オリロンパwiki - 神名ロンパ チャプター4 (非)日常編
5 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:37:31.16 ID:5UDEEJrEO











産まれたばかりの赤ちゃんって、どうして皆が祝福するんだろう?

それって、きっとその赤ちゃんは何にでもなれる『可能性』の塊だからなんじゃないかって思うんだ

善にも悪にも希望にも絶望にもなれる、そんな存在。夢を現実にするか幻にするかも決められる存在

だけど、大人になるとその可能性は全て失う。周りや自分で道を造って、自然とそこへ動いていくから

……それって、成長って呼べるのかな?




6 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:38:00.22 ID:5UDEEJrEO

――『食堂』――




黒城「……………………」

福島「……………………」

坂東「……………………」

クロエ「……………………」

藤山「……………………」

神名「……………………」




裁判から一夜明け、重苦しい空気の中で私達は顔を見合わせています

いつもはケラケラと笑っている黒城さんや、クールなクロエさんすらその顔を沈めて俯いています

坂東くんや福島さん、藤山くんも、皆同じようにしかめっ面。そして、ここに居ない二人の仲間……



鈴木「……全員、揃ってくれているな?」

鈴木「ただいまより……菊名くんの処遇を決める会議を、執り行いたいと思う!」





7 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:38:33.20 ID:5UDEEJrEO









【CHAPTER4】
  涙知らずのロスチャイルド











8 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:39:37.98 ID:5UDEEJrEO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『昨日  裁判場』――




坂東「……………………は?」

モノクマ「いやはあじゃないよ!菊名クンが僕の味方である内通者なの!」

モノクマ「そうだよね!菊名クン!」

菊名「……………………あ…………」




守矢「……本当なのですか?菊名殿……」

クロエ「無駄な沈黙は肯定として受け取られるわよ」

鈴木「ど、どうなんだ!菊名くん!?」

坂東「お、オイ……そんな訳ねぇよな?いきなりそんな事言われて混乱してるだけなんだろ?」

菊名「ち……違っ…………こんな…………」




9 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:40:21.01 ID:5UDEEJrEO








菊名「こんなっ………!はずじゃ……っ!」



神名「…………えっ?」








10 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:41:10.53 ID:5UDEEJrEO


神名「それって……認めるんですか……?」

神名「自分が”裏切者”だって……!」

菊名「あっ、う、うぅ………………」

藤山「お前……!どういう事だよ!今まで俺達を騙してきたってのか!?」

黒城「アンタが裏切者だったのね!?さんざんアタシ達を騙してきたツケを払って貰おうじゃない!」

神名「ふ、二人とも!もう止めてください!」

藤山「何言ってんだ!こいつのせいで何人死んじまったと思ってるんだよ!」

黒城「コイツが黒幕の仲間だってんならアタシ達の敵よ!ボッコボコのギッタギタにしてやるわ!」

守矢「……藤山殿と黒城殿程ではありませぬが、小生もお二方と同意見ですな」

守矢「小生は守衛として、目に見える驚異は排除せねばならぬ故……」

神名「驚異って……そんな……!」

皆が菊名くんを敵視して、どこか嫌な雰囲気が裁判場に漂っていきます

モノクマさんの提示した情報は、私達をいがみ合わせ、争わせるには充分過ぎて…




11 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:42:03.77 ID:5UDEEJrEO


坂東「……止めろ」

藤山「菊名!テメェ何か言いやがれ!」

黒城「この人でなし!アンタなんて儀式の生け贄にされちゃえばいいのよ!」

守矢「菊名殿、黙っていては何も進みませぬ、出来るなら早めに自白するのをお勧めしますが……」

鈴木「き、菊名くん…………」





坂東「止めろッつってんだよッ!!」








12 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:42:35.46 ID:5UDEEJrEO

坂東「菊名ッ!こっちに来い!」

菊名「えっ?あ、うん……」

藤山「坂東!お前、そいつを庇うってのか!?」

藤山「こいつらに殺されてった奴等を…忘れちまったのかよ!」

坂東「忘れるワケねーだろッ!!」

坂東「俺はゼッテーに忘れねぇ……小田切も、江野森も、糸長も、千里山も……」

坂東「黒崎も!射和も!夜桜だって忘れねぇ!全員絶対に覚えてるぜ!」

藤山「だったら……!菊名はそいつらの仇だ!俺達の敵なんだよ!」

坂東「そんなの関係ねぇよ!」

藤山「なっ…………!」






坂東「俺はな……気に入らねえんだよ……」

坂東「自分よりも弱いヤツを!よってたかって殴るなんて最低な事をな!!」

坂東「お前ら恥ずかしくねーのかよ!女相手に責め立ててよ!どうして何か事情があったと思わねえんだよ!」




菊名「…………っ」




13 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:43:10.02 ID:5UDEEJrEO

守矢「……ですが、例え何らかの事情があれど小生らを影で裏切っていたのは事実であります」

守矢「故に、そう簡単には警戒を解く事は出来ませぬな」

坂東「へっ!勝手に言ってろよ!俺が菊名の味方になってやるからな!」

黒城「何よアンタ……もしかして、菊名の事好きなの?趣味悪っ」

坂東「違えよ!単に見捨てらんねーってだけだからな!?」

神名「そうですよ、菊名さんだって私達の仲間なんです。それを今更切り捨てるなんて出来ません」

鈴木「ならば、僕から提案なんだが明日会議を開かないか?」

鈴木「そこで菊名くんの処遇について話し合おう、今は学級裁判後でそれどころじゃないしな」

藤山「…………わーったよ」

神名「そうですね。今はそれがいいと思います」

黒城「フン!命拾いしたわね、この水商売女!」

黒城さんが忌々しげに呟いて、菊名さんの肩に触れた瞬間




菊名「!?うああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」




菊名さんは今までの何倍も怯えて、裁判場から出ていってしまいました……




14 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:43:41.02 ID:5UDEEJrEO

坂東「!?どうしたんだよ菊名!?」

藤山「黒城…お前なんかしたか?」

黒城「してないわよ!ああやって大袈裟に叫んで、か弱いアピールしてるだけなんだから!」

福島「本当にそうかなー?」

鈴木「だが弱ったな…誰かに菊名くんの見張りを頼もうと思ったのだが……」

守矢「ならば小生が担当致しましょう。慣れていますからな」

鈴木「おお!それは頼もしい!では守矢くんに頼もうか!」

鈴木「それでは明日!食堂で会おう!」

神名「はい、わかりました」







モノクマ「うぷぷぷ……か弱い女、ねぇ」

坂東「あ?何か言ったかテメェ!」

モノクマ「いやいや何でもないよ!それじゃあ四階は解放しておくからねー!」




15 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 18:44:09.17 ID:5UDEEJrEO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


坂東「……っつーかよ、菊名は呼ばなくていいのかよ?」

福島「そういえば藤右衛門にーちゃんもいないねー?」

鈴木「うむ、彼女には守矢くんが見張りをつけている。これでそう簡単には逃げ出せないな!」

坂東「逃げ出すって……!テメェ!菊名がそんな事する様なヤツに見えてたってのか!?」

藤山「そんな事する様なってか……してたんだよ、隠れて俺らを裏切ってやがったじゃねえか」

福島「戒にーちゃん、顔が怖いよ……」

クロエ「でも、感情論を抜いて考えると菊名の存在は私達にとっても極めて厄介なのよ」

クロエ「私達の共有情報が、黒幕に知られているって事なのだから……」

黒城「あっ!アタシいいこと思いついたわ!アイツをずっと個室にブチ込んでおけばいいのよ!」

神名「監禁は流石にやりすぎでは…?」

黒城「いや!寧ろ甘いわ、甘甘だわ!」

藤山「そうだぜ、菊名にはしっかりと反省してもらわねーとな」

坂東「ざっけんな!そんなのテメェらの横暴だろ!」

坂東「こういう時はな!ちゃんと全員で話を聞くのが一番なんだよ!」

鈴木「き、君たち!しっかり議論を進めるのは嬉しいが、このままじゃ収集がつかなくなるぞ!?」




鈴木「ここは伝統的に多数決だ!全員がちゃんと一人一つに投票するんだぞ!」




どちらに決まった?
1:菊名を監禁し、見張りをつける
2:菊名を解放し、全員で話を聞く
↓1

16 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/11(土) 18:46:03.54 ID:f45RyYwRo


17 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:24:06.70 ID:5UDEEJrEO




鈴木「あー、おほん!厳正なる多数決の結果を発表する!」




鈴木「監禁するを選んだのは藤山くん、黒城くん、クロエくんの三名で……」

鈴木「話を聞くを選んだのは、坂東くん、福島くん、神名くん。そして僕だな!」

鈴木「よって、現時点での菊名くんの処遇は、一時的に身柄を解放し、彼女から話を聞く事に決定したぞ!」

坂東「っしゃあ!」

藤山「くそっ……鈴木が投票すんのは卑怯じゃねーか?」

鈴木「まあ僕を抜くと偶数になってしまうからな。許してくれ」

鈴木「それに、僕個人の意見としても、監禁などとイジメのような真似はしたくないしな」

黒城「ふふふ……後で絶対に後悔するわ。アンタ達は地獄の扉を開いたのよ……」

福島「そんな事はともかくー、誰か菊名くんを呼びに行った方がいいんじゃないかなー?」

神名「あ、なら私がいきますね」

鈴木「そうか!では神名くん、頼むぞ!」

神名「はい、わかりました……」



18 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:24:35.61 ID:5UDEEJrEO

――『廊下 菊名の部屋の前』――

ぴーんぽーん

がちゃり

守矢「……む、神名殿。どうかなされましたかな?」

菊名くんを呼びに部屋のコールを鳴らすと、会議に参加していなかった仲間……守矢くんが姿を見せました

神名「……あの、ずっと部屋の中に?」

守矢「ええ、モノクマはまさに神出鬼没でありますからな。接触を完全に断つにはそうするしかありませぬ」

神名「……女の子の部屋ですよ?」

守矢「それがどうかなされましたか?」

守矢「小生は守衛として皆様を守らねばならぬのです。やり過ぎくらいが丁度の塩梅でしょう」

守矢くんのあまりに毅然とした返しに、私は少したじろいでしまいます。

神名「あの、菊名さんのこれからについて話終えたので、二人とも食堂に来てはくれませんか?」

守矢「了解致しました。それでは後程…」





19 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:25:05.38 ID:5UDEEJrEO

――『食堂』――


守矢「……さあ、菊名殿。歩いてください」

守矢「お待たせ致しました。この守矢藤右衛門。ここに推参致しましたぞ」




坂東「き……菊名っ!?」

菊名「………………………………」

食堂に戻った私の後から連れてこられた菊名さんは、全身を縄でキツく縛られていました

顔を俯かせて歩くその姿は、守矢くんの姿とあいまって、まるで囚人の様で……

福島「菊名くん!大丈夫なの!?」

坂東「オイ守矢ァ!テメェ幾らなんでもやり過ぎだろうが!オイ!」

守矢「む……これは藤山殿と黒城殿に協力して貰ったので、皆の総意だと思っておりました……」

坂東「藤山!黒城…………!」

藤山「……へっ」

黒城「何よ!アタシはそこの裏切者に天誅を下してやっただけなんだから!」

クロエ「待ちなさい、ここで喧嘩を始めてしまっては肝心の本題に入れないわ」

鈴木「僕たちは、君から話を聞きたいんだ…いいか?菊名くん?」




20 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:25:39.81 ID:5UDEEJrEO

菊名「…………ごめん」

坂東「菊名……!頼む!俺たちに教えてくれよ!」

菊名「……………………」

藤山「何も言う事はねぇって事かよ……」

福島「菊名くん…………」

黒城「やっぱり無駄じゃない!大人しく縛ってやるわ!」

クロエ「でも、これで菊名が何らかの情報を知っている可能性が高くなったわ」

クロエ「何も無ければ話せばいいのに、そうしないという事は、ね」

守矢「……これから、菊名殿はどう致しましょうか?」

鈴木「うーむ……身柄の解放が決まったからな、今まで通りでいいだろう」

藤山「ちっ」

坂東「藤山……テメェ後で覚えてろよ……」

神名「あ、あの!これで会議はおしまいですよね!」

神名「だったら……新たに解放された四階の探索をしませんか!?」

鈴木「それもそうだな!よし、これで会議は一旦終了だ!」

鈴木「それでは皆!今回も頑張って探索しようじゃないか!」


↓1誰と探索しますか?

21 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/11(土) 19:27:22.35 ID:NHKooYfQ0
守矢

22 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:44:36.11 ID:5UDEEJrEO


神名「……守矢くん。今回は私と一緒に探索をしませんか?」

守矢「む、神名殿とですかな?」

守矢「小生は構いませぬが……珍しいですな、神名殿が誰かを誘うなど……」

神名「……そうですか?」

今の守矢くんは、菊名さんの件でかなり過敏になっています

彼が菊名さんを殺すとは思えませんが、もしもの事もありますからね……

それに、私の勘ですけど……菊名さんは、私達を自分から裏切るような人には見えませんし

神名「…さ!それでは行きましょうか!」

守矢「そうでありますな……まあ安心なされよ、小生がいる限り身の安全は保証致しますぞ!」



どこから探索しますか?
1:生物室
2:理科室
3:コンピュータールーム
↓1

23 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/11(土) 19:45:23.42 ID:f45RyYwRo


24 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 19:57:21.45 ID:5UDEEJrEO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『生物室』――

神名「ここは……生物室?」

守矢「生物室と言う割には肝心の生物は見当たりませんがな……」



生物室。と書かれていた部屋には、水槽や檻、鳥の餌などの飼育用品がズラリと並んでいます
檻や水槽も、人が何人も入りそうな大きなものや、金魚さんが泳いでいそうな小さなもの等豊富にあります
……泳いでいるはずのお魚さんや、動物さんが一匹もいませんけど



守矢「うーむ……動物に詳しい方がいれば何かわかるやも知れませぬが……」

神名「私達では、何もわかりませんね…」

機械ならば藤山くん、武器ならばクロエさんに聞けばわかるでしょうが、流石にこれだけだとわからないでしょうね

神名「……ここには何もなさそうですね」

守矢「そうでありますな……そろそろ行きましょうか」



どこを探索しますか?
1:理科室
2:コンピュータールーム
↓1


25 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/11(土) 19:59:25.54 ID:QtbMQp9DO


26 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 20:26:24.80 ID:5UDEEJrEO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『理科室』――

神名「ここは……」

守矢「理科室……というよりは、発電所のようですな」

神名「藤山くんならばわかるかもしれませんけど……」



理科室。と書かれていた部屋には、まるで科学のテレビで見るようなモノがずらりと並ぶ部屋でした
電流の流れる大きな機械、ベルトコンベアに繋がっている機械、奥にあるのは空気清浄機でしょうか?
机の上には、アルコールランプや試験管のようなお馴染みの器具もありますね



守矢「ううむ、危険なものもありそうですが、生憎、検査して処分する時間もありませんな」

神名「なら、ここは一旦引き上げて違う所に行きましょう」

守矢「そうですな。ここはどうも痺れていけない」

…それは、守矢くんの着ている甲冑が原因なのでは…………




27 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 20:27:14.65 ID:5UDEEJrEO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

神名「ここは……コンピュータールームですよね」

守矢「ですな」



奥に鎮座する巨大な装置から伸びる無数のコードに繋がれたパソコン。そしてひんやりするくらいに効いた冷房……
ここは紛れもなくコンピュータールームですね。間違いありません



守矢「……む、このパソコンに何やらあるみたいですぞ」

神名「パネルに触れてください……?隣のこのパネルでしょうか?」

神名「私、試してみましょうか?」

守矢「いえ、これが罠の可能性もあります。神名殿はお下がりください」

そういって、守矢くんがゆっくりとパネルに触れると…………

パソコン『検索中!検索中!検索中!』

神名「きゃっ……!?」

パソコン『検索完了!検索完了!』

パソコン『人物は守矢藤右衛門!守矢藤右衛門!超高校級の守衛デス!超高校級の守衛デス!』

いきなり大音量で音声が流れ、パソコンの中には守矢くんの顔写真が表示されています

守矢「……どうやら、これは人物認証システムのようですな」

神名「そうみたいですね……」

あの後私も試してみましたが、結果は守矢くんと同じでした。勿論、情報は私のものでしたが……

守矢「……ここはこのくらいですかな」

神名「そうですね。そろそろ戻りましょうか」



28 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 21:09:17.40 ID:5UDEEJrEO

鈴木「皆揃っているな?では今回もいつものアレをしようじゃないか!」

鈴木「第四回探索結果発表をな!」




鈴木「って……菊名くんはどうした?」

福島「菊名くんなら、探索が始まってすぐに部屋に戻っちゃったよー」

黒城「まあ黒幕の手先なら探索なんてする必用無いわよね!だって黒幕の手先なんですもの!」

坂東「………………………………」

黒城「な、なによ……睨んだって怖くないんだから!」

藤山「落ち着けよ、話し合うんだろ?」

守矢「そうでありますな……今回は特に危険なものが多いであります」

クロエ「私も見て回ったけど、四階にはかなりの量の凶器があった。それを先に伝えておくわ」

鈴木「そうか!ならクロエくんから発表を頼もうか!」

29 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 21:10:23.62 ID:5UDEEJrEO

クロエ「まず、私が見たのは理科室よ」

神名「理科室……あの色々な機械が置かれていた場所ですよね?」

クロエ「ええ、あそこには毒薬やスタンガンの様な手軽に扱えて人を殺せる凶器が置いてあったわ」

クロエ「処分しようにもあれだけの量を捨てるのは現実的じゃない。だから……」

福島「使わないようにする。って事?」

クロエ「そうね。それが一番いいわ」

藤山「なら俺からも一ついいか?」

藤山「俺が探索したのは生物室なんだけどよ、あそこは水の貼ってある水槽以外なら特に危険じゃねーぜ」

鈴木「ふむ、理科室には危険なモノが大量に置かれており、生物室は水槽さえ気を付けていればいいのか……」

鈴木「二人ともありがとうな!ご苦労様だ!」

守矢「……では、小生らも発表させていただきましょうかな」

鈴木「うむ!守矢くん頼んだ!」




30 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/11(土) 21:11:12.82 ID:5UDEEJrEO

守矢「小生らはコンピュータールームを捜査したのですが、あそこには凶器になり得そうなものはありませんでした」

神名「はい、それと、パソコンには認証システムもありました」

黒城「認証システム!?アレね、なんか科学っぽいアレをアレしてアレするヤツね!」

神名「アレが何かは知りませんけど……私と守矢くんが試してみても、何の問題もありませんでした」




鈴木「なるほど、コンピュータールームは比較的安全なんだな……」

鈴木「これで今回の会議は終わりだ!各自解散!」

鈴木「菊名くんには、僕から伝えておくからな!」




38 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:02:08.92 ID:4eMZxDPFO

※注意!
今チャプターでの自由行動では、幾つかの注意点が存在します
以下の組み合わせは選ぶ事が出来ないのでご了承ください

※『菊名幸路』を選ぶことは出来ません
※『坂東永太』を選ぶ際に『藤山戒』、『黒城奏』、『守矢藤右衛門』とは同時に選べません

誰と過ごしますか?
↓1


39 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 20:02:31.41 ID:YPOrohU80
鈴木

41 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:11:00.54 ID:4eMZxDPFO

――『食堂』――

鈴木「……さて、これで今回のレポートは完成したぞ」

鈴木「後はこれを、菊名くんに……っと」

食堂で考え事をしていた私の目に飛び込んできたのは、山の様な書類を持って食堂から出ようとする鈴木くんでした

あれは、今回の探索結果を纏めた書類でしょうか?でも、あれだけの量を一人で持っていくのは、その……

神名「鈴木くん、私もお手伝いしましょうか?」

鈴木「おお、それはありがたい!」

神名「それでは、上の方を少し貰いますね?」

鈴木「そうしてくれ、正直、これは重くて大変だったからな……」

前が見えていないせいでフラフラとしていたので、思わず助けてしまいました

鈴木くんの事ですから、また木につまづくかもしれませんし……

鈴木「菊名くんも、早く僕たちの前に姿を見せてくれるといいんだが…………」

神名「そうですね……」



1:鈴木くんは菊名さんを信じているんですか?
2:鈴木くんは、どうしたらいいと思いますか?
3:自由安価
↓1



42 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 20:13:56.11 ID:uOMGBwoDO


43 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 20:15:01.64 ID:YPOrohU80
3せめて事情が聞ければいいんだけれど
大切な人が人質とかもあるかもしれないし

45 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:29:36.63 ID:4eMZxDPFO



神名「……鈴木くんは、菊名さんを信じているんですか?」

鈴木「ああ!」

びっくりするくらいの即答ですね……

神名「えっと、どうしてですか?」

神名「藤山くんや黒城さんは、あれだけ菊名さんを嫌ってしまったのに……」

鈴木「はっはっは!僕は学級委員だからな、そんな僕が誰かを差別するなんて出来るわけが無いだろう?」

鈴木「……それに、僕個人としても、菊名くんが僕らを裏切るなんて大それた事が出来るとも思えないしな」

神名「そうですか……」

鈴木「そう言ってくる神名くんはどうなんだ?」

…………私は……………………

神名「私だって信じたいです。でも……」

鈴木「でも?」

神名「……怖いんです。本当に菊名さんが私たちを裏切っていたのかを知るのが」

神名「菊名さんが、本当は私たちの事を何とも思っていなくて、モノクマさんに従っていたのかが……」

鈴木「神名くん…………」

そう、怖いんです。今まで信じてきた事が揺らぐのは

私の教団でも、私が信じられなくなって離れていった人が何人もいます。それは……

それは……………………



46 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:30:10.26 ID:4eMZxDPFO


神名「…私、菊名さんと話がしたいです」

鈴木「…………それは何故?」

神名「せめて、事情が聞きたいんです。もしかしたら、何かあるのかも……」

…………これが、私の願望である事は否定出来ません

今までの菊名さんを信じたい……そして、彼女を信じていた私を信じたい……

そんな、逃げの感情です

鈴木「なるほどな……神名くんの気持ちはよくわかった」

鈴木「よし!菊名くんには僕からその事を伝えておこう!」

神名「…………えっ?」

鈴木「なに!クラスメイトが困っているのを見逃すなんて出来ないからな!」

鈴木「……だが、日中はマズイ。ただでさえ過敏になっている人もいるからな」

鈴木「話が出来るのは夜時間だな。それでも構わないかな?」

神名「…はい!ありがとうございます!」

鈴木「ははは!よかったよかった!……とはいえ、菊名くんが話を聞いてくれるかは解らないが……」

神名「いえ、それでも充分です!」

菊名さんと話が出来る……それだけでも私の心が軽くなった気がします

鈴木くん、ありがとうございます!


【INFO】
鈴木茂の好感度が上がりました!

※夜時間に、菊名幸路との会話が出来るようになりました!


47 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:31:03.01 ID:4eMZxDPFO

※注意!
今チャプターでの自由行動では、幾つかの注意点が存在します
以下の組み合わせは選ぶ事が出来ないのでご了承ください

※昼の自由行動には『菊名幸路』を選ぶことは出来ません
※『坂東永太』を選ぶ際に『藤山戒』、『黒城奏』、『守矢藤右衛門』とは同時に選べません

誰と過ごしますか?
↓1



48 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 20:31:15.70 ID:IhDbAbuoo
クロエ 坂東

50 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:42:17.00 ID:4eMZxDPFO

――『理科室』――

坂東「あー…これはどうすんだ?」

クロエ「その薬品は熱に反応してガスを起こすわ。極力熱源から離しておいて」

坂東「はいよー」

クロエ「それと…この薬品は触れると皮膚が爛れるから、どこか安全な場所で処理場した方がいいわね」

坂東「……これか?」

クロエ「それじゃないわ。それは……」

坂東「あーー!!メンドクセーー!!」

クロエ「面倒がるのは勝手だけど、薬品を振り回さないでもらえるかしら?」

クロエ「その薬品は、過剰に振ると…」

坂東「うおっ!?」ぴたっ

クロエ「特に何も起こさないわ。それはただのビタミン剤ね」

坂東「ならそんなに凄むなよ!ビビっちまったじゃねーか!」

クロエ「ふふっ」

理科室ではしゃいでいたのは、坂東くんとクロエさん

普段の二人からは考えられないはしゃぎ様ですけど……

神名「あ、こんにちは」

坂東「おっ、神名!聞いてくれよ、クロエのヤツがヒデーんだぜ!」

クロエ「別に酷い事をしたつもりは無いのだけど?」



1:何をしていたんですか?
2:お二人とも、仲がいいんですね
3:自由安価
↓1



51 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 20:45:39.09 ID:YPOrohU80


52 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 20:58:33.69 ID:4eMZxDPFO

神名「お二人とも、仲がいいんですね」

坂東「そうか?」

クロエ「そうかしら」

……あ、あれ?でも、何故か二人が普段より仲がよく見えたんですけど……

坂東「おっ、そういやクロエ、お前少し明るくなったな!」

坂東「普段のお前なら、もっとつっけんどんな態度だったのによ!」

神名「あ、そうです!そのせいです!」

クロエさんが前よりも笑っていたから、そう見えたんですね。でも、どうして…

クロエ「……あの裁判から、少し、心境の変化があったのよ」

神名「…………それって」

クロエさんと仲のよかった人。そして、もうこの世にはいない人……

その人が犠牲になって、クロエさんは……

神名「………ごめんなさい。辛かったですか?」

クロエ「…………そんな事ないわ。前にも言ったけど、私は武器商人だから」

クロエ「例えどんな人でも、どんな死に方をしても、何とも思わないから……」

神名「クロエさん…………」

坂東「……なあ、あんまし無茶すんなよ?」

坂東「なんてったってここには俺がいんだからな!お前一人の悩みくらいなんて何とかしてやっからよ!」

クロエ「…………気持ちだけ受け取っておくわ」

そうふいっと顔を背けたクロエさんが、少し嬉しそうな表情だったのは見間違いではありませんよね

…………射和さん。あなたの残したお願いは、クロエさんにも届いているみたいです


【INFO】
クロエの好感度が大きく上がりました!
坂東の好感度が上がりました!



54 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 23:03:17.86 ID:6stJYHT+O

【クロエ  イベント1】

――『トラッシュルーム』――

神名「…………あっ、クロエさん」

クロエ「………………………………」

私の顔を見た途端に、露骨に顔を背けられてしまいました……

クロエ・ファウラーさんは、超高校級の武器商人として知られる方です

彼女の両親が運営している武器会社は、世界規模での活動をしているそうで……

世界の末端のテロ組織から、一国を守る軍や国防にも彼女の会社の顧客がいるとかなんとか

…………彼女の売った兵器で、幾つもの国が滅んだというのは有名なお話です

クロエ「…………あんまり人の顔をじろじろと見ないで欲しいのだけど?」

神名「あっ、すみません……」

クロエ「まったく……人の上に立つ人間のクセに、随分と無遠慮なのね」

神名「すみません……」

クロエ「………………………………」

そう言い残して、クロエさんは去っていきました

……いつかクロエさんとも仲良く話したいですね



55 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 23:04:35.11 ID:6stJYHT+O

※注意!
今チャプターでの自由行動では、幾つかの注意点が存在します
以下の組み合わせは選ぶ事が出来ないのでご了承ください

※昼の自由行動には『菊名幸路』を選ぶことは出来ません
※『坂東永太』を選ぶ際に『藤山戒』、『黒城奏』、『守矢藤右衛門』とは同時に選べません

誰と過ごしますか?(ラストです)
↓1



56 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 23:05:29.74 ID:uOMGBwoDO
藤山 福島

58 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 23:19:53.85 ID:6stJYHT+O

>>57はい。まだ昼の自由時間です。安心してください
夜時間に入ってすぐに菊名と話すか選択肢を出しますので、そこで話すを選択していただければ…

――『フルーツパーラー』――

福島「パフェ、甘くて美味しいねー」

藤山「……おう」

福島「戒にーちゃんは甘いの嫌いー?」

藤山「んな事はねえよ……」

福島「…菊名くんの事、まだ許せない?」

藤山「……ああ、許せねえよ」

藤山「俺だって信じてえよ!だけどよ、あいつは俺達を影で裏切ってたんだ!」

藤山「そう簡単に許せるかよ……!じゃなきゃ、あいつらは、何の為に死んじまったってんだ……」

藤山「……くそっ、だりぃな…………」

福島「戒にーちゃんは、甘いの食べて落ち着こうねー」

藤山「アイスを突っ込むのは止めろ……頭痛が酷くなるだろ……」

神名「……藤山くん」

藤山「……千鶴ちゃんか、どうした?」

藤山「俺は、幾ら千鶴ちゃんの意見だとしても、菊名を許すなんて事は絶対にしねぇぜ」

福島「頑固だねー、かちこちだねー」



1:どうして、そこまで許せないんですか?
2:だからって、縛るのはやり過ぎでは?
3:自由安価
↓1

59 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 23:23:37.64 ID:C1+aZtDE0


60 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 23:32:47.51 ID:6stJYHT+O

神名「……どうして、そこまで許せないんですか?」

神名「菊名さんだって、私達の仲間じゃないですか!きっと、何か事情があるのかも……」

藤山「事情がありゃいいってモンじゃねえだろ!」

藤山「あいつのせいで何人死んだ!?このコロシアイで何人犠牲になったか思い出せよ!」

藤山「事情があって裏切ってたってんなら……あいつは保身の為に俺達を犠牲にしやがった最低のクソヤローだぜ!」

神名「藤山くん!そんな言い方は酷いです!」

福島「戒にーちゃんの言いたい事も解るけどさ!それこそ戒にーちゃんの独り善がりだよ!」

藤山「何だと!?」

神名「今の藤山くんは意固地になりすぎです!」

藤山「幾ら千鶴ちゃんでも、それ以上は俺だって怒るぜっ!」

福島「あーもう!止め止め止め!!」

福島「ケンカなんてダメダメダメ!二人ともパフェでも食べて頭と身体を冷やしましょー!」

藤山「…………くそっ」

神名「………………………………」

ぎこちない動きで口に運んだパフェは、どこかほろ苦い味がしました

この味が果物のものなのか、それとも私がそう感じているだけなのか……それは、今の私にはわかりませんでした


【INFO】
藤山、福島の好感度に変化はありませんでした

61 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/12(日) 23:38:19.65 ID:6stJYHT+O




きーんこーん、かーんこーん




『えー、ただいまより夜時間に入ります!オマエラ、早く寝ろよー!』

神名「……夜時間、ですね」

鈴木くんが菊名さんに、話をしてくれる様説得してくれたのか……そして、それを菊名さんは受け入れてくれるのか

それは行ってみないとわかりません。もしかしたら、私の話を聞いてくれないかも……

でも、ここで立ち往生していても時間が過ぎていくだけです。


……どうしましょうか



1:菊名の元へ行く(目撃判定有)
2:今日は止める(ペナルティはありません)
↓1


62 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/12(日) 23:38:32.88 ID:IhDbAbuoo


67 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 19:29:14.74 ID:W1vbZU4EO

神名「……よし!」

少し気合いを入れて、扉を開きます

開いた先の景色はいつも通りのはずなのに、どこか私をゾクゾクさせます

きっと、今から菊名さんとのお話があるからでしょう。彼女は裏切者として、私達を裏切っていた……

……でも、本当にそうなのでしょうか?何かあるからこそ裏切者になったのかも……

なんて、私の願いを確かめにいくんです

そうして、廊下に出ると………………


唐突なコンマ遭遇判定
123:黒城さんに会いました
459:誰にも会いませんでした
789:福島さんに会いました
0:自由安価+特殊イベント
↓1

68 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 19:36:58.75 ID:W1vbZU4EO
よく考えたらコンマなら自分で踏めばいいだけの話だった

70 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 20:51:19.37 ID:W1vbZU4EO

――『菊名の部屋  前』――

神名「…………」

ここまで来るのに、誰にも会いませんでした…まあ、夜時間なら当然でしょうね

ほんの数分もかからないような、辿り着くまでに何時間もかけたような、そんな不思議な感覚です

……さて、鈴木くんの話通りならば、菊名さんとの会話が出来るはずですが

神名「あの、起きてますか?」

………………………………。

ノックをするのももどかしくて、つい声をかけてしまいました……そういえば部屋は防音でしたっけ……

神名「…こほん、起きてますか?」

少し咳払いをして、こんこんとノックをして少し待ってみる事にしました。

菊名「…………神名さん」

予想以上に早く出てきてくれましたね

神名「菊名さん。あの、その……」

菊名「…………入りなよ」

そうぽつりと呟いて、部屋に戻っていきました……

…………入って、いいんですよね?



71 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 20:52:02.09 ID:W1vbZU4EO

――『菊名の部屋』――

菊名「…………適当に、座って」

神名「……ここが、菊名さんの部屋……?」

菊名さんに促される様に座って、部屋の中を確認します

そういえば、誰かの部屋に普通に入ったのはこれが初めてじゃありませんね。ほとんどが捜査の為でしたし……

小田切くんの部屋はきちんと整理されていて、糸長くんの部屋は荒らされていたけれど、お人形さんの愛が籠ってました

クロエさんの部屋は……それどころじゃなかったのでよく見ていませんでしたね

そう考えてみると……菊名さんの部屋は、とても殺風景で何もない部屋です

インテリアと呼べるものは、部屋の壁にかかっている掛け軸くらいですね

菊名「……す、鈴木くんから、聞いたよ」

菊名「お……僕が、どうして裏切っていたのか、知りたいって、さ」

神名「あはは、そうなんです。驚きましたか?」






神名「私は菊名さんと話がしたい。本当にそれだけなんですよ?」







72 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 20:52:35.87 ID:W1vbZU4EO

菊名「………………………………」

神名「菊名さん、どうですか?ずっとこの部屋に居るのも疲れるでしょう?」

神名「もし良ければ…教えてください。私はあなたの味方ですよ?」






……少し無理矢理過ぎましたか、でもこのくらい押していかないと菊名さんの真意を知ることなんて出来ません!

菊名「……神名さんって、兄弟はいる?」

神名「いえ、確か私には姉と妹がいたんですけど……もう居ません」

菊名「…………ごめん」

神名「お気になさらず……菊名さんにはご兄弟は?」

菊名「うん、いるよ。お姉ちゃんが」

菊名「俺なんかよりも、よっぽど優秀で皆に必要とされるお姉ちゃんが…………」

神名「…もしかして、そのお姉さんが?」

菊名「……………………うん」


73 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 20:53:24.15 ID:W1vbZU4EO

菊名「小さな時から、ずっとずっと俺を助けてくれた。弱い俺を守ってくれた」

菊名「お姉ちゃんは本当に凄いんだ。いつかは希望ヶ峰に入学するって言われてる位に才能に溢れた人……」

菊名「俺はお姉ちゃんの為なら何でも出来る。例え誰かを裏切っても、全てを捨ててでもお姉ちゃんに尽くしたい」

菊名「だから…………」

神名「菊名さん…………」

菊名「……ごめん。気持ち悪かったよね」

神名「いえ!そんな事はありませんよ」

神名「寧ろ……嬉しかったです。菊名さんが私欲で裏切った訳じゃなくて」

菊名さんには、素晴らしいお姉さんがいるんですね。それが彼女を裏切者に変えた理由……

…………よかった

神名「……でも、お姉さんではなくて菊名さんの方が早く希望ヶ峰学園に来たんですね」






菊名「…………いや、それが…………覚えていないんだ」

神名「…………え?覚えていない……?」




74 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/15(水) 20:54:11.57 ID:W1vbZU4EO

菊名「この学園に呼ばれたのは…俺もわからないんだ」

神名「わからない…?でも、菊名さんにも才能はありますよね?超高校級の……」

菊名「幸運。こんなの、貰っても嬉しくないよ……」

神名「そ、そうなんですか……」

何処と無くやさぐれてます……理不尽に巻き込まれた事にふてくされてるんですかね?

菊名「……ねえ、今度は神名さんのお話を聞かせてほしいな」

菊名「今日は楽しかったよ……。また神名さんとはお話したいな」

神名「勿論!喜んで!」

どうやら菊名さんは楽しんでもらえた様ですね。こっちもとっても嬉しいです!

神名「……それでは、今夜はこの位にしましょうか。お休みなさい」

菊名「うん、お休み…………」




菊名「……………………ごめん、ね」


【INFO】
菊名の好感度が上がりました!
菊名に?????が?????!



81 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 19:41:10.40 ID:LWW3mz8MO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『神名の部屋』――



『えー、本日の朝です!オマエラ早く起きろよー!』

神名「……ふぁ」

昨日は菊名さんとお話していて、随分と時間が経っていましたね……

でも、菊名さんとお話出来たのは大きな進歩と言えるでしょうね

神名「……後は、皆に菊名さんを認めて貰えればいいんですけどね」

菊名さんは、お姉さんの為に裏切っていた……その事を皆さんが知れば、解ってくれるでしょうか?



神名「……さて、行きましょうか」






82 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 20:02:57.73 ID:LWW3mz8MO

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 

――『食堂』――


坂東「オイ、待てよ!テメーら本当にそんな事すんのか!?」

黒城「アタシは本気よ!この高ぶるハートは止められないんだから!」

藤山「………………………………」

守矢「守衛である小生としても、今回ばかりは黒城殿に同意致しますぞ」

坂東「守矢!」

神名「…?どうしたんですか?やけに騒がしいですが」

クロエ「アラ、今来たの?タイミングが悪かったわね」

神名「…………?」

藤山「……!おい!千鶴ちゃん!」

黒城「来たわね裏切者!出会え出会えー!」

神名「えっ?ちょっ……!」

食堂に入った出会い頭に、黒城さんに引きずられて連れていかれてしまいました…

って、裏切者?どういう事でしょうか?


83 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 20:27:02.08 ID:LWW3mz8MO


黒城「神名を連れてきたわ!魔女裁判の開幕ね!」

藤山「んな物騒な事はしねーよ…今はな」

神名「あ、あのー…私は話がいまいち飲み込めていないのですけど…」

藤山「……千鶴ちゃん。昨日の夜、遅くに菊名のトコ行ってたんだろ?」

藤山「俺はそうは思ってねーんだけど、守矢と黒城のヤツが千鶴ちゃんも裏切者なんじゃねーかって……」

神名「なっ……!どうしてその事を……!」

守矢「ああ、その事ならば鈴木殿が普通に話しておりましたが」

鈴木「すまない!神名くんが上手くいったかどうか考えている内に、つい皆に話してしまった!」

福島「何やってるの!?」

鈴木「本当にすまない!うっかりしていた!」

藤山「……まあ、詳しい事は俺にもわかんねーよ。だけどよ、菊名は今疑われてる立場なんだぜ?」

神名「藤山くん…………」

藤山「だからよ、千鶴ちゃん……しばらくは、夜は俺達と行動しねぇか?」

藤山「俺は千鶴ちゃんを疑いたくねえんだ……頼むぜ」

私が菊名さんに話しかけに行ったから、私も裏切者だと思われている……?

でも、私は皆を裏切っていません。それは自信をもって言い切れます

だけど、私の行動のせいで菊名さんまで疑われているなら……どうすればいいのでしょうか…………?



1:菊名との会話を継続する
2:菊名との会話を断念する
↓1



84 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/16(木) 20:27:32.19 ID:V3A7392io


85 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 20:43:29.27 ID:LWW3mz8MO

神名「…………ごめんなさいっ!」

神名「私は……どうしても菊名さんとお話がしたいんです!」

藤山「なっ!?」

黒城「うわっ、アンタそっちの方の人間なの?アタシも引くわ……」

菊名さんは、今とても追い詰められています。何でもするという程に信頼している人の為に……

だから私達を裏切っていたんです。それを知っているのは私だけ……

その菊名さんの気持ちを、私は裏切る事なんて出来ないんです!

坂東「そうだぜ神名!よく言った!」

守矢「ですが、菊名殿が我々を裏切り続けているという事は、モノクマの命令で簡単に此方に牙を剥くという事ですぞ」

神名「……大丈夫ですよ」




神名「菊名さんが、私達を殺すなんてありませんから」



藤山「……そうかよ」

黒城「ふーん!どうなっても知らないんだから!」

守矢「小生は未だに警戒しておくとしましょう。もう誰も欠けさせない為にも…」

そう言い残して、三人は去っていきました……三人とも、おかしな事をしなければいいのですが……


【INFO】
藤山、黒城、守矢が、今chapterにて交流不可能になりました!



86 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 20:46:21.59 ID:LWW3mz8MO
クロエ「全く……そろそろ暴走しだす頃ね」

福島「三人とも、菊名くんを殺さないといいんだけど……」

鈴木「すまない……僕のせいだ。本当に、すまない……」

……もう、たったこれだけしか居なくなってしまいました

でも、お話する事くらいなら出来ますかね


【自由行動 開始】残り2

※選べないメンバー
菊名、藤山、黒城、守矢
↓1誰と過ごしますか?(一人か二人)



87 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/16(木) 20:48:01.07 ID:70YytnV90
鈴木

88 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 21:06:52.78 ID:LWW3mz8MO

鈴木「すまないっ……!本当に、本当にすまない!」

鈴木「僕のせいだ……僕の軽率な発言のせいでこんなになってしまったんだ!」

鈴木「本当に、本当にすまない!」

神名「もう……そんなに謝らなくても…」

鈴木「いや!僕の気が済まないんだ!」

そう言いながら、深々と頭を下げている鈴木くん。三人が去っていってからずっとこんな調子です

鈴木「本当に、本当にすまない!」

さっきから、すまないしか話していません……

というか、どうしてよりにもよってあの三人の前で話したのでしょう……?

鈴木「この償いは必ずする!僕の才能にかけて、絶対にだ!」

神名「あっ……!鈴木くん!」

鈴木「それでは、失礼する!」

そう言い残して、鈴木くんはどこかへ去っていってしまいました……

…………大丈夫、ですよね?


【INFO】
鈴木の好感度に変化はありませんでした

89 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/16(木) 21:07:46.87 ID:LWW3mz8MO

【自由行動 開始】最後です

↓1誰と過ごしますか?(一人か二人)



90 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/16(木) 21:08:09.10 ID:dTcQgZvWO
福島、鈴木

94 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:42:17.44 ID:0m7zxSy2O

福島「ねぇ!茂にーちゃんは本当に大丈夫なの!?」

福島「ここら辺でいっぺん落ち着いてみよう!ほら深呼吸、深呼吸…」

鈴木「吸って……吐いて、吸って……」

鈴木「はぁ、はぁ……すまない、どうやら僕は取り乱してしまっていたようだ……」

神名「鈴木くん、大丈夫ですか?」

鈴木「ああ、なんとかな……しかし、どうすればいいのやら……」

鈴木「菊名くんと会話が出来るのは神名くんくらいだ、僕たちはどうすればいいんだ……?」

福島「なら、茂にーちゃんも菊名くんとお話してきたらいいんじゃないかな?」

神名「あ、そうですよ!私だけよりも鈴木くんも居た方が、菊名さんも嬉しいでしょうし」

福島「そうそう!皆でお話するのは楽しいよ!きっと!」

鈴木「そうだな……うん!前向きに検討しておこう!」

鈴木「さっそくどんな話をするか考えないとな!僕は……」

福島「かなたはねー……」


鈴木くん、福島さんと、菊名さんと話す話題について話しあいました……


いつか四人で何処かに行く。そんな事も出来たらいいですね

【INFO】
鈴木、福島の好感度が上がりました!


95 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:43:08.38 ID:0m7zxSy2O

《鈴木 茂イベント No.2》

鈴木「……む?僕がどうして、超高校級の学級委員となったか、だって?」

鈴木「そうだな、僕は、皆と違って何か特別な活動をしていたつもりも実績も無いんだが……」

鈴木「強いて言うなら、僕の通っていた高校の偏差値を倍にしたり、学校のクラス行事を新聞に載せたりした事か?」

鈴木「まあそんな物だ!大した事ではないと思うぞ!」

神名「は、ははは…十分大した事ですよ」

鈴木「そうだろうか?偏差値の高い高校のなんて幾らでもある。それにクラスの行事が新聞に載るなんてしょっちゅうだろう」

神名「……因みに、鈴木くんはどこの高校の出身なんですか?」

鈴木「『国立――高校』だぞ!」

……確か、その高校って毎年有名な人を輩出する超名門高校ですよね。もしかして鈴木くんってエリート?

神名「超名門高校じゃないですか!鈴木くんって凄い人なんですね……」

鈴木「そんな事は無い、僕はただ、皆を引っ張ってきただけだからな!」

鈴木「それに、僕のクラスは至って普通だった。きっと彼らが必死に努力したからだろうな!」

神名「そうなんですか?」

鈴木「ああ!」

自信たっぷりに頷く鈴木くん。彼が超高校級の学級委員なのかがわかった気がします




96 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:43:44.82 ID:0m7zxSy2O

《福島 かなたイベント No.2》

福島「ねーねー!千鶴ねーちゃん!このお洋服可愛いよね!?」

神名「はい、とっても可愛いですよ」

福島「ならならー!このアクセサリにこのお人形はどう思う!?」

神名「凄い可愛いです!」

福島「じゃあじゃあ!このお洋服にこのアクセサリのコーデはどうかな!?」

福島「じゃーん!可愛いでしょ!」

神名「はい!スッゴく、凄いです!」

今、私と福島さんは、ブティックでお洋服を物色しています

意外なのは、いつも子供っぽい福島さんが意欲的にアクセサリを探している事。興味ないと思ったんですけどね

福島「あ!今かなたらしくないなーって顔してた!」

福島「かなただって可愛いもの好きだもんね!腹話術するお人形も可愛いのがいいもん!」

神名「あはは、すみませんね」

福島「いつか皆と一緒にこういう事したいね…って、来てくれる人はいるかな?」

神名「黒城さん、黒崎さんはは好きそうですよね。夜桜さんとクロエさんは余り興味無さそうですけど……」

福島「柚希ねーちゃんはどうなんだろ。いっつも覆面つけてるからオシャレ好きなのかわかんないや」

神名「そうですね!だから、皆で頑張りましょう!」

福島「おー!」

二人で手を繋いで、誓います。いつか、皆と何処かへ遊びに行く事を……




97 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:44:38.53 ID:0m7zxSy2O

『えー、オマエラ、夜時間に入る前に、ボクのありがたーいお話を寝る前に聞きたいんだって?』

『そんなオマエラのリクエストにお応えして、特別に動機を追加します!追い動機ってヤツだね!』

『そういう事なので……オマエラ!体育館に集合しやがれー!』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『体育館』――

菊名「…………」

モノクマ「はい!しっかりと揃っているみたいだね!」

坂東「いいからとっとと言いやがれ!何が追加の動機だって!?」

モノクマ「まあまあ……これはオマエラにとっては相当なチャンスなんだよ?特に藤山くん達には、ね」

藤山「俺達にとってのチャンスだあ?」

黒城「何よソレ!早く言いなさいよ!」

モノクマ「はいはい!それではここに発表しまーす!」







モノクマ「姑息な裏切者こと”菊名幸路”クンを殺害した場合……学級裁判を行わず、そのまま学園を出ていって貰います!」







98 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:45:14.53 ID:0m7zxSy2O

神名「…………は?」

坂東「な、なんだよそれ……つまり、どういう事だよ?」

クロエ「菊名を殺害した場合、殺害したクロはノーリスクでこの学園から出ていける……そう言う事よ」

鈴木「ま、待て待て……そんな都合のいい事ある訳が……」



モノクマ「はい!当然オシオキもありません!これはオマエラにとってのボーナスステージなんだよ!」

モノクマ「さあ!学級裁判やオシオで日和ってたオマエラ!これで心置きなく殺し合えるよね!」




藤山「なっ……マジかよ……!」

福島「嘘…………」

守矢「これは……確かにチャンスと呼べるやもしれませぬな」

坂東「守矢!テメェ、タダで出られるから菊名をブッ殺していいってのか!?」

神名「そうですよ!菊名さんだって私達の仲間なんです!」

モノクマ「……あれ?もしかして、まだ足りないパターン?」

モノクマ「やれやれ……最近の子供たちは本当に強欲なんだから……そんな所も好きだけどね」

モノクマ「それじゃあリクエストにお応えして、もう1つプレゼントをあげちゃいましょう!」



モノクマ「菊名クンさえ殺せたら……このコロシアイは終了!オマエラ全員外の世界へ出ていって貰いまーす!」



99 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:46:09.98 ID:0m7zxSy2O



神名「な、な、なんですか、それ……!」

モノクマ「んー、ボクとしてもそろそろ頃合いかなーって思ってさ。キリがいいでしょ?」

神名「そんなの……!それなら、今までのコロシアイの犠牲者の人は、何の為に死んでいったんですか!?」

モノクマ「意味なんて無いよ?だって、コロシアイってそういうものだし」

モノクマ「まあ事故に合ったとでも思えばいいんじゃない?轢き逃げみたいなもんだよ」

神名「そんな……!なら、クロになった人達は、殺す必要なんて無かったんじゃ…」

モノクマ「そうだね!無いね!」

モノクマ「いやぁバカだよねぇ!ここまで我慢していれば、夢の全員脱出も目前だったのにね!」

モノクマ「あっ全員じゃなかったね!菊名クンだけは、どうしてもここで死ぬ運命だもんね!」

モノクマ「でもまあいいじゃん!菊名クンは裏切者だから、殺すのに罪悪感なんて無いでしょ?」

モノクマ「さあオマエラ!邪悪な裏切者に正義の鉄槌を喰らわせてやれー!」

そう高らかに宣言したモノクマさんは、いつものようにぴょーんと飛び去ってしまいました……

神名「……………………」

菊名さんを殺せば、皆と一緒にここから出ていける……だけど、そんな事……


100 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:46:46.86 ID:0m7zxSy2O

守矢「菊名殿を殺害すれば……小生らはここから出られるのですな?」

黒城「ならもう決まりじゃない!誰でもいいから誰かコイツを殺しなさいよ!」

坂東「ま……待てよ……!仲間を殺すなんて事、やれる訳が……」

藤山「流石に殺せってのはキツいぜ……」

クロエ「だけど、ここで誰かが菊名を殺せば私達が殺される犠牲を最小限に留める事が出来るわ」

鈴木「しかし…………」

福島「やっぱり、殺すなんて……!」

菊名「…………………………………………」

菊名「……いいよ。殺しても」

神名「…………えっ?」

菊名「俺を殺して…………それで皆が助かるんだったら、そうした方がいい」

菊名「だから安心してよ。部屋の鍵、開けておくから」

神名「まっ、待ってください!」

必死に叫んだ私の声を無視して、菊名さんは体育館から出ていってしまいました

坂東「な、なあ!もう夜遅ぇし、今日は休もうぜ?な!」

守矢「確かに、ここは一度頭を冷やした方がよろしいかと」

黒城「あ!誰がアイツを殺すかも考えておきなさいよ!」

鈴木「……それでは、今日は解散!皆も妙な事を考えるんじゃないぞ!」

鈴木「…………今日は菊名くんに会いに行くのは止めた方がいい。下手な行動をすると何がおきるか……」

神名「……はい」

こうして、今日という一日は過ぎていきました。私達の間に、あまりにも大きな確執を残して…………


【INFO】
今chapterにおいて、菊名幸路との接触が不可能になりました


101 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:47:38.16 ID:0m7zxSy2O









そうして、今日という過去は終わり、今日という名の明日が始まります

だけど、その時、私はなんの予感もしていませんでした

誰かが菊名さんを殺せば出られる。そんな簡単にコロシアイが終わるわけ無いんだって…………










102 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:48:17.26 ID:0m7zxSy2O

『えー、オマエラ朝です!早く起きろよー!』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




――『食堂』――

鈴木「率直に話そう、昨日の件についてだが……」

坂東「誰も殺してない、よな?」

クロエ「菊名を除く私達全員がここにいるという事は……まだ、菊名は殺されていないと言えるわ」

黒城「あーもう!アタシは早くこんな場所から出ていきたいわ!」

守矢「しかし、手段が手段です。流石に誰かに人殺しを強要するのは……」

藤山「クソッ、胸糞悪ぃ……」

福島「……………………………………」

いつもの様に食堂にいくと、食堂には、既に全員が揃っていました

……菊名さんを除いて、ですが





103 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 19:50:12.50 ID:0m7zxSy2O

鈴木「しかし、このままではマズいぞ。菊名くんだけを露骨に狙い打つ様な動機だからな……」

坂東「オマケに、菊名さえ殺せば俺達は出ていけるんだろ?幾らなんでもんな事出来ねーよ……」

藤山「幾ら菊名が裏切っていたからって殺しちまうのは……」

鈴木「そうだな……絶対に、皆にそんな事はさせないからな!」

黒城「えー?早くお家に帰りたーい」

福島「どうして今そのタイミングで言うの?奏さんはもっと空気を読もうね?」

守矢「寄宿舎まではすぐですぞ?」

黒城「あれ?なんかアタシだけすっごく他人行儀過ぎない!?」

クロエ「何にせよ、菊名についての問題は山積みね。私達側からではどうしようも無いと思うのだけど」

鈴木「そうだな……今日はもう解散して、各自どうすればいいか考えるとしよう」


そうして散らばっていった皆を見て、私はどうすればいいのか考えます

でも、どうしても私には誰かとお話する事しか出来ないのです。ならやる事はもう1つですね

せめて、皆とお話しして……支えになってあげる事です!


誰と話そうか……?(二人選択)
↓1(選べないのは菊名のみです)


104 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/02/19(日) 19:50:29.95 ID:PqTJe0PDO
坂東 黒城

105 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 20:20:36.63 ID:0m7zxSy2O

坂東「……オイ」

黒城「何よいきなり!アタシに何か用かしら?」

黒城「あ、そうだ!アンタが菊名を殺しなさいよ!番長なんでしょ?社会の底辺なんでしょ?」

黒城「だったら!ここでアンタがアイツを殺せばみーんなハッピーになるわ!それにアンタって腕力……」

ばんっ!

黒城「………………へ?」

坂東「いい加減にしろよ……!どうして、テメェはそんなに自分勝手なんだよ…!」

坂東「どうして!菊名の気持ちも考えてやらねえで!自分の事しか考えてないんだよっ!」

黒城「ぶ、ぶったわね……!誰に触られた事も無いのに……!」

黒城「このチビ!バーカ!」

坂東「なんだとぉ!?」

神名「や、止めてください!」

取っ組み合いのケンカになりそうな二人の間に、慌てて割って入ります

坂東くんの力なら、黒城さんを殺すことは容易いはず……もし、意図的でなくとも万が一、です

坂東「神名!俺は腑抜けたそいつに喝を入れなきゃならねえんだよ!」

黒城「ばーかばーか!何が喝よ!カツアゲ上等の底辺のクセに!」

坂東「……俺は!もう迷わねえ!外のアイツらを引っ張っていく為に、ここで絶対に仲間を殺させねえ!」

坂東「だからよ……テメェのその菊名さえ殺せばいいって考えは許さねぇ!菊名も俺たちの仲間だ!」

神名「坂東くん……」

神名「…………そうです。菊名さんは確かに裏切っていました。でも、だからずっと許さないなんて酷いです」

神名「私は、菊名さんを許します。それが仲間なんですから……!」

黒城「………………………………」

黒城さんは、目を見開いて固まっています。この言葉、届いたでしょうか……?




106 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 20:21:12.06 ID:0m7zxSy2O

黒城「あ…アタシだって考えてるわよ!」
黒城「き、菊名が死んだって……アタシの降霊術なら、きっと大丈夫だし……」

黒城「そうよ……!アタシは悪くない!悪いのはアンタ達よ!アタシの才能を信じてくれないアンタ達が!」

黒城「アンタ達は……アタシを全く信じてくれないじゃない!裏切者の菊名は信じるクセにぃぃぃぃ……!!」

神名「黒城、さん……」

黒城「黒崎の時だって……!アタシの降霊術なら黒崎を喚ぶ事だって出来た!でも誰も赦してくれなかった!」

黒城「アタシがおかしいって……!あ、アタシの頑張りを無駄にして……!」

黒城「そんな奴らの言う事なんて、信じる訳ないじゃない!アタシはアタシだけが信じているんだから!」

坂東「黒城…………」

黒城「…………なによ!寄って集ってアタシを苛めるのがそんなに楽しいの!?」

黒城「誰が何を言おうと……アタシは!絶対に悪くないんだからっ!」

ぎゅっ

黒城「…………へっ?」

神名「………………………………」

必死に泣きわめく黒城さんは、とても幼く見えました。まるで子供が構って欲しいから泣いているような……

黒城さんに何があったのかは知りませんけど、今は、こうする事が最善だと感じました

黒城「………………………………」

黒城「……う、うぅ…………うぅう……!」

坂東「黒城……手を出しちまって悪かったな」

坂東「だから泣き止んでくれよ?オメーが泣いてるのは似合わねえ」

黒城「そうね!」

坂東「いや早すぎんだろ!」

黒城「あースッキリした!じゃあね!」

坂東「何だったんだ……あいつは…………」

神名「さあ…………?」

ぴょんぴょんと、跳ねるように何処かへ去っていく黒城さん。それを呆然としながら見ている私達…………

………何やっているんだろう………………


【INFO】
黒城、坂東の好感度が上がりました!


107 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:06:15.74 ID:0m7zxSy2O

《坂東 永太  イベントNo.2》


坂東「そういやさ、神名って友人どん位いるんだ?」

神名「へ?友人、ですか?」

坂東「おう!神名って、普段どんな奴らと一緒につるんでるんだろうなって思ってよ」

うーん……私は一応高校一年生ですけど、ほとんど学校に通っていなかったんですよね……

単位の取得の為に通ってる様な状態でしたし、だから親しい人も……

神名「…………すみません。私って友達がいないんですよね」

坂東「はぁ!?ダチがいねーって、それどういう事だよ!?」

神名「それは………………」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

坂東「なるほどな……なんつーか、苦しくねえか?一人はよ」

神名「そうですか?私にはよくわからないです」

坂東「……おし!なら俺が神名の友人一号だな!」

坂東「これなら神名も一人じゃねえ!何かあったら頼れよな!」

神名「あ、ありがとうございます!」

坂東「なあ、その敬語は何とかなんねーのか?堅苦しいぜ」

神名「……すみません。癖でして……」

坂東くんが、初めての友人……なんだか、少しくすぐったいけど心地がいいです

いつか、皆とも友達になれるといいですね……!




108 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:06:42.92 ID:0m7zxSy2O

《黒城 奏  イベントNo.2》



黒城「そういや、アンタの名前ってなんだっけ?」

黒城「いっつも神名って呼んでると名前の方が思い出せなくなるのよねー」

神名「あ、千鶴ですよ。神名千鶴です」

黒城「へー、なんかダサいわね」

…………いきなり酷い事を言われました。自分の名前だから好きなんですけどね

神名「…………黒城さんは、黒城奏ですよね。可愛い名前です」

黒城「ハァ!?アンタ何言ってんの!?」

黒城「こんな何処にでもいそうな名前のどこがいいのよ!もっとカッコいい名前が良かったわ!」

神名「えーと、例えば……?」

黒城「そうね……こんなのはどうかしら!?」

そういって黒城さんが出してきた名前はどれも読めませんでした。どの名前も当て字を使いすぎです……

神名「あの、さすがにその名前よりは今の名前がいいと思います」

神名「素敵な名前ですよ。奏さん」

黒城「あー!止めてー!アタシをその名前で呼ばないでー!」

そういうと、頭を抑えながらふらふらと何処かへいってしまいました

……私は可愛い、綺麗な名前だと思うんですけどね



109 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:09:09.42 ID:0m7zxSy2O

そうして、疲れた身体をひきずって夜時間を迎えて……

事件は、早朝におきました

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ぴーんぽーん

ぴーんぽーん、ぴーんぽーん

ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん!

神名「な、何ですか!?」

いきなり鳴らされた大量のチャイム。私は驚いて飛び起きてしまいました

ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽん!

神名「ま、待ってください!」

私、寝坊しちゃったでしょうか……って、まだ早朝じゃないですか!

なんでこんな朝の早い時間に、こんなにチャイムが鳴らされるんですか!?

神名「誰ですか!こんな朝早くに……!」

少し不機嫌になりながら、ドアを開けてみると……

黒城「あっ!やーっと出てきたわ!」

藤山「千鶴ちゃん悪ぃ!だけどよ、んな事言ってる場合じゃねえんだ!こいつは緊急事態だぜ!」

守矢「失礼!唐突ではありますが、少し捜査させて貰いますぞ!」

どかどかと部屋に入り込んで来た三人。私には何が何だかわかりませんでした。けど……

神名「か、勝手に…!私の部屋を漁らないでくださーい!」

藤山「あっ悪い」



110 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:10:29.53 ID:0m7zxSy2O

藤山「って!んな事してる場合じゃねえんだ!」

黒城「わーにんぐ!わーにんぐなの!」

神名「あの……三人とも、どうしたんですか?話がよくわからないんですけど……」

守矢「そうです!大変でありますぞ!」






守矢「菊名殿が……消えていたのです!」







神名「………………えっ!?」

菊名さんが…………消えた!? って…………

神名「な、何でそれを皆さんが知っているんですか!?」

守矢「その話はまた後でしましょう!今は菊名殿の発見が先決です!」

黒城「あ!他のヤツらも叩き起こした方がいいんじゃないかしら!」

藤山「叩き起こすなよ!俺も付いていくから普通に呼んでこい!」

神名「わ、私達はどうしましょう?」

守矢「……取りあえずは他の方々の集合を待ちましょう。人手はあるに越した事は無いのですからな」




111 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:11:11.62 ID:0m7zxSy2O

黒城「おーい!おーい!おーい!!!」

藤山「いや、普通にノックしろよ!」

坂東「うるせええええええ!!今何時だと思ってやがんだオラァ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

黒城「」ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!

藤山「叩きすぎだろ!」

鈴木「な、何かね一体!?事件か?事件なのか!?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

黒城「おら!早く起きなさいよ!」ガンガン!

藤山「いきなり蹴飛ばすなよ!?」

クロエ「……何?とうとう頭でもおかしくなったのかしら?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

黒城「」ぴんぽーん

藤山「最初っからそうしろよ……」

黒城「……ってあれ?出てこないわよ?」

鈴木「福島くんか……寝ているんじゃないか?まだ朝も早いしな」

坂東「てかなんなんだよいきなり!バカデケェ声で叩き起こしやがって!」

神名「あ、そうなんです!菊名さんが、消えてしまったんです!」

鈴木「………………は?消えた………………?」

坂東「な、なんだと……!?」

藤山「ああ、詳しい話は今は言えねえけどよ、消えちまったのは確かだぜ」

黒城「一階はくまなく全部探したわ!主に藤山が!」

クロエ「それ、本当にしっかり捜査出来てるの?」

守矢「……とにかく、皆様にもご協力願いたいのです。ブザーを渡しておきます故見つけ次第鳴らしていただければ」

鈴木「なら、僕は四階、神名くんと坂東くんとクロエくんが三階を……」

鈴木「黒城くんと藤山くんは二階を!守矢くんは何処にいても行けるように待機しておいてくれ!」


112 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:12:57.27 ID:0m7zxSy2O

そうして散らばった私達ですけど……

神名「ダメです!何処にもいません……」

坂東「資料室にフルーツパーラーもダメか……トレーニングルームにも居なかったしな……」

クロエ「全く……人騒がせな奴。こんなに探してもいないなんて」

全く見当たりません。菊名さんは何処へ消えてしまったのか……

それをもう一度、よく考えようとして……



ジリリリリリ!ジリリリリリ!



クロエ「?なに?この音は……」

坂東「こ、これってよ……!」

神名「はい!クロエさんは知らなくて無理も無いですけど……これは、守矢くんのブザーです!」

坂東「これ…四階から鳴ってねーか!?」

神名「四階って事は、確か……鈴木くんですね!」

クロエ「……とにかく急ぎましょう。鈴木が菊名を見つけたのかしら?」

神名「それはまだわかりませんけど…行ってみましょう!」

鈴木くんが菊名さんを見つけたのでしょうか!?早く行って確かめてみないといけませんね……!



113 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:13:30.43 ID:0m7zxSy2O

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――『生物室  前』――

鈴木「み、皆!来てくれ!」

神名「鈴木くん!どうしたんですか!」

坂東「オイ、何で生物室の前にいんだよ!早く入ろうぜ!」

クロエ「……いや、これ、鍵がかかっているわよ?」

生物室の扉をよく見ると、南京錠がかけられています。こんな鍵、守矢くんと探索した時には無かったのに……

鈴木「うむ、僕もこの鍵が不審に思ってな。皆を呼ぶことにしたんだ……」

守矢「どうしました!?菊名殿は見つかりましたか!?」

黒城「やっと見つけたのね!はやく!はやくぅ!」

藤山「ん?どうしたんだよ?早く入らねえと……」

鈴木「それが……鍵がかかっているんだ。藤山くん、この鍵の解錠を頼めないだろうか?」

藤山「おっしゃ!任しとけ!」

藤山くんが手際よく工具を使って、いとも容易く鍵を開けてしまいました

藤山「よし!お前ら入るぜ!準備はいいな!」

勢いよく扉を開けて、全員で部屋の中に雪崩れ込みました





114 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:14:03.97 ID:0m7zxSy2O






【ごうん。ごうんとうるさいくらいに換気扇の廻る生物室。そこに、私達の探していた人はいました。】



【……いいや、その人だけじゃありませんね。もう一人、ここにいない人も、生物室の床に横たわっていました。】



【そこに倒れ伏していたのは……私達の探していた人。超高校級の幸運にして、私達を裏切っていた菊名幸路さん】



【そして、もう一人……この場にいない、私達と会わなかった……コロシアイを自分なりに止めようとしていた……】



【超高校級の腹話術師、福島かなたさんも倒れていました。】



ぴーんぽーんぱーんぽーん!


『死体が発見されました!一定の自由時間の後、学級裁判を行いまーす!』










115 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/02/19(日) 21:14:37.29 ID:0m7zxSy2O









【CHAPTER4】
  涙知らずのロスチャイルド  非日常編















捜査編


【元スレ】
【二次創作】安価で進めるオリロンパ その2