847 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 22:28:31.75 ID:0mKUXxp90
こうして……事件は終わっていく。
不条理で荒唐無稽で理不尽だらけの事件は……
もうすぐ、その幕を閉じる。
それは“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”でもなく……
“人類史上最大最悪の絶望的事件”でもない……。
名前さえもない小さな事件。
世界はその事件の存在そのものを認識すらしていない。
きっと、この先の未来においてもそうだろう。
……彼らがいる限りは。
声伽「迎えの船がそろそろ来るみたいだよ」
御陵「そっか……なら、私たちもそろそろ行かないとね」
首括「…………」
首括「おい、御陵。本当に大丈夫なのか?」
首括「『取り調べは私に任せて!』なんて言うから仕方なく従ってやったが……」
首括「あいつらは本当に大丈夫なのか? 元の絶望に戻ったんじゃないのか?」
御陵「それはない……と思うよ」
御陵「だってもしそうなら、この島に残りたいなんて言わないだろうしね」
声伽「意識的にしろ、無意識にしろ……そんな気持ちを抱いている時点で彼らはもう元の絶望じゃあないってことだね?」
声伽がそう言うと、少し離れたところから3人の人影が近づいてきた。
848 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 22:30:27.43 ID:0mKUXxp90
苗木「御陵さん達も、今から帰るところ?」
霧切「それならちょうどいいわ。一緒に帰るとしましょう?」
十神「御陵、お前は苗木の手伝いをしてやるといい」
御陵「手伝い?」
声伽「今回の件について、本部になんて報告するか……かな?」
霧切「正解よ」
なるほど……そういうことか。
十神「取り調べをやったのは苗木と御陵だ。報告するのもお前達の義務だからな。手を貸すなんてことはできないぞ」
首括「だな……僕も、今回は十神の言い分に賛同するとしよう」
声伽「あっ、じゃあボクも今回はそっちの味方ってことで」
御陵「ええっ!?」
苗木「あはは……」
霧切「……迎えの船が来たみたいね」
見ると、確かに汽笛の音と共に迎えの船が港に来ていた。
そこから下りてくるのは……これまた見知った顔ぶれ。
神原「首括さーん!!」
御門「書乃お姉ちゃん! 来ちゃった〜!!」
葉隠「首括っち来ちゃったべ〜!!」
首括「死ね」
葉隠「ちょ! それ酷くね!?」
舞園「あの……神代さん? そんな陰で隠れてないで神代さんも行ったらどうですか?」
神代「でも……なんていうか、恥ずかしい……」
御陵「みんな……」
849 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 22:32:33.65 ID:0mKUXxp90
その顔ぶれに思わずそう零すと、それぞれ思い思いのところに行く。
私のところには……ノノちゃんと神代さんと舞園さんだった。
御門「書乃お姉ちゃん〜!!」
御陵「あはは……」
神代「……」ウズウズ
舞園「あの……御陵さん。愛花ちゃんは……」
ノノちゃんが私に抱きついてきて、神代さんがそれを見てなにやらウズウズしている中。舞園さんがおずおずとそう尋ねてきた。
そういえば、最咲愛花さんと舞園さんは知り合いだったっけ。
御陵「……単刀直入に言うと、目覚める可能性は限りなく低いよ」
舞園「そう、ですか……」
御陵「でも、最咲さんを信じてるんなら……最後まで信じてみようよ。私も……そうするつもりだし」
舞園「……影山さんのことですね?」
その言葉に少しふざけ気味にしていたノノちゃんや神代さんの動きが止まる。
御陵「……私、決めたんだ。詩乃ちゃんがまた目を覚ましたら……今度こそ、お姉ちゃんらしいことしてあげたいって」
――だから、それまではまだ生きていないと。
この仲間達と共に……私は私の未来を進んでいかないと。
850 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 22:35:12.45 ID:0mKUXxp90
□■□■□
こうして事件は終わり……
日常が始まる。
それは事件なんかよりよっぽど荒唐無稽で……
ちゃんとした結末が用意されているかも疑わしい。
そんな不安定で、不確かなこの現実を……俺達は、進んでいく。
「……なあ、アンタってもしかして……」
ふと誰かに話しかけられた。
そちらを見ると、その声の主は白いシャツに短い髪の毛。上の方にあるアンテナのような髪が特徴的の男だった。
「あ、悪い。俺は日向創だ」
日向創……カムクライズルだった男、か。
「そっちは?」
その問いに俺は、じっと息を吸って……はっきりと、言ってやった。
「俺は――夏目開人だ」
エピローグ 未来の前の日 完
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】シリーズ 完結
【元スレ】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る6【安価進行】