706 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 21:53:21.50 ID:ARCeInIq0
江ノ島「アハハハハハハハハッ!! 人類総江ノ島化計画はここから始まるのよ!!」
……人類総江ノ島化計画?
江ノ島「死んだ連中にアルターエゴを埋め込んだら、そのままちゃっちゃと未来機関の拠点も制圧しちゃって……」
江ノ島「そんで! ゆくゆくはこの世の中の人間全員をアタシにしちゃうの! うはっ! 夢が広がリング!!」
ジョー「そ、その無茶苦茶な計画が……お前の計画なのか?」
夏目「だったら……どうして俺達を殺さなかった?」
江ノ島「ん?」
夏目「だってそうだろう!? 俺達全員を殺していれば、それだけ乗っ取れる体が増えていたはずだ……何故そうしなかったんだ?」
江ノ島「あれ? もしかしてそれって遠まわしに『殺してくれ』って言ってる? ならやっちゃうよ?」
御陵「いや、その女にはそれができなかった。だからあなた達にコロシアイをさせたんだ」
しなかったんじゃなく、できなかった……?
それってもしかして、あれが理由なんじゃないか……?
↓2
1修学旅行のルールがあったから
2実体が無かったから
3封印されていたから
708 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 21:54:22.49 ID:8QaKLgoh0
1
709 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 21:55:37.72 ID:ARCeInIq0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「そうか……修学旅行のルールがあったからだな?」
言乃木「そんな人外が、修学旅行のルールなんかに縛られていたのかい!?」
御陵「その女は今回、教師役であるウサミの立場を乗っ取ってこの新世界プログラムに侵入してきたんだ」
夏目「だがウサミにも守るべきルールがあった。だからその立場を乗っ取った江ノ島も、それに従うしかなかったんだ」
足立「……教師が生徒に必要以上に干渉しないっていう、あれか」
筆原「それなら私たちは……あのルールがあったから守られていたんですね?」
江ノ島「そうなんだよねー。ルールの追加の権限はあっても、ルールの削除の権限は無かったからさ」
江ノ島「ま、影山さんにはそこを利用されてあんなことを頼まれたんだけど」
夏目「俺達のコテージの爆破、だな」
江ノ島「そうそう。ま、そういうわけだからアタシ的にはコロシアイで誰が生き残るとか別に興味なかったんだよね」
足立「ふざけるなよ……!」
足立「いい加減にしてくれっ! みんなの命をなんだと思っているんだっ!!」
足立のその叫びに江ノ島は一言こう言った。
江ノ島「雑魚」
足立「っ……!?」
ギリギリと足立が歯ぎしりをして江ノ島を睨む。
710 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 21:59:07.90 ID:ARCeInIq0
夏目「それがお前の目的だったんだな……!」
夏目「“卒業プログラム”で俺達の体を乗っ取るために“卒業”を選ばせようとしていたんだな!?」
筆原「ど、どうしてそんな酷いことができるんですか……!?」
御陵「それがその女の本質なんだ……」
御陵「そこに理由や目的なんて存在しない! その女は関わった人間全員を絶望させることしか考えていないんだ!!」
江ノ島「さすがは御陵さん……アタシのことをよく考えてくれているんだね」
江ノ島「そう……アタシが絶望を求めるのはアタシがアタシであるための定義付けでしかないのよ!!」
ジョー「ただ単純に、誰かを絶望させることだけがお前の目的……?」
江ノ島「じゃ、ここらで一つ思い出話をしてあげようか?」
江ノ島「アタシを狂気的に愛する何千もの人間がパタパタとゴミのように倒れる姿……」
江ノ島「しかも連中はそれを自分でやったんだ……!!」
言乃木「なんだいその話……」
その話って……もしかして、あれのことじゃないのか?
↓2
1予備学科
2影山詩乃
3コロシアイ学園生活
4モノクマ
712 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/23(金) 22:00:07.68 ID:rNgZtyaOo
1
713 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:05:09.93 ID:ARCeInIq0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「今のって、予備学科の集団自殺の話だな?」
筆原「集団自殺……?」
夏目「希望ヶ峰学園の予備学科生2356人が集団自殺した話だ。おそらくそれをやったのも江ノ島盾子なんだろう……」
足立「1人の生き残りを除いて残りの生徒全員が集団自殺したって話だったな……」
江ノ島「そうそう! まあ、それをやらせたのはアタシじゃないんだけどねー」
江ノ島「ちなみにその残りの1人が今どうしてるか……御陵さんなら知ってるよね?」
夏目「なに……?」
御陵「その残りの1人も“超高校級の絶望”になって……今、新世界プログラムに掛けられているよ」
ジョー「は? で、でも新世界プログラムって今オレ達がいるここのことだよな?」
夏目「新世界プログラムは2台用意されていたってことだろ?」
言乃木「2台って……」
それを示す証拠も、俺は持っているはずだ……
↓2
コトダマを提示しろ!
714 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 22:12:05.00 ID:BvpZCNu30
【被験者リスト】かな?
716 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:21:11.11 ID:oPtHlNQU0
正解!
夏目「これで証明できる……!」!
夏目「あの被験者リスト、そこにあった名前は俺達のものだけじゃなかった」
夏目「さらに16人分の名前もあったんだ。それってつまり……その16人も新世界プログラムに掛けられているってことだよな? しかも、今俺達が掛けられているものとは別に」
御陵「……うん、そうだよ」
足立「つ、つまり現時点で俺達を含めた30人以上の超高校級の絶望がいるってことか……?」
江ノ島「よっぽどこの世界は絶望を望んでいたんだろうねー」
御陵「違う! 世界は絶望なんて望んでいない! だからこそアンタをここから出すわけにはいかないんだ!」
江ノ島「でもそうするとみんなもここから出られないよね?」
ジョー「え……?」
夏目「俺達がここから出るには、卒業をするしかない。だがそうなると……」
何が言いたいのか察したのか、筆原がみるみるうちに青ざめる。
筆原「そうなったら……死んだみなさんにこの江ノ島さんのアルターエゴが埋め込まれて……!」
言乃木「この女を外に出さないためには、アタシらがここに残るしかないってことかい!?」
ジョー「な、なんだよそれ……? なんで、そうなっちまうんだよ……!?」
江ノ島「みんなにとっては最悪の話だけど、未来機関にとっては最高の話だよねー」
江ノ島「なんたってアタシを含めた超高校級の絶望をまとめてゲーム世界に閉じ込めておけるんだし……」
御陵「ち、違う! そういうことじゃないんだ!」
江ノ島「あー、そっか。確かに御陵さんは少なくとも1人は本気で助けたかっただろうね」
江ノ島「でももうその子も死んでるし……御陵さんが体を張って助ける理由もなくなっちゃったんじゃない?」
足立「御陵さんが本気で助けたかった人……?」
それってもしかして……
↓2
1影山詩乃
2最咲愛花
3正道健一
4湯川ほのか
718 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/23(金) 22:22:01.25 ID:rNgZtyaOo
1
720 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:25:48.92 ID:oPtHlNQU0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「それって……影山のことか?」
江ノ島「そうでーす! 御陵さんは“超高校級の絶望”になってしまった双子の妹、影山詩乃さんを助けたかっただけなんでーす!!」
ジョー「ふ、双子だぁ!?」
夏目「23040っていうパスワードを設定した理由……自分の罪を俺達に洗い流して欲しかったからって言ってたな?」
夏目「230……“ふみの”と40……“しの”。やっぱりお前と影山は家族の関係にあったのか」
夏目「しかも、影山はお前に対して良い感情を抱いてなかったはずだ」
筆原「そ、そこまでわかるんですか!?」
それを裏付ける証拠だって俺は見ていたはずだ……
↓2
1ファイナルデッドルームの特典
2人類史上最大最悪の絶望的事件
3希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件
722 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 22:34:30.17 ID:ccWEuobS0
3?
724 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:40:14.75 ID:1R01unjj0
不正解!
発言力
8→7
違う……このことに影山も御陵も関与はしていないはずだ!
↓2
再安価。今回コトダマ提示じゃないんでコトダマリストはあんまり関係ないかもよ
726 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 22:40:47.32 ID:ccWEuobS0
2
727 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:46:49.75 ID:1R01unjj0
不正解!
発言力
7→6
これも違う……2人はこれに関与していない……!
【Info】
自動的に進行します
728 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:48:36.38 ID:1R01unjj0
正解!
夏目「これだ……」!
夏目「アイツが手に入れたっていう俺達のプロフィールが集められたファイル……」
夏目「あれの影山自身のページに書かれた家族構成の欄の一部が意図的にペンのようなもので塗りつぶされていた」
夏目「おそらくそこには御陵書乃……お前の名前が書かれていたはずだ」
江ノ島「実の姉の名前をガリガリとペンで塗りつぶすなんて、よっぽどアンタのことが憎かったんだろうねー!」
御陵「そ、それは今関係ないでしょう!!」
江ノ島「でもなんていうかさ、皮肉だよね。目の前で自分に起きたようなことで実の妹が死んで、さらに夏目クン達にしても今まで目指してきたゴールが間違いだったなんてさ!!」
足立「くっ……!?」
江ノ島「大事な大事な仲間を犠牲にして勝ちとったゴールが間違いだったなんてそんなの絶望的ィ!!」
ジョー「や、やめてくれぇえええええッ!!」
……間違いだったのか?
俺達がここから出たい。生きていたい。そう思うことがそもそもの間違いだったのか?
それならこれまでのコロシアイも何もかも……全部無駄だったっていうのか?
それで犠牲になった仲間たちも、全部無駄だったっていうのか?
……そんなのって……!
729 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:53:39.08 ID:1R01unjj0
御陵「諦めちゃダメだよ!!」
730 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:54:45.83 ID:1R01unjj0
御陵「みんなだけがここから出れて、この女だけをここから出さずに済む方法があるんだ!!」
……え?
江ノ島「は? 何言ってるのさ。そんなご都合展開があるわけ――」
江ノ島「――ってマジで!? そんなの初耳なんですけど!?」
初耳? それって……江ノ島も知らないってことだよな?
もしかしたら……御陵が言ってることは、あれのことかもしれない!!
↓2
コトダマを提示しろ!
732 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 22:56:16.55 ID:ccWEuobS0
強制シャットダウン
734 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 22:58:34.19 ID:1R01unjj0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「それって、もしかして強制シャットダウンのことか?」
筆原「強制シャットダウン……?」
御陵「私たちがこの新世界プログラムに仕掛けた、一種の裏技みたいなものだよ」
御陵「これをすれば、あなた達は外に出ることができるんだ」
夏目「教師役でも止めることができないんだったな!」
言乃木「じゃあ江ノ島でも止められないってことかい!!」
そうやって一気に俺達の放つ空気が回復したところで、江ノ島がこんなことを言った。
江ノ島「ですが残念なお知らせが1つあります。みなさんに強制シャットダウンは使えません」
ジョー「は?」
御陵「アンタ……もしかして、強制シャットダウンを知ってたの?」
江ノ島「そんなことよりどうしてかわかる? どうして強制シャットダウンが使えないのか?」
強制シャットダウンが使えない、その理由……?
↓2
1人数が足りないから
2存在しないから
3江ノ島がいるから
736 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 23:01:30.61 ID:DP94cSS+0
1
738 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:03:53.19 ID:1R01unjj0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「人数が足りてないから、か……?」
江ノ島「えー、アタシの知ってる情報ですと……プログラムの定員である15名の過半数が2つのボタンを同時押ししないと強制シャットダウンは発動しないはずです」
言乃木「だ、だが15人の過半数って……今この場にいるのは……」
俺と。
ジョーと。
足立と。
筆原と。
言乃木と。
そして、御陵。
江ノ島「ちゃんと別の人間が押さないと、強制シャットダウンは発動されないようになってるから……」
江ノ島「無理無理無理無理無理ィ!」
足立「クソっ……これすらもお見通しだったってわけか」
御陵「心配ないよ……現時点で強制シャットダウンが使えないのは私もわかってたから」
ジョー「勝ち目がないってわかってて来たのか!?」
御陵「それは違うね……勝ち目があるからこそ、こうやって私が来たんだよ」
江ノ島「なら、私様に申してみるといい! その勝ち目とやらをなぁ!」
そうやってすでに勝ち誇っている江ノ島を見て御陵は一言、こう言った。
御陵「信じてるんだ……“彼ら”なら絶対に来てくれるって、信じてるんだ!」
その言葉と共に御陵の両隣に現れたのは……
740 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:08:27.98 ID:1R01unjj0
声伽「あはは……そう言われちゃったらボクとしても応えてあげるしかないなぁ」
背の高いパーカー姿の男と。
741 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:14:15.16 ID:1R01unjj0
首括「そんな安っぽい言葉で振り回されるこっちの身にもなってみろ……このアホが」
白衣姿の中性的な顔立ちの男だった。
742 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:18:56.98 ID:1R01unjj0
御陵「声伽に首括……やっぱり来てくれたんだね」
首括「誰かさんが忠告も聞かず勝手に先走ってくれたおかげでな」
御陵「うっ……ごめん」
声伽「まあ、御陵さんのこういうことは今に始まったことじゃないし……」
声伽「ボクらも無事間に合ったみたいだから結果オーライとしようか」
ジョー「お、おい……どうなってんだよ? 今度は2人も来ちまったぞ?」
筆原「えっと……あなた達も未来機関の方々なんですか?」
夏目「それと、前に江ノ島を倒したっていうコロシアイ学園生活の生き残りでもあるんだよな?」
足立「そんな人たちが3人も集まったっていうのか……!」
江ノ島「かつての勇者が再び現れたラスボスに挑むため、危険を顧みずやってくる……」
江ノ島「まさに王道的展開だよねー!!」
声伽「ま、こうでもしないとキミを倒す手立てがないからね」
御陵「どうだ……これで8人だ! 強制シャットダウンの必要人数は満たしたよ!!」
この声伽と首括を入れて、8人。
確かにこれなら強制シャットダウンは発動できる……!!
江ノ島「びえええええんッッッ!!」
首括「……何故そこで泣く?」
江ノ島「だって……そんな風に登場されたら……」
江ノ島「この子たちがますます雑魚キャラ扱いになっちゃうじゃんんんんんんッ!!」
言乃木「雑魚だと……!!」
首括「取り合う必要はない……」
首括「どうせ強制シャットダウンを発動すれば、その女はこの『狂った世界』もろとも終わりなんだ」
狂った世界もろとも……?
743 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:22:58.30 ID:1R01unjj0
夏目「……なあ、ちょっといいか?」
夏目「そもそもな話……その強制シャットダウンってのをしたら、俺達はどうなるんだ?」
首括「…………」
首括「安心しろ。悪いようにはしない」
ジョー「そうじゃなくって、もっと具体的に言ってくれよ!!」
するとその問いには御陵が答えてくれた。
御陵「強制シャットダウンをすると、その時点で存在するプログラムすべてが消去されるんだ」
御陵「その女のアルターエゴはもちろん、そこにいるアバターもね……」
足立「俺達も消えるってことか!?」
声伽「それは違うよ。消えるんじゃなくて、ただ“卒業”という正規の手順を通らずにプログラムが終わるだけ……」
夏目「それで外の世界に出ると、どうなるんだ?」
声伽「……新世界プログラムに掛けられる前の状態になるだけだよ」
えっ……?
首括「おい……そこまで言う必要があるのか?」
御陵「でも、彼らも全部知った上でないと納得なんてできっこないよ」
夏目「待ってくれ! それって、もしかして……!!」
↓2
1モノクマメダルを失う
2超高校級の絶望に戻る
3また最初からコロシアイ
745 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/23(金) 23:23:51.26 ID:DcpCjynq0
2
747 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:27:21.65 ID:1R01unjj0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「俺達は超高校級の絶望に戻るってことなのか……!?」
江ノ島「そうよ! “アタシ達”に絶望的に操られ、絶望に絶望していた頃のアンタらにね!」
筆原「そ、そんなっ!?」
足立「それはダメだ……! な、なんとかならないのか!?」
声伽「不安な気持ちはわかるけど、ボクらはキミたちを信じてる」
御陵「だからもう1度、私たちと一緒に戦ってほしいんだ!!」
ジョー「なんだよそれ……? まだ戦えってのか……!?」
声伽「心配しないでいいよ。散々言われただろうけど、ボクらの目的はキミ達を助けること」
声伽「だからここから出た後も、精一杯の助力はさせてもらうよ」
江ノ島「でも未来機関のみなさんって超高校級の絶望を抹殺したがってたみたいだし……」
江ノ島「そんな組織の一員である声伽クン達に言われても信憑性に欠けるっていうかさー」
御陵「大丈夫だよ……外の世界のみんなは洗脳されているだけだから、時間さえ掛ければ絶対に元に戻れる」
江ノ島「あ、洗脳なんて安っぽい言い方はやめてくれませんかね……」
言乃木「だが……そうなるとここでの記憶は無かったことになってしまうんだろう……?」
筆原「そ、そんなの私は嫌ですよぅ!」
江ノ島「嫌でもそれが現実……」
ぴしゃりと江ノ島が言い切った。
748 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:31:55.56 ID:1R01unjj0
江ノ島「ここでの記憶は誰の意にも止まることなく、無意味となって消えていく……」
無意味って……それってアイツのこともだよな?
この世界でしか生きられないアイツのことさえ、俺たちは忘れてしまうってことか?
命がけで俺達を守ってくれた、あの存在まで……?
江ノ島「あ、ちなみに言うと元に戻らないのは記憶だけじゃないよ。影山さんみたいに部位欠損してた場合はそれも戻ら――」
筆原「や、やめてくださいっ!」
ジョー「そんな状態で外に出ろとか……悪い冗談にもほどがあるだろ……」
首括「冗談ではない。これがお前たちの過去なんだ……誰も自分の過去からは逃れられないんだよ」
首括「お前たちも……無論、僕もな」
御陵「…………」
足立「その過去を俺達は知らないんだぞ!?」
首括「知らないからといってそのままにしておく気か!? ここまで来てなお自分に罪が無いと言い逃れできるつもりでいるのか!?」
何か思うところがあるのか、首括はそうして声を荒げて俺達に怒鳴る。
声伽「く、首括クン……気持ちはわかるけど少し落ち着いて」
首括「……ちっ」
江ノ島「あっはっはっは!! さすがは首括クン! そういうところは昔から相変わらずだね!!」
そうして江ノ島がバカみたいに大声で笑っていると、悔しそうに下を向いていた首括が途端ににやりと笑った。
首括「……墓穴を掘ったな?」
夏目「墓穴……?」
首括「今ので確信したよ。お前、江ノ島盾子じゃないだろう」
749 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:37:45.48 ID:1R01unjj0
ジョー「は……!?」
御陵「じゃあ、やっぱり……?」
言乃木「おい! アンタらだけで納得してるんじゃないよ! アタシらにも説明してくれ!!」
言乃木が声を大にして叫ぶと、まず御陵が説明をしてくれた。
御陵「……そもそもさ、江ノ島盾子はあくまで希望ヶ峰学園に入学する予定だったけど学園長の考えでそれを見送られたんだ」
御陵「それはその年に入学予定だった他の生徒にしてもそうだよ。それで、その代わりとして選ばれたのが私たちだったんだ」
声伽「そんな江ノ島盾子がどうして希望ヶ峰学園を壊滅させ、挙句の果てには人類史上最大最悪の絶望的事件なんてものを起こせたのか……それは協力者の存在があったからなんだ」
筆原「協力者……?」
夏目「外部の人間である江ノ島がコロシアイ学園生活をするために、2人の協力者を用意したんだったか?」
首括「そうだ。その2人が僕たちのクラスメイトでもあった……神原陽菜と荒巻凪沙」
首括「この2人は在学中に江ノ島の手によって一時的に超高校級の絶望になってしまっていたんだ」
足立「俺達と一緒ってことか……?」
御陵「だけど、使い捨ての駒として見てなかったのか彼女らも私たちと同じように記憶を消されて、コロシアイ学園生活をすることになった……」
夏目「結果として生き残ったのは神原陽菜の方で、荒巻凪沙の方は死んでしまったというわけだな?」
声伽「うん。……そんなときにふとおかしなことが起きたんだ」
おかしなこと……?
声伽「そのコロシアイ学園生活で死んだ人たちはしばらく学園の生物室に安置されていたんだけどね……荒巻さんの死体だけが消えていたんだよ」
筆原「死体が……消えた……?」
751 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:42:45.79 ID:1R01unjj0
首括「同時に、江ノ島盾子の死体もな」
首括「……超高校級の絶望で幹部的役割をしていたであろう人間は2人は確定している。江ノ島盾子と、その姉の戦刃むくろ」
御陵「だけど、もし荒巻凪沙も当時幹部的役割をしていたら? それで、絶望の残党に死体を漁られたとしたら……」
声伽「ま、これはあくまで憶測でしかないけどさ。今までのキミの言葉を聞いていたら納得がいったよ」
声伽「夏目クン達を操ったのが“アタシ”ではなく“アタシたち”という言い方。それにさっき首括クンに対してまるで昔馴染みみたいな言い方をしたのもそうだ」
夏目「実際に昔馴染みだったから……?」
言乃木「じゃあこの女は本当に江ノ島盾子じゃなく……!?」
すると不意に江ノ島が笑った。
江ノ島「あーあ……バレちゃったかぁ」
ジョー「バレたってことは……!!」
ジョーがそう呻くと、江ノ島はいったん姿を消し……江ノ島の代わりに、見たことのない短髪の女が現れた。
荒巻「そうでしたー! アンタらにコロシアイを強いたのは江ノ島様じゃなくてこの荒巻凪沙だったんでーす!!」
なっ……!?
752 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/23(金) 23:45:35.37 ID:1R01unjj0
荒巻「ねぇ、どう? こんな最終局面でラスボスが実は別人でしたーってオチ!」
筆原「そんなことどうでもいいですよ……!」
筆原「っていうか! 今の話だとあなたも死んでるはずじゃあ……!」
足立「江ノ島盾子同様、生前に自分のアルターエゴを作っておいたってところか?」
荒巻「っていうか、その技術を盗んだのもアタシなんだけどねー」
荒巻「ほら、江ノ島様は学園長のせいで外部の人間になっちゃったわけだし、技術を盗もうにもそれには内部の人間の協力も必要なわけじゃん?」
首括「……そうして在学中に僕の技術を盗んだってわけだな?」
荒巻「そういうことー!」
言乃木「なんだい、次から次へとおかしなことばっかり起きて……!!」
荒巻「っていうか御陵さんたちは今どんな気持ち!? こうして懐かしのクラスメイトにまた再会できてさ!!」
御陵「どうって……」
御陵「別になんとも?」
え……?
768 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 17:56:56.96 ID:LkTmqXKv0
声伽「キミはあくまで超高校級の絶望に染まっていた荒巻さんのアルターエゴ……」
声伽「でもボクらの中での荒巻さんはあのコロシアイ学園生活で一緒に生きた……そして、入学時のみんなのお姉さん的存在だった荒巻さんだけだ」
首括「どうやらお前はここで僕らに精神的ダメージを期待していたみたいだが……」
首括「残念だったな。その目論みも無駄に終わったようだ」
荒巻「え、えー!? そんな! それがクラスメイトに言う言葉なの!?」
御陵「だから言ってるでしょう? 私たちはあなたを荒巻さんと見ていない」
御陵「だからそんな揺さぶりは無駄だよ!」
荒巻「そ、そんな……なんて絶望的……!!」
首括「さて、勝手に絶望しているその女は放っておいてさっさと強制シャットダウンを押すぞ」
荒巻「なら……最後におさらいしておかないとね……」
荒巻「えっと、強制シャットダウンをするとみんなは超高校級の絶望に戻り、さらに死んだ人たちも生き返ることはありません……」
荒巻「ですが! アタシという存在はこの中に封印されるので世界の状況の悪化は免れるってわけだね!」
荒巻「ちなみに言っておくともう片方の新世界プログラムには江ノ島様が直々に行ってるから……もしこっちが強制シャットダウンをしてもあっちが卒業をすればあんまり意味はないんだけどね」
荒巻「さてと! アタシの絶望が勝つのか、未来機関の希望が勝つのか!」
声伽「……まるでゲームのような言い方だね?」
荒巻「実際ゲームだからね。だからこそ、前いなかった脇役はそのまま今回も雑魚役になってるんだし?」
言乃木「雑魚って……また言ったな……!!」
荒巻「だって本当のことだし! っていうかそもそもあのコロシアイ修学旅行だってみんなじゃなくて未来機関に見せるための物だったしね!!」
荒巻「……あっ! 言っちゃった!!」
769 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:01:02.17 ID:LkTmqXKv0
足立「未来機関に見せるためだって……?」
夏目「コロシアイ学園生活同様、あの監視カメラを使ってそれを未来機関に見せていたってことか?」
言乃木「……なに?」
筆原「ええっ!? どうしましょう……油断してとんでもない姿をしていたかもしれません!!」
声伽「あはは……」
ジョー「おい! そこは否定してやるべきところだろ!! 苦笑いしてたら肯定してるようにしか聞こえないぞ!!」
御陵「大丈夫だよ。声伽はすぐに見ないようにしてくれてたし……」
御陵「首括は、それどころじゃなかったからね」
首括「…………」
何があったっていうんだ……?
足立「だ、だが! それならもっと早く来てくれてもよかったじゃないか!」
首括「そうしたかったが、新世界プログラムはその時点で外部からの命令をすべて無効にしてしまうようになっていたんだ」
首括「最後の手段として、電源自体を落としてしまうこともできたが……」
声伽「そんなことをしてキミ達が無事でいられる確証もなかったしね……」
荒巻「あー、まあそうだよね。前に自分たちの身に起きたことで次々に人が死んでいったら……」
荒巻「なんとかするぞ! っていうのが正しい希望のあり方だもんね!!」
夏目「まさか……それだけのためにあんなことをしたっていうんじゃないだろうな……」
荒巻「もちろん、それだけのためにあんなことをしたんだよ?」
まるでそれが当然であるかのようにそう言い切る荒巻。
770 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:02:51.47 ID:LkTmqXKv0
荒巻「それがアンタらの存在意義ってわけ。仕掛け役・背景でしかないのがアンタらってわけ!」
荒巻「でもそれを知っててアンタらもこの世界に入ってきたんだよね?」
筆原「待ってください! それだとまるで……!」
荒巻「『自分から望んでこの世界に入ってきたみたいだ』……でもそのとおりなんだから仕方ないんだよね!」
なに……!?
荒巻「きっとアンタらも心の中ではアタシと同じで“希望と絶望の戦いを再開させたかった”んだろうね」
荒巻「ま、アタシがまたこうして江ノ島様と行動しているのは単純に上司に気に入られる部下のタイプだったからかなー」
荒巻「まあこれなら今度こそ御陵さんたちも絶望してくれるよね!? なんたって自分たちが助けに来た人間が今の状況を望んだんだから!!」
足立「勝手に俺達のせいにするなよ!!」
声伽「だから何度も言っているように、ボクらは絶望なんかしないって」
声伽「たとえ全部が罠だったとしても、ボクらはここに来たことを後悔しない……」
首括「それに……お前を止めるにはこれしか方法はないんだ……」
首括「だがどちらにせよこれで終わりだ! 強制シャットダウンで全部を終わらせてやる!」
荒巻「あっはっはっは!! 必死だね首括!!」
荒巻「まあそうだよね! ここで強制シャットダウンできなかったら未来機関はこの世界に閉じ込められるんだから!!」
夏目「閉じ込められるだって……!?」
荒巻「最初に言ったよね? ここから出るための条件だよ」
言乃木「多数決で卒業を選ぶことと……」
あとは……あれか!
↓2
1教師役の最終決定
2クロになって逃げ切る
3モノクマメダルを献上する
772 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 18:07:18.40 ID:UCTIDN7Eo
1
773 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:15:33.01 ID:mArrANXe0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「確か、教師役の最終決定があるんだったな?」
荒巻「そ。夏目君達はともかくとしてアタシが未来機関の卒業を認めるわけがないから……」
荒巻「そうなったら御陵さんと声伽と首括は永遠の南国生活となりまーす!!」
首括「はっ……そんなもの、強制シャットダウンが発動できなかったらの話だろう?」
声伽「でもそれはありえないんだよ」
声伽「だってキミを外に出すとどんな大変なことが起きるか、それはこの場の全員が知ってるからね」
筆原「それはもう……嫌というほどに」
言乃木「あれだけ本人の口から聞かされたらね……」
荒巻「あれれ?」
声伽「調子に乗ってペラペラと自分の思惑を喋るなんて……とんだ小悪党もいたものだね」
御陵「確かに私たちは帰れなくリスクを背負わされたかもしれない……」
御陵「でもそれがどうしたっていうの! 私たちがそんなことで怯むと思ってたら大間違いだからね!!
荒巻「その言葉そのまま返してあげるよ! 強制シャットダウンができると思ってたら大間違いだから!!」
御陵「え……?」
荒巻「そこの雑魚達を買いかぶりすぎじゃない!? そいつらに強制シャットダウンができるわけないっての!!」
夏目「できないって……どうしてだよ!?」
荒巻「そんな風に刺身の盛り合わせになった母親を深夜の夜食に出された鯖みたいな顔をしてるような奴に……」
荒巻「強制シャットダウンで超高校級の絶望に戻るなんてしんどい選択はできっこないない!!」
774 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:16:45.00 ID:mArrANXe0
ジョー「それは……その……」
足立「くそっ……」
言乃木「…………」
御陵「……私は決めたんだ。夏目君達を信じるって」
御陵「確かに以前の彼らは道を誤ったかもしれないけど……それは過去の話だよね?」
御陵「私が信じるのは彼らの“過去”じゃなくて、彼らの“未来”なんだ!!」
荒巻「さっすがは御陵さん! そういう主人公っぽいセリフはお手の物だね!!」
荒巻「だからこそそんな御陵さんを絶望に落とすのが待ち遠しんだけどね!!」
御陵「アンタに何をされようと、私は絶望なんてしないッ!!」
すると荒巻はすっと真顔に戻り、こんなことを言った。
荒巻「あ、違う違う。御陵さんを絶望させるのはアタシじゃなくって……」
荒巻「この後に登場する黒幕その2なんでーす!!」
夏目「黒幕その2……!?」
言乃木「な、なんだいそれ……また誰か来るっていうのかい?」
首括「そんなわけがあるか……! どうせ、ただのハッタリだ!」
荒巻「いやー、ごめんごめん! こんなのって本当はタブーなんだろうけどさ!」
荒巻「でもそれを2回もやるなんて逆に斬新じゃないかな?」
声伽「いい加減にしなよ……さっきから何の話をしているんだ?」
荒巻「じゃあはりきって登場してもらいましょう! シャーンス・クレさんです!!」
シャーンス・クレ……?
それって、聞いたことあるぞ! 確か……
↓2
1フランスの怪盗
2学園の創立者
3未来機関の一員
4教師
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 18:17:55.63 ID:lSAS6ooC0
1
778 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:23:38.55 ID:mArrANXe0
正解!
夏目「これだ……!」!
夏目「確か、フランスを拠点にして活動していた怪盗だったか……?」
言乃木「そんなのが黒幕だなんて、本気で言ってるのかい!?」
荒巻「あ、違う違う。えーっとね、正確にはシャーンス・クレの偽者だよ」
声伽「偽者……?」
荒巻「シャーンス・クレを語るにはカムクライズルのことから話さないといけないんだよね……あー、めんどくさ」
御陵「カムクライズル……確か、学園の創立者で……」
足立「超高校級の希望って呼ばれてる生徒の名前でもあったよな」
筆原「? その2人は同姓同名なんですか?」
ジョー「んな偶然あり得るのか?」
夏目「確かカムクライズルっていうのはあの希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件を引き起こした犯人だって聞いたが……」
荒巻「でも、残念ながらカムクライズルは“あっち”にちゃんといるんだよね。しかも、江ノ島様のアルターエゴを新世界プログラムに仕込んだ張本人でもある!」
御陵「う、嘘だ! カムクライズルがあそこにいたなんてあるわけが……!」
荒巻「日向創君。唯一の予備学科にして何の才能ももってない彼がカムクラなんだよ!」
日向って……確か、もう片方の新世界プログラムに掛けられている奴の名前だったよな?
779 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:24:37.03 ID:mArrANXe0
声伽「……なるほど? 希望育成計画が関係してそうだね」
言乃木「なんだい、その希望育成計画っていうのは……」
声伽「それによると、希望ヶ峰学園は長年に渡って画期的な人材育成計画に取り組んでいたみたいなんだ」
荒巻「育成計画っていうか、要は人工的に天才を作り出す計画だったんだよね」
人工的にって……
ジョー「どういう意味だよ?」
荒巻「そもそもその希望育成計画は希望ヶ峰学園の悲願でもあったの」
荒巻「だから創立者の名前を取って、カムクライズルプロジェクトなんて大それた名前を付けたみたいだけどね」
荒巻「ま、簡単に言えば脳を開いて中身をいじるだけの簡単なお仕事だったんだよね。その分非人道的が過ぎる行為だけど?」
首括「人間の脳をいじって、別人に作り替えたというわけか……」
筆原「非人道すぎますって!!」
荒巻「っていうか、そもそもの話はシャーンス・クレだったよね! じゃ、そっちに話を移すけど……」
荒巻「まず、そのシャーンス・クレは希望育成計画の前段階としての計画で生まれたの」
夏目「前段階としての計画って……」
もしかしなくてもあれのことだよな……
↓2
コトダマを提示しろ!
781 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/24(土) 18:27:20.49 ID:/Fb+YA8Z0
【希望強化計画】
782 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:29:01.97 ID:mArrANXe0
正解!
夏目「これで証明できる……!」!
夏目「それって、希望強化計画のことか?」
首括「希望強化計画だと……?」
荒巻「そもそもな話、希望育成計画ってのは学園の悲願だったわけだけど……」
荒巻「そんな計画が控えていたら普通はその前に練習なりするよね? つまり希望強化計画は希望育成計画の踏み台みたいなものなの」
ジョー「希望強化計画で培った経験を、希望育成計画に活かすってところか……?」
言乃木「だが、さっきの話を聞いた限りだとこの希望強化計画というのも人体実験のようなものだと思うのだが……」
荒巻「ま、そうだね。わかりやすく言うなら希望育成計画が0を1にも2にもする計画なのに対して……」
荒巻「希望強化計画は1+1をしたらどうなるかってことかな」
なんだそれ……そんな言葉で現していいようなことなのか……?
首括「それで、結果の方は……」
荒巻「残念ながら大失敗! 被験者はその超高校級の才能すら失って、すっかり別人になったって話だよ!」
荒巻「そうだよね、夏目君?」
……えっ?
783 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:30:09.31 ID:mArrANXe0
夏目「な、なんだよ……俺がなんだって?」
荒巻「あー、さすがに唐突すぎたかな?」
荒巻「だから! アンタがシャーンス・クレなの!」
…………、
夏目「はあっ!?」
御陵「ちょっと待ってよ! 夏目君がシャーンス・クレだなんて……そんなわけがないでしょ!!」
足立「そうだ! それに、さっきの話だとシャーンス・クレは超高校級の才能を失ってるみたいだが……」
足立「彼は今も超高校級の鍵師としてここに存在しているぞ!」
荒巻「でもそれは入学前のアバターだからでしょ?」
夏目「っ……!?」
荒巻「それにこの話は夏目君が関わってるからこそ、なんていうか絶望的なんだよねー!」
俺が……シャーンス・クレ……?
784 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:30:55.13 ID:mArrANXe0
【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・神原陽菜
・シャーンス・クレ
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・予備学科について
・希望ヶ峰史上最大最悪の事件
・影山のヴィジョン
・江ノ島の協力者
・23040
・苗木誠・御陵書乃へのメール
荒巻「可愛い後輩の夏目君に衝撃の事実を告げよう!」
荒巻「実はキミはシャーンス・クレで、今はもう【超高校級の才能はない】んだよ!」
足立「だから、それはあり得ない!!」
筆原「そうです! 夏目さんがそんなおかしな名前の『怪盗だなんてありえません!』」
荒巻「いや……だから正確にはシャーンス・クレの偽者だって言ってるじゃん……?」
首括「そもそもだ……夏目がシャーンス・クレだという証拠があるというのか?」
声伽「証拠が無いと今のキミの発言は『信用に値しない』ね!」
御陵「そのシャーンス・クレと夏目君に共通点でもあった?」
荒巻「夏目君っていうか……『被験者2人のヒント』があるんだよねー」
言乃木「被験者2人のヒントだと……?」
↓2
論破or同意
785 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 18:39:21.02 ID:19BP+NXXo
シャーンス・クレ→被験者二人のヒント
で同意かな
787 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:46:01.93 ID:eZ5fUUd+0
正解!
夏目「それに賛成だ……」同意!
夏目「シャーンス・クレの名前、か……?」
筆原「名前、ですか……?」
荒巻「そうだよー。そのシャーンス・クレの名前を2つに分けてみてよ」
ジョー「シャーンスと……」
足立「クレ、か……?」
声伽「だけど、それがどうかしたのかな? それが証拠になるとも思えないんだけど」
荒巻「慌てない慌てない! ほら、そうした上で本物が拠点にしていた国を思い浮かべてみてよ! そうすればさすがにわかるんじゃない?」
確か、フランスだったよな……
夏目「!? そ、そういうことか……!!」
言乃木「ちっ……なるほどね、納得がいったよ」
すると俺だけでなく言乃木も納得がいったのか、そんな顔をした。
御陵「ど、どういうことなの!?」
言乃木「……シャーンス・クレを2つに分解して、それぞれの単語をフランス語にするとこうなるんだよ」
言乃木「シャーンスは幸運……そしてクレは鍵」
首括「つまり、被験者2人のそれぞれの才能に由来して名づけられたってことか……?」
荒巻「そう! 希望強化計画によって生まれたシャーンス・クレとは“超高校級の鍵師”である夏目開人君と“超高校級の幸運”である影山詩乃さんの融合体だったのでーす!」
ジョー「なんだそりゃあああああッ!?」
夏目「な、なんで俺がそんな計画に参加しないといけないんだよそもそも!!」
荒巻「自分の才能をより高見へと昇華させるのに必死だったから……」
え……?
788 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:47:54.33 ID:eZ5fUUd+0
荒巻「アタシは知ってるよー? 夏目君、昔はなーんの才能もない凡人だったもんね?」
荒巻「そんなときに見つかった鍵師って才能をずっと誇らしく思っていると同時に、恐れてもいたんだもんね? “この才能が無くなったら俺が俺でなくなる”って!」
夏目「っ……!?」
荒巻「そんなときに学園から“キミの才能をより開花させる計画があるから、協力してくれないか?”って囁かれたんだもんねー!?」
ジョー「だ、だけどよ! そんな計画になんで影山まで参加してたんだよ!?」
荒巻「さっき言ったと思うけど、この計画は計算式で現すと1+1になるわけ」
荒巻「だから夏目君の鍵師としての才能ともう1つ、別の才能が必要だったってわけ!」
筆原「それで選ばれたのが……影山さんの“超高校級の幸運”……?」
声伽「彼らは夏目クンに何をしたっていうの……?」
荒巻「希望育成計画にしてもそうだけど、人工的に人間の才能をどうこうするってよっぽどのことをしない限り無理なわけ」
荒巻「だからよっぽどのことをした……」
荒巻「この希望強化計画でベースの素材となる夏目君の“脳”を直接開いて……そこに影山さんの細胞を埋め込んだ」
足立「な、なんだよそれっ……!?」
荒巻「結果としては大失敗……哀れ夏目君はたった1つ、自分が持っていた唯一の誇りさえも失って……今じゃ夏目開人と影山詩乃の中間くらいの思考回路を持つ人間になってしまった」
荒巻「鍵師としての才能も残ってるかもしれないけど、それだって“鍵師”としての実力でやってるのか“幸運”でたまたまそうなったのか……それすらも判別できない」
荒巻「まあいいんじゃない? 後の希望育成計画にはそのときの失敗が活かされて天才カムクライズルが作られてるんだし」
筆原「じゃ、じゃあここから出たら夏目さんはどうなるんですか?」
荒巻「単純な話、ここから出た夏目君は“超高校級の鍵師”ではなく、希望育成計画の踏み台となってたった1つの誇りさえも失ってしまった“シャーンス・クレ”になってる」
荒巻「それはもはや夏目開人という人間ではなく、別の存在」
荒巻「誇りだった才能を失って、別人のように作り変えられ、才能を持たない予備学科なんかの人間の踏み台として利用された……そんな存在」
言乃木「じゃ、じゃあ強制シャットダウンをしたら夏目は……」
荒巻「消・え・る」
789 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:49:06.14 ID:eZ5fUUd+0
消える……?
俺が、消える……?
荒巻「そこにいるのは誰も望んでない、ただの失敗作としてのシャーンス・クレがいるだけ」
荒巻「たった1つの才能すら失ったそれは、もはや夏目開人ではない」
消える……消える……。
消える消える消える消える消える消える消える消える消える消える。
消える消える消える消える消える消える消える消える消える消える。
◆△▼×○■
シャーンス「いえ、残念ながら“わたしは”知りません」
シャーンス「唯一知ってることと言えば……また“あいつら”がやってくるくらいですかね」
いつかの記憶。
そこにいたのは上下を真っ白な服で包み、影山を印象付けていた赤下フレームの眼鏡をかけている……どこかで見たような顔立ちの男だった。
■×○▼△★
夏目「うわあああああッ!!」
俺はいつの間にか情けないほどに大きな悲鳴を出していた。
筆原「夏目さん!?」
夏目「なんだよ……今のが俺なのか……!?」
夏目「そんなわけないッ! あんなのが、俺なわけ……!!」
荒巻「それがアンタなの! アンタこそがシャーンス・クレなの!」
荒巻「予備学科2356人を集団自殺に追い込み、さらにカムクライズルと組んでこっちの新世界プログラムにアタシを持ち込んだ存在なのよ!!」
790 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:50:52.04 ID:eZ5fUUd+0
言乃木「なにッ……!?」
首括「まさか……2つの新世界プログラムにウイルスを仕込んだのは……カムクライズルと……!!」
夏目「違う……俺じゃない……!!」
荒巻「あ、言っとくと脳内に直接干渉されてるってことは頑張ればどうにかなるってレベルじゃないからね?」
夏目「…………」
な、なら……俺は……
荒巻「『助かる方法はないのか』って言いたげな瞳だね! でもその方法はアンタだって知ってるはずだけど?」
夏目「知ってる……?」
俺は、その方法を知ってるのか……?
↓2
1卒業を押す
2留年を押す
3クロになる
4荒巻に従う
792 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/24(土) 18:55:33.57 ID:KQNnHCZ20
1
793 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:57:27.39 ID:eZ5fUUd+0
正解!
夏目「…………」!
夏目「ああ……なるほどな。普通に卒業を押せばいいだけか……」
御陵「なっ……!?」
荒巻「そうすれば夏目君の記憶は現実に出ても引き継がれるから……」
荒巻「無事に夏目君が夏目君として復活しますね! まさに王道的絶望ハッピー!!」
首括「待て! それはダメだ……!」
御陵「そんなことをしたら、死んだみんなの体が乗っ取られて……!」
荒巻「っていうか、そうしないと未来機関の3人は外に帰ることができなくなるからね!」
荒巻「超高校級の絶望のために犠牲になんかなりたくない……」
荒巻「最初から正直にそう言えばいいじゃない! 素直じゃないなぁ!」
声伽「そうじゃないよ。ボクらはただ……」
荒巻「世界を絶望から救わないといけないって? はいはい綺麗事はいいから!」
荒巻「でも、夏目君達の立場になって考えてみなよ。今の状況って要するに“自分たちが積み重ねたこの世界での仲間との記憶・友情・愛情を全部無かったことにしてさらに超高校級の絶望に戻れ”って言われてるのと同義なんだよ?」
荒巻「それは何のためにやるの? 顔すら知らない人のため? 感謝もしてくれない人たちのため?」
荒巻「それって……本当に“希望”なの?」
夏目「…………」
…………。
794 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 18:58:32.24 ID:eZ5fUUd+0
御陵「みんな! 惑わされちゃダメだよ! それがこの女のやり方なんだ!」
声伽「コイツはそうやってみんなを絶望に引き寄せようとしている……!」
首括「その女の戯言に耳を貸す必要はない! それより強制シャットダウンを……!!」
足立「ちょっと待ってくれ!」
首括「……なんだ、何故待つ必要がある?」
首括「この女を外に出したらどうなるか、まだわからないのか!?」
足立「あ、いや……俺は……」
首括「超高校級の絶望が引き起こした人類史上最大最悪の絶望的事件で、どれだけの人間が犠牲になったと思っている!?」
声伽「今ようやく、その事件が沈静化されつつある……」
声伽「そんな状況でこの女が外に出たら、また世界は混乱に陥ってしまうんだ」
荒巻「だから、自分を犠牲にして超高校級の絶望に戻れと」
荒巻「中には存在そのものが消える人もいるけど、我慢して強制シャットダウンをしろと」
夏目「……………………」
首括「だが……現時点ではそれしか方法がないんだ……!」
荒巻「いやいや、方法ならあるってば!」
荒巻「普通に卒業をすれば夏目君だってそのままの状態になるし……少なくともこの場のみんなはハッピーエンド確定だよね?」
荒巻「死んだ人たちだってただ眠ったままよりはずっとマシだと思うけど?」
夏目「……………………」
御陵「みんな……よく考えて欲しいんだ! どっちが本物の“希望”なのか……!」
荒巻「どっちが本物の“絶望”なのかもね!!」
…………。
筆原「あ、あの……どうしましょう……?」
足立「どうするって、言われても……」
ジョー「オレらにそれを選べっていうのか……!?」
言乃木「クソッ……なんでこんなことになってるんだい……!?」
795 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:00:58.30 ID:eZ5fUUd+0
【ノン☆×ップ●論 開w!】
コトダマ
・強制シャットダウン
御陵「絶望を乗り越えたみんななら……」
御陵「本物の【希望】が掴みとれるはずだよ!!」
筆原「ここでの記憶を失ったら……」
筆原「ここで感じた全部の感情はもちろんのこと……」
筆原「死んだみなさんのことすら、覚えていられなくなるんですよね……?」
首括「死んだ仲間の体を奪われてもいいのか!?」
足立「だが……ここで俺達だけ助かっても、みんなはそれを許してくれるのか……?」
ジョー「未来機関は超高校級の絶望を始末しようとしてるんだろ!?」
ジョー「そんな組織に行ったら殺されまうって!!」
声伽「ボクらがそんなことをさせやしない……」
言乃木「そもそも……アンタら未来機関がアタシらを閉じ込めたりしなければ……」
言乃木「こんなことにはならなかったんじゃないのかい!?」
首括「お前たちを救うためだろう!!」
声伽「ここでこの女を外に出してしまったら……」
声伽「また大勢の犠牲が生まれるんだよ!?」
筆原「それは……そうですけど……」
言乃木「そんなに簡単に割り切れるわけがないだろう……!!」
荒巻「互いの希望がぶつかり合うなんて……」
荒巻「【絶望】以外の何物でもないね!!」
↓★
●☆w1△×しx!
796 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:05:26.07 ID:eZ5fUUd+0
……卒業か、強制シャットダウンか。
希望か、絶望か。
世界か、自分か。
それを選べって……?
なんでだよ……? なんで、選ばないといけないんだよ……?
797 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:06:47.63 ID:eZ5fUUd+0
夏目「……ダメだ」
御陵「え? ダメって……何が?」
夏目「俺には……選べない……」
夏目「世界が滅ぶだの、自分を犠牲にしろだの言われても……そんなの俺に選べるわけないだろ……」
御陵「な、夏目君!?」
夏目「うるさいッ! 放っておいてくれッ!!」
夏目「そもそも……こんなの意味がわからないっての……」
夏目「ここから出たら俺はシャーンス・クレ? それは別人の存在でしかない?」
夏目「だから強制シャットダウンをしたら俺は消える?」
夏目「何言ってるんだよ、意味わかんねぇっての」
ジョー「こんなの……どうしろっていうんだよ……」
筆原「私たちは……まだ犠牲を払わないといけないんですか……?」
足立「こんな責任……俺達に背負えるわけないだろ……」
言乃木「アタシらの手に負えるわけないだろう……」
798 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:08:21.47 ID:eZ5fUUd+0
声伽「みんな!? しっかりするんだ!!」
夏目「だから無理なんだって言ってるだろ!?」
夏目「俺には……選べないんだよ。未来なんて……開けないんだよ」
夏目「希望だの絶望だの……勝手にやっててくれ……俺には関係ない!」
御陵「そ、んな……!?」
真っ黒になりかけている視界の隅で、青ざめた御陵の顔が見えた気がした。
荒巻「そして答えは出ない……と。あーあ、やっぱり江ノ島様の思ってたとおりになっちゃったかぁ」
荒巻「ま、いいと思うよ? 未来を選ばないって選択肢も、アタシ的にはありだと思うし」
荒巻「それならみんなでこの南国生活をずっと続けるってのもいいかもしれないね」
荒巻「ずっと、ずっと……」
799 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:09:46.85 ID:eZ5fUUd+0
■○×△▼
【●×w□▼論 5△x!】
コトダマ
・虚無
ウサミ「よーし! ゲームリセットでちゅねー!」
影山「こうして世界はループしていくんですね……」
湯川「【永遠に続くゲーム】ですかぁ……」
足立「しばらく羽を休めるのも、悪くないかもしれないな」
筆原「ふふ……そうですね!」
言乃木「これで荒巻も消えたことだし……」
砂射「1つ、パーティーでもするか?」
ジョー「パーティーとなっちゃあオレの出番だな! 任せとけ!」
甘露寺「スイーツなら、俺が用意してやろう」
棋儀「なら最咲と湯川にはデュエットでも披露してもらおうか」
最咲「もちろん、構いませんよ!」
姶良「ステージ衣装はわたしに任せてよ!」
雪咲「なら、その写真は僕が撮ってやろう」
五十隅「わ〜! 本格的なパーティーだぁ〜!」
兎呑「はっはっは。これは俄然楽しみになってきたな」
正道「久しぶりに心躍る一夜になりそうだ……」
夏目「ああ、そうだな!」
湯川「違いますよ……」
湯川「みなさんは【ゲームなんかじゃありません】よ……」
↓2
どうぞ
801 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 19:14:33.53 ID:wCuoZIZvo
【永遠に続くゲーム】←【ゲームなんかじゃありません】
802 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:19:36.86 ID:eZ5fUUd+0
正解!
夏目「こんな世界……!」論破!
□●×△▼
湯川「…………」
夏目「湯川……? お前、なんでここに……?」
湯川「なんで、でしょうかね?」
夏目「……ま、なんだっていいさ。それよりも、聞いてくれ」
夏目「今さ……いきなり、世界が滅ぶだとか自分を犠牲にしろだとか言われてるんだ」
夏目「おかしいと思わないか? そんなのを……もう、鍵師でもなんでもない俺に選べって言ってるんだぞ?」
湯川「…………」
夏目「湯川だって、嫌だよな? この世界でしか生きられないのに、ここでの記憶を俺達が失ったら……それって、湯川も本当の意味で消えるんだもんな?」
すると湯川は首を振って、こう答えた。
湯川「消えませんよ」
夏目「え……?」
湯川「存在が消えても……記憶が消えても……私は消えませんよ」
湯川「夏目さん達が、みんなで作った未来を進んでくれるのなら……私は消えません」
湯川「だって、私の仲間達がそこにいるんですから……」
夏目「なんだよ、それ……?」
湯川「夏目さんは、怖いんですよね?」
湯川「記憶を失うのも……自分が自分でなくなるのも……何もかもが」
夏目「…………」
803 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:20:25.95 ID:eZ5fUUd+0
夏目「ああ……怖いよ。怖いに決まってるじゃないか!」
夏目「たった1つの自分らしさを失ったら……俺はどうなるんだよ!? 俺は……俺でなくなるんだぞ……!」
夏目「そんなのッ! 嫌に決まってるだろ!?」
湯川「……1つ疑問なんですけど、才能を持つことだけが夏目さんのすべてなんですか?」
湯川「私は違うと思います。夏目さんの本当のゴールは……才能があろうとなかろうと、自分を信じてあげることじゃないですか?」
夏目「そんなの……わからない……」
湯川「それなら……“みなさん”から話を聞きましょう? そうすれば、少しはわかるはずです」
みなさん……?
俺がその言い回しに疑問を感じていると、湯川の隣に誰かが姿を現した。
見たことのない顔だけど……
???「あなたとは初めましてだね。私は七海千秋……こっちとは違う、もう1つの新世界プログラムに送り込まれた管理者だよ」
夏目「そんなのが、どうしてここに……?」
七海「ほんの少し、あなた達を助けるお手伝いをしたくて……」
湯川「今から私と千秋さんで“みなさん”に会わせてあげますから……話を聞いてあげてください」
どういう意味だ、と俺が問う前に視界が真っ白に光り……すると、湯川と七海が消え、代わりに見知った顔ぶれが姿を現していた。
804 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:21:37.91 ID:eZ5fUUd+0
夏目「甘露寺……棋儀……」
まずは甘露寺と棋儀。もう何日ぶりかというくらい久々に見るその顔は、何も変わっていなかった。
棋儀「だいたいの話は聞いていた。どうやら大変なことになっているみたいだが……」
棋儀「1つ言ってやるとしたら、お前は今荒巻とやらに王手をかけられている状態だ」
棋儀「だがこれはゲームでもなければ将棋でもない。王手をかけられているからといって諦めるのは早計だぞ」
棋儀「答えが出ないのなら、考えろ。考えて、考えて、考えて……」
棋儀「そして出た答えに恥じないよう、行動しろ。それが今お前に出来る最善手だと俺は思う」
甘露寺「自分の才能が消えている、か……確かにそれは由々しき事態だな」
甘露寺「だが、それでお前は現実から目を背ける気か? それがお前の……夏目開人のプライドなのか?」
甘露寺「俺だったらそうだな……俺をこんな目に遭わした相手に一矢報いろうとするな」
甘露寺「それが、自分自身が持っていた才能への礼儀だと思う」
2人が消え、今度は3人現れる。
それは雪咲と五十隅、それと姶良だった。
805 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:22:40.46 ID:eZ5fUUd+0
五十隅「夏目君! 今夏目君はとんでもないくらい気持ちが後ろを向いているから、私がおまじないを教えてあげるよ!」
五十隅「それは前向きマジック! 両手を握って『よーっし!』って言うの!」
五十隅「ほら、そうするとどんな気持ちもたちまちポジティブに!」
五十隅「だからほら! 夏目君も頑張って! 応援してるよ!」
姶良「……わたしも、応援してるよ」
姶良「もうわたしの作った服を着てもらうって約束は果たせないみたいだけどさ、それならそれでもいいから、わたしは夏目君達に生きててもらいたい」
姶良「ゲームの世界に閉じこもるんじゃなくて、どんなに辛くてもこの現実をしっかり生きててもらいたい!」
雪咲「ちっ……僕は今最高にイラついている」
雪咲「あんな誰かもわからないような女にいいように扱われていたという事実にな」
雪咲「だから夏目! お前は僕の分まであの女に一矢報いるんだ!」
次に現れたのは最咲と兎呑だった。
最咲「私が夏目さんにしたことは決して許されることじゃあありません……」
最咲「でも、それでも私の意見をいっていいと仰るのなら、言います」
最咲「夏目さんには、みなさんを導いてもらいたいです」
最咲「私が好きになった夏目開人さんのままであってほしいです!」
兎呑「前も言ったけど、私が好きになったのは夏目開人なんだ」
兎呑「そこに鍵師がどうとかは存在しない」
兎呑「だから、もしそんなくだらない理由で逃げたままでいるようなら……私は夏目君を軽蔑するかもしれない」
兎呑「……それは嫌だから、そんなことはさせないでくれよ?」
次は正道と、砂射だった。
806 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:23:42.31 ID:eZ5fUUd+0
正道「……今さら何も言うことはないが、俺も同じ気持ちだ」
正道「逃げているだけじゃ何も変わらない。どんな困難が待っていようが、前に進むことでしか未来は得られない」
正道「それならお前は前に進むべきだと、俺は思うぞ……」
砂射「戦場に身を置いてきた俺ですら、今の状況は最悪だとは思う」
砂射「だが、それで諦める夏目ではないとも思っているぞ?」
砂射「俺の考えが正しいことを、願っているからな……」
そして最後に、影山とウサミが現れた。
影山「……私、思ったんです。今度は……夏目さん達を信じてみようって」
影山「本当に夏目さん達を愛するのなら……夏目さん達がまた希望に戻ってくれるよう、信じてみようって」
影山「今まで私がやったことは謝っても許されることじゃありませんが……すいませんでした」
影山「あと……書乃お姉ちゃんに1つ伝言をお願いします」
影山「私はもう……書乃お姉ちゃんを恨んだり嫉妬するのはやめますって」
ウサミ「先生、前に言いまちたよね」
ウサミ「英雄になる必要なんかない。無理に誰かに認められようとしなくたっていいって」
ウサミ「その言葉をもう1度、夏目君に思い出してほしいんでちゅ」
ウサミ「そして、わかってほしいんでちゅ」
ウサミ「あちしや他のミナサンは、才能とか関係なしに夏目君のことが大好きだってことに……」
807 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:24:45.37 ID:eZ5fUUd+0
…………。
湯川「これがみなさんの気持ちなんです……夏目さんの仲間のみなさんの、気持ちなんです」
湯川「その先にある未来にどんなことが待っていても、それがみなさんで作った未来なら……私は進んでほしいです」
湯川「絶望に閉ざされていても、それをこじ開けてもらいたいです」
湯川「それが、最後に私の願いです……」
そう言い残して湯川が……そして湯川に力を貸していたであろう七海が消える。
俺は……オレ、は――
808 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:25:46.00 ID:eZ5fUUd+0
□■□■□
御陵「希望を失っちゃダメだ!」
筆原「ここでの記憶が消えたら……」
筆原「私はみなさんが死んだことも、この中にある愛情さえも……」
筆原「覚えておくことすらできない……」
声伽「世界から絶望を無くさないと……」
声伽「悲劇は永遠に繰り返されるんだよ!」
足立「みんなを裏切ることはできない……」
ジョー「オレらが超高校級の絶望に戻ったら……」
ジョー「未来機関に殺されるかもしれないんだろ……?」
首括「絶望に堕ちたお前達にも責任はあるんだ……!」
言乃木「アタシらの責任……?」
言乃木「未来機関の責任の間違いじゃないのかい……?」
荒巻「どちらも希望でどちらも絶望!」
荒巻「【こりゃあ結論なんて永遠に出ないかもねー!!】」
夏目「それは違うな!」論破!
809 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:26:54.01 ID:eZ5fUUd+0
夏目「確かに……きっと希望だけじゃなくて、絶望だってあるかもしれないけど……」
夏目「それがどうした! 俺達の進むべき道がそこにあるのなら、俺達はそれを進むだけだ!」
夏目「もう逃げないぞ……俺は、現実から目を背けたりしない!」
荒巻「……は?」
荒巻「え? ちょ、アンタ誰……? まさか、シャーンス・クレ!?」
夏目「……俺の名前は夏目開人だ。これまでも……そして――」
夏目「――これからも!」
810 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:28:08.76 ID:eZ5fUUd+0
【反論ショーダウン 開始!】
コトダマ
・未来
荒巻「希望を求めるから絶望する!」
荒巻「絶望するから希望を求める!」
荒巻「こんなくだらないループ、いつまでする気なの!?」
荒巻「無理に選ぶ必要なんかないっての!」
荒巻「目を塞げ! 耳を閉じろ! 口を噤んでいろ!」
荒巻「そうすればこのゲームは永遠に続く!」
荒巻「それが嫌なら電源をオフっちゃえばいいんだよ!!」
荒巻「【絶望的な未来なんて……見なくてもいいんだよ……】」
夏目「もう逃げたり……しない!」論破!
811 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:29:11.65 ID:eZ5fUUd+0
【パニックトークアクション 開始!】
コトダマ
・未来
荒巻「アンタはただの凡人になり下がった!」
荒巻「たった1つ誇りに思っていた才能すらも失って! 学園に利用されて!」
荒巻「絶望してるでしょ? 希望を求めた結果がこれで絶望してるでしょ?」
荒巻「それならアタシに従うしかないんだよ! そうすることでしかアンタが生きられる道はない!」
荒巻「【アンタらの未来は絶望に閉ざされているんだよぉおおおおおッ!】」
↓5まで
正しい順番に並び変えてください
さらにセリフもあれば直後の展開で採用されるかも
その未
来解 てやる!
錠し
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 19:30:17.72 ID:pFPv7q2DO
その未来解錠してやる!
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 19:32:08.04 ID:49TFJjUx0
こんな俺を後押ししてくれたみんなと俺自身の、その想いをもって…!
その未来解錠してやる!
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 19:33:23.54 ID:MQm6bg12o
絶望に閉ざされているというなら、その扉を開けて出て行くまで!なぜなら俺は鍵師だから!
その未来解錠してやる!
815 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 2014/05/24(土) 19:36:22.95 ID:YUJy/zleo
その未来解錠してやる!
816 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga] 2014/05/24(土) 19:38:39.65 ID:/Fb+YA8Z0
その未来解錠してやる!
819 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:45:29.39 ID:cVsqiIZX0
正解!
夏目「その未来……解錠してやる!」Break!
夏目「みんな……強制シャットダウンをするぞ」
言乃木「な、何を言って……」
ジョー「お前! わかってるのか!? ここで強制シャットダウンをしたらオレたちは……!」
夏目「それがなんだっていうんだ……」
夏目「確かにどんなことが起きるかはわからないけど、それでも……」
夏目「それが俺達の進むべき道なら、進むしかない! 未来が閉ざされているんなら、俺達の手で開ければいいんだ!」
夏目「背中を押してくれた人たちの思いを胸にして、な!」
荒巻「そんなの……何もかも失ったアンタにできるわけが……」
夏目「未来を開けるのに必要なのは才能なんかじゃない……」
夏目「自分を信じること……! そして、仲間を信じることだけなんだ!!」
荒巻「そ、そんな強がりしたところで……どうせここから出たら全部忘れちゃうだけじゃん……」
すると、こんな声が聞こえてきた。
足立「……この2つのボタンを同時に押せばいいんだったっけ?」
荒巻「は?」
820 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:47:29.09 ID:cVsqiIZX0
足立「……よく考えてもみたら、何も迷うことじゃなかったんだよな」
足立「俺のこの足はみんなと前に進むためにある。どんな未来でも、一緒に進むためにあるんだ」
足立「それなら、迷うことなんて何もない」
足立「それに……夏目君がそう言うなら俺も一緒に行くよ」
足立「親友を支えるのが……俺の役目だからな!」
821 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:50:02.33 ID:cVsqiIZX0
筆原「確かに、ここから出たら全部忘れちゃうかもしれません……」
筆原「でも、みなさんとの絆はこの胸に残ると思います」
筆原「それは楽しいことばかりじゃなかったかもしれません。嫌なことだってあったかもしれないです」
筆原「ですが、それら全部をひっくるめてみなさんの絆なんです! それは絶対に私たちの胸に刻まれます!」
筆原「それなら……もう、私は迷いません!」
822 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:52:10.00 ID:cVsqiIZX0
言乃木「……アタシは今までずっと、1人だった。どんな未来も、1人で歩んできた」
言乃木「でも、これから先に広がる未来がアタシだけでなく……アタシ達全員で作った未来なら……止まる余地はないね」
言乃木「誰かと創った未来……たぶん、アタシがずっと昔から欲しがってたものだ」
言乃木「それが今目の前にあるんなら、アタシは止まらないよ」
言乃木「それくらい、コイツらとの未来はアタシにとって楽しみなものになっちまったんだ!」
823 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:54:25.38 ID:cVsqiIZX0
ジョー「オレも、ようやく気づけたぜ」
ジョー「コイツらとなら、ありのままの自分でいられる。オレがオレでいられる……」
ジョー「無駄に自分を着飾ったりする必要のない……本当のオレでいられる」
ジョー「これも、オレが昔から探してたものかもな」
ジョー「……へへっ。だったら、この居場所を捨てる理由が無いよなァ!!」
824 :
◆3RS0Ar30bE[saga] 2014/05/24(土) 19:55:55.66 ID:cVsqiIZX0
荒巻「なによそれ……!? 意味わかんない……!!」
荒巻「なんなのよぉおおおおおッ!?」
御陵「夏目君……それに、みんなも」
御陵「ありがとう」
夏目「……お礼を言う相手は、俺達じゃないぞ」
御陵「え?」
夏目「あと、伝言だ。……『もう、書乃お姉ちゃんを憎んだり嫉妬したりするのはやめる』……ってさ」
御陵「っ!? ……そっか……」
御陵「私もようやく、救われたのかな……」
学 級 裁 判
閉廷!!
→
裁判終了 【元スレ】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る6【安価進行】