オリロンパwiki - 夏目ロンパ チャプター6 エンド
835 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:05:25.31 ID:0mKUXxp90


夏目「さてと……それじゃあ、始めるか?」

俺と、ジョーと、足立と、筆原と、言乃木。
もう、誰も迷っていなかった。

ジョー「ははっ……こんな簡単に終わっちまうんだな」

言乃木「アホ……これで終わりなわけがないだろう?」

筆原「ここからまた、みなさんで始める為……ですよね?」

足立「まずはこの閉ざされた空間を終わらせて……」

夏目「そこから先は、俺達の手で思い通りの未来を開けていけばいいだけさ」


そうして、俺達は“卒業”と“留年”の2つのボタンを押し……強制シャットダウンをした。


すると荒巻のアルターエゴを消去するかのようにウサミが姿を現し、そのステッキを駆使して荒巻を追い詰めていく。
これも、決して用意されていた結末じゃない。つまり……奇跡。

現実はゲームみたいに予定調和で進行したりはしない。
だからこそ辛いし苦しいこともあるけど……その分、こういった奇跡だって起こりえるんだ。




836 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:06:46.39 ID:0mKUXxp90


首括「……どういうことだ? 何故、消えたはずのウサミが現れた?」

声伽「さあ? でも、これって彼らで切り開いた未来みたいだけど……」

首括「あいつらはそんな不確かな道を進むというのだな……」

御陵「だとしても、もう私たちがやれることはない……」

声伽「……御陵さん、泣いてるの?」

首括「ふんっ……その涙は外に戻ってから流すべきだったな」

御陵「う、うるさい……!!」




837 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:07:45.63 ID:0mKUXxp90


言乃木「あーあ……崩れていくねぇ……」

ジョー「これで、本当に最後なんだな……」

夏目「でも、ここでのことは無駄なんかじゃなかったんだ……そうだろ?」

足立「ははっ……間違いないね」

筆原「ですね……」

突如、まずは言乃木の体が透けていく。
どうやら……順番にここから消えていく仕組みのようだ。




838 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:13:27.34 ID:0mKUXxp90
言乃木「あ? なんだい、最初はアタシなのかい?」

筆原「言乃木さん……!」

言乃木「いきなり泣きそうな顔するんじゃないよ……」

やれやれといった感じに言乃木が言った。

言乃木「じゃ、せっかくだ。言いたいこと言ってここから消えるとするかね」

言乃木「……ありがとう。アンタらのおかげで、今まで気付けなかったものに気づけた気がしたよ」

足立「言乃木さんがお礼を言うなんて……これも奇跡の1つなのかな?」

ジョー「アッハッハッハ!! どんだけ奇跡の価値下がったんだって話――いてぇ!?」

言乃木「ぶつよ?」

ジョー「むしろボディーブローされてんだよッ!!」

夏目「こんなときまで相変わらずだなお前ら……」

筆原「人間ってそう簡単には変わらないんですね」

言乃木「ったく……」

言乃木「……まあ、そういうわけだから! あと、これでお別れみたいなことになってるけどアタシは信じてるからね」

言乃木「外に行っても、またアンタらと一緒にいられるって……」

言乃木「だから、さよならは言わないよ。また、向こう側で会おうね……」

気づけば、言乃木の瞳から涙が流れていた。

839 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:15:48.16 ID:0mKUXxp90
ジョー「…………」

ジョー「へんっ! お前みたいな暴力女、そう簡単に忘れるわけねぇだろっての!!」

言乃木「そいつは結構。アタシもアンタみたいな鈍感ヘタレのこと、忘れたくても忘れないだろうね」

ジョー「どういうこったそりゃあ!?」

言乃木「だって、最後の最後までアンタ……何も気づいてくれてないみたいだしねぇ」

ジョー「……へっ?」

ポカンとした顔をするジョーに言乃木が小さく笑う。

言乃木「じゃあ、またね。……絶対に、また会おうね」

そうして、言乃木は消えてしまった。
すると……今度は筆原の体が透けていく。

841 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:18:18.65 ID:0mKUXxp90
筆原「次は私、ですか」

足立「…………」

夏目「筆原……」

筆原「大丈夫ですよ。さっき言乃木さんも言ってましたが、私もまたみなさんと一緒にいられるって信じてます」

ジョー「絆は消えることはないんだもんな?」

筆原「そ、それは忘れてくださいっ!」

よほどあの言い回しが恥ずかしく思えてきたのか、筆原は声を大にしてそう言った。

筆原「ただ……1つ、心残りがないこともありません」

夏目「心残り?」

筆原「はい……」

そうすると筆原はすうっと息を吸い込んで、叫ぶ。

筆原「私はッ! 足立さんのことが大好きですッ!!」

夏目「えっ……!?」

ジョー「うおいっ!? このタイミングで言っちゃうのか!?」

842 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:20:00.53 ID:0mKUXxp90
足立「……俺も」

足立「俺も、筆原さんのことが大好きだよ」

筆原「っ……!!」

足立「だから、ここから出たら俺は真っ先にキミの名前を呼ぶ」

足立「キミも、できたら最初に俺の名前を呼んでほしいかな」

筆原「っ……は、はいっ……!!」

夏目「これは……なおさら2人には頑張ってもらわないとな」

ジョー「けっ……結婚式には呼べよな!!」

いや、それはさすがに気が早いんじゃ……
そんなことを思っていると、筆原は最後、満面の笑顔を俺達全員に向けてくれた。

筆原「それじゃあみなさん! 私のこと、忘れないでくださいね!!」

……筆原が消える。
すると次に、ジョーの体が透けていった。

843 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:21:47.77 ID:0mKUXxp90
ジョー「おいおいおいおい!! 次はオレかよ!?」

足立「妥当なところじゃないか?」

ジョー「おいっ! さっきまでのさわやかな笑顔はどこにいったんだ!?」

ジョー「けっ、オレって最後までこんな扱いなのかよ……運ねぇな」

夏目「だったら、これまで溜めてた運を全部使ってさっきの言乃木の言葉の意味を聞いてこないといけないな」

ジョー「…………」

ジョー「……そうだな。運はアホみたいに残ってるはずだし、この際全部使い切ってもいいかもしれないな!」

ジョー「…………」

ジョー「なんかよ、オレらって希望ヶ峰学園にいたころは3人でよく一緒にいたような気がしないか?」

それは……なんとなく、わかる気がするな。

足立「俺と、ジョー君と、夏目君か」

夏目「退屈はしなさそうなメンバーだな」

ジョー「だな。だからよ、ここから出たらその続きをしようぜ」

続き……?

844 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:23:14.24 ID:0mKUXxp90
夏目「どういう意味だ?」

ジョー「だーかーらー! また3人でいろいろなことしようぜって話!」

足立「とてもそんなことができるような環境じゃなさそうだけど……」

ジョー「お前はなんなの!? これくらい夢見たってよくねぇか!?」

足立「わかってるよ。……まあ、どっちにしてもこれからが大変だけど」

夏目「それでも、逃げるわけにはいかないからな」

ジョー「おう……そうだな」

そして意を決したかのような顔をするジョー。

ジョー「うっし! じゃあ外に出てからやるべきことも決まったしオレもそろそろ行くぜ!」

俺と、足立。2人とハイタッチをしてジョーも消えてしまった。

足立「……ま、最後は俺だよな」

そうして今度は足立の体が透けていく。

845 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:25:10.08 ID:0mKUXxp90
足立「結局、言いたいことのほとんどはみんなが言っちゃったからあれだけど……それでも、キミに言うことがあるとしたら」

足立「ありがとう。キミがいたから俺もみんなも最後まで来れたんだ」

夏目「そんなことは……」

足立「あるんだよ。これは俺の本心なんだ、受け取ってくれ」

言いながら足立はすっと手を差し出してくる。

足立「俺達は親友だ。それはここから出ても同じ」

足立「……そうだろ?」

夏目「……お前はそうやって恥ずかしいことをぺらぺらと……」

その差し出された手を握って、俺は言ってやる。

夏目「ああ、足立千里は俺の親友だ。それは間違いない」

夏目「ありがとう。足立がいたから俺も最後までいることができた」

足立「ははっ……どういたしまして」

そうして最後に足立は相変わらずの爽やかな笑顔を向けてきた。

足立「じゃあね、夏目君。……俺の大事な親友」

足立が消え……崩れていく世界に俺だけが残る。

846 : ◆3RS0Ar30bE[saga]  2014/05/24(土) 22:26:55.96 ID:0mKUXxp90


夏目「…………」

足立。
ジョー。
筆原。
言乃木。

そして……
棋儀。
甘露寺。
姶良。
五十隅。
雪咲。
最咲。
兎呑。
正道。
砂射。
影山。
湯川。
ウサミ。

ここで出会った相手の顔が頭に浮かんでくる。

夏目「……」

そのすべての仲間を思い浮かべて、俺は小さくこう言った。




夏目「……ありがとう」


Chapter6 This is the end 〜さよなら絶望学園〜


END



エピローグ


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【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る6【安価進行】