヘリコプターですぐに寝てしまい、ここに到着してもなお起きなかったので
そのまま寝かせてもらっていたということらしい

つまり…寝坊です


柿生「ああ、もうもう!!なんで最後まで私は!」

柿生「そうだ、皆さんは?」

「他の方なら順番に事情聴取を受けています。聴取を終えた方、まだの方は決まった範囲内での自由行動とのことです」

柿生「ありがとうございます!」


みんなの様子を見に行こう

誰に会いますか?↓1

1アナ
2月宮
3愛野
4円山
5宍戸
6???
7???

372 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 00:59:53.29 ID:vF0RLQ+uO
4

373 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 01:13:06.95 ID:bHXrCN/jo
柿生「あ!いました!」


最初に見つけられたのは円山くんでした

円山「柿生様、もうよろしいのですか?」

柿生「睡眠はまたあとでたっぷり取ります、もう気兼ねなく眠れますし」

円山「………………」


柿生「いま、私ならどこでも寝れるとか思いませんでしたか?」

円山「い、いえ!滅相もない!」

柿生「ふふふ、冗談です」

円山「……」

柿生「?」

円山「柿生様、今までまことに申し訳ありませんでした」

柿生「ええ?」

円山「私はといえば、この心の弱さから、我を失い。あなた様に傷を負わせたほか、皆さまにたくさんのご迷惑をおかけしてしまい」

円山「いくら謝っても、足りることはないでしょう…そのうえこんな事をいうのは不謹慎とは承知しているのですが、抜け抜けと助かってしまいました」

柿生「…」

円山「柿生様の頭の傷は、きっと残ってしまいます。そのことが、どうしてもやりきれません。私は…」



374 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 01:20:38.29 ID:bHXrCN/jo

柿生「言いたいことはそれだけですか?」

円山「え?」

柿生「じゃあ、全部水に流します!」

円山「柿生様!?」

柿生「あ、いえ月宮さんの頭の傷については私にはどうしようもないですけど…」


柿生「でも、私は死んだわけじゃありませんし。ほらこうやって」

私は、円山くんの手を取った

柿生「手を取り合えます」

円山「か、柿生様」//

柿生「もうコロシアイ生活は終わりました。なら、今の円山くんに間違える理由はありません」

柿生「あなたは絶望キラーでもなくなって、頼りになるベルボーイです!」

柿生「これから、よろしくお願いしますね!」

円山「…いいのですか?」

柿生「だって、私を信じて付いてきてくれたんでしょう?」

円山「…はい」

柿生「なら、私もあなたを信じたっていいじゃないですか。それだけですよ?」

円山「わかりました、では今は粉骨砕身して皆様のお手伝いをさせていただきます」

柿生「はい!」


↓1

1アナ
2月宮
3愛野
5宍戸
6???
7???

375 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 01:37:12.61 ID:xStvgb3d0
2

376 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 01:55:46.85 ID:bHXrCN/jo
月宮「あら、柿生さん」

柿生「月宮さん!!よかったです」

月宮「なにが?」

柿生「いえ、思ったより元気そうで」

月宮「ええそうね、あの場所から離れたのは大きいのかも、重いものが全部おりたようなそんな気分」

月宮「それにしてもこんな場所があったなんてね、とても興味深いわ」

月宮「研究部の質の高さも伺えた、私はまた数学者としての能力を発揮できそうでひと安心ね」

柿生「学園にいた時も十分すごかったじゃないですか?」

月宮「あら、私はあの程度ではないわよ?見くびってもらっては困るわ」

柿生「ふふ、期待しておきます」

柿生「私の画家の才能って特に役に立たないんですよねこの機関では…」

柿生「なぜか、戦闘の技術ばかり身についちゃって…拉致されるまで、絵は一度も描かなかった気がします」

月宮「でもまた描いてくれるんでしょう?絵」

柿生「え?」

月宮「あなたの絵、好きよ?私はあなたとあなたの絵に何度も勇気づけられてきたのだから」

月宮「描かないなんて勿体ないと思うけれど?」



377 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:00:29.45 ID:bHXrCN/jo
柿生「そうでしょうか?」

月宮「ええ、きっと私だけじゃない。あなたの絵はみんなの力になると思う」

柿生「…じゃあ、見たいって言ってくれる人がいるなら、描いてみようかな…」

月宮「楽しみにしてるわ。ついでに描き方を教えてくれるともっとありがたいけれど」

柿生「わかりました、今度一緒にやりましょう!」

月宮「ふふ、楽しくなりそうね、これから…」

月宮「私も…世界に希望を取り戻す組織…あの悲劇をなくせるのなら協力は惜しまない」

柿生「もう、一人では悩まないでくださいよ?」

月宮「これだけ人がいると一人で悩むほうが難しい気すらしてくるけれどね」

月宮「特に…あなたがいると」

柿生「でも、ここに来てしまえば、私なんかより頼りになる方は腐るほど…」

月宮「いいえ、あなたが一番よ。柿生さん」

柿生(//

月宮「それでは、またあとでね」



なんか、照れちゃうな…

378 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:00:56.04 ID:bHXrCN/jo
↓1

1アナ
3愛野
5宍戸
6???
7???

379 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 02:05:12.62 ID:vF0RLQ+uO
5

380 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:15:14.54 ID:bHXrCN/jo
柿生「し、宍戸くん…?」

宍戸「ヒック…うらぁ、もっと持ってこぉい!!!」

柿生「お、お酒臭いです!」


「おい、誰だ!?奴に焼酎なんか与えたのは?」

「勝手に持ち出したんじゃないのか?管理もっとしっかりしろよ!!」

「知るか、救助されて早々機関の酒に手を付けるなんて予想できるか!?」


柿生「ええぇ…」

宍戸「おうおう、柿生じゃねえか!祝いだ、一緒に飲もうぜぇ?」

柿生「もう何やってるんですか!宍戸くん!!」

宍戸「うるせえ!飲まねえとやってらんねえんだよ!!ヒック…」

宍戸「ほら!一杯、俺の酒が飲めねえのかぁ!?」

柿生「飲めませんよ、お酒苦手なんですから…」

宍戸「たくっ、なんでこうなんだ、一緒に酒を酌み交わしたかった奴は何人も死んじまったのに…生きてるやつすら飲んでくれねえのか…ウィック」

宍戸「みんなぁ、帰って来いよぉ、なんで死んじまったんだよぉ、俺ぁなあいつらと騒ぎたかったんだ!それなのにそれなのに」

宍戸「酒は旨いはずなのに、なんでこんなに涙が出てくるんだよお、うおぉおぉおお…」

381 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:29:00.74 ID:bHXrCN/jo
柿生「…あの宍戸くん?」

宍戸「あん?、一緒に飲んでくれるのか?あわよくば泣いてくれるのか?」

柿生「い、いえ…今日は無理ですけど、また今度ならお付き合いさせていただきますよ?」

宍戸「んだよぉ、つれねえな…俺とは飲みたくねえんだろ?神谷ぁ、飲もうぜ、チキショウ…」

柿生「だってどうせ飲むなら、他のみんなも誘って、涙流しながらとか、悲しみながらじゃなくて…もっと楽しみながらやりたいじゃないですか?」

宍戸「…ヒック」

柿生「その方が、お酒もきっと、おいしいと思いません!」

宍戸「柿生…お前ってやつはぁ!」

ダキッ!

柿生「ちょ、ちょっと待ってください!?お、お酒の匂いが…」

宍戸「お前の言うとおりだぜ!こんな不味い酒なんかやってられっか!!本当にお前はすげえ奴だ、俺たちの希望だ!」

柿生「…ええ、だから、いつでもおいしいお酒が飲めるように頑張りましょう?」

宍戸「おうよ!」



宍戸「よっしゃあ、あ、この元超高校級の狂言師なおかつ歌舞伎名人の宍戸清麿呂様ぁが、世界に希望と旨い酒を取り戻してやろうじゃねえかぁ!!」

宍戸「わーはっはっはっは・・・・・!」


「おい、あの焼酎…支部長代行の物らしいぞ?」

「と…十神さんじゃないスか!!ど、どど、どうするんです!?」

「しかも不味いつったぞあいつ!」



柿生「………これは、これでいいんでしょう…か?」

↓1

1アナ
3愛野
6???
7???

382 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 02:32:26.02 ID:3xUARXcDO


383 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:40:05.80 ID:bHXrCN/jo
柿生「うーん…」

赤羽「あ!柿生さん!気が付いたんですか!」

柿生「赤羽くん…」


赤羽 霧矢(アカバネ キリヤ)超高校級の通信士予定だったという男の子です
崩壊した町で生き残った私を救助してくれた人でした


柿生「ええ、おかげさまで」

赤羽「いやぁ!よかったっす、ボクが銃の扱い方なんか教えたばかりに、無茶して拉致されて殺されてしまったかと考えてしまうと夜も眠れなかったっす…」

柿生「ご、ごめんなさい…」


柿生「そういえばアナさ…保護対象のアナスタシア・ロスチャイルドさんはどこに?」

赤羽「アナスタシアさん、なら今支部長を交えた事情聴取を受けてるっス」

柿生「事情聴取…」

赤羽「心配しなくても大丈夫っすよ、彼らには疑いの目は全くかけられてはいませんし、支部長も代行のほうじゃないっすから」

柿生「じゃあ、霧切さんが…?」

赤羽「はいっす、また後で会えると思います」

柿生「わかりました」


アナさんは、また後で尋ねましょう

↓1

3愛野
6???
7???

384 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 02:42:29.28 ID:7PelvIQA0


385 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 02:51:46.97 ID:bHXrCN/jo
愛野「……」

柿生「愛野さん…大丈夫ですか?」

愛野「柿生さん…」


愛野「あの場所で目が覚めてから、緊迫した状態がつづいたからごちゃごちゃしてたけど…」

愛野「神谷くん…死んじゃったんだよね…」

柿生「はい…」

愛野「誰が殺したの?」

柿生「…!」

愛野「お願い教えて!私犯人が誰だか見てないの!柿生さん!!」

柿生「知って…どうするんですか?」

愛野「…わからないよ」

柿生「…天城さんです」

愛野(グッ…

愛野「私が、あの時神谷くんに言われたとおりにしなければ…あの時、神谷くんを止められたのは私だけだったのに!」

柿生「でも、シンちゃんは最後まで死ぬつもりじゃなかったみたいです、あなたと一緒にいたかったんだと思います」

愛野「…でも、死んじゃった…神谷くんが…しんじゃったよぉ!」

柿生「愛野さん…」








386 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 03:01:04.93 ID:bHXrCN/jo


柿生「あの…愛野さん、あなたは…」

愛野「生きるよ」

柿生「え」

愛野「だって、神谷くんに自殺とかするなって言われちゃったし…」

愛野「癪だけど…宍戸においしいケーキ作る約束しちゃったし…」

愛野「高校時代の神谷くんの事、まだ全部思い出してないし…」

愛野「それに…」

柿生「そ、それに?」


愛野「私もう、独りぼっちじゃない…みたい…だし…」//

柿生「…っ!」


愛野「だ、だから仕方なく生きていくっていうか・・・」

柿生「…ぷ、ふふふふ」


愛野「な!笑い事じゃないでしょ!!?」

柿生「だって、なんだか今の愛野さん凄く可愛くて!」

愛野「可愛い!?」

柿生「そうですよ!私たちはだれも独りぼっちなんかじゃありません!もちろんあなたも」

愛野「・・・・」

柿生「だから、いなくならないでくださいね?私たちもあなたから離れはしませんから」

愛野「…う、うん」

↓1

6医者みたいな人
7電子手帳



389 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 10:02:20.56 ID:d6hzukdB0
6

391 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/10/08(土) 10:46:19.25 ID:m7TY0mR80
???「おい」

柿生「え、はい私ですか?」

???「あんた以外に誰がいるんだ?」

柿生「すみません」

???「………」

柿生「あの…何か?」

向井「向井佐助(ムカイ サスケ)ってもんだ。予備学科上がりの元超高校級の外科医」

柿生「外科医…」

向井「神谷さんと同じ医師団にいた」

柿生「あ、あの医師団に…」

向井「死んだんだってな、神谷さん」

柿生「ええ。私じゃ助けられませんでした。申し訳…」

向井「別にあんたを責めるわけじゃない。あんたあの人の親友なんだろ?あんたの方が辛かったはずだ。それに、俺だって奴らの恐ろしさは知ってる」

柿生「……」

向井「ただ危なっかしかったとはいえ、あんな奴でも死ぬもんなんだなって思っちまったんだよ…んで、どうだったんだ?コロシアイとやらの中であの人はどんな奴でいた?」

柿生「多分、あなたも知ってる通りの人です。コロシアイを否定し、人を救うことに全てをかけていました。私も死にかけたんですが、彼に命を救われたんです」

向井「そうかよ。っち、最後までいけ好かねえ奴だ。助けるだけ助けて自分はどっかいっちまうなんてな、アフターケアもないなんて無責任もいいとこだぜ」

柿生「…あ、あの!」

向井「ああ、だから別に貶してるわけじゃない。あんたの話が本当なら神谷さんは俺の尊敬に足る人間だったってことだよ。話が聞けてよかった、まああんたも救われたなら救われたなりに生き抜きな、あと敬語使わなくて悪かったな、どうも苦手なんだ。じゃ…」


・・・今度、医師団の事も聞いてみないと
シンちゃんどんな目に遭ってきたのか…


392 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:05:40.71 ID:m7TY0mR80
『柿生さん、柿生さん!』

電子手帳から声が聞こえる

柿生「え?」

ヨイクマ『や、やぁ』

柿生「ヨイクマさん!?私の手帳にいたんですか?」

ヨイクマ『うん、無理やり転送されちゃって…』

柿生「だ、誰に?」

ヨイクマ『えっと……バ、バグに?』

柿生「バグ…?」

ヨイクマ『それより凄いねここ!僕の他にもアルターエゴがいるみたいだし』

柿生「ふふ、お友達できそうですね」

ヨイクマ『うん!』


ヨイクマ『あのさ…舞丈くん、どうなったっと思ってる?』

柿生「…わかりませんよ、結局あの後は見かけることすらなかったので」

ヨイクマ『そう…そうだよね…」


柿生「私、今度もう一度希望ヶ峰学園に訪れようと思ってるんです」

ヨイクマ『え!?なんで!?』

柿生「みんなの物とか回収したいし、まだ、何かあると思うんです…その時舞丈くんの手がかりも見つけて!そして、居場所も突き止めて!助けに行ければ…なんて」

ヨイクマ『…』

柿生「もしそうなれば、いいんですけどね…」

ヨイクマ『何言ってるの、出来るよ!きっと』

ヨイクマ『僕も手伝っていくから、モノクマやあの学園のことならなんでもわかるしね!』

ヨイクマ『だから、どんどん頼っちゃって?そのために僕はここにいるんだから』

柿生「……はい、お願いします!」







393 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:20:25.97 ID:m7TY0mR80
〜外〜

柿生「…ここにいたんですねナギくん」

ナギくんは、座って夜空を見上げていた
いなくなってしまったのかと大慌てで探していた私はホッと安堵の息を漏らす

渚「用事があったからな」

柿生「用事?」

渚「約束しただろう」

ナギくんはそういうと指を指すように空に目を向けます

柿生「…ああ、3人で見るんでしたよね…星空」

私もナギくんの隣に座って夜空を眺めてみます

柿生「大気汚染のせいで、大して見えないんですよね、星」

渚「ああ、見え方でいえばプラネタリウムの方が何倍もマシだ。1人欠けているしな」



柿生「シンちゃんは言い出しっぺの癖に約束破りの最低野郎です!」

渚「全くだ。だが、あいつの言葉は俺たちが生涯忘れる事はできなそうだ…困ったな」

柿生「忘れるわけがありませんよ、親友なんですから」


394 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:24:33.90 ID:m7TY0mR80


渚「どうするんだ?これから」

柿生「そうですね、みんなと再会する事はできましたし、私の目的はあらかた終わってしまいました」

柿生「月宮さんに言われたんです、私の絵を楽しみにしているって…」

柿生「だから描こうと思います。そのためにまずは描きたくなるような風景を取り戻したいです」

渚「そうか…」

渚「…強くなったな」

柿生「そうですか?なんか最近そればかり言われる気がします…」

渚「前のお前ならここらで泣いていたと思う」

柿生「今まで泣きすぎて、涙が枯れただけですって」

本当、たくさん泣いた気がする
とはいえ私は多分本当に強くなったんだと思う



柿生「ナギくんは、未来機関に入るんですか?」


395 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:27:42.41 ID:m7TY0mR80
渚「……」

柿生「きっと受け入れてくれると思います、他のみんなもいますし…

渚「俺は未来機関には入らない」


なんとなく分かっていた、この人はそういう人


柿生「そうですか…」

渚「驚かないんだな?」

柿生「ほら、ナギくん絶望的に付き合い悪いですし」

渚「放っておけ」

渚「俺は逆に弱くなったと思う」

渚「だから、もう一度先に世界を見て回ってくる、この世界がどんな状況なのか、何をどうしていくべきなのか、それを見極めたい」



そういうとナギくんは立ち上がった

柿生「え、もう行くんですか?」

渚「ああ、じゃあな」

あっさりとナギくんは離れていきます

396 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:32:35.96 ID:m7TY0mR80
渚「そうだ、アナに『意味は知っている』と伝言を頼む』

柿生「意味は知っている…?」

私にはその意味を教えてくれないまま彼は離れていく

柿生「あ、あの!!」

渚「?」

呼びかけると振り返ってくれた
ひょっとしたら私が止めれば行かないでいてくれるかもしれない



でも…

柿生「また…会えますか?」

渚「さぁな」

なんて素っ気ない人なんだろう
そう思ったけど…

渚「…いや」

柿生「!」

渚「必ずまた会おう、小雪」

柿生「…約束ですよ?」

渚「ああ、必ず…」


今度こそ、去っていく
もう何も言う事はない
そんな風に…


柿生「ナギくん!私、大好きですよ!!ナギくんの事!!」

私の方は言いたい事がありすぎる私はというと
全部まとめて叫んだ
親友としての叫び
今はこれが精一杯


渚「ふん…」

ナギくんは振り返えらずにそのまま手を振ってくれた
今は…これで十分かな?





397 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 11:38:35.35 ID:m7TY0mR80
アナ「あ、画家さん!」

柿生「アナさん?」

アナ「探偵くん知らない!?大事な用事があるんだけど」

柿生「ナギくんならさっき出て行きましたけど」

アナ「出て行ったのか、なんだ…って、ええ!?なんで止めなかったの!?」

柿生「や、やっぱりダメでした?」

アナ「うん、凄くダメ。アタシの用事はともかくとしても、探偵くんまだ事情聴取すら受けてないんだよ?」

柿生「あららら…あ、アナさん、なんかナギくんが『意味は知っている』と伝言を…」

アナ「意味は知ってる?…ま、まさかネックレスの…」

アナ(カチン…//

柿生「アナさん?あ…」

さらに後ろから、困り果てた表情の1人の男の子が歩いてきます


柿生「ごめんなさい、始末書なら私が書きますよ?苗木くん」


398 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 12:05:56.46 ID:9zxd3G8g0
きっと幾度の困難や、試練が待ち受けていると思う
もしかしたら絶望してしまうような事もあるかもしれない

でも多分やっぱりその度に私は立ち上がる

それでも私は歩き続ける、いつか希望の風景を取り戻して、また最高の絵を描けるその日まで
立ち止まってなんていられない
希望はきっと潰えることはない


絵を描くように、私はこの胸にいつだって



希望を描いていく





ダンガンロンパーズ「殺人者たちの行方」 the end



399 : ◆11nx.E09nc  2016/10/08(土) 12:14:52.61 ID:9zxd3G8g0
<<<ナギサ<<<


デザートイーグルを眺める
あれから一度も使ってはいない

すでにこの銃はお守り同然のものとなっている

荒廃している地域はどこを歩くにも困難だ
どこを見るにも苦しいものがあり、その度に現実を見る
絶望をみる

それでも俺は目を向ける

この世界で俺が何をするべきか


どうすればあいつにとっての「希望」を取り戻すことができるのか
この拳銃以外に何か方法があるなら
その手段を見つけるまで

俺は歩いていく…



ナギサ カオル end




【元スレ】
再開 ダンガンロンパーズ part5 渚「それでも、人間は簡単に死んでいく」