オリロンパwiki - ロンパーズ チャプター5 捜査編
167 : ◆11nx.E09nc  2016/08/01(月) 22:17:33.44 ID:XxEhy2Iio

さあ、本腰を入れましょう!
希望ヶ峰学園は広いです、開放された場所はまだまだ残っていて、手掛かりだってたくさんあるはずです。
それにまだ話してない人もいます。様子を見に行かないと


次は…↓1

1誰かと話す(愛野、アナ、渚、月宮を除く)

2さらに開放された場所を調べる

168 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/08/01(月) 23:02:17.35 ID:flOmvAcso
2

169 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 21:38:46.43 ID:3Ni4id8Bo
〜植物庭園〜

ここが校舎5階
確か植物庭園があったはずです

な、何です…これ
私が想像した物は残っていませんでした
そこには枯れて朽ち果ててしまった植物が散らばってました

ここは手入れされてなかったんですね…そう言えばここにも倉庫が

ガタッ!

柿生「きゃ!」

つ、鶴橋が落ちてきました
ここも埃っぽい…

柿生「あ!」

倉庫に置いてあるには、不自然な紙の束があります

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジャバウォック島について

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

島…なんでこんなところにこの資料が…

(「すでに知っているとは思うけど、すべての部屋を開放してある。まあ色々調べてみるといいよ。ここにはこちらで入手した未来機関の資料やらが散りばめられてあるからね」)

そういえばそんなことを、言ってましたね
こうやって最後の学級裁判に使う情報を集めろと…そういうことでしょうか?
だとしたらそれだけでいいんでしょうか?

(「今現在はこちらの思い描いていたベストシチュエーションだ。」)

このまま謎を説いて、学級裁判を上手く進めたとして、それじゃやっぱり絶望側の思い通りに…

私は資料に軽く目を通すとポケットにそれを突っ込んで、倉庫からでました


柿生「なんでしょう?この不自然なすす…ここで爆発でも…」

…そう言えば私は二日間も閉じこもっていた、渚くんたちはその間にどこまで進めてるんでしょうか
最後の学級裁判の話が決まった以上今は穏便に進んでほしいんですが…


170 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 21:40:03.92 ID:3Ni4id8Bo
次はどうしましょうか↓1

1誰かと話す(愛野、アナ、渚、月宮を除く)

2さらに開放された場所を調べる

171 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/08/06(土) 21:44:40.85 ID:B8kH2Tpvo
ししど

172 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 21:50:24.57 ID:3Ni4id8Bo
〜武道場〜

桜の花が散っています…かつてここに一回しか来ていないわたしでも分かります
明らかに武道場としての風流が足りない…というか


宍戸「よぉ、柿生じゃねえか」

柿生「宍戸君、ここでなにを…?」

宍戸「ああ、こいつを全部運び出そうとな…何かに使えるかと思ってよ」

それは弓と大量の矢でした。

柿生「何かって…」

宍戸「そりゃあもちろん絶望をぶっ殺すためだ」

柿生「弓と矢なんかで太刀打ちできると思ってるんですか!!?」

宍戸「相手が生身の人間ならこれでも十分だろうよ?それに渚の話じゃ場合によっては使わなくなるってな」

柿生「渚くん…進んでるんですか?そういう話」

宍戸「さあ、お前には教えらんねえな」

柿生「でも、もう決まったんですよ!ちゃんとした決戦の話が」

宍戸「おう、知ってるよ。で、なんだ?」

柿生「なんだって…」

宍戸「それは結局絶望が持ち出した話なんだろ?」

柿生「分かってますよ!そんなこと、それでもなんとか」

宍戸「…いいって」

柿生「え?」

宍戸「あ、いや。まあ心配すんなよ柿生!あ、この宍戸清磨呂様ぁがぁ、この世に蔓延る悪党どもにぃ、一矢、報いて見せるぜぇ!!」

宍戸「この矢でなぁ!!はーっはっはっはっは…」



柿生「一矢報いるだけじゃ…ダメじゃないですか」

やっぱりなにかやってるんですね、ナギくん達


173 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 21:53:20.60 ID:3Ni4id8Bo
さて、ここにも何か…

柿生「あ!」

飾ってある額縁の裏になにかあります

…届かなくないですか?あれ
何か長いもの
そう言えば矢があるじゃないですか!

持っていかれましたね…





わざわざ、脚立を持ってきてやっとの事で取りました
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――

絶望ファイル
宍戸清磨呂 男

多数の狂言及び歌舞伎役者仲間と共に、道場が壊滅
何もできずに逃げ、生き延びる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー――

これ…なんです?
宍戸君のもとに起こった事実なんですか?

これも黒幕が用意した情報なんでしょうか?
だとしたら他にも…

(「君は絶望キラーの事を理解できてないようだよ」)

なぜか、そんな言葉を思い出します…

私…あと何をしらないんですか?



174 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 21:56:40.66 ID:3Ni4id8Bo
私は、みんなの事をよく分かってるつもりでした
ほら、藤原君にも人のいいところを見つける才能があるって言われるほどですし

少なくともシンちゃんと…ナギくんのことぐらいはなんでも知っていると思っていたんです
でも、今は正直何も分からない

他にも探さなきゃいけません


次はどうしましょうか↓1

1円山と話す

2さらにさらに開放された場所を調べる

175 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/08/06(土) 22:06:57.57 ID:zW/G55LVO
1

176 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 22:13:36.03 ID:3Ni4id8Bo
〜5階教室〜

柿生「!」

この教室…いったい何が…!
5階の教室は荒れに荒れ…荒れ果てていました
ここで大量の人が死んだ、それはもう一目瞭然です



円山「柿生様、どうかされましたか?」

柿生「どうかって…円山くんはここで、何を?」

円山「私もなんとかして、渚様の力にはなりたいのですが特に思いつくこともなく…何か武器になるものを探しているといったところでしょうか、そしたらここに辿り着いたもので」


円山君はこんな場所にいても、不気味なほどに落ち着いています


柿生「大丈夫なんですか?円山君」

円山「私はもう慣れたもので」

柿生「な、慣れる…?」

円山「柿生様、何やら絶望と話をつけたそうですが」

柿生「は、はい!ですからもうやめてください!あなた達がこうなるかも知れないんですよ?」

円山「ふふ、それでは、まるで脅迫されているようですね」

柿生「脅迫だなんて…」

円山「一体何が気に入らないのですか?」

柿生「嫌なんですよ、みんなが狂気のままに戦う様子は想像もしたくないんです」

円山「私たちは狂気だなんて思ってません、打倒絶望を掲げる、それは当たり前のことです 」

柿生「…」

円山「絶望は私たちの大切な友人達を奪ったんですよ?まさにこの教室のように、いいのですか?それでやり返すなと言うほうが…」


確かにその通りです
ひょっとしたら私のいうことは綺麗ごとでしかないのかもしれません
でも、やっぱりこんな暴力的なのは…


柿生「それでも、嫌なんです。だってキリがないじゃないですか…あなた達はいつまでそうやって戦い続けるつもりなんですか?」



円山「柿生様、あなたは戦うつもりはないのですね。あれほどお強いのに…」

円山君はそう言いながら私の横を足早に通って行きました


177 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 22:15:28.56 ID:3Ni4id8Bo
私は円山君が去ったのを確認してから、この教室を調べ始めました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絶望ファイル
月宮 しぐれ 女

兄が自分の身代わりになり目の前で焼死
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絶望ファイル
円山 幸近 男

務めていたホテルからの避難時、身代わりにされ死にかける
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



やっぱり…みんな何かがあって…
私以外…みんなってことでしょうか?

178 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 22:24:24.29 ID:3Ni4id8Bo
ほかの教室もひどい荒れようの中同様の物が見つかりました

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絶望ファイル
アナスタシア・ロスチャイルド 女

父親が絶望に堕ち、莫大な資金を使った大量殺戮
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絶望ファイル
愛野 心愛 女

務めていたケーキ屋のオーナーが自殺
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そして…

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絶望ファイル
渚 薫 男

恩人の死亡
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





〜生物室〜

最後に残った目ぼしい場所

ここが生物室…少し薄暗く空気が冷たい感じがします

奥の引き出しには7つのランプが点灯しています。

7つ…今まで亡くなった人数と同じです…やっぱり遺体が入ってるんでしょうか?


開けてもいいんでしょうか?
私はその中の一つのつかんでゆっくりと引いてみました


1〜7を選んでください↓1
1白川
2相良
3藤原
4右町
5舞丈
6神谷
7天城


179 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/08/06(土) 22:39:29.24 ID:lxPShMFQO
3

180 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 23:33:31.30 ID:3Ni4id8Bo
ガタ…

やっぱり、結構重い…


柿生「うーん…しょ!」

なんとか引き出せました…まだ中は見てません


柿生「ゴクッ」

意を決して除いてみます


ああ…この紫色の髪の毛は…

柿生「藤原君…」

少しだけ肌に触れてみましたが、今まで触れた誰のどんな肌よりも冷たかったです

柿生「お互い記憶が戻ってから話せたら…もっと仲良くなれたでしょうか?藤原君…」

当然答えてはくれません
あれだけ喋れば止まらない人だったのに…


代わりに藤原くんの胸の一に置かれている不自然な書類が目に入ります

柿生「これって!絶望ファイル!!」








181 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 23:35:12.26 ID:3Ni4id8Bo
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
絶望ファイル
藤原 皆人 男

両親が無残に処刑される
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

182 : ◆11nx.E09nc  2016/08/06(土) 23:55:24.42 ID:3Ni4id8Bo
柿生「ああ…そんな…」


(柿生「藤原くん!ご家族は絶対生きています!!そんな素晴らしい方なんです、死ぬわけがありません!!」)

(柿生「私は見てないけど、モノクマの映像なんて知ったことですか!関係ありません!」)


あの時の私…無責任だった

柿生「ごめんなさい、藤原くん」

もうこの声は届きません

柿生「ありもしない希望なんて信じちゃだめだったんです、私…今まで…」


希望…そんなものはこうやって潰れていきます

希望を信じるだけじゃだめなんです

絶望に打ち勝つためには希望なんかじゃ…


柿生「絶望キラー…」



分かった気がします

そうだったんですか…皆さんはひょっとしてそんな希望も絶望でもない、行き場のない思いを悲劇の原因となった絶望にぶつけてたんじゃ…?



でもだとしたら悲しすぎます…こんな思考は何も生まないじゃないですか!

私は藤原くんを元に戻そうとしました


カタッ

その時藤原くんのブローチが取れて落ちました

柿生「…これ、もらってもいいですか?」


答えが返ってくるわけでもないのはとっくに分かってます
わかってるのに聞いてしまいます


柿生「私、みんなを助けてみせます、絶望キラーから救って見せます」


私には似合わなすぎるブローチを胸につけ、藤原くんを元の場所に戻しました
他の人も見ていきたいけど…きっとこことはもうお別れするべきなんだと思います

他に書類がないことを確認してから、足早に立ち去りました



186 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 20:48:43.41 ID:fpHvyeN2o
〜保険室〜

私はその後、月宮さんアナさんと保健室に集合していました。
月宮さんとお互いに集めた情報を共有したり、明日の事を話したりするためです

月宮「壁に張り出されていた暴動やテロの記事…かれこれこれだけ集まった訳だけど」

柿生「絶望が起こした事件はこれでも多分ごく一部…」

アナ「結局黒幕の規模ってどれくらいなのかは計り知れない…ね」

アナ「ねぇ、江ノ島盾子って一体何者なの?」

柿生「えっと、何回か言いませんでしたっけ?超高校級の絶望です」

アナ「いやそれは分かるんだけどさ…超高校級とはいってもただの高校生でしょ?高校生一人にこんな世界を巻き込む大規模な事件なんてどうして起こせたんだろうなって思ってさ、だからどんな奴なの?」

柿生「私は会ったことがないので分からないんですが、性格が掴めなくてとても飽きっぽい人だったと聞いています」

月宮「飽きっぽい人がここまで手の込んだ事をできるなんて考えにくいけれど…」

柿生「それだけ謎多き人物なんですよ」

アナ「じゃあ家族とかどんな人なんだろ、アタシなんかはお父様とは真逆に育っちゃったわけだけど…まさか生まれたときから超高校級の絶望ってわけじゃないだろうし、少なからず身近にいた人の影響を受けてると思うんだよなぁ…」

そんなことを話しながらみんなで資料を確認していきます
塔和シティの壊滅、キリバタウンの壊滅、カムクライズルプロジェクト、希望ヶ峰学園史上最大最悪の絶望的事件
次第に話声はなくなり、みんな黙々と…音と言えば資料を手に取ったり動かしたりするときの静かな紙の音ぐらいになったころ

アナ「それにしても…今集まってるメンバーって」

月宮「どうかしたの?」

アナ「いや、アタシと画家さんと数学者さん…あとパティシエちゃん」

柿生「女の子だけですね」

アナ「とんだ女子会になったもんだよね…まったく本当に男どもは…」

月宮「そうかしら?まだ彼らはこちらの味方ではあるけれど」

アナ「そうかなぁ?」

月宮「まぁいずれ…」

柿生「?」



187 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 20:49:20.49 ID:fpHvyeN2o
月宮「でも、女子会ね…気が付かなかっただけでもともとは同窓会だったとも言えるわね」

柿生「同窓会…なんだかんだで楽しかったこともありましたよね」


私たちはいろんなものを失ってきました
でも…本当に失っただけだったんでしょうか?

さらに時間は経ち、大体資料も見通し終わり

月宮「今できることはこれくらいかしらね、自室に戻って休みましょう」

柿生「え、でも他にも出来る事がことがあるかもしれません!」

月宮「いいえ、ない」

月宮「明日が本番、今は備えて休むべきだわ。無理に色々やろうとしても空回りになるだけよ」

柿生「空回り…」

確かに月宮さんはその空回りをその身で経験した人物です
その言葉にはとても説得力がありました

柿生「わかりました」

月宮「焦ることはないわ柿生さん、あくまで本領を発揮しなきゃいけないのは明日なんだから」

柿生「ええ」

アナ「あ、でもアタシはここに残るよ。ベッドはあるし」


ということでアナさんと愛野さんを残して私と月宮さんは保健室から出ました



188 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 20:50:10.68 ID:fpHvyeN2o
柿生「そういえば月宮さん」

私は気になっていたことを聞こうとします

月宮「どうかした?」

柿生「お兄さん…いるんですよね?」

聞いた瞬間に少し懸念します
ひょっとしたら聞かなかった方が良かったのかもしれないと
実はというと月宮さんにもアナさんにも絶望ファイルは見せていなかったんです

月宮「あら?私、話したかしら?」

柿生「あ…いえ、その…」

どこで知ったかなんて聞かれたら一巻の終わりです

月宮「いえ、あなたは記憶を取り戻しているのよね…学生時代に私が話したのね」

月宮「呆れるほど変な兄よ、意味がない事ばかりを研究してて…すぐに思いつくものだと納豆をいくらかき混ぜればペースト化するのかだとか」

柿生「あ、あはは…納豆…」

月宮「計算すればすぐに結論が出るなんて言っても頑なに拒否してきたり…そんな兄」

柿生「ふふ、なんだか面白そうな人ですね」

月宮「…柿生さん」

柿生「はい?」

月宮「いえ、なんでもないわ」

月宮「そうね、そんな兄だけど、あの人はいつどんな時だって私の味方でいてくれた、そんな人よ」

柿生「…はい」


月宮さんのお兄さんは既に亡くなっている
絶望ファイルに書かれていたことを思い返すと、それは多分月宮さんの目の前で起こったこと


月宮「それじゃあね柿生さん、また明日」

柿生「はい、また明日」


挨拶を交わし月宮さんは自室に戻っていきます


189 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 20:51:20.16 ID:fpHvyeN2o
また一人になりました

ナギくん達はどうしているんでしょうか?ここまで見かけませんでしたけど
自室に戻っているんでしょうか?

私はこれからどうしましょう?

↓1

1自室に戻って休む
2戻らない


190 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2016/08/12(金) 20:52:49.27 ID:EC+XSzd/O
2

191 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 23:15:02.67 ID:fpHvyeN2o
24日(深夜)

月宮さんの言う通りすぐにでも自室に戻って休むべきなのかもしれません
でも、このまま戻る気には、なれませんでした
このまま何もしないでいるというのもそうですが
このまま明日の決戦に臨んでいいのか、黒幕がいうベストシチュエーションを崩せる確信が未だにありません
自室に戻ってねようと思っても、いや多分寝ること自体は簡単なんでしょうけど
夢見が悪くなりそうです

そうだ、こんな時こそ…あの場所に行ってみましょう

〜教室(プラネタリウム)〜

真っ暗な教室の天井がスイッチ一つで綺麗な星空に早変わりします
特に星の専門的な知識があるわけじゃないんですが、やっぱり惚れ惚れとしてしまいます

私は座席じゃなく、床に座って壁に体を預けます

黒幕にとって今の状況は絶好の機会
そもそも黒幕の目的はなんなんでしょうか?

(「この極めて不安定な状況こそ、こちらの目的を達成するに絶好のチャンス」)

不安定な状況…
そもそも黒幕の目的は何なんでしょうか?
前もって私たちを標的に定めて、実行に移したコロシアイ
これで何が得られるんでしょう?

仮に仕掛けられたとして私が打開する方法…付け入る隙

まだ絶望キラーについても完全に理解したわけじゃないんですよね
彼らと話をして、確かに考え方は変わってるけど、人間をやめてると言われるほどに狂っているとは思えませんでした

でも結局これも明日になったら答えを出すことになる
黒幕は私に状況を理解してほしいと言った
だったらきっと遅かれ早かれ理解することになると思います

私が考えるべきことは…

希望って何だろう?
私は今日闇雲に希望を信じてはいけないものだと実感してしまいました
だったら私…私たちは何を目指せばいいんでしょうか?





わかりません

柿生「はぁ…」

ため息をつくほど、思い詰めてみても
目の前に広がる光景はとても輝いていて
こんな壮大な悩みすらちっぽけに思えてしまいます

柿生「絵でもかきましょうかね」

私は久しぶりにスケッチブックに鉛筆を走らせます
何の絵を描くかも決めず、ただ直観で…


192 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 23:24:16.40 ID:fpHvyeN2o
柿生「…え?」

しばらく無心で描いていた私の手が止まりました

そこに描かれていたのは、14人の人影と、星空…?

証明を点けます、そもそも暗い中でなんでこんな正確な絵を描いたのか疑問でした

鮮明に見えるようになったその人影は、やはり私たちで14人で満天の星空を眺めていました


柿生「あれ?こんな事しましたっけ?」

ひょっとしたら、私の願望なのかもしれません
でもだったらこんな違和感は感じないような…

柿生「やっぱり…知ってる?」

私はこの状況を知っている、不思議とそう確信は持てるのに思い出すことができません


(月宮「いえ、あなたは記憶を取り戻しているのよね…学生時代に私が話したのね」)


そうですよ、普通学生時代を一緒に過ごした仲なら家族の話ぐらいしてもおかしくないです
月宮さんも特に隠してたがっていた様子もありません



記憶は完全には戻っていない
私、まだ思い出してないことがあるんじゃ…?

193 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 23:25:01.87 ID:fpHvyeN2o





ドガアアアァァァァン!!!!!

194 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 23:39:13.06 ID:fpHvyeN2o
柿生「!?」


突然の凄まじい音と共に少しの揺れを感じます


柿生「なにが…!?まさか、ナギくん達!」

私はスケッチブックを戻し、すぐに走りだしました




爆音が聞こえた方向に向かえば向かうほど
私の嫌な予感は確信に変わっていきます

というのも道中にバラバラになったモノクマが何体もあったからです
間違いなくナギくんたちによる襲撃が始まった、そう考えるのが一番自然です


〜倉庫〜

音はここから聞こえてきました
爆発か衝撃か何かで崩れた壁のかけらにつまずきそうになりながらも中まで走りました

柿生「…ッ!」


破壊されてます
封鎖されていた武器庫の扉が砕け散っていました

唖然としていると…


ピピピ…

柿生「着信…?」






195 : ◆11nx.E09nc  2016/08/12(金) 23:55:54.80 ID:fpHvyeN2o
???「いやぁ、やってくれたね彼ら」

柿生「黒幕…」

???「どうしたらいいかなぁ、当然校則違反でオシオキしなきゃいけなくなるんだけど…」


焦りからか怒りからか私はさっさと通話を切ってしまいました


止めないと!どうやって…?


ピピピ…

柿生「もう!」


一応通話に出ます、ああ言いつつも黒幕からまた何か提案があるかもしれません


柿生「…はい」

アナ「あ!よかった電話でた!寝てなかった!大変なことになってるよ画家さん!」

柿生「あ、アナさん…」

黒幕じゃありませんでした

アナ「今、凄い音が聞こえて、様子を見に行こうと思ってるんだけど…」

柿生「だめです!愛野さんから離れちゃいけません!」

アナ「だけど!」

柿生「武器庫の扉が破壊されました」

アナ「…え!?」


ピピピ…

え?通話中に?

月宮「柿生さん、無事?」

柿生「月宮さん!」

アナ「数学者さん!」

柿生「え?」

アナ「え?」


月宮「・・・いえ、これ地味にグループ通話機能が備わってるようなのだけど、知らなかったかしら?」

知りません!

柿生「月宮さん、さっき武器庫の扉が破壊されました」

月宮「やはり…ね、マズい状況だわ」

アナ「二人ともどうするつもり?」

柿生「私がなんとかみんなを止めてみます、でも今どこにいるのか…」

月宮「いいえ、柿生さん戦闘状態にあるかも知れないところに自ら近づくのは危険だわ」

アナ「じゃあ、待ち伏せるとか!」

柿生「でもどうやって…」

月宮「柿生さん、画材は持ってる?」

柿生「が、画材ですか?持ってますけど…」


月宮「じゃあ、私の言う通りにできる?」

柿生「何をすればいいんです?」


月宮「…絵を、描いてほしいの」


200 : ◆11nx.E09nc  2016/08/13(土) 23:12:31.22 ID:S3OivDfwo




どこかからいくつもの銃声やら爆発音が聞こえています
そんななかちょっとした仕掛けを施した絵を描き終え、私はボロボロの倉庫で待ち伏せていました。

すると

渚「…」

柿生(来た…!)

月宮さんが言っていた通りナギくんが現れます
そして同じく月宮さんに言えと言われた言葉を叫びます

柿生「助けてください!!」

渚「!」

走ってくるナギくん
そして…

渚「なに!?」

倉庫の目の前で立ち止まります
すかさずそこめがけて私は突っ込み…

柿生「えい!」

渚「くっ…」

組み伏せます


201 : ◆11nx.E09nc  2016/08/13(土) 23:26:54.20 ID:S3OivDfwo
渚「このモノクマはトリックアートだったのか…一杯食わされたな」


月宮さんの提案した作戦は上手く行きました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

月宮「渚くんに電話をする、『柿生さんが爆発音を聞いて倉庫に向かった』と」

アナ「それで…?」

月宮「さらにこう付け加えるわ、『そこに大量のモノクマも向かっていった、このままでは柿生さんが危険だ』といった具合にね」

柿生「な、なるほど…恐ろしいアイデアですね」

月宮「ええ、でもこれくらいしか思いつかなかったわ、手段は選んでいられないし」

アナ「でもそれだけでいいの?探偵くんのことだから倉庫まで呼ぶことはできてもすぐに見破られちゃうんじゃ?」

月宮「ええ、あとは柿生さん次第よ」

柿生「私の絵が決め手になるってことですか?でもどうすれば?」

月宮「柿生さんにはトリックアートを描いてもらうわ、床と壁を使って立体的に見えるモノクマの大群をね」

柿生「トリックアート…画力はともかく、描き方はいまいち…」

月宮「だから、壁と床にこれから私の言う通りの比率で描いて、計算が合っていればそれで上手く行くはずよ」

アナ「そっか、トリックアートで探偵くんを騙せれば、向こうから近づいてくるかも!」

柿生「わかりました!やってみます!」

月宮「では柿生さんはさっそく行動に移って、描けたらもう一度私に連絡して。アナさんあなたにも頼みたいことがあるのだけど」

アナ「もちろん!なんでも…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうして今に至ります

渚「電話してきたアナもグルだとはな、なにかあるとは思っていたが油断した」

柿生「ええ、作戦通りです」

202 : ◆11nx.E09nc  2016/08/13(土) 23:48:24.68 ID:S3OivDfwo
柿生「なにしてるんですか渚くん!よりによってこのタイミングに!!」

渚「…」

柿生「もうすぐ、やっとのことで最後の学級裁判なのに!!」

渚「そんなものに何の意味がある!向こうから提示してきたものならば、どう考えても黒幕の思い通りになるだけだ!」

柿生「そんなこと分かってます!!ていうか言われました!」

渚「な!?だったらなぜ!学級裁判なんて奴らにとってはお遊びでしかない」

柿生「戦う必要がなくて、脱出にも近い手段だと思ったんです!あなた達が傷つく必要もない」

柿生「渚くん!あなた絶望キラーって呼ばれてるんですよ!?ただ絶望を殲滅することが行動理念のただ、ただこうやって暴力的な戦いを続ける存在」

渚「ああ、そうだ。奴らにとって論理も対話も無駄だった。絶望を倒す手段は武力だけだ!」

渚「推理になんて何一つ役に立たない…探偵でいた俺は何も救えなかった。事実この生活において、起こる事件がいくら解決しても人の死は増えていっただろう」




そう語るナギくんの目は青く…それはとても綺麗とは言えない、濁った青い瞳でした




203 : ◆11nx.E09nc  2016/08/14(日) 00:00:19.73 ID:Kf1eNlCgo
柿生「だったら、振りほどけばいいじゃないですか」

渚「…ッ」

柿生「なんで抵抗一つしないんです?」

渚「…」


ナギくんの目線の先には
私が組み伏せた拍子に落としたスケッチブックがありました
開かれたページは、さっきプラネタリウムで描いた絵


柿生「…ナギくん、アレを見て何を思ってるんですか?」

渚「!」

柿生「私、知っている気がするのにあの絵の状況が全く思い出せないんです。おかしいですよね…私が描いた張本人なのに」

渚「柿生…いくら願ってももう戻ることはできない」

柿生「え?」

渚「だから俺は…」

柿生「でもあなたは止まってるだけじゃないですか!!」

渚「なに…?」

柿生「こんな事続けていたらいつ死んだっておかしくないですよ?実際このままじゃ校則違反で黒幕に殺されてしまいます!」

渚「構わない…俺は死んでも、脱出路を開く、その後お前たちが脱出すれば…」

柿生「あなたが死んだら私はここから出ませんよ?」

渚「何を言っている…?」

柿生「だって私はもう誰の犠牲もなくここから出ることが目的なんです、それが果たせないなら…ここから出る気はありません」

柿生「あなたが死んだら、あなたはそこで止まってしまい、私も立ち止まります」

渚「………」

柿生「もう本当の意味で戻ることを願うこともありません」

204 : ◆11nx.E09nc  2016/08/14(日) 00:04:55.81 ID:Kf1eNlCgo
柿生「でも、私はそもそも戻る気も止まる気もありません!」

渚「…!」

柿生「私たちは戻るんじゃない!進むんです!!」

渚「進む…」


柿生「ナギくん…どうせ死ぬ気なら、その命を私に預けてくださいよ」

渚「…お前に何ができるんだ?」

柿生「わかりません…正直言ってしまうとまだ結論は出てないんです。あなたに滑稽だと言われたこと言い返すこともできません」

柿生「でも、お願いします。またあの時のように私のわがままを聞いてください」

渚「…」

柿生「…」

渚「…好きにしろ」

柿生「はい!」

205 : ◆11nx.E09nc  2016/08/14(日) 00:16:14.68 ID:Kf1eNlCgo
ピピピ

早速かかってきました


柿生「…もしもし」

???「もしもし?渚くんは止まってくれたようだけど、結局校則違反には変わりないんだ。これから彼らを拘束し、オシオキしなくてはいけないわけだけど」

???「何か言い訳はある?」

柿生「本当にjそんな事していいんですか?」

???「なんだって?」

柿生「渚くん達を処刑したら、ここまで長い時間をかけた絶好の状況が崩れてしまうんじゃないですか?」

???「…なるほど、痛いところをつくね。確かにその通りだ」

???「だけどね、こっちの誇る戦力である大量の戦闘型モノクマや玄関の機関銃、その他諸々を難なく破壊していく渚くん達はそれなりに脅威でもあるんだよ」


そんなに強いんですか…ナギくん達


???「まあ自爆すればまとめて排除できるけどね。できればそんな手段は打ちたくない」

柿生「つまり?」

???「彼らがまた暴れださないように保証はできるかい?」

柿生「はい、もしもそうなったら私を処刑しても構いません」

???「…全然釣り合わないけど、まあそこまで言う柿生さんに免じるよ」


???「じゃあ、日もまたいだし、早速学級裁判を始めようか。例のエレベーターにどうぞ」

通話が切れます






206 : ◆11nx.E09nc  2016/08/14(日) 00:28:07.87 ID:Kf1eNlCgo
月宮「上手くいったみたいね」

柿生「月宮さん!」


宍戸「よぉ」

柿生「…宍戸くん?」

月宮「事情を説明すると、宍戸くんはもともと正気よ」

柿生「えぇ?」

月宮「ええ、彼は狂気を演じて渚くんと円山くんの動向を私に報告してくれていたの」

柿生「そ、そうだったんですか?」

月宮「私も前回の学級裁判後の宍戸くんの行動が演技だったとは後から知ったのだけどね、でもおかげで円山君も観念してくれたわ」

円山「……」

宍戸「おうよ!まあ、演じることが俺の真骨頂だからよ!」

月宮「改めて彼の演技力には感服するわ、でも驚く様子を一つも見せないところを見ると渚くんには既にばれていたみたいね」

宍戸「は!?まじかよ」

渚「…」



柿生「とにかく、これから学級裁判を始めるみたいです!向かいましょう」

渚「…」

宍戸「おい、柿生」

柿生「はい?」

宍戸「そろそろ降りてやれよ、渚から」

柿生「…あ、ご、ごめんなさい!!」


月宮「やっぱり、どこか締まらないわね」



209 : ◆11nx.E09nc  2016/08/22(月) 22:34:00.77 ID:Hw5HeVTpo
〜エレベーター〜


ゴゴゴと響くエレベーターの大きな音
逆に私たちは静まり返っていました

そう言えば毎回どんな気持ちでここに乗っていたんでしょうか?
犯人を見つけ出してやる!って意気込んでいた?
それとも犯人がまた処刑されてしまうのを恐れていた?

よく思い出せません…でもどちらかと言えば不安のほうが大きかったんだと思います
今だって不安です。
これが最後の学級裁判になる。でもどんな形で終わるのか、どんな結末を迎えるのか?
それはまだ誰にもわかりません。

黒幕の思い通り…そうなってしまうかもしれません
ひょっとしたらこのエレベーターが向かっている先は絶望なのかもしれません

エレベーターが止まり、ドアがゆっくりと開いていくと
薄暗いエレベーターに眩しいほどの光が差してきます

どちらにしても私はまだ知らないことがたくさんあります
黒幕は私たちの状況について理解してほしいと言っていました
全部、なにもかも把握しないと答えは多分でないんでしょう

だったらどれだけ楽だとしても、ここに立ち止まるわけには行きません

柿生「行きましょう」





学級裁判


【元スレ】
再開 ダンガンロンパーズ part5 渚「それでも、人間は簡単に死んでいく」