オリロンパwiki - 音楽家ロンパ チャプター3 おしおき編
563 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:01:26.10 ID:Mzl9ZEfF0
モノクマ「はい!大正解!これで三回連続!」

モノクマ「ボ……鈴木クンと鳴神クンを殺したシリアルキラー……その正体は……」

モノクマ「なんと!姫月療歌さんなのでしたー!」

姫月「……」

響音「……何か言ってくださいよ……」

響音「姫月さん……言ってたじゃないですか……『人の命を救うために医者になった』って……」

響音「でも……あなたのやったことは……」

姫月「真逆……そう言いたいんだろう?」

姫月「……耳が痛いね」

色鯨「……正直、信じられへんよ……あんなに俺たちのことを心配してくれてたあんたがこんな……」

九神「……一体、何があった?お前の動機は何なんだ……」

澄々「動機なんて……どうせ決まっていますわ」

澄々「モノクマから提示された百億円……それなのでしょう?」

澄々「お金に目が眩んで……ボブさんや……鳴神さんを……」

澄々「……貴女は私欲で二人を殺したんですわ!」

澄々さんの責めるような口調……大事な人を奪われた怒り……

そんな言弾……それを聞いた姫月さんの言葉は……

姫月「……あんたには分からないだろうね……」


564 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:02:06.55 ID:Mzl9ZEfF0
姫月「最初から金なんかに困ったことのない金持ちのボンボン……」

姫月「あんたにあたしの気持ちなんかわからない」

澄々「え……?」

姫月「そもそもあたしは『人の命を救うために医者になった』……とは言ったけど……」

姫月「その『人』が指しているのは、あんたらじゃない」

……今でのぶっきらぼうな感じではあったけど……優しかった姫月さんとは

全く違っていた。

姫月「……澄々だけじゃない……この場の誰にもわからないだろうさ……」

姫月「傾き続けている天秤を力づくにでも浮かび上がらせるために……」

姫月「……悪魔に魂を売ってでも金を大量に欲している人間がいることをさ……」

冬崎「……何があったんすか……」

モノクマ「……そりゃあ悪魔にも魂を売っちゃうよね、同情するよ」

モノクマ「何せ姫月さんには……」

モノクマ「余命二年の弟さんがいるんだもんね!うぷぷ!」


565 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:02:34.07 ID:Mzl9ZEfF0
色鯨「余命二年の……弟やて」

色鯨「姫月センセは……その弟の手術代のために?」

姫月「……そんな単純なものじゃないさ……」

姫月「今あたしの弟が冒されている病気はね……治療法すら確立されていない未知の病なんだよ」

姫月「……命を繋ぎ止めるのですら莫大な金が必要な程のね……」

冬崎「じゃあ……姐さんが闇医者をやっていたのは……」

姫月「そのための金を稼ぐため……だよ」

姫月「……家は病院だったからね、医学・薬学の本なんかはたっぷりあったし……何より、弟を助けたいという執念があたしに技術を身につけさせた」

姫月「ま、その代償として、両親からは勘当されちまったけど……様々なルートで弟の病気を治す為の支援をし続けた」

姫月「……それほどまでに、あたしはあの子を助けたかった」

姫月「そんな時だよ、希望ヶ峰にスカウトされることになったのは……」

姫月「……条件として、『弟の病気の治療法』を研究するための施設を貸してくれるってね」

姫月「……だけど、研究していくうちにわかったのさ」

姫月「あの子の病気を治すには『最高の施設』『最高の道具』『最高の人材』……」

姫月「……そして、『最高の臓器』が必要だってことがね……」

モノクマ「死にかけの人間一人の命を助けるのは……そんだけ大変なんだよねえ……」

モノクマ「一人の命はとんでもなく重いんだよ!」


567 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:03:35.95 ID:Mzl9ZEfF0
澄々「……じゃあ……貴女は……」

澄々「弟さんのために……殺人に手を染めたんですの?」

姫月「百億もあれば、施設や道具……そして、医療チームは揃えられる」

火ノ宮「……待て、それならばお前は何で二人も殺したんだ?」

火ノ宮「どうしても百億円を手に入れ、ここから出たいのなら……二人を殺して手がかりを増やす必要はなかったはずだ…」

九神「……実際、鳴神のダイイングメッセージがなければ、真相にたどり着けるかわからなかった」

姫月「……だけどそれじゃあ……百億円『しか』手に入らないんだ」

九神「……『しか』?」

モノクマ「うぷぷ、動機を提示するときに、ボクは何て言ったっけな?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

モノクマ『まあ、僕の出来る限りの範囲で君たちの望んでいるものを叶えてあげようって話だよ!』

モノクマ『百億円か、こっちか好きな方を選べるから、幅広いニーズに対応しているよね!』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

響音「まさか……もう一つの動機!?」

殺陣山「へえ、そういうことか……百億円か『モノクマの保証』か……どちらかが欲しい場合は『一度』殺人を行えばいいが……」

モノクマ「両方欲しい人は、どうすればいいんでしょうか!?」

朝永「[<font color="red">ピーーー</font>]人を……二人にする?」

モノクマ「ピンポーン大正解!朝永さんには後で飴をあげるよ!」

澄々「姫月さん……あなたの動機は……?」

モノクマ「あ、喋ってもいいよ?どうせもうキミはおしおき確定だからねえ」


569 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:04:47.12 ID:Mzl9ZEfF0
saga忘れたべ

姫月「……あたしの『もう一つの動機』は……」

姫月「……弟への臓器提供のためのドナーを……用意してくれることだった」

冬崎「……百億円あったって、ドナーがすぐに見つかるとは限らない」

冬崎「それを見つけるための……」

モノクマ「ボクなら片手間で余裕だよ!」

姫月「……ここまで用意されたんなら……あたしはやるしかないんだよ……」

姫月「あたしは弟を助けるためだけに、闇医者へと堕ちて……」

姫月「色々な場所から逃げ回って……やりたくない仕事もやって……」

姫月「……人生をそれだけに捧げてきたんだから……」

姫月「あの子に残された時間がない以上、あたしはやるしかないんだよ……」

姫月「ここにいる全員を生贄にしてでも……ここから出てあの子を助けなきゃいけないんだ……」

……これが、姫月さんの動機。

全てを犠牲にしてでも助けたい人がいたから。

そのためになら、悪魔に魂を売った……




571 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:05:34.17 ID:Mzl9ZEfF0
澄々「……あなたの言い分はわかりましたわ……」

澄々「だけど……貴女は……」

澄々「……弟さんの気持ちを考えたことがあるんですの?」

姫月「……は?」

澄々「そんな方法で弟さんを助けたところで……弟さんは喜ぶと思いますの!?」

澄々「そんな歪んだ方法で助けられて……喜べると思いますの!?」

姫月「知ったふうな口を聞くな!……あたしは……」

澄々「わたくしにはわかります!」

澄々「……遺された、わたくしにはわかりますわ……」

海東「お嬢さん?」

澄々「…………」

朝永「…………」

朝永「姫月さん……そうだよ?」

朝永「……残された人は、その人にそんな十字架を背負わせたことを一生悩み続けていくと思うよ?」

朝永「それで、そんな犠牲を自分が払ってしまったことを……一生、苦しんでく……」

殺陣山「…………」

朝永「……弟さんは、そんな苦しみを味わっていくんだよ?」

姫月「……だけど……それでも……」

姫月「あたしは……あの子に生きて欲しかった……」

姫月「生まれつきなんて、理不尽なハンデを……あの子から外したかった……」

響音「…………姫月さん……」


572 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:06:23.03 ID:Mzl9ZEfF0
澄々「……姫月さん、あなたの弟さんのいる場所を……教えてくださいます?」

姫月「澄々……?」

澄々「……わたくしがここから出たら、澄々財団の総力を挙げて……」

澄々「貴女の弟さんの、病気を治しますわ」

色鯨「え!?嘘やろ!?」

姫月「……あんた……何で?」

澄々「……勘違いしないでいただけます?別に貴女を許したり、哀れんだりしているわけではありませんわ」

澄々「……このまま貴女の弟さんの病気が治らなかったら、ボブさんや鳴神さんの死が無駄になってしまいますわ」

姫月「……ありがとう……澄々……」

澄々「……でも、貴女という犠牲を弟さんに背負わせることに変わりはありませんし……」

澄々「二人を殺したことも変わらない……」

澄々「……そこは、反省してください」

姫月「……分かってる……すまないね……澄々……」

姫月「鳴神を殺して……ボブを殺して……済まなかった……」

冬崎「……テンプレっすね」

九神「水を差すな、馬鹿……」

573 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:07:03.53 ID:Mzl9ZEfF0
姫月「だけど……これであたしは安心して逝けるよ……」

姫月「あいつらには……あの世で謝るしかないけどさ……」

響音「姫月さん……」

姫月「響音……すまなかったね……」

姫月「あんたと一緒にいた時間は……妹ができたみたいで楽しかったよ……」

響音「……私も……」

響音「私も、姫月さんから教えてもらったことは無駄にはしません!」

姫月「……任せたよ、今度から怪我人が出たら、あんたが見てやってくれ」

姫月「さて……じゃあモノクマ、始めてくれるかい?」

モノクマ「ううっ、感動的な青春友情ドラマに、涙がチョチョギレだよ……」

モノクマ「およよよ……素晴らしいよ!感動したよ!……姫月さんをおしおきするのはルールで決まってるから変えられないけど……」

モノクマ「……最期に、姫月さんにプレゼントを用意したよ!」

姫月「……プレゼント?」

モノクマ「弟さんの姿……せめて一目見ておきたいでしょう?」

姫月「えっ?」

モノクマ「弟さんとカメラが繋がってるから……最期の対面を楽しんでね!」

モノクマがそう言うと、後ろのモニターに何かが映る。


574 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:07:35.13 ID:Mzl9ZEfF0
そこは、白い病室。

ひとつだけ用意されているベッドに、横たわる一人の少年。

きっと、この子が姫月さんの弟なのだろう。

……この映像に違和感があるとすれば。

その子の顔に白い布がかけられていることと

部屋に響く、『ピー』という、無機的な機械音

そして、部屋に唯一飾られていたのは

菊の花


576 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:08:32.46 ID:Mzl9ZEfF0
姫月「……は?」

モノクマ「といっても……弟さんはボクが見つけた時には既にこうなっていたんだけどね……」

モノクマ「悲しいよね……肉親との別れって……ボクも残念なお姉ちゃんが一人いたんだけど……」

姫月「どういうことなんだよ……なんで?」

モノクマ「ありゃ?聞いてない?」

モノクマ「映像を見ればわかると思うけど?」

澄々「……え?」

冬崎「……菊の花、っていうのは、人が死んだ時のお供えによく使われる……」

冬崎「電子音は……心肺停止を示していて……」

冬崎「顔の白い布は……」

姫月「……嘘だ……そんなの嘘だよ……」

姫月「あの子はまだ余命は二年はあった……こんなことになってるはずが……」

モノクマ「残念だけど、これが現実なのよね」

モノクマ「人間の容態ってのは、簡単に崩れるんだよ?」

モノクマ「言っておくけど、ボクは何の手出しもしてません!」

モノクマ「……この病院を見つけたのも、つい最近だしね」


578 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:09:49.41 ID:Mzl9ZEfF0
モノクマ「じゃあ、感動の対面も済んだことだし……そろそろ行っちゃいますか……」

姫月「じゃあ……あたしは……」

モノクマ「ではでは、『超高校級の医者』、姫月療歌さんのために……」

モノクマ「スペシャルなおしおきを、用意しましたー!」

姫月「あたしは……何のために……?」

モノクマ「では、張り切っていきましょう!おしおきターイム!」

ウィーン……ピコッ☆

GAME OVER

ヒメツキさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。


581 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:11:51.43 ID:Mzl9ZEfF0
……人が何人も乗れるほどの巨大な天秤。

片方には、原因不明の病に冒されたモノクマ達。

もう片方には、ベッドに臥せった姫月さんの弟。

そして、中央にいるのは姫月さん。

【超高校級の医者 姫月療歌処刑執行】
【『命の天秤 ‐Dead or Death‐』】

姫月さんは、迷うことなく弟のいる方の皿に乗っかります。

天秤は、傾くことはありません。

そして、姫月さんは弟の寝ているベッドにたどり着きました。

……しかし、既に弟さんは事切れています。

……医者がいることを知った病気のモノクマたちは、こぞって姫月さんのいる方の更に押しかけていきます。

そして、大量のモノクマが殺到してくるにつれ、天秤はどんどん傾いていき……

その皿に居た姫月さんはモノクマ達に押し潰されてしまいました。

……命の重さは平等なはずなのにね。

たくさんの命を見捨てるような医者が許されていいわけないよね。

582 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:12:47.57 ID:Mzl9ZEfF0
モノクマ「イヤッホオオオオオウ!エクストリーム!」

殺陣山「……なるほど……演出としては最上位だな」

殺陣山「この瞬間のために、姫月にはあんな条件を付けたんだな?」

モノクマ「……うぷぷ、さて、何のことやら……」

澄々「モノクマ……貴方は……」

火ノ宮「貴様は……どこまで外道なのだ……」

モノクマ「人の道なんかとっくの昔に外れてるよ!だってクマだもん!」

モノクマ「でも……『弟さんが無事じゃないかもしれない』って普通に考えてもわかりそうじゃん?」

モノクマ「それを勘違いする方が悪いと思うんだけどなあ……」

色鯨「てめえ……」

色鯨「ふざけんな!センセは弟の事を思ってたからあんなことを……」

モノクマ「……だからって、人を殺すことが許されるの?」

色鯨「ぐっ……」


583 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:13:41.43 ID:Mzl9ZEfF0
モノクマ「人を殺したことがバレたらおしおき……かなしいけれどこれはルールなのよね」

モノクマ「それは何度も何度も説明したし実感もしたよね?」

モノクマ「それなのにオマエラは外へ出たいと言ってばっかり……」

モノクマ「それだからこんな風にコロシアイになるんだよ!」

響音「……それでも……」

響音「姫月さんに殺人をさせたのはあんたじゃない……」

響音「しかもあんな騙すようなやり方で……」

モノクマ「はにゃ?騙す?」

モノクマ「ボクは『ドナー』はきちんと用意してたんだよ?姫月さんへのお祝いとして」

モノクマ「百億円だってあったし……騙すようなことなんて何もしてないよ?」

響音「じゃあ……姫月さんの弟が死んでたなんて、どうして黙ってたの?」

モノクマ「聞かれなかったから」

響音「……モノクマ……!」

……悪びれるもないモノクマの様子……すぐにでも殴りかかりたい。

だけど……


584 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:14:11.65 ID:Mzl9ZEfF0
殴れば、私はお仕置きされてしまう。

そうなれば、私は死んでしまう。

そうなれば、皆の思いを背負えない。

姫月さんの思いも……

モノクマ「……さて、それじゃあ宴も終わりの時間みたいだし」

モノクマ「ボクもそろそろ帰るとしようかな?」

モノクマ「じゃあ、今度はいつコロシアイが始まるのか……」

モノクマ「楽しみにしてるからねー!」ピョイーン

響音「返してよ……」

響音「みんなを返してよ……」

冬崎「響音……ちゃん……」

九神「…………」

朝永「……大丈夫だよ……妙夢ちゃん……」

朝永「もう、殺し合いはこれでおしまいだよ……」

澄々「……いえ、してはいけないのですわ……」

澄々「これ以上の犠牲は……絶対に出しては……」


585 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:15:45.11 ID:Mzl9ZEfF0
色鯨「せやで……」

海東「……当たり前だろ……」

海東「鳴神は俺を警戒してたせいで死んだんだ……責任だって俺にもある」

九神「俺が……ボブだから大丈夫と思い、あいつを孤立させたのも悪い」

朝永「私は……睡眠薬を入れちゃった」

澄々「……鳴神さんは、わたくしを心配したからですわ」

澄々「……もっとわたくしが、鳴神さんに心配をかけないほど強くあれたのなら……」

冬崎「……自分を追い込んじゃダメなんすよ……」

冬崎「絶対に……ここから出る方法を……見つけるんす……」

……皆に励まされて、私は立ち上がろう……

立ち上がろう……とするけど……

色鯨「お、おいおい!?」

響音「……ごめん、何か、力が出ないや……」

朝永「妙夢ちゃん、大丈夫!?」

火ノ宮「……ショックで動けなくなったのかもしれんな。姫月と仲が良かったのは、お前だ」

冬崎「やべーっす……とりあえず、あたしの方に掴まると……」

海東「……ほら、掴まれよ」

587 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:18:19.80 ID:u61lZ7I+0
……誰よりも、先に手を差し伸べてくれたのは……海東君。

響音「……ありがと」

澄々「……優しいんですのね」

海東「別に……ここで座り込んでられたら何時まで経っても帰れねえだろ?」

澄々「……申し訳ありませんでしたわ、嘘の手紙に踊らされて、貴方を疑ってしまったこと」

海東「気にしてねえよ……」

九神「……海東、そろそろ伝えるべきではないか?」

海東「あ?」

九神「……お前がしている不審な行動……澄々に対してのだ」

海東「……話せってのか?」

冬崎「そろそろ、話すべきだと思うっすよ?……わだかまりもなくすべきだと思うっす」

冬崎「……鳴神君が死んだのは、それが原因っすからね」

澄々「……海東さん……よろしければ……貴方が知りたいことも話しますわ」

澄々「お姉様の事が……知りたいんですわよね?」

海東「…………」

海東「わかったよ」

海東「一日だ……一日纏める時間をくれ」

海東「明日の朝食で、全てを話すさ」

……海東君は、そう言うと、私をおぶった体制になった。

海東「とりあえず、こいつを保健室にでも運んでやろうぜ」

響音「……海東君……」

……海東君の謎、それがわかるのか……

ついに本当のことを話してくれる気になったのか……

……ともかく、明日だ。

明日には、新しく何かが動き出す。

……そんな、気がする……


589 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/01/30(木) 21:19:44.08 ID:u61lZ7I+0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

…………

もうコロシアイは起こらない、か。

本当にそうかな?

……ここまで待って本当に良かった。

……別の殺人が起こった故に、更に待たなくてはいけなかったが……

朝永蛍……まるで子供をあやすように響音を慰める彼女を見ながら……

自然に顔が綻んだ。

最高の場所で、最高の状態で、最高のシチュエーションで。

殺陣山「……お前を殺す」

誰にも聞こえないように、一人呟く。

【???】

モノクマ「……ついに準備が整ったのか……」

モノクマ「長かったね、殺陣山クン……君には期待してるよ?」

モノクマ「ま、これから最後の仕込みに入るんだろうけどさ……」

モノクマ「……じゃあ、殺陣山クンの手助けになるように……」

モノクマ「早めに動機を公開しておくのもいいかもね!うぷぷ!」

モノクマ「……さて、それじゃあ最後に……」

モノクマ「みんなの様子を見ておかないとね!うぷぷ!」

安価↓4まで
様子を見たい人物を指定。
無効・連投、もしくは被った場合、安価↓

590 : 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします  2014/01/30(木) 21:20:16.91 ID:kd2e/OOto
火ノ宮

591 : 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします  2014/01/30(木) 21:20:34.15 ID:0K9Kv/j7o
九神

592 : 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします  2014/01/30(木) 21:20:41.02 ID:Md1Oyxggo
色鯨

593 : 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします  2014/01/30(木) 21:20:51.79 ID:1++zB1Too
冬崎

707 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:32:42.09 ID:cyckh/Mf0
じゃあ今日の分はじめるで





【寄宿舎 食堂前廊下】

冬崎「……海東君、響音ちゃんの具合は……大丈夫っすか?」

海東「ああ、とりあえずはあいつの部屋に寝かせてきた……」

海東「最初は、保健室で具合を見てやろうかと思ったんだけどな……」

朝永「……姫月さんの事、思い出しちゃうからなんだろうね……」

色鯨「そりゃそうやで……、一番信頼していた人が死んじまったんやからな……」

色鯨「……ちゅーか、あそこまで前向きでいられたっちゅーことがおかしいんやろうな……」

澄々「…………」

色鯨「……ま、澄々もそれに関しては一緒やろけどな……」

澄々「……そうですわね……」

澄々「やはり……今でも鳴神さんがいなくなったとは実感できませんわ……」

九神「……だが、これが現実だ」

九神「……俺たちが今置かれている状況……これは間違いなく現実だ」

澄々「…………」

……沈黙が、場を支配する。

思い出してみれば、十六人いた最初の状態から、既に約半分の人数が減っている。


708 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:34:43.95 ID:64wVIPBz0
色鯨「……ちっ……」

色鯨「ともかく気分転換やな、火ノ宮。メシにするで!」

火ノ宮「……この状況でか?」

海東「よく食欲が出るな……」

色鯨「何だかんだで朝から何も食っとらんからな……栄養補給は重要やろ?」

朝永「あ、じゃあ私も食べる!」

火ノ宮「お前はいつも通りだな……」

澄々「……わたくしは遠慮しておきますわ」

澄々「一度、何も考えずに過ごしてみよう……と思います」

冬崎「……ま、色々問題は残ってそうっすね」

冬崎「……あたしは、ちょっと響音ちゃんのところに行ってみるとするっすよ」

九神「そうしておけ……今のあいつは一人にする方が思い詰めて危険かもしれん」

九神「今まで自分を気合と根性だけで奮い立たせてきただけにな」

九神「そういう人間ほど、一度折れると弱い……」

九神「……というわけだ。澄々、俺に付き合え」

澄々「は、はあ?何でですの?」

九神「お前だって同じだ。……お前が人の死を簡単に割り切れる人間でないのは見て分かる」

澄々「……心配は無用ですわ。わたくしだって、みなさんに迷惑をかけるわけには……」

九神「……鳴神の死を認めることのできない人間が何を言っている」

澄々「……っ……」

九神「気持ちの整理がつくまでは一人で抱え込もうとするのは許さん」

九神「……そうだな、一度掃除をするぞ。いつもお前のやっていることだ」

九神「その中で、お前なりの答えを見つけるといい」


709 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:35:39.57 ID:64wVIPBz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【食堂】

火ノ宮「ほら、出来たぞ」

朝永「わーい、今日も美味しそうだよ〜」

色鯨「じゃあ、食べるとすっか!」

……とりあえず、食事をする。

そんな気持ちになったのは、何故なんだろうか?

……人が何人も死んでるんやけどな……

朝永「火ノ宮君、これって今日の朝御飯の予定だったもの?」

火ノ宮「ああ、そうだが」

色鯨「なるほどな……焼き魚や味噌汁とか……いかにも和食って感じやからな」

火ノ宮「すまんな、今日の朝にあんな事がなければ食べさせられたんだが……」

色鯨「ええってええって、あんなことがあったんならしゃあないって」

朝永「……ごめんね、私のせいで……」

火ノ宮「……気にするな。お前は俺の体を思ってくれたんだろう?そこに非はないさ」

朝永「でも……そのせいで私は……ボブさんを殺しちゃった……」

色鯨「……だから、あんまり抱え込むんやないで?」

朝永「……だけど……」

色鯨「おっさんの事は『間が悪かった』ってことで片付けるしかないやろ……だって、朝永は何も悪くないからな……」

朝永「……割り切れないよ、そんなの」


710 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:36:23.88 ID:64wVIPBz0
……ああ、そうやろな……

朝永は俺みたいに馬鹿じゃない分、割り切ることができへんのかもな。

火ノ宮「……なら、これから気を付ければいいだろう?」

朝永「……じゃあ、二人はどうなの?」

朝永「……ボブさんだけじゃない、死んでいった皆は、私たちが殺したも同然なんだよ?」

朝永「……投票……でさ」

色鯨「……そこを突かれると痛いな……」

火ノ宮「では、朝永は『俺たち全員が死んだほうがいい』というのか?」

朝永「そ、そういうわけじゃなくて……」

火ノ宮「その通りだ。そもそも、答えも何もない。……強いて言えば、俺達が勝ったからここに居るだけだ」

火ノ宮「善悪ではなく、俺たちは生きる権利を勝ち取った。それだけだ」

色鯨「よくそんな臭い台詞を真顔で言えるのお?」

火ノ宮「……臭いか?」

色鯨「臭い」

……ちょっと火ノ宮が落ち込んどる。

火ノ宮「……そんな風に悩み続けられるというのは、優しい証拠だ。俺は好きだぞ?」

朝永「……そうなの、かな?」

火ノ宮「そうだ、だからこそ、暗い顔で食事をするな」

火ノ宮「食事は明るく、笑顔でしろ。作った俺の頼みだ」

朝永「うん……そうする」


711 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:37:06.06 ID:64wVIPBz0
色鯨「……そういや、響音に何か持ってってやったほうがいいんやないの?」

朝永「何かって?何を?」

色鯨「ほら、一応見舞いの品か何かを……」

火ノ宮「確かにな……ちょっとした菓子か果物でも贈れればいいかもしれんが……」

色鯨「あいつには元気になってもらわんと困るしな……」

色鯨「前向きな奴がダウンしてもうたら、俺らまで元気なくなってまうからな……」

火ノ宮「……あいつ程他の奴らを気にかけていた奴はいない。こんな状況なのに、だ」

色鯨「せやで、そんなあいつに助けられてたやつも多いやろ?」

色鯨「だからこそ、心配なんやで……」

朝永「……よし、じゃあ私が秘蔵のお菓子を妙夢ちゃんにあげてくる!」

火ノ宮「お前が秘蔵のお菓子を?」

朝永「そうだよ!」エッヘン

火ノ宮「……雨でも降らんといいが」

色鯨「まあ室内にいるから平気やろ」

朝永「二人ともひどいよお!私だって妙無ちゃんの事を心配してるんだよ〜」

火ノ宮「……わかっている。じゃあ食べ終わったら行ってくるといい」

朝永「了解!もぐもぐごちそうさまでしたっ!」

色鯨「早いな!?」

火ノ宮「……よく噛んで食べろ」


712 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:37:49.87 ID:64wVIPBz0
食事を平らげると同時に、朝永は出て行ってしまう。

色鯨「うーん……相変わらずよく食う嬢ちゃんやの……」

火ノ宮「まあ、あれだけ元気があるなら問題ないさ。……まあ、心配事もあるんだが」

色鯨「心配事?」

火ノ宮「……いや、何でもない、こっちの話だ」

色鯨「ちゅーか……火ノ宮も朝永によく今まで通り接することができるな……睡眠薬を飲まされたんやろ?」

火ノ宮「そうだが……あれに関しては俺のために良かれと思ってやったことだ」

色鯨「……そんなんでええの?」

火ノ宮「当然だ。あいつは優しい奴だ」

色鯨(……睡眠薬を飲ませてまで休ませようとするっつーのは、何か別の領域に片足を突っ込んどるような気がするんやけど)

……とりあえず、気にしたら負けということにしておこう。

色鯨「……本当に朝永には甘いんやな、お前は」

火ノ宮「……そうか?」

色鯨「ああ、あいつに対して怒ることはあっても、結局は許してるやん」

火ノ宮「……そうだろうか?」


713 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:38:56.02 ID:64wVIPBz0
色鯨「ははっ、もしかしてあいつに惚れてるんやないの?」

火ノ宮「……馬鹿な、そんなわけ無いだろう」

色鯨「優しいし、保護欲を掻き立てられるような可愛い系、んでもって大食いっていうギャップ萌え」

火ノ宮「お前はそういう風にあいつを見ていたのか……」

色鯨「おまけに巨乳。揉みたい」

火ノ宮「殺すぞ」

色鯨「あれ!?今全力の殺気が飛んできたような気がするんやけど!?」

……冗談の通じない奴やな……

色鯨「……ま、まあ何にせよや……そんなことなら俺は応援するで?」

火ノ宮「そういうわけじゃない……」

色鯨「でも、ムキになるとこ見てるとちょっとは意識しているように見えるで?」

火ノ宮「……そうか?」

色鯨「せやで」

火ノ宮「……というか、いきなりなんでこんな話をしだしたんだ……」

色鯨「そうやな……学生生活で馬鹿みたいな話に花を咲かせる……」

色鯨「そんな日常が欲しかったのかもしれんな」

火ノ宮「……お前……」

本当に……何でなんやろな……

色鯨「いつになったら、これは終わるんやろな……」


714 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:39:40.29 ID:64wVIPBz0
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【寄宿舎 響音の部屋前】

朝永「え!?ダメなの!?」

冬崎「そっすね……ちょっと立ち入り禁止っす」

朝永「……そんな、せっかくお菓子持ってきたのに……」

冬崎「あはは……通してあげたいのは山々なんすけどね……」

……予想以上に響音ちゃんのメンタルの傷は深いっぽいんすよね……

海東「……今日はもう誰にも会いたくないんだとよ」

海東「だから、とりあえずはそっとしておこうぜ」

朝永「……妙夢ちゃん……大丈夫かな……」

朝永「辛いことなんて……忘れられたらいいのにね……」

海東「忘れられるわけねーだろ……ここに来てからの事とはいえ、仲の良かった友人を亡くしたんだ」

海東「そりゃ、心だって折れるに決まってら」

冬崎「……とりあえず、今日はそのまま帰るっす」

冬崎「お菓子は……響音ちゃんが元気になったら皆で食べるとするっすよ」

朝永「うん……分かったよ……」

やんわりと諭すと。朝永ちゃんも理解したようで、すごすごと引き下がっていった。

……食堂の方に戻っていく。まだ何か食べる気か?


715 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:40:07.92 ID:64wVIPBz0
海東「……ま、とりあえずは今日俺らにできることは何もねえな」

冬崎「そうっすね……こういう時に姫月姐さんがいれば、響音ちゃんに喝を入れてるんすけど……」

海東「……その姐さんが死んじまったのが問題なんだよなあ」

……全く、大問題だ。

響音ちゃんに相談したいことがあったのに、この状況じゃ相談も出来やしない。

……とりあえず、現在隣にいる人物を見てみる。

じーっ……

海東「……何だよ?」

冬崎「……ちょっと信頼できないかもしれないっすねー」

海東「いきなり失礼な奴だな……」

冬崎「いやー、実は相談事があるんすけどね……響音ちゃんに話そうとしたんすけど、今はあんな状態でしょ?」

海東「まあな……」

冬崎「とりあえずは心の内にでも閉まっておくっすよ、……海東君も明日にはきちんと打ち明けるんすよ?」

海東「分かってるよ……じゃあ、とりあえず解散でいいか?」

冬崎「別に大丈夫っすよ……ま、あたしはひとっ風呂してから帰るっすけど」

海東「……なるほどね、じゃ、頑張れよ」

……さて、あたしの仕事を続けよう。


716 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:40:53.52 ID:64wVIPBz0
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【大浴場】

……すっかり使い慣れてしまったこのノートパソコン。

実は既にデータの解析はある程度終わっていたりする。

終わっていたりするんだけど……

冬崎「……こいつはどう打ち明けるべきっすかね……」

……中に入っていたのは、以前のコロシアイ学園生活のデータ。

……以前にもこんなイカれた事件があったことだけでも驚きだけど……

問題はこのデータの中身。

冬崎「……『内通者の存在』か……」

……曰く、以前のコロシアイ学園生活では、殺し合いが停滞した時や、口火を切らせることを目的として、黒幕と繋がりのある生徒がいたという。

いわゆる、裏切り者だ。

冬崎「……以前のコロシアイでは、その人物は自殺した……みたいっすけど」

……きっと、罪の意識に耐え切れなくなったか、もしかすると、自分が争いの火種になる前に命を絶った……というところだろう。

当たり前だ。もし自分も裏切り者としてここに居るとしたら……

冬崎「……あんないい奴らを裏切れるわけねーっす」

……というか、裏切りそうな奴も思いつかない。

響音ちゃんや、澄々ちゃん……ああいう直情的なタイプは隠し事には向かない。

色鯨君は潜入工作とか無理そう、計画を練る側からすればノーサンキューだ。

くかみんや火ノ宮君は人を殺すチャンスは幾らでもあったのに動いていない……

海東君や殺陣山は……明らかに怪しすぎる。

決定打というものはゼロ……判断なんか出来やしない。

冬崎「現時点の情報じゃ……判断のしようがないっすね……」

冬崎「だったら、新しい情報が必要なんすけど……」

……まあ、そのために手に入れた情報を、渡している人物がいるんだが。

冬崎「くかみん、頼んだっすよ」


717 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:42:45.79 ID:64wVIPBz0
×色鯨君は潜入工作とか無理そう、計画を練る側からすればノーサンキューだ。
○色鯨君や朝永ちゃんは潜入工作とか無理そう、計画を練る側からすればノーサンキューだ。

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【2F 男子トイレ】

澄々「珍しく貴方が掃除をするというから、わたくしを励ますのかと思いきや……」

澄々「なんでわたくしを男子トイレに連れ込んでいるんですの!?不潔ですわ!」

九神「それに関しては謝る。だが、極力不自然でないようにしなければならないのでな」

澄々「不自然って……わたくしを男子トイレに無理矢理引っ張ってくる時点で不自然だと思いますわよ?」

九神「そうか?」

澄々「そうか……って……、はあもういいですの」

澄々「……なんでわざわざ、掃除用具をわたくしに持たせてまでここに来たんですの?」

九神「実は、ちょっとした情報を手に入れてな。この男子トイレに隠し部屋があるらしい」

澄々「隠し部屋……ですの?」

九神「ああ、……冬崎のもたらした情報だ。パソコンの解析が一部終わったらしくてな」

澄々「ちょ……そんなこと……モノクマに聞かれては……」

九神「聞かれはしない、なんせ、ここには監視カメラがないんだからな」

澄々「……あら、本当ですの」

九神「冬崎の話では、この奥に学園の重要な機密とやらがあるらしくてな」

九神「……もしかすれば、脱出の手がかりが何かつかめるかもしれん」

澄々「……ですが、部屋など何処にあるのです?」

九神「それもキチンと確認してきた。……掃除用具入れの一番奥、そこが隠し扉になっているらしい」

……冬崎に確認したとおり、奥の壁を叩いてみる。

すると、壁は回転扉のように開き……

澄々「……吃驚仰天……ですわね」


718 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:43:46.56 ID:64wVIPBz0
九神「情報通りか……そして……」

中にも資料がある……ここまで情報通りなのが怖いな……

だが、黒幕もここまで迅速な行動なら対処のしようがないはず……

澄々「……この中に、脱出のヒントがありますのね?」

九神「まだわからんがな……ともかく、澄々、ゴミ袋は持ってきているか?」

澄々「黒いゴミ袋、ですわよね、ありますわよ」

九神「その中にこの資料を入れて持ち出すんだ。急いでいくぞ」

澄々「了解ですわ」

指示を聞いた澄々は、一度隠し部屋の外へと退室する。

……よし、後はこれを大浴場まで持ち帰り、あとは冬崎と共に検討を行えば……

……この部屋には、見る限り希望ヶ峰学園の生徒名簿がある。

もしかすると、黒幕と繋がっている可能性がある人物は、不自然に情報が改変された部分もあるかもしれん。

それを見つければ、裏切り者が誰かという情報も……

澄々「がっ……」

――そんな考えをしていると、部屋の外から短い悲鳴が聞こえた。

続いてドサッ、っという人が床に倒れる音。


719 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:44:22.57 ID:64wVIPBz0
九神「澄々!?」

慌てて自分も部屋の外に出る。

そこで見たのは、床に倒れている澄々と、立っている人物。

……覆面を被った、謎の人間。

手にはスタンガン、恐らく、あれで澄々を気絶させたのだろう。

九神「貴様は……」

覆面「……」

何も答えない、だが、少なくとも敵であることは間違いない、ならば……

九神「ふっ!」

正面突破、もとより狭い男子トイレだ。それ以外に方法はない。

たとえ玉砕覚悟だったとしても、この資料は持ち帰らなければならない。

だが、そんな俺の願いは虚しく……

覆面「……」サッ

こいつに躱されたのと同時に。

覆面「……」バチン

九神「ぐぁっ……」

……スタンガンを打ち込まれ、意識を手放してしまった。


720 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:45:05.92 ID:64wVIPBz0
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【2F 男子トイレ】

モノクマ「いやあ、ご苦労さま!とりあえずはこれでいいかな?」

覆面「……こんなことをする意味はあったのか?」

覆面「資料が奪われたくないんなら、お前自身が対策をすれば良かっただろう?」

モノクマ「誰が資料を守るためって言ったかなあ?ボクの目的は別なんだよね!」

覆面「別?」

モノクマ「裏切り者がいる、って事をアピールしておきたくてさ、こうすれば、皆が互いを疑い合う泥沼な状況に持ち込めるでしょ?」

モノクマ「資料がここにあるっていうわかりやすい情報をあのパソコンに残したのだって、ボクの策略なんだよね」

モノクマ「だって、機密資料を盗んでいる最中に襲われたんだとしたら、それは裏切り者の仕業って仮定しちゃうもん」

覆面「……そういうことか」

覆面「…………」

モノクマ「……おや、随分不服そうな顔をしているなあ」

覆面「……覆面で顔は見えないだろう?」

モノクマ「覆面の上からでもわかるって言ってるんだよ!もしかして、ボクを裏切るつもりじゃないだろうね?」

覆面「……だとしたら?人質を殺す、か?」

覆面「……姫月のように、既にお前が殺しているのかもしれんがな」

モノクマ「うぷぷぷ……姫月さんの場合はおもしろいからそうしただけ、ついでに言うと、弟さんは自然死なの!何でもかんでもボクのせいにするなっての!」

モノクマ「オマエにはキチンと、人質の様子を見せてやっただろ?それでも信じられないわけ?」

覆面「くっ……」


721 : 1 ◆HACMvD2zUw  2014/02/04(火) 21:45:54.42 ID:64wVIPBz0
モノクマ「わかったら契約通りの仕事はちゃんとしろよ!」

モノクマ「……さて、じゃあ今日の仕事は終わりだし、覆面を取るといいよ?」

モノクマ「ついでに、オマエが襲われた二人を見つけたことにして、保健室に運んどきなよ、ボクはめんどいし」

モノクマ「じゃあの!」ピョイーン

……色鯨の言うとおりだな。

こんなこと、いつまで続ければいいんだろうか。

覆面「……」ガサゴソ

火ノ宮「…………」

【Chapter03 完】

響音 妙夢 【超高校級の音楽家】
立花 雅 【超高校級のヒーロー】×
ボブ・サップ 【超高校級のレスラー】×
朝永 蛍 【超高校級の幸運】
殺陣山 湊 【超高校級の芸術家】
姫月 療歌 【超高校級の医者】×
正義 剛 【超高校級の役者】×
冬崎真白 【超高校級の警察】
海東吉都 【超高校級の変装師】
花咲 ユスリカ 【超高校級のナンパ師】×
九神 黒夜 【超高校級のカリスマ】
澄々 奇麗 【超高校級の美化委員】
火ノ宮 龍也 【超高校級の料理人】
色鯨 極 【超高校級の芸人】
鳴神 楓馬 【超高校級の召使い】×
ヘンリー・クローデル 【超高校級の放送委員】×

残り生徒 09人

to be continue……




チャプター4


【元スレ】
【ダンガンロンパ】安価で作成したキャラでコロシアイ学園生活6【安価】