オリロンパwiki - ロンパーズ チャプター5 (非)日常編
70 : ◆11nx.E09nc  2016/06/29(水) 23:03:44.97 ID:kDs4JhUYo
21日目(早朝)

<<<カキエ<<<

ガバッ…!!

柿生「…うう」

最近、明らかに夢見が悪くなっている気がします

私は時間が気になり時計を見てみます
時間はまだ起きるにはだいぶ早かったです

もちろん寝直そうとも考えましたけど
すんなりと眠れる気がしませんでした
無理やり寝ても…寝坊につながってしまうような気もするし

仕方なく立ち上がり、着替えて部屋の外に出ます

その違和感にはすぐに気づきました
…なぜか、嫌な感じがする

思わず速足になります

柿生「…!」

目の先には血のようなものが見え始めます

柿生「誰か…誰かいるんです!?」



71 : ◆11nx.E09nc  2016/06/29(水) 23:28:57.31 ID:kDs4JhUYo

その先に…まさか神谷くんが倒れてるなんて思いませんでしたが

柿生「か、神谷くん……神谷くん!!!」

私はいそいで駆け寄って抱き起します
服は神谷くんの血で染まります

血だらけの神谷くんはピクリともしません

柿生「神谷くん!!返事してください!神谷くん!!」

神谷「…う、うう…」

柿生「神谷くん!生きてますね?なにがあったんです!?どうしてこんなに…」

神谷「…その…声、柿生…か?悪い…な、もう目が…ッ…見えないんだ」

柿生「あ!!神谷くん!!しっかりしてください!!今人を呼んで…」


人を呼ぶ…誰を?
医者である神谷くんはこの状態です…
じゃあ…どうすれば…


柿生「か、神谷くん…どうすれば…」

神谷「いい…もう…無理だ」

柿生「そんなことないです!!諦めないでください!きっとなにか方法が!!」



72 : ◆11nx.E09nc  2016/06/29(水) 23:52:09.00 ID:kDs4JhUYo
神谷「いいん…だ、そんなこと…より聞いて…くれ」

【ロヒプノールと書かれたパッケージ】

神谷「裁判…行き詰ったら これを…見せろ。きっとあいつなら…」

柿生「そんなことしなくても、誰が!誰がこんなことをしたんです!?」

神谷「言えねえよ…俺が言ったら…そいつ死ぬ…だろ?俺が殺すようなもん…じゃねえか…嫌だ」

柿生「で、でも…でも!!」

声が震えてきます
認めたくはないですけど、これから神谷くんが死んでしまうと確信してしまっていました




神谷「ユキ」

柿生「え?」

神谷「覚えてるか…俺たち、ずっと…一緒だったんだぜ?」

柿生「え?神谷くん、まさか思い出して…?」

神谷「お前、俺とナギがいないと、ダメダメで…自信がなくて…優柔不断で…」

柿生「…」

神谷「お人よしで…バカで…泣き虫で…」

柿生「グスッ…かみやくん…」

神谷「はは、泣き虫は…今もか」

柿生「そうですよ…泣かずになんかいられませんよ」

神谷「でも、今はなんかこう、行動力もあって…自信もついたみたいじゃねえか、たくましくなったっていうか」

柿生「そんなことないですよ!私なんて…」

神谷「本気でそう思ってるか?」

柿生「思ってますよ…きっと何も変わってない」

神谷「いや…強くなったよお前は、昔のお前を知ってる俺には分かるんだ」

柿生「…私たち、どうして知り合ったんですか?」

神谷「ガキの頃、落ちてたスケッチブックの持ち主をナギと探してたら、ユキだったんだよ」

柿生「…!!!」


73 : ◆11nx.E09nc  2016/06/30(木) 00:04:05.23 ID:X9gA7c3Oo
__________________________

柿生「…どこに…あるの?ヒック…私のスケッチブック」

そう、昔、お気に入りのスケッチブックをなくして
公園で一人で泣いていたころ

神谷「よぉ!」

柿生「ひっ!」(ビク!

神谷「そ、そんなびっくりしないでくれよ…」

柿生「だ…何です…?」

神谷「いや、これひょっとしてお前のじゃないか?」

柿生「あ!…わ、私のスケッチブック!!」

神谷「ほんとか!?すげえやナギの言う通りだ!!」

渚「だから言っただろ、俺の勝ちだな」

神谷「いや、まさかお前にこんな才能があるなんて!探偵とかやれよ!!」

渚「探偵は…ちょっとなぁ」


柿生「え…えっと」

神谷「ああごめんごめん、俺は神谷、こっちは渚、あっ苗字な」

渚「4年だ」

柿生「私も、4年…です」

神谷「同い年か、よろしくな」

柿生「え、ええ…」


あの日から始まり






76 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:32:19.66 ID:H1wHsnqzo
二人は友達がほとんどいなかった私の事をすごく気にかけてくれて
学校が違うのに度々会うようになり

中学は同じ学校に上がることになって
それからはいつも2人は一緒にいてくれて
私が困ってるときはいつも助けてくれて…

私にとって神谷くんと渚くんはなくてはならない存在だったんです
二人の事が好きだった、大好きだった


神谷「そういえばこの前スケッチブック、見せてもらったぜ?」

柿生「ええ!?か、勝手に見ないでくださいよ…」

神谷「ははは、悪かったな、でも凄いじゃないかあんな絵を描けるなんて」

柿生「ただ…好きなだけですよ、私の絵には何か足りない気がするんです」

神谷「凄いと思うけどなぁ」

渚「人…じゃないか?」

柿生「え?」

渚「性格には人の顔だろうか…はっきりと表情まで描き込まれてる絵がなかった」

柿生「…」

神谷「ほんとだ、なんでだ?」



77 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:33:27.09 ID:H1wHsnqzo
柿生「…人、描いたことないんです。キッカケっていうか、モデルがいないっていうか…」

神谷「ないって…見つからないなら」

柿生「え?」

神谷「どうしても見つからないなら、普段の俺たちを描いてみたらいいじゃないか」

柿生「ふ、普段の私たち…ですか?」

神谷「うん、ユキ自身含めて」

柿生「えぇ!?私もですか!?」

渚「どうしたんだ?」

柿生「私…普段どんな顔してるか…」

神谷「普段はともかく、笑顔でいることは多くなったんじゃないか?」

神谷「それこそ今のナギより全然いい表情してると思うけどな」

渚「放っておけ」

柿生「…そうですか?」


78 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:34:00.90 ID:H1wHsnqzo




神谷「おお!いいじゃねえか!この絵!」

渚「この前の花火大会のやつか」

柿生「ちょっと大げさに描いちゃった気がするんですけど…」

神谷「いやいやそんなことないって」

渚「写真じゃないんだ、これがあの時をお前なりに表現した絵」

柿生「表現…」

渚「それでいいと思う」

神谷「それに、こんな表情を浮かべるほど楽しかったんだろ?」

柿生「あ…」

神谷「…そうでもなかったのか?」

柿生「いえ…とても、とても楽しかったです!」

渚「フッ」

神谷「はは、そりゃよかった。また3人で行こうぜ」

柿生「はい!……


79 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:34:48.94 ID:H1wHsnqzo
私の絵が上手になったキッカケも
私の日常を明るくしてくれたのも…

私は彼らにたくさんの物を貰いながら生きてきました
今の私があるのは彼らのおかげでした

でも、私は何も返せていない…

世界絶望で崩壊した後
崩壊した町で生き残った私が救出されたあの後…
神谷くんと渚くん、希望ヶ峰学園で出会った大切な友達
の良くない状況を聞いても
その時の私はなにもできなかった、絵が描けたってなんになるっていうんですか

〜???の射撃場〜

赤羽「柿生さん?どうしたんっすか?」

「私の手元には今これしか残っていないんです」

赤羽「???」

柿生「 私にこの銃の使い方、戦い方を教えてください!」

赤羽「お、教えるのは構わないっすけど…何をする気っすか?」

柿生「助けたいんです…大切な人を、だから決めました」

柿生「私をあなた達の所へ入れてください」

_________________________


80 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:43:47.85 ID:H1wHsnqzo
柿生「…シンちゃん」

神谷「ユキ…、俺の名前は…アラタって読むん…だぜ」

柿生「シンちゃんのほうが良いです!」


このやり取りをいままで何度もしました
私が神谷くんの名前を読み間違えてそのまま定着して


神谷「なつかしいな…これ」


神谷「お前…密かに戦隊モノとか…好きだったろ?」

柿生「え?」

神谷「チームだとか…なんとかーズって響きも好きだったんだろ?」

柿生「は、はい」

神谷「希望ヶ峰学園に入るとき、何があっても一緒…だとか、私たちは…チームだとか言って、チーム名付けてたよな…」

柿生「…ロンパーズ。二人とも、口が上手かったので、どんな困難も言葉だけで解決できないかと、論破できないかなって思ったんです。変ですよね?」

神谷「ははっ、そりゃ…変…だな」

柿生「ふふ…ごめんなさい」

81 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:44:59.40 ID:H1wHsnqzo
柿生「シンちゃん、私強くなんてなってませんよ…論破どころか、銃なんかに頼るようになりましたし」

神谷「そんなこと…ねぇって…」

柿生「違うんですよ!!私はあなた達がいないと何もできないんです!!だから!!」

神谷「俺たち…会うために強く…なったんだろ?」

柿生「戦えるようになっただけなんですよ、私は…ただそれだけで…」



神谷「…なぁ、一つ約束してくれ…ないか?」

柿生「嫌です!!絶対守れません!!」

神谷「ナギを…頼む、あいつは…辛いことが多すぎたから…だれかが見てないと」

柿生「ならシンちゃんが見ていてください!!私と…一緒に…」

神谷「愛野も…心配だな…自暴自棄にならないで…くれよ」

柿生「なりますよ!!あなたは彼氏なんですよ!?自覚してくださいよ!!」

神谷「厳しいな…ゲホッ!ゴホッ!」

柿生「シンちゃん!どうすれば…どうすればいいんですか…」


82 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 22:47:02.97 ID:H1wHsnqzo
神谷「ありがとうなユキ」

柿生「お礼なんて言わないでください!私まだ何も返せてないじゃないですかぁ!!」

神谷「お前が…親友で…良かったよ…」

柿生「そんな風に言わないでください!!ずっと親友ですよ!これからも…これからも、ずっと!」

神谷「そうか…そりゃよか…った…」


急に神谷くんはズシンと重くなりました


柿生「シンちゃん…?やめてくださいよ…嫌です…黙らないで!!しゃべってください!!」

神谷「」

柿生「お願いだからぁ!!シンちゃん!!」

神谷「」

柿生「ううッ…嫌ああああああああああああ!!!!!!」


83 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 23:23:37.36 ID:H1wHsnqzo
21日目 (裁判終了後)

みんなに…話さなくちゃいけません


柿生「みなさん!聞いてください!!」


<<<ナギサ<<<


始まったか…

アナ「画家さん…話って、今?」

月宮「後日ではいけないの?」

柿生「大事なことなんです」

モノクマ「ん〜?」

宍戸「はぁ…大事な話っていうけどよ、ここにはモノクマもいるぞ?」


みんな酷く疲弊している様子が伺える
まあ、当然だろうが話など後回しにしたいだろう


柿生「望むところです。どうせ、いつどこで話したって監視されてます」

円山「……何についてなのですか?」

柿生「記憶と私の正体についてです」


正体?


月宮「正体って、あなたは柿生さんよね?」

柿生「はい、順を追って説明します」

柿生「もう薄々感じてると思いますが、この学園の外は崩壊しています」

柿生「そもそもの始まりは超高校級の絶望、江ノ島盾子が起こしたと思われる。人類史上最大最悪の絶望的事件でした」

宍戸「人類史上最大最悪の絶望的事件…、な、なんだその想像もできねえ事件は」

モノクマ「へぇ…」

柿生「それから日本は急激な治安の悪化、大気汚染、やがては外国までなぜか悪いことが頻繁に起こるようになったんです」

柿生「仲でも絶望に飲まれた人による大規模な暴動は町を壊滅させるほどでした」

渚「なるほど、それでは壁に貼られていた記事は」

柿生「その事件の数々です、全部実際にあったことです」

アナ「東和シティが壊滅したとか書いてあったね」


84 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 23:24:55.79 ID:H1wHsnqzo
柿生「え?東和シティ・・・?」

モノクマ「うぷぷぷぷ〜」

柿生「…続けます」


柿生は一瞬モノクマを睨むとさらに話を進めた


柿生「でも人類は絶望に屈したりはしてませんでした。希望ヶ峰学園の卒業生が主体となった団体ができました。世界に希望を取り戻そうとしているその団体は後に未来機関と呼ばれるようになります」

月宮「未来機関…どこかで聞いたわね」

柿生「当時私の住んでいた町でも暴動が起こり壊滅し、その中で私はたった一人生き残ったんです」

月宮「一人で…?」

柿生「はい、それくらいの規模なんです」

柿生「私は未来機関の方に救出されました」

柿生「私はそこで『絶望キラー』について知りました」

円山「先ほど、天城さんおっしゃっていた言葉…ですね」

柿生「はい、あなた達のことです」

渚「…なに?」

俺たちが絶望キラー?
確かどこかで報告書をみたな…


85 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 23:25:51.15 ID:H1wHsnqzo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

絶望キラーについての報告書

作成者××××

絶望被災地にて、絶望側にいる人間及び兵器に対して攻撃を行う謎の集団が確認されている
情報によれば、その集団の規模は11人に過ぎないが、その集団に殲滅させられたと思われる絶望側の集団も確認されている事から、それ相応の戦闘能力を持っていることが伺える
彼らの行動理念は掴めていないが、その標的は絶望である事から以後彼らを「絶望キラー」と明記することにする

詳しい話は私が帰還してから直接伺うが
この集団に対して接触するべきなのか、それとも関与せずにいるべきかを検討する必要がある

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

たしか、これが
俺たちは…

だが、11人と書かれていた…
人数が合わなくないか?


86 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 23:36:41.78 ID:H1wHsnqzo
柿生「そして、あなたたちはみんな高校生活を共に過ごした、私大切な友達だったんです。みんな会ってるんです」


ああ、俺たちは全員会っていた


宍戸「…それ、神谷もか」

柿生「はい」

宍戸「あれだけ必死に俺は関係ある人物だって言ってたもんな…なんですぐに信じてやらなかったんだよ俺ってやつぁ」

円山「やはり…そうだったのですか…」




柿生「私は今、絶望キラーである、あなた達を拘束するために、助けるために、会うために動いてたんです」

アナ「…画家さん、キミは一体?」





87 : ◆11nx.E09nc  2016/07/02(土) 23:38:10.23 ID:H1wHsnqzo





柿生「私は未来機関第14支部所属、特務、柿生小雪です」

91 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:02:31.21 ID:6eTvO9zio
円山「未来機関…ですか?」

宍戸「この前、モノクマも言ってなかったか?それ?」






未来機関…希望を追い求める団体

希望?




92 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:03:50.37 ID:6eTvO9zio
柿生「はい、モノクマ…いえ、絶望側が知らないわけではないはずです」

モノクマ「うぷぷぷ…へぇ、そう君未来機関だったの?」

柿生「惚けないでください!11人の絶望キラーを拉致、これは計画的なものだったはずです!このメンバーに私を紛れ込ませた事が偶然なはずがありません!」




絶望キラー、絶望を殲滅する集団





月宮「柿生さん、ここに連れてこられたのは14人だったはずだけど?」

柿生「………確かに」

アナ「簡単に引き下がるんだ…」

宍戸「柿生!結局このコロシアイの目的はなんなんだよ!?黒幕は誰なんだ?」

月宮「確かに柿生さんはどこまで知っているの?」

柿生「正直なところ黒幕が誰だとか、目的は分かりません…」

円山「江ノ島盾子…様でしょうか、先ほどの超高校級の絶望の方が関係しているのでは?」

柿生「それが、江ノ島盾子は既に亡くなっているはずなんです。超高校級の絶望は他にもいたという話は聞きましたが、確証はありません…」

アナ「とりあえず、黒幕は世界を崩壊させたって言う絶望ってやつなんだね?」

柿生「はい、間違いありません」

93 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:04:44.37 ID:6eTvO9zio




敵は絶望…

94 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:06:26.05 ID:6eTvO9zio
モノクマ「そう、こっちは絶望さ。君たちが……おっと危ない、ここから先ははお楽しみかな」

モノクマ「それで、ご立派な演説はもう終わりかい?」

柿生「演説…というなら一言言わせてもらいます」

柿生「あなたが誰だろうと関係ありません!あなたには屈しません!私はみんなを連れ帰って見せます!」

モノクマ「結構死んじゃったけどねぇ?」

柿生「希望はまだあります!もう誰も私の前で…絶対に…」


95 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:07:30.36 ID:6eTvO9zio



今までに…6人死んだ




96 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:15:02.66 ID:6eTvO9zio
モノクマ「希望?うっぷっぷ、そんな幼稚なものを信じてるの?」

柿生「かつて江ノ島盾子は希望によって倒されました、それが何より希望の強さを証明しています」

モノクマ「君が見たわけじゃないくせに?」

柿生「見たことないから何だって言うんですか!」

97 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:20:06.50 ID:6eTvO9zio
キボウ…?

そんなもので絶望に打ち勝つことはできるのか?

キボウ…今までの犠牲者だってそれを信じていたはずだ

いやチガウ、キボウなんてものにすがっていたから死んだんだ



では、キボウに意味なんてあるのか?


98 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:22:50.25 ID:6eTvO9zio
モノクマ「本当に死んだのかな?」

柿生「…え?」



こんな状況にキボウなどあるものか

ゼツボウしかないじゃないか…?

ゼツボウに屈してはナラない



モノクマ「江ノ島盾子って本当に死んだの?」

柿生「何を言ってるんです…?だって苗木君達が…」



キボウナンテナイ…



柿生「…い、いえそんなこと関係ありません、私はそれでも希望を信じてます」

モノクマ「うぷぷ、果たしてみんなそう思ってるかな?」

柿生「っ!みんなだって!」


99 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:23:23.36 ID:6eTvO9zio






ナラ ゼツボウ ヲ センメツ スルヒツヨウ ガ アル







100 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:28:09.53 ID:6eTvO9zio
<<<カキエ<<<



渚「希望なんてあるものか」




柿生「…え?」


私は背筋がゾッとする感覚を憶えました


渚「あるのは殲滅するべき絶望だけだ」

アナ「探偵くん、目が!」

円山「…」

宍戸「…」


それは目の青く光らせている渚くんでした


モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ、滑稽だねぇ柿生さぁん!君は絶望キラーの事を理解できてないようだよ」

柿生「絶望キラーを理解…?」


そうです、私は彼らが絶望キラーであること、絶望を…壊したり殺したりしていた事しか知りませんでした
なんでそんなことになったのか…何が目的かとかそういうことは全く…


渚「黙れモノクマ、いや絶望」

モノクマ「おお怖い怖い」

円山「渚様、今、何をお考えになられていますか?」

渚「黒幕を…殺す」

柿生「…えぇ!?」

渚「絶望キラーは11人、未来機関の柿生を1人、関係ないと言われた神谷を1人とカウントしても、1人余る」

月宮「ええ、確かに」

渚「では残り1人はなんだ?」

モノクマ「うぷぷ…」

渚「その奇怪な笑いも聞き飽きた。言うまでもないが、決まっている。黒幕自身だ」

アナ「そんな…それじゃ、アタシたちの中にその黒幕がいるって言ってるようなもんじゃん」

渚「だからそうだと言っている」

柿生「そんなわけが…!!」


渚「未だにこの茶番が続いてることが、そいつが生きてる何よりの証拠だ」

宍戸「じゃ、じゃあ…」

渚「そいつを見つけて、確実に殺害してみせる。それで終わりだ」


101 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:33:33.20 ID:6eTvO9zio
違う、こんな方向に向かわせたいわけじゃ…


柿生「や、やめてください渚くん!そんな事をさせたいわけじゃないんです」

宍戸「何が悪いんだよ柿生?」

柿生「何って、宍戸君!」

宍戸「俺たちをこんな目に合わせてきたんだ、ぶっ殺されて当然だろ。死んだ奴らにとってもめでてぇ話だ」

柿生「そんなわけ!」

円山「異論があるのですか?柿生様?」

柿生「円山君も…なんですか?」

円山「右町様や天城様の無念を晴らす絶好の機会ではありませんか?」

柿生「で、でも…復讐みたいな…」


渚「お前は一体何がしたいんだ?」

柿生「それは!み、みんなで力を合わせて脱出を」


あれ?
声が震えていました
なんで?本気でこんなのは違うって思ってるのに

ハッキリと声がでません…


渚「黒幕を殺せば脱出も叶うんじゃないか?他にどんな方法があるんだ?」

柿生「それは…そ、それはっ!」


渚「やめろ柿生、見苦しい」

柿生「…っ!」


102 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:35:45.17 ID:6eTvO9zio
渚「お前は綺麗ごとに身を任せ、この場を治めようとしているだけだ」

渚「それでは今と変わらない、また意義のない探索をし、崩壊した外の事や無意味な記憶を取り戻し、また次のコロシアイが起こって人が減る、空しいだけだ」


何も言い返せません、具体的にどうするかなんて考えもしなかった
ただ、いい方向に向かってくれればそれでよかったんです
みんながもっと強く団結できればそれで…


渚「なにより、覚悟を決めたなどと言っておきながら、自信なさげに無理やり希望などを信じてるお前は…」


渚「滑稽だ」

柿生「…っ!」



私は俯いて、黙っているだけでした
完全に打ちのめされたそんな気分です



渚「先に、戻る」

アナ「ちょ、ちょっと探偵くん…!」

円山「私も失礼させていただきます」

宍戸「俺も帰るわ、いつまでもこんなとこに居たくねぇ」

柿生「私は…」




103 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:36:25.14 ID:6eTvO9zio
柿生「私は、これ以上誰にも死んでほしくないだけで…!!」



渚「俺は死んでも構わない」

柿生「!」

渚「その代わり命に代えても、このコロシアイの黒幕は殺して見せる」

円山「どうせ、外は崩壊しているのですよね?」

宍戸「おうよ、決死の覚悟で黒幕を潰すってのも男の生き様よ」



月宮「何?みんな様子が…おかしい…?」



柿生「え…あ…」

声すらもう出ませんでした…


104 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:38:54.79 ID:6eTvO9zio
アナ「な、なんだよ…男たちは、ねぇ?」

柿生「…」

月宮「柿生さん、あなたを否定したいわけではないけれど」

柿生「…」

月宮「あなたはやっぱり無理をしてるように感じるわ」

柿生「…」

アナ「数学者さん…」

月宮「それに私には、渚くんの言ったことも否定はできない。正気かどうかはともかく、短絡的だとも思うけれど」

アナ「…うん」

月宮「みんな考える必要があるのよ、この先のこと、今までとは違う視点で」







105 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:40:30.58 ID:6eTvO9zio
気が付くと誰もいなくなっていました
もう何分ここに立ち尽くしていたのか分かりません

モノクマ「無様だね、柿生さん」

柿生「…」

モノクマ「君が望むなら決戦の場を与えようと思ったんだけど、そんな気力もないって感じ?」

柿生「…」

モノクマ「まぁいいや、適当に部屋に戻ってよね。全員いなくなるまでここの照明消せないから、電力の無駄ったらありゃしない」

モノクマは去っていきました


柿生「…何してるんですか…私」



何が未来機関ですか

私は今まで何のために…




106 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:43:17.94 ID:6eTvO9zio
22日目(?)

〜柿生の部屋〜

私はベッドでずっと蹲っていました
いま何時でしょうか?朝…いや昼?
分かりません…

どうすればいいんですか?せっかく記憶を取り戻したのに
私は結局一人じゃなにもできないままです
シンちゃん、私やっぱりだめですよ…

『死んでも構わない』

そもそも、おかしいじゃないですか死んでも構わないなんて!
宍戸君なんてシンちゃんに命を救われておきながら…



だったら本当に死んじゃえば…



柿生「!」

柿生「ち、違う!私何考えて!!」

柿生「う、うわあああ!!」

柿生「狂いそうです、誰か助けてください!今まで私にとってみんなが希望だったんです!それを滑稽だなんて言われたら!もう何を信じて生きてけばいいんですかぁ!!」



ポトッ…



柿生「え?」



ポケットからなにか落ちました


107 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:53:36.53 ID:6eTvO9zio
柿生「ボイスレコーダー?」



(天城「多分、小雪ちゃんが持ってるべきだよねこれ」)



柿生「…あ」



(???『こちらの音声を再生したのは誰だろうな。できればこの音声は公にせず秘密裏に聞くのだ。単刀直入に言う、このコロシアイは一度やり直されている』)

そうです、これには藤原君の伝えたかったことが

私は恐る恐る再生ボタンを押してみます



藤原『 これから、武器庫に出入りした人間を、順を追って記録していく、もしも我が死んだ時は、手がかりにしてくれ、既に持ち……』


あ、あれ?これって2回目の裁判の時に聞いたはずですよね?

えっと…次へボタンを




トラック2


108 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:56:29.10 ID:6eTvO9zio
藤原『こちらの音声を再生したのは誰だろうな。できればこの音声は公にせず秘密裏に聞くのだ。単刀直入に言う、このコロシアイは一度やり直されている』


分けて録音してたんですか…


藤原『理由が知りたいか?黒幕にとって上手く行かなかったからだ。白川が活躍し我々の団結力は恐るべきものだった。動機提供映像も奴が先に全部見てしまうという…いやとにかく黒幕にとってよほど都合が悪かったのだろうな』


あの白川さんが…


藤原『我々はもう一度記憶を消去され、そして今に至っている。重要なのは、我がそれを断片的ではあるが思い出したということだ。つまり奴らの記憶操作は完璧ではない。故に、キッカケがあればすべて思い出すことができるはずだ』


あの時に判明すれば確かに大きな情報だったかもしれません
そうです。現に私は全部思い出せました
でもそんなの全く意味がないじゃないですか
それに、うまくいったらやり直されるなんてどうしようもないじゃないですか


藤原『(ガコッ)やはりな…倉庫の一番奥の右の角だ、木箱の下のタイルが一枚外れるようになっている』


え?


藤原『すべてを思い出したなら、見るがいい。どうやら、やり直される前に我がここに何かを隠したらしい。内容は見ていないがなにかの手掛かりになるかもしれん』


あの時、藤原君はもしかしてそれを確認するためにあの場に残って…


藤原『うむ、一応…もしだれかが、これを聞いたとき我が生存しているならば。聞かなかったことにし、何も言わずにこのボイスレコーダーを我に渡すように』

藤原『今度こそ、本当に以上だ。検討を祈る』


どうしましょう?


やっぱり、確認しに行ったほうがいいですよね

私はやっとのことで重い腰をあげました


109 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 22:57:56.93 ID:6eTvO9zio
〜倉庫〜

倉庫に到着するまで、誰にも会うことはありませんでした、ホッとしたような
さびしいような…


倉庫の奥の角…あの木箱ですかね?


柿生「よいしょ」


それほど重くない木箱静かにをどけると、不自然にずれたタイルが見えます

ここに…いえ、やめましょうか

それがどんな物だとして、今更なんになるっていうんですか…

急に虚しさに駆られた私は一度その場を離れようとしました


『フン、ここまで来て怖気づいたのか?見損なったぞ』


柿生「え!?」


振り向くと誰もいません。
当然です、いるはずがないんですから


柿生(………ゴクッ)


私はなんて優柔不断なんでしょう…見ないって決めたのに
結局タイルをどかしてしまっています


110 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 23:06:42.56 ID:6eTvO9zio
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
手に取るべき人に届くことを願う

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

そう書いてある紙切れと
沢山の写真が入っていました


こ、これって…


私たちの高校生活の写真がたくさん入っていました


柿生「え、なんで?どうしてこんなに…?」


藤原君が…見つけていたんでしょうか?

みんな、楽しそうな写真が


眩しいです。もうこれはどう足掻いても過去…

あの頃に戻りたいなんてなんども思ったことです


柿生「この写真」


そこには、藤原君が珍しく顔を真っ赤にして大慌てしてる写真がありました、奥のほうに私も写ってます…

111 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 23:16:54.83 ID:6eTvO9zio
-----------------------------

柿生「なんですか?話って…」

藤原「フン、やっと来たか、待ちくたびれたぞ柿生」


柿生「待ちくたびれたって…まだ5分も早いんですけど…」

藤原「なに?」


その日は夕方
卒業が迫り、一緒に学校で過ごす日はもう数えられるほど少なくなっていました


藤原「う、うるさい!普段は遅れてくるのに、こういう日に限って早く来るなど、非合理的だ」

柿生「そんな、むちゃくちゃな」


柿生「それで、どうしたんです?」

藤原「う、うむ、そうだな。卒業も迫っているのだ。貴様に言うべきことを言っておくべきだと思ってな」

柿生「言うべきこと………ですか?」

藤原「ああ、前々から言うべきかどうか迷っていたのだ、あえて言わないでいたが、愚かなことについに気づきはしなかったようだからな」

柿生「…えっと?」


なんのことかさっぱり分かりませんでした


藤原「コホン…お前、今の自分の事をどう思う?」

柿生「今の自分ですか?…えっと、どういう意味で?」


さっきから聞き返してばかりですが、分からないものは分かりませんでした


藤原「そうだな、希望ヶ峰に入る前と比較してみるがいい」

112 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 23:39:00.38 ID:6eTvO9zio
柿生「希望ヶ峰に入る前…」



超高校級の画家として、スカウトされた時は
それはもう衝撃でした
それも、シンちゃんとナギくんが先にスカウトされてたので
離れ離れになってしまうと絶望してた最中です
まさに一筋の光でした



私が好きでやっていた事が認められた?

正直何かの間違いだと思いました
でもそれでも構わなかったんです
あの二人についていけるなら…


柿生「私は…ただ二人についてきただけだったんです」

藤原「だろうな、我にもそう見えた」

藤原「今はどうだ?なぜ今までここに通い続けてきた?」

柿生「今も根底にあるものは変わりませんよ、あの二人はそれほど私にとって大きな存在です。でも、確かに他にも理由ができました。友達が増えて、会いたい人が増えました。藤原君もです」

藤原「……う、うむ//、いや期待した答えではないが、まあ褒め言葉として受け取っておいてやる」

柿生「期待した答えとは違うんですか?」


私の素直な考えだったんですが…


藤原「我はもっと根本的な話をしているんだ」

柿生「根本的な?」

藤原「柿生よ、お前の特技はなんだ?」

柿生「?特技って、私の才能の通り、絵を描くことですけど…?」

藤原「ほう…スカウトされた時は何かの間違いだと思っていたのにか?」

柿生「…え?」

藤原「わからないか?お前はいま何の疑いもなく言ったのだ、絵を描くことが特技であると、才能であると」

柿生「え、えぇ…そうですね…え?」

藤原「その状態の事をなんと言うと思う?」

柿生「…わ、分かりません」

藤原「呆れたものだ、『自信がある』ということだろう?」



113 : ◆11nx.E09nc  2016/07/13(水) 23:52:38.83 ID:6eTvO9zio
柿生「自信…」


それは私が今の今まで、嫌いな言葉でした


藤原「お前はこの高校生活を通して変われている。それも比較良い方向にだ。それをあろうことか当の本人が自覚できていないう、なんとおかしな話だ。非合理的だ」


その言葉の一つ一つは力強く、説得力にあふれていました


柿生「私、いいんですか?自信を持っても…」

藤原「それを人に聞くのか、ややこしい奴だな」

柿生「そんな事言わずに、教えてくださいよ」

藤原「自信だと?フハハ、たわけめ、貴様に自信などという言葉はまだ十年は早いわ!」

柿生「な!」

柿生「そんな事ありませんもん!私だって……あ」

藤原「…そこで言い返せるならもう自明の理だろう」

柿生「そうですね…」


なんか…これでいいんでしょうか?というか


藤原「解決したはずなのになぜかしまらないな…」

柿生「はい…」



114 : ◆11nx.E09nc  2016/07/14(木) 00:11:24.17 ID:vopT1zu+o
藤原「致し方ない、特別にもう一つ助け舟をだしてやる」

柿生「お願いします」

藤原「絵の他になにか特技はあるか?」

柿生「いえ、特には」

藤原「即答するな、少しは考えろ。いや面倒だ構わん」

柿生「ごめんなさい」


藤原「お前は人をよく見ている」

柿生「見る…ですか?」

藤原「うむ」

柿生「それって…特技なんですか?」

藤原「ああ、紛れもなくお前が誇るべき才能だ」

柿生「えぇ…?」

藤原「まぁ聞くがよい」

藤原「お前の絵は、人の魅力を最大限までに引き出している」

柿生「は、はい!いつもそうできるよう頑張っています」

藤原「それはすなわち、人の良い部分を的確に見つけ出しているということだ」

柿生「人のいい部分を…見つけ出す」

藤原「誰にでもできることではない、事実、お前の絵を見るまで我自身が気づいていなかった長所も見つかったこともある」

柿生「え、どんなところですか!?」

藤原「ひ、秘密だ」

柿生「なんですか…それ」




115 : ◆11nx.E09nc  2016/07/14(木) 00:37:35.96 ID:vopT1zu+o
藤原「人の長所を見抜くお前のようなやつがリーダーをやれば、良い集まりになる」

柿生「そんな大げさですよ、私にリーダーなんて」

藤原「別に大げさではない」


藤原「フン、いい顔をするようになったな柿生」

柿生「え」

藤原「いいか、今からいうことをよく聞くのだ」

柿生「は、はい!」

藤原「お前は自分の短所を短所と認めることができている」

藤原「短所を自覚できる人間は、長所を自負する資格がある」

藤原「いや義務と言ってもよい」

藤原「いい加減自信を持て、胸を張れ」

藤原「お前は上手くやっていける、自信の塊の我が保証する」

柿生「ふふ、自信の塊って、どうなんですか…?」

藤原「仕方がなかろう、その通りなのだからな」

柿生「でも、ありがとうございます、藤原君」

藤原「ふん、ここまで言わせたのだ、もう否定することは許さんぞ」

柿生「はい、頑張ります!」


藤原「しかし、愚かなのは渚と神谷だ。本来この役回りは奴らのはずだ」


神谷「誰が、愚かだって?」

藤原「」


パシャ


右町「写真…撮った」

白川「当然、ビデオにも納めているわ!!カットなし永久保存版ね」


藤原「お、おのれ、貴様ら…


-----------------------------------------------




116 : ◆11nx.E09nc  2016/07/14(木) 00:48:59.13 ID:vopT1zu+o
なんで、こんな大事な事忘れてたんでしょうか…


写真のみんなは笑っています

諦める?この笑顔を?そんなことできるわけないじゃないですか

絵が描きたいです、今生きてる友達の絵を…

希望なんて未来機関なんてそもそも関係なかったんです


私がするべきことはもっと違うこと

私にしかできないことを、私が諦めるわけにはいきません


柿生「藤原くん、私、もう少し頑張ってみます」


私は写真をすべて持って立ち上がりました




119 : ◆11nx.E09nc  2016/07/17(日) 22:08:45.63 ID:+xwj9J6+o
まず何から、やっていくべきなんでしょうか…?

結局具体的にはなにも考えていないんですよね…


(モノクマ「君が望むなら決戦の場を与えようと思ったんだけど、そんな気力もないって感じ?」)

決戦の場…あれはどういう意味だったんでしょうか?


他にできることは…今なにを持ってましたっけ?

そう思いながら、ポケットの中を確認すると…

【解除薬】

そうです!まず愛野さんを起こさなくちゃいけません!



何をしましょうか?
↓2


1天城さんからもらった【解除薬】で愛野さんを起こしに行く

2モノクマと「決戦の場」について話す

3誰かと話す(人物名も)



120 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/17(日) 22:14:23.37 ID:IqV0HobsO
1

121 : ◆11nx.E09nc  2016/07/17(日) 22:51:49.60 ID:+xwj9J6+o
〜保健室〜

愛野さん…目覚めてくれるでしょうか?

待ってください、愛野さんが目覚めたら…シンちゃんのことなんて言えば…ハッ!

私は自分のほっぺをパンパンと軽く叩きます


…いえ、ウジウジするのはやめましょう!そんな事を考えてたら愛野さんはいつまでも眠ったままになってしまいます


ガララ…



アナ「え?」

柿生「あ…アナさん…」





アナ「そっか…写真、なんかいいねそういうの」

柿生「はい、私はそれを取り戻したくてまずは愛野さんを起こそうとここに」

【解除薬】

アナ「解除薬!そうだ、この薬があれば」

柿生「はい」


愛野「…」


愛野さんはちょっとやそっとでは起きる気配がまるでありません

その顔も気持ちよさそうに眠っているというよりは…


アナ「こう言っちゃあれだけどさ、まるで死んでいるみたいだよね」

柿生「早く起こしてあげましょう!」

アナ「うん!あ、待って!医者くんのことは…」

柿生「分かってます、アナさん。私は全部話します」

アナ「…分かったよ」

柿生「それでは…」

アナ「…」

柿生「…」

アナ「…?画家さん?」

柿生「あの…眠っている方に、これどうやって、飲ませるんです?」

アナ「…さぁ?」



122 : ◆11nx.E09nc  2016/07/17(日) 23:09:53.88 ID:+xwj9J6+o
がさがさ…

アナ「医者くんが亡くなった影響がこんな所で出てくるなんて!」

私たちは保健室にあった医学書とかを必死に漁りました
右町さんがいれば必要な情報なんてすぐに出てきたかもしれません

柿生「机の中にもなにか手掛かりはないでしょうか?シンちゃんもあの薬は使っていた筈ですし…」

柿生「え?これは…」


また…写真、それも卒業の時の集合写真…

柿生「シンちゃんも見つけてたんですね…」


アナ「あ、これじゃない?画家さん!」

柿生「は、はい!」





柿生「だ、大丈夫でしょうか?これで」

アナ「うん、あとは流し込むだけ…」


愛野(ゴクッ…)


アナ「ふぅ…」

柿生「これでしばらくすれば…」

123 : ◆11nx.E09nc  2016/07/19(火) 22:33:40.12 ID:gso5ABBCo
数分経ちました…


柿生「愛野さん、気が付きませんね…」

アナ「う、うん…」


なぜ目覚めないんでしょうか?
【解除薬】はどんな薬品の効果も打ち消すという、規格外の万能薬…だったはずです
じゃあなんで…
これが意味することは…

柿生「ななな、何か間違えたんでしょうか!!?」


アナ「お、落ち着いてよ画家さん!」

柿生「で、でも…」


薬の使いかたを間違えるなんて、考えただけでも恐ろしいです


アナ「・・・パティシエちゃん自体が、目覚めたくないのかもね」

柿生「え?」

アナ「どこかで、悟ってるんじゃないかな…医者くんが亡くなってるって」

柿生「…」


アナ「あ、実際そうなのかは分からないけどね!」

柿生「でも、だとしてもこのままというわけには…」

アナ「ううん」

柿生「…」


ここで否定されるとは思っていませんでした
アナさんの目はどこまでも真っすぐです



124 : ◆11nx.E09nc  2016/07/19(火) 22:44:49.54 ID:gso5ABBCo
アナ「だからこそ、やっぱり今はそっとしておくべきなのかも…」

柿生「そうなんでしょうか…?」

アナ「画家さんはさっき、全部話すって言ってたけどさ」

アナ「それって、画家さんは覚悟できていても、やっぱりパティ…愛野ちゃんにはきついんじゃないかな」

柿生「でも隠しているわけにもいきませんよ、こんな大事なことを…」

アナ「あ、うん、そりゃもちろん話すべきだとは思うよ!でも、それは今じゃないって思う」

柿生「いまじゃない?」

アナ「うん、愛野ちゃんがそれを聞いて…どんな行動に出ると思う?」

柿生「…アナさん、それどういう意味で言ってるんですか?」

アナ「もちろんコロシアイだよ、怒らないでこれは真面目に考えて言ってるんだから」

アナ「ここはこんな辛い事実を受け入れるには環境が悪すぎるよ。だったらもっと落ち着ける場所じゃないと…だって、あのシロクロに茶々入れられたと思うと…」


そうでした…私たちや愛野さんが良くても、ここには奴がいます
私は目先の事だけで、やっぱり何も考えていませんでした


柿生「確かに、そうかもしれません」

アナ「薬飲ませた後にいうことじゃないかもしれないけどね、このまま寝ててくれるなら好都合だよ」

柿生「でも本当にいいんでしょうか?先送りしてるだけみたいです」

アナ「うん、先送りしてるんだよ」

柿生「…」


アナ「柿生さん…脱出するんでしょ?」

柿生「え?」


意表を突かれたので変な声が出てしまいました


柿生「あ、はい!もちろんです、みんな一緒に」

アナ「なら、後は外に出てからにしよ?」


柿生「…アナさんは、脱出を考えてくれているんですか?」

アナ「アタシはもう、ここから出てやりたいことが決まってるからね。ここに居たってしょうがない」

柿生「そうですか、よかったです」



125 : ◆11nx.E09nc  2016/07/19(火) 22:49:21.30 ID:gso5ABBCo
アナ「それじゃ、パティシエちゃんはアタシが見ておくから、結局起きるかもしれないし」

柿生「あ、アナさん、その…」

アナ「うん?」


アナさんに聞いていいのかどうかは分かりませんが聞いてみることにしました


柿生「渚くんは、どんな様子ですか…?」

アナ「思ったよりも普通に話せるよ」

柿生「え?そうなんですか?」

アナ「でも明らかに前とは…別人じゃないけど考え方が変わっちゃったよ」

柿生「…」

アナ「なんか訳のわからないこと呟いてるし…」


アナ「ねぇ…探偵くん、どうなっちゃうのかな?」


柿生「…

↓2

1正直に、分からないと返す
2根拠もなく、大丈夫と断言する
3自由安価(選択されたら、さらに安価)

127 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/19(火) 23:41:16.13 ID:TYGSuVR8O
2

128 : ◆11nx.E09nc  2016/07/21(木) 23:43:50.31 ID:B6V54JNbo
柿生「大丈夫です」

アナ「何でそう言いきれるの?」

柿生「特に理由はありませんよ、なんとなくです」

アナ「なんとなくって…そんなんじゃ…」

柿生「だって、渚くんにも言われましたけど。希望がある!だとか、いろいろ強がりを言ってた私ってちょっと変じゃないですか」

柿生「きっと正直でいるほうが私らしい、強がりや見栄っ張りはもうやめようと思ったんです」

アナ「そっか」

柿生「逆に考えてみてくださいよ」

アナ「え?」

柿生「私いま、見栄でもなく強がりでもなく、心からきっと大丈夫だって言ったんですよ?」

アナ「…そうなるのかな?はは、ややこしいや」

柿生「私もうちょっと頑張ってみます、また挫折するかもしれませんけど、きっと何度でも立ち直りますから」

アナ「頼もしいんだか、頼もしくないんだか」

柿生「ふふ、微妙な感じでごめんなさい」



129 : ◆11nx.E09nc  2016/07/21(木) 23:47:03.41 ID:B6V54JNbo
言い方はあれかも知れませんけど、ひとまず愛野さんは後回しです!

次はどうしましょうか?↓1

1モノクマと「決戦の場」について話す

2誰かと話す(人物名も、アナを除く)

130 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/21(木) 23:50:03.79 ID:GjIRnxWmo
2 渚

131 : ◆11nx.E09nc  2016/07/22(金) 00:05:55.37 ID:e9ZZvFY5o
柿生「あ!」

アナさんは普通に話せるって言ってましたけど


柿生「渚くん!」

渚「…柿生」

柿生「えっと、会話はできますか?」

渚「何か…勘違いしているようだが、俺はお前の敵になるつもりはない」

柿生「…その手に持っているのは?」

渚「天城が作った火薬だ、何かに使えるかと思って回収しておいた」


それはドクロマークの袋でした
もっと…ほかの入れ物はなかったんでしょうか?天城さん…


柿生「これから何を?」

渚「新たに開放された部屋を見てくる、今となっては有益なものが見つかるかは疑問だがな」

柿生「どこか開放されてるんですか?」

渚「ああ、もう行けない所はないようだ」

柿生「そう…ですか…」


そうですよね、コロシアイが起こったんだから今まで通り場所が開放されてもおかしくないです


渚「…柿生、銃を返せ」

柿生「かっ!返せるわけないでしょう!?」

渚「そうか、だったらこれはお前が持て」


そう言うとナギくんは何かを軽く投げてきました


柿生「こ、これ…」


それは銃弾でした


渚「使えない状態の武器に意味はない」

柿生「つ、使いませんから!」

渚「好きにしろ、俺は奴らに対抗する手段を探す」




132 : ◆11nx.E09nc  2016/07/22(金) 00:19:42.52 ID:e9ZZvFY5o
やっぱりなんだか毒々しい雰囲気です
少し深く呼吸をしてみます


柿生「…ナギくん、今日はなんだか不機嫌な感じですね、何かあったんですか?」


私は、いつもの私のつもりでそう言いました


渚「…?なんのつもりだ?」

柿生「いつも通りですよ、いつもこんな風に話してました。私すぐに分かるんですよ?ナギくんの機嫌が悪い時」

柿生「周りのみんなはいつもと変わらないって言ってましたけど」


ナギくんは感情が表に出にくい人なので、シンちゃんすら気づかなかったりします


渚「もう前のようにはいかない、この世界は常識から変わってしまった。俺もな」

柿生「でもあなたは私の親友です、それは変わりません」

柿生「あなたの事を見ててくれ、もう一人に頼まれたんです。私はあなたを助けてみせます」

渚「それは、キボウとやらでか?」

柿生「いえ、そんなの関係ありません、私がやりたいようにやってみるだけです」


柿生「今度こそ絶対に、絶対のぜーったいに!誰も死んだりさせません」

渚「…俺は知っている。お前みたいな奴がどれだけ強くそう思っていても…願っていても」


渚「それでも、人間は簡単に死んでいく」



ナギくんはそう言いながら去っていきました

133 : ◆11nx.E09nc  2016/07/22(金) 00:27:34.12 ID:e9ZZvFY5o
ナギくんの話では、新しい場所が開放されてるらしいです

次はどうしましょうか?↓1

1モノクマと「決戦の場」について話す

2誰かと話す(人物名も、アナ、渚を除く)

3開放された場所を調べる

134 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/22(金) 00:30:15.94 ID:PGO9qmqLO
3

135 : ◆11nx.E09nc  2016/07/23(土) 22:55:26.22 ID:714brcL3o
開放された場所…もう行けないところはないって言ってましたけど、じゃあ校舎の5階と…

あ!そう言えば寄宿舎の2階ってどうなってるんでしょうか?行ってみましょう

〜寄宿舎2F〜

柿生「………ゲホ、ゴホ、何なんですか、ここ?」

寄宿舎の2Fは想像を絶するほどのボロボロさ、全体が校舎の爆発跡地みたいです。
一言で言えば廃墟、何年放置したらこうなるんでしょうか?

この壁ちょっとやそっとで簡単に壊れそう…ここから脱出できるんじゃ?
そんなことを考えてしまいます

少し歩くと、学園長室がありました。
あれ?学園長さんもここに住んでたんでしょうか?
あ、でも十神くんの話では、学園長さんがここのシェルター化を考えた張本人、でしたよね
だったら一緒にいて当たり前ですね…

とにかく調べてみましょう

ガチャ…


136 : ◆11nx.E09nc  2016/07/23(土) 22:58:11.86 ID:714brcL3o
〜学園長の個室〜

ここが、学園長さんの個室…
確か名前は霧切仁さん

奥には開かれた隠し扉
手前の机には今にも壊れそうなパソコンが一台置いてあります

-----------------------------------------------
【絶望】
 絶望だけを行動理念にし、希望を駆逐し絶望を拡げる為に活動するテロ集団

画面に写っているのは絶望について書かれた文書ファイルです
未来機関にあったデータにも負けず劣らない…こんなに下調べを…

パソコンを見ていると
誰かが背後から近づいてくる気配に気が付きます

柿生「そこにいるのは誰ですか?」

↓2(渚、アナ以外)

138 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/23(土) 22:59:17.25 ID:J722MS8+0
月宮

139 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 22:29:43.13 ID:mdD2yfMoo
月宮「あら、気づいていたの?ごめんなさい」

柿生「つ、月宮さん」


月宮さんでした、こっそり近づいてきていたんでしょうか?


月宮「先にここに来ていたものだから、絶望については分かったけど、【絶望キラー】って何なの?」

柿生「【絶望】が絶望だけを行動理念にし、希望を駆逐し絶望を拡げる為に活動するテロ集団なら」

柿生「【絶望キラー】は絶望に関する物を殲滅することだけを行動理念にしてる集団です」

月宮「それが、絶望に捕まる前の私たち…」

柿生「初めは未来機関にも、強大絶望に抵抗するレジスタンス的なものとして扱われていました」

柿生「でもそれ以上に【絶望キラー】も異常だったんです。人間をやめているというか…」

月宮「今の渚くん達みたいに?」

柿生「分かりません、私は【絶望キラー】となったあなた達を間近では見ていないので…あなた達がなんでそうなったのかも分かっていないんです」


私は、絶望キラーは狂っていると、そう言う話を聞いただけです。


月宮「原因は、やはり渚くんだと思うけれど」

柿生「え?」

月宮「思い出して、円山くんと宍戸くん、どちらも絶望しそうになった瞬間に渚くんのあの超能力のようなものを受けて、一旦正気を取り戻しているように見えるわ」

柿生「あれが…正気なんでしょうか?」

月宮「ええ今は正気じゃないでしょうね、円山くんはそれから不安定になって事件を起こしてしまうし、まあもっともこの極限状態にいたらおかしくなるのも無理はないけれど」

月宮「その挙句、彼らはそろって黒幕に無謀な攻撃を計画している。渚くんも自覚はしていなかったけれどあの能力こそが原因、という風に考えられる」

柿生「でも私、渚くんがあんなことできるなんて知りませんでしたよ」


少なくとも昔のナギくんは、そんな事をできる人じゃ…


月宮「…あいにく、私は記憶がもどってないからなんとも言えないけれど、もしかしたら希望ヶ峰学園にすべての原因があるんじゃないかしら」

柿生「希望ヶ峰学園に?」




140 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 22:39:26.40 ID:mdD2yfMoo
月宮「柿生さん、カムクライズルプロジェクトって知ってる?」

柿生「カム…なんです?」

月宮「カムクライズルプロジェクト…簡潔に言うと、この学園が密かに行っていたと思われる人体実験よ。その資料が残っていたわ」

柿生「人体実験!?希望ヶ峰がですか?」

月宮「ええ、絶望的事件が起こったのもここ、そして現にコロシアイが起こっているのもここ」

月宮「希望ヶ峰学園は何かがおかしいわ」

柿生「この学園が…そんな事に…」


私たちの学校が…そんなことに…


月宮「まぁ、それは今の私たちには直ちに関係するこどではないけれど…」

月宮「柿生さん、どうするつもり?あれだけ長く引きこもってたのに、部屋から出てきたってことはいろいろ考えたんでしょう?」

柿生「え、あの私どれくらい…?」

月宮「二日ほど、心配でなんどか部屋を訪ねたけれど返事がないんだもの」


あ、あれぇ?てっきり1日も経ってないかと…


141 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 22:46:18.94 ID:mdD2yfMoo
24日目(昼)

月宮「自殺でもしてしまったのかと肝を冷やしたわ」

柿生「だったら、無理やりにでも確認してくださいよ……」

月宮「あら、本当にあなたが自殺していたらまた学級裁判が開かれてしまうじゃない?あんなのもうこりごりだわ」

月宮「それにモノクマの話ではあなたが生きてることは分かってたから」

柿生「やっぱりどこでも見てるんですね」

月宮「モノクマもいよいよ待ちくたびれたのか、今日でここを含めた立ち入り禁止区域すべてを開放してしまうし、黒幕は明らかにあなたを意識しているようよ、柿生さん」

柿生「モノクマが言ってたんです。望むなら決戦の場を用意するって」

月宮「決戦の場…どんな事をするの?」

柿生「いえ、実はまだ聞いていないんです」

月宮「内容によっては慎重に考えるべきだけど…今はどうするつもり?」

柿生「それがここからの脱出に繋がるなら答えは一つしかありません。決戦でもなんでも受けましょう」

月宮「そう、じゃあ私の命はあなたに預けるわ」


すごくさらっと言われました…


柿生「そ、そんなあっさり?」

月宮「私何しても空回りしてしまうもの。あなたを信じるわ、柿生さん。なんでも言って?できない事はやらないけれど」

柿生「月宮さん、私がんばりますね!」


月宮「それはそうと、あなた」

柿生「はい?」

月宮「お腹空かないの?」


グゥウウ…


柿生「な、何か食べ物…//」

月宮「ちょっと柿生さん、当然水分補給はしてきた…のよね?」


先が思いやられます…



142 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 22:53:45.18 ID:mdD2yfMoo
〜食堂〜

バクバクバクバク…
食べ始めると止まりませんでした
空腹を通り越せば、かえってお腹は空かなくなるもの。
なんてことを聞いたことがありますが、私はそうではないらしいです

柿生「月宮さん、すいません食事を用意してもらっちゃって…」

月宮「簡単な物だから、私も済ませようかと思っていたところだからちょうど良かったわ」

柿生「とっても美味しいです!!」

月宮「まぁ、空腹の状態で食べれば何でも美味しく感じるものよ」

月宮「この後どうするつもり?」

↓1

1モノクマと「決戦の場」について話す

2誰かと話す(人物名も、アナ、渚、月宮を除く)

3さらに開放された場所を調べる

143 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/27(水) 23:09:20.95 ID:e3wQaS4oo
1

144 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 23:16:10.84 ID:mdD2yfMoo
柿生「モノクマと話してきます」

月宮「そう、私も付いてい…」

柿生「いえ、今回は私一人で行きます」

月宮「…大丈夫?」

柿生「けじめって言えばいいんでしょうか?とにかく、これをキッカケに私自身とも決着をつけたいんです」

月宮「そう」

柿生「ごめんなさい、気を使ってもらって。また頼ることがあると思います、その時はお願いします」

月宮「ええ」


こうして私は自室に戻りました

145 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 23:24:24.16 ID:mdD2yfMoo
〜柿生の部屋〜

ここなら誰の介入もないはず

柿生「モノクマ、出てきてください」

私は照明もつけずにモノクマを呼び出しました







柿生「あれ?」


モノクマが現れません…
今まではどんな小さな声で呼んでも、絶対に来たのに

柿生「モノクマー?どこにいるんですー!?」

気合を入れていただけに少し焦って大きな声を出しました


すると…ドアの方からカサッという音がしました

そこを見てみると…紙が一枚落ちています


柿生「メモ…?」


暗かったので、なんて書いてあるか読めませんでした…
結局証明を点けます


柿生「…これ!」

146 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 23:26:38.07 ID:mdD2yfMoo
---------------------------------



未来機関の柿生小雪、学園長室に来い
決戦の話はそれからだ



---------------------------------

147 : ◆11nx.E09nc  2016/07/27(水) 23:35:02.32 ID:mdD2yfMoo


柿生「なんで、学園長室…?」

わざわざ、場所を指定する理由って、何でしょう?

柿生「呼び出したのは私なのに」

とにかく…行かないといけません


カチャ…


椅子から勢いよく立つと、ポケットからそんな無機質な音がします

ポケットに入れっぱなしのデザートイーグルと弾丸の音

そんな時、机の上には長い間置きっぱなしのスケッチブックと画材がたまたま目に入りました


↓1

1銃を持っていく

2スケッチブックを持っていく



148 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/07/27(水) 23:47:28.07 ID:hfVSbsKrO
1と言いたいが2で

149 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 00:03:54.40 ID:cuK1irkto
柿生「きっと…今の私にこれはいりませんよね」


私は銃と弾丸を置き、ハンガーにかけてあったスモックを羽織ると、大きなポケットにスケッチブックを入れました
なんだか落ち着きます
そういえばしばらく絵も描いてませんよね

でも、先に目の前の事をを片付けないと


行きましょう


〜学園長室〜


つきました、でもここでも人の影もモノクマの影もありません

柿生「来ましたよ!」

直接の返事はありませんでした


その代わりに…


ピピピ…

柿生「電話?」

少し迷ってから、電話に出ます

柿生「はい」

???「やぁ、柿生さん」

それは電子的な声で誰だかは分かりませんでした

柿生「誰です?」

???「この状況で誰と聞くとはねぇ…

150 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 00:04:53.13 ID:cuK1irkto





???「ご存じ、超高校級の絶望にしてこのゲームを君たちに仕向けた黒幕さ」






151 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 00:21:45.01 ID:cuK1irkto
柿生「あなたが…黒幕、超高校級の絶望…」

超高校級の絶望と言えば…

柿生「江ノ島盾子ですか?」

???「その辺はまぁ、話が難しくなってくるしこれからの話にも関わってくる。黙秘させてもらうよ」

柿生「…」

???「そういえば、銃は持ってこなかったようだね?弾丸も手に入ったみたいなのに」

柿生「今の私には必要ありませんから」

???「…なるほどね、元に戻ったわけだ、弱虫の絵描きさんに」

柿生「!戻ってなんかいません、私は変わります」


この人、やっぱり私を知っている…


柿生「そんな話に興味はありません、なんで私をここに呼びだしたんですか?なんでモノクマを使わなかったんです?」

???「いやなに、重要な話をするのにモノクマ口調でやるのは流石にどうかと思ったんでね、AIモノクマはもう使ってないしね」

柿生「決戦の場ってなんですか?」


???「そうだね、パソコンが置いてあるだろう?それを見てくれ」


???「話を始めよう」

157 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 23:00:56.77 ID:cuK1irkto
私はパソコンの画面を見ます。
すると何かの映像が流れ始めました。

それは、苗木君達のコロシアイ、そして何か知らない方たちの…無人島?でのコロシアイ…

柿生「コロシアイ…」

???「そう、君たちも今直面しているコロシアイは他にも起こってるんだよ、まあ校舎の映像は結構タイムリーなんだけどね」

柿生「何が言いたいんです?」

???「そうだね、後者の方々は超高校級の絶望の残党達だよ」

柿生「絶望の残党!?なんで、絶望の人達がコロシアイを…」

???「そこに江ノ島盾子は残っていた」

柿生「・・・」


江ノ島盾子…超高校級の絶望
…やっぱり何度思い返してみても十神君は「江ノ島盾子は死んだ」と言っていた筈です


柿生「何です、超高校級の絶望は不死身だとでも言いたいんですか?」

???「ちょっと違うかな、本体は死んだよ。ただ代わりを残していたんだ」

柿生「変わり…」

???「前者のコロシアイ、君の知ってる人達のコロシアイには超高校級のプログラマーが参加していた」

柿生「超高校級のプログラマーって、舞丈くん…じゃなくて不二咲千尋さん?」

???「ご名答、ここら辺は聞いてるみたいだね。彼はコロシアイ生活の中で江ノ島盾子もアッと驚くようなものを作ってしまった」

柿生「…アルターエゴ」

???「その通り」


158 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 23:02:31.07 ID:cuK1irkto
14支部でも何度か見かけたことがあります。まるで画面の中に本物の人間がいるような、人工知能…映像をみると確かに似ている姿の女の子がいます
女の子?あれ確か、聞いた話では不二咲さんは男の子だったような…

???「江ノ島盾子は最終決戦の前に保険をかけたんだ、そのアルターエゴを利用してね」

柿生「アルターエゴを利用…」

アルターエゴを利用…不二咲さんのアルターエゴに何かを仕掛けたんでしょうか?
(???「ちょっと違うかな、本体は死んだよ。ただ代わりを残していたんだ」)
…いや、そんな…まさか、もしかして…

柿生「江ノ島盾子のアルターエゴを…作った…?」

???「へー、あっさり気が付くものだね、柿生さんを侮っていたよ、大正解だ」

柿生「…それが本当なら、このゲームの黒幕は」

???「そうだね、元を辿ればだけど江ノ島盾子だと言えるかな」

柿生「そんな…」

???「ただ実はこの情報は重要なように見えてさほど、そうでもないんだ。当然だけど重要ならこちらからバラしたりしないからね」


柿生「……」

冷や汗が噴き出てきます…敵は何よりも恐ろしいものだったと言えるでしょう
その上これが重要じゃない?だったら、この先何が…




159 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 23:22:26.83 ID:cuK1irkto
???「さて、先ほどAIモノクマと言ったね、今まで君たちの相手をしていたモノクマの中に入っていたのはこの江ノ島アルターエゴだ」

柿生「さっき使ってないって、言いませんでしたか?」

???「うん、使う必要がなくなったからね」

柿生「・・・」


分かりません、話に謎が多すぎるのもそうですし、何が目的でこの話をしてくるのかも分かりません。


???「君たちをさらってきたのはこの江ノ島アルターエゴによって動かされたモノクマ達だ」

???「他にも東和シティに特別性を何体か送ったり、ここにやってきた未来機関の救援部隊と交戦してたりする」

柿生「あ、救援部隊!彼らはどうなってるんです!?」


パソコンのモニターがまた切り替わります


???「まあ中々粘るねぇ、でも安心してよ彼らは絶対に助けに来ないから」

柿生「なぜ!」

???「簡単だよ、これ以上近づいたら希望ヶ峰学園を爆破するって勧告したからさ」

柿生「私たちがここにいるから、ということですか?」

???「柿生さん、君の存在はさして重要じゃない、元希望ヶ峰生で、特務という例外的な職務についているとは言え、君は壊滅した町での不自然な唯一の生き残り」

???「上にとっては疑わしき人物だろうしね」

???「未来機関にとって重要なのは絶望キラー達の事だよ。絶望とも違う謎の行動理念を持った彼らをみすみす全滅させるわけにはいかない」

柿生「だから仕掛けてこないと」

???「そうさ」





160 : ◆11nx.E09nc  2016/07/28(木) 23:50:56.35 ID:cuK1irkto

???「君たちのコロシアイは勝手ながら一度やり直させてもらった事も忘れないで欲しい」

???「想定外の出来事が起こったからね」

柿生「コロシアイが発生しなかったんですよね?」

???「いや、コロシアイの有無はどうでもいいんだ」

柿生「ち、違うんですか…?」

???「これもこれ以上についてはもノーコメントだ。今回についてもモノクマの中のアルターエゴがバグって心変わりしてしまうという想定外が起こってるけど、前回のコロシアイは根幹を揺るがす想定外だったとは言っておこう」


???「想定外ついでに言っておこう。君たちと絶望キラー達をターゲットにして拉致したのにはちゃんとした理由があり目的もある。絶望キラーでない人物は3人」


???「そのうちの1人は柿生さん、未来機関に所属していて尚且つ、絶望キラー達と密接な関係にあったからだ」

???「1人は名前は明かせない、がこの人物も同じく絶望キラーと密接な関係にあった。そしてこの人物は君たちが拉致された場所とは違う場所であらかじめ拉致していた」

???「そして1人は神谷くん。だが神谷くんに至っては狙ってすらいなかった。ターゲットではなくたまたま紛れ込んだだけの人物なんだよ。彼もまた絶望キラー達と密接な関係にあった。でも、これは偶然だ。いやぁ偶然とは恐ろしいものだね」


???「もちろん、片っ端から、絶望を殲滅していく絶望キラーという存在はこちらにとって厄介極まりなかったということも、絶望キラーをターゲットにした理由の一つだ」


???「どうしたんだい?さっきから黙りこくってるようだけど?」

柿生「頭がパンクしそうなんです!何が目的なんですか!!決戦の場の話はどこに行ったんです!?」

161 : ◆11nx.E09nc  2016/07/29(金) 00:10:20.87 ID:V/GHRMOho
???「なるほど、いや悪いね。おしゃべりが過ぎたようだ。江ノ島盾子も相当うるさかったらしいが影響は少なからずあるということかな?」

柿生「なんの話です?」

???「いや、気にする必要はないよ。さてお待ちかね決戦についてだ」

???「その前にさっき説明したことをまとめておくよ、モニターをみて?」


--------------------------------------------------------------------------

・君たちの他にもコロシアイが起こった。無人島でのコロシアイは比較的最近の出来事だ

・江ノ島盾子はアルターエゴとしてまだ残っている

・江ノ島アルターエゴは、死した超高校級の絶望の保険だ

・本コロシアイ生活は想定外な要素により一度やり直されている。コロシアイの有無は「想定外」には該当しない

・「神谷新」を除く、このメンバーの選出にはれっきとした理由がある。

-------------------------------------------------------------------------


???「こんな感じでいいかな?」

柿生「…ええ」




162 : ◆11nx.E09nc  2016/07/29(金) 00:24:07.65 ID:V/GHRMOho
???「いくつか話をしたが、柿生さんは全貌を理解はしていないと思う、この謎が謎を呼ぶような状態だろう?」

柿生「ええ、結局あなた達の目的が何もわかりません」

???「決戦の場…そこはいつもの裁判場だ」

柿生「裁判場…?学級裁判ですか?」

???「そう、君たちは今までと同じように議論をしていき、こちらが出した謎の答えを導き出し、そして君たちの状況を理解してほしい」

???「その上で最後の選択をしてもらう。これこそが決戦だよ」

???「その結果に応じて、簡単な条件付きではあるけれど、君たちの脱出を認めよう」

???「ああ、因みに。君がこの申し出に了承した瞬間にさっきのまとめはすべての電子手帳にも送信されるようになっている」

???「この決戦での公平性は約束しよう。どうするんだい?」

柿生「…」


このまま、受けてもいいものなんでしょうか?
少なくとも学級裁判形式なら、戦闘による勝負じゃないんでしょうけど…


???「そうだねぇ、迷ったほうが良い。忠告をしておくと、今現在はこちらの思い描いていたベストシチュエーションだ。絶望キラーとして覚醒しつつある人物3人と、そうでない3人」

???「この極めて不安定な状況こそ、こちらの目的を達成するに絶好のチャンスだからね」

柿生「そんなこと言われて、了承するとでも思ってるんですか?」

???「忠告その2だ。この申し出を断れば、君たちの脱出は絶対に不可能になる」

柿生「…っ!」

???「こちらは別の手段で目的の達成を試みるが、君たちの脱出だけは抹殺してでも止めるからね」


ウソは言ってないんだと思います。実際にこの学園内には私たちを秒殺する手段が無数にある
本気を出されたらきっと…

いいえ、そもそもそっちの心配をする必要はありませんよね


柿生「私は初めからこの勝負を受けにきたんです。絶対に勝って見せます」

???「それはつまり?」

柿生「受けます」


166 : ◆11nx.E09nc  2016/08/01(月) 22:14:11.23 ID:XxEhy2Iio
???「そうか、それは安心だ。まあせいぜい頑張ってみたまえよ」

柿生「それは…いつです?」

???「明日だ。こちらも事は早急に済ませたいんでね、異論はあるかい?」

多少余裕がなくなってしまいますが、早く済ませたいのはお互い様です

柿生「…いいえ、いいでしょう明日で決着をつけます」

???「すでに知っているとは思うけど、すべての部屋を開放してある。まあ色々調べてみるといいよ。ここにはこちらで入手した未来機関の資料やらが散りばめられてあるからね、それじゃ」


こうして電話が切れました。
明日に決まってしまった以上もはや寝ている暇はありません。
二日も引きこもってしまったことが悔やまれます…

でも、やらないと、もう後には引けません!






捜査編


【元スレ】
再開 ダンガンロンパーズ part5 渚「それでも、人間は簡単に死んでいく」