オリロンパwiki - 神名ロンパ チャプター5 (非)日常編
254 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:14:59.76 ID:DGZBKkcLO

〜〜【モノクマ劇場】〜〜

モノクマ「えー、今日は先生らしく、需要と供給のお話でもしようかな!」

モノクマ「需要というのは欲しいと思う欲求であり、供給というのはその欲求に答えるために与える事だね」

モノクマ「つまり、世の中は何でも需要と供給で回っているんだよ!」

モノクマ「もえないゴミもゴミ処理場の人達が喜んで貰っていってくれます!」

モノクマ「仕事の無い方々も黒い企業が手を差しのべてくれるのです!」

モノクマ「……え?前までの謎ポエムは誰の需要なんだって?」

モノクマ「……………………………………………」

モノクマ「あ!ボク食べられたいシャケの需要を満たしておかないといけないんだった!」




255 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:15:34.40 ID:DGZBKkcLO

――『事件後 菊名の部屋』――

守矢「……本当に、良いのですな?」

菊名「……ああ」

菊名「もう、俺には必要ないからさ」

藤山「そうかよ。勿体ねえな」

藤山「ったく、いきなり呼び出したかと思えば……なんかあったのか?」

菊名「まあ、心境の変化っていうか、覚悟を決めたっていうか……」

菊名「詳しいことは、明日に皆の前で話すから…今は、何も聞かないで欲しいな」

藤山「……へっ、わーったよ」

守矢「守秘義務くらいは守りますぞ!」

菊名「ふふっ、ありがとう」

菊名「それじゃあ守矢くん、藤山くん。よろしくね」

守矢「……承知しました」

藤山「おう、動くなよ…!」


…………………………

……………

……





256 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:16:09.48 ID:DGZBKkcLO









【Chapter5】
  神の名は











257 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:16:51.84 ID:DGZBKkcLO

――『食堂』――

神名「皆さん、おはようございます」

坂東「うーっす!おはよう神名!」

黒城「さあ!さっさとこの鬱陶しい森から脱出するわよ!」

黒城「一秒でもここから速く出て、この黒城様の素晴らしい魔術を世間に知らしめるのよ!」

クロエ「まだ全員が揃っていないじゃない。焦らなくてもいいわ」

黒城「モノクマに出口を隠されちゃうかもしれないじゃない!」

クロエ「そんな事をするくらいならわざわざ次が最後、なんて言わないわよ」

クロエ「これが最後なのよ?焦らずに余裕を持って行動しなさい」

黒城「ぐぬぬ……この鉄女。前なら絶対に言わないような事を……」

坂東「クロエも俺達と打ち解けて来たっつー事だろ!良いことじゃねえか!」

クロエ「止めなさい」

神名「ふふっ、クロエさんも随分柔らかくなりましたね」

クロエ「止めなさいってば!」

でも、次が最後なら慎重に行動しないといけませんよね

ここまで来て足元を掬われる、なんて嫌ですもんね




258 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:17:23.36 ID:DGZBKkcLO

黒城「ってあれ?藤山と守矢はどこよ」

坂東「…菊名のヤツ、遅いな……」

……確かに遅いですね。三人は普段は早い時刻で起きてくるのに………

黒城「まさかモノクマに裏切者として処分されたとか!?」

坂東「何ぃ!?」

クロエ「昨日の様子を見る限り、それは無いと思うけど……」

坂東「でもよ、万が一ってのもあるかもしれねぇぜ?」

神名「私、様子を見に行ってきます!」

坂東「俺も行くぜ!何があるかわか……」

藤山「あ?なんだか騒がしくねえか?」

守矢「おはようございます……何かありましたか?」

坂東「……ってうおっ!?」

守矢「どうされました……まるで鳩が豆鉄砲で撃たれた様な顔をして……」

神名「今、皆で心配していたんですよ?三人に何かあったんじゃないかって……」

藤山「皆?クロエや黒城も俺らの心配してくれたのか?」

クロエ「そんな訳ないわ」

黒城「べ、別にモノクマに始末されてるかもなんて思ってないんだからね!」

藤山「サンキュークロエ!お前も随分と丸くなったな!」

クロエ「……ふん」

黒城「藤山!アタシを無視してんじゃないわよ!」

藤山「あーはいはい。どうもどうも」

黒城「適当過ぎるわよ!もっと頭を垂れて号泣しなさい!」

藤山「何でだよ!?」



259 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:18:37.35 ID:DGZBKkcLO

神名「あれ?お二人は菊名さんを見ませんでしたか?」

藤山「ああ、菊名か、それなら……」

守矢「………………くくくっ」

藤山「おい、笑うんじゃねえよ……くっ」

黒城「?アンタ達何で薄笑い浮かべてんのよ、気持ち悪い」

坂東「テメーら……昨日言った事忘れたとは言わせねーぞ!」

藤山「わかってるって。でもお前ら……」

藤山「………絶対に驚くぜ?」

坂東「はぁ?」

クロエ「驚く……?」

神名「それってどういう………」

藤山「まぁそれは見てからのお楽しみっつー事だな!」

守矢「では、小生が連れて参りましょうか………くくくっ」

黒城「?」

坂東「何なんだよいったい………」

クロエ「菊名に何があったのかしら……」

黒城「わかったわ!イメチェンに大失敗したのよ!」

神名「まさかそんな……」

坂東「だとしても笑うなよ…フォローしてやらねぇといけねぇだろ」

坂東「それに、イメチェンを笑うなんて二人も酷え事するなよ!」

クロエ「そうね。女子の容姿について笑うのは外道のする事よ」

藤山「まあまあ…おっ、来たぜ」

守矢「皆様、連れてきましたぞ!」




260 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:19:36.44 ID:DGZBKkcLO

菊名「あっ、えっと、えっと………」

菊名「お、おはよう…ございます………」

神名「あ、おはようご、ざ………!?」

坂東「……は?」

クロエ「……えっ?」

黒城「………………だ、」

黒城「誰よアンターーーーーッ!?」

目の前にいたのは、間違いなく菊名さんでした

でも、その姿は、今までのものとは遠くかけ離れたものでした

髪はバッサリと切られて肩に掛かるくらいの短さになってる上、服装も女子の制服から男子に変わっています…

その姿はまるで、年頃の男の子の様な…

菊名「あはは…びっくりした?」

藤山「………ぶっ!はっはっはっは!あー面白れぇー!」

守矢「くははははははっ!皆様の驚いた顔、とても見事でございますなぁ!」

坂東「な、なんだよ菊名っ!おい!」

黒城「もうこれイメチェンのレベルじゃ無いわよーーー!?」

クロエ「どういう事…?いったい何が起きているの……」

神名「菊名さん…?菊名さんですよね?」

菊名「うん、そうだよ。でも……」




261 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:20:10.90 ID:DGZBKkcLO

菊名「この機会に、改めて自己紹介した方がいいよね」

菊名「俺の名前は菊名幸路……」

菊名「超高校級の幸運として、この学園に入学しました」

菊名「皆さん、どうかよろしくお願いします!」

菊名「……へへっ」



【超高校級の幸運】
  菊名 幸路(きくな ゆきじ)



自己紹介を終えて、照れたように笑うその姿は……

間違いなく、今まで私の見てきた菊名さんの笑顔でした




262 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:20:50.07 ID:DGZBKkcLO

菊名「と、言うわけで…これからよろしくね、皆」

黒城「よろしくねー、じゃないわよこの変質者!アンタ、ホントは男なの!?」

菊名「う、うん」

黒城「きゃー!男なのに女子の格好してるなんて変態じゃない!襲われるー!汚されるー!!」

坂東「襲わねぇ、とは、思うけどよ……」

坂東「なんで今の今まで女の格好してたんだよ!?」

菊名「一応、これには深いわけが……」

黒城「なーにが深いわけよ!どうせオンナの格好するのが快感で見られて興奮してたんでしょ!」

菊名「そんな事ないよ!?」

黒城「ウソよ!あるのよ!!ありありなのよ!!!」

黒城「こうなったら去勢して本当のオンナノコに…きゃぶっ!?」

クロエ「そこまでにしなさい」

なんだかおかしな方向に向かっていく黒城さんを嗜めたのは、意外にもクロエさんでした





263 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:21:23.97 ID:DGZBKkcLO

黒城「痛ったいわね…! いきなりなにすんのよアンタ!」

クロエ「黙ってなさい…」

クロエ「菊名、貴方はその秘密を打ち明けない事だって出来たはずよ」

クロエ「どうして、わざわざ私達に軽蔑される様な事を打ち明けたのかしら?」

菊名「…俺はもう逃げたくないんだ。皆を騙して、取り繕うのはもう嫌だ」

菊名「だから…俺の、本当の姿を皆には見て欲しかったんだよ」

坂東「菊名………」

クロエ「……自分の危険を冒してまで本当の事を話したのなら、信じてみてもいいと思わない?」

坂東「…そうだな! よく言ってくれたぜ菊名!」

神名「はい。私たちにもう隠し事をしたくないんですよね」

黒城「な、なによ…アンタ達、そうやって結託してアタシを仲間はずれにして…」

黒城「わかったわよー! 信じりゃいいんでしょ信、じれ、ば!」

藤山「おーし!全員いんだし早速最後のフロアの探検といこうぜ!」

守矢「これが最後です…心して参りましょうか!」



↓1一緒に探索する生徒を選んでください


264 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/16(日) 18:23:10.83 ID:5+1iuIrDO
菊名

265 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:37:43.91 ID:DGZBKkcLO

菊名「神名さんっ!」

神名「はい、何でしょうか?」

菊名「よ、良かったらなんだけどさ…俺と一緒に行かない?」

神名「いいですよ」

菊名「本当!?」

菊名「良かった…嫌われちゃったらどうしようって思ってたから…」

神名「正直に話したのに、そんな事する訳無いじゃないですか!」

神名「菊名くんのその姿…とても可愛いですよ?」

菊名「ありがと…出来れば格好いいの方が良かったかな……」

菊名さん……いや、菊名くんの綻んだ笑顔は今まで見てきたものでした

でも、目の前の少年からは昨日とは違う意思の強さも感じます

ここからが菊名くんのスタート…その初めてを、今から私が一緒に歩くんですね

神名「それでは行きましょうか…最後の階層へ!」

菊名「うん!」



1:屋上庭園
2:管理センター
3:???
↓1


266 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/16(日) 18:41:33.08 ID:Dm01LcI2o


267 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 18:50:09.03 ID:DGZBKkcLO

――『屋上庭園』――

菊名「うわっ…!」

神名「ここは…」

五階にある扉の1つ。それを開くと、目に入ってきたのは広大な空間でした

だけど、壁づたいに伸びる巨大な樹木。地面に生い茂る雑草。そして、何も無いがらりとした空間……

菊名「何だろう……なんだか、寂しいような気がする……」

神名「……ええ、私も、何故かそんな気がします」

菊名「ここは何のための部屋なのかな…」

神名「さあ……?」

これだけ巨大な空間なのに、その他には何も無いなんて不自然ですよね……

でも、ここで何があったのか。それを知るには情報が足りていませんね

神名「……この部屋には怪しい所は無さそうですね」

菊名「そうだね。いこうか」



1:管理センター
2:???
↓1

268 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/16(日) 18:51:18.64 ID:Dm01LcI2o


269 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 20:51:26.85 ID:DGZBKkcLO

――『管理センター』――

神名「ここ、は………………」

菊名「…………酷い……………………!」

部屋に入ってきた私の目に飛び込んできたのは、数多くの顔写真でした

だけど、その写真は普通ではなくて、顔の部分には赤い絵の具で×印が描かれている遺影でした

そして、その写真に写っていたのは……小田切くん。江野森さん。糸長くん。千里山くん。

黒崎さん。射和くん。夜桜さん。福島さん。鈴木くん……

ここは、管理センターとは名ばかりの、事実上の霊安室でした……

神名「こんなの、皆が浮かばれる訳無いじゃないですか!」

菊名「何が管理センターだよ…!」

モノクマ「ちょっとちょっと!希望ヶ峰学園にそんな物騒なところがあるわけ無いじゃん!」

モノクマ「ここは誰がなんと言おうと管理センターなの!はい復唱!」

神名「…?そもそも、ここは希望ヶ峰学園ではないですよね?」

モノクマ「うぷぷっ!果たして本当にそうなのかな?」

モノクマ「それじゃあヒントタイムはここまで、じゃあね!」

菊名「…?何だったんだろう…?」

神名「さあ…?」

ここが希望ヶ峰学園な訳がありません。だって私達が入学したのは、ほんの数ヵ月前の事です

その時の学園は、輝く様な姿を見せていましたし…こんな廃墟染みた場所とは思えませんからね

…ほんの数ヵ月で、こんなに亡くなってしまったんですね…

神名「……そろそろ行きましょうか」

菊名「そうだね…あんまり居たい所じゃないしね」






270 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 20:51:52.08 ID:DGZBKkcLO

――『???』――

神名「………………え?」

菊名「? 神名さん。どうかした?」

この部屋に足を踏み入れた瞬間。何故かはわかりませんが強い確信を覚えました

一面真っ白なタイルで覆われた簡素極まりない部屋ですが、そんな事よりも……

神名「なんで……ここに…………?」

そう。この部屋は……私が最初に目を覚ました場所でした

菊名「……さん!神名さん!?」

神名「……あっ!?すみません!」

いけないいけない……ついぼんやりと考え込んでしまいました

……この違和感は、後で皆の前で話すべきですね。今伝えても混乱してしまうだけでしょうし

神名「……あれ、あそこに何か置かれてありますね」

菊名「本当だ……ちょっと取ってくるよ」

菊名「…………取ってきたよ。でも…………」

神名「……これは、英語ですか?」

菊名「そうかも……後でクロエさんに翻訳して貰わないとね」

では、これは後で発表するとして……

神名「ここで目ぼしい所は全て調べ終わりましたし、戻りましょうか」

菊名「そうだね、早くしないと皆に怒られちゃいそうだし」

…………………………

………………

………



271 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 20:52:18.50 ID:DGZBKkcLO

――『食堂』――

神名「えー、ここに第五回探索結果発表会を開始したいと思います!」

黒城「開始したいも何も結局出口なんて無かったじゃない!」

守矢「ですが、何も無い訳ではありませんでしたな。それを各々で発表していきましょうか」

坂東「おっし、なら最初は俺から行かせて貰うぜ」

坂東「五階は草木の量が凄くてよ。引き剥がすのに苦労するんだ。だからまだ見てねぇ部屋とかあるかもな」

守矢「そこは小生と坂東殿がなんとかしておきますぞ」

坂東「そういやよー、あのだだっ広い部屋はなんなんだ?」

菊名「倉庫……とかじゃないよね。普通は一階に置くし」

藤山「わかんねぇなら後回しでもいいんじゃねえか?」

クロエ「他に気になるのは、あの悪趣味極まる霊安室ね」

藤山「死んだ連中を馬鹿にしやがって…黒幕は絶対にぶちのめすからな…!」

黒城「そうね…アタシの蘇生魔術も効かなかったわ。恐らく何らかの細工をしている可能性も…」

藤山「いや、それはない」

神名「あ、あの……私も1つ聞いてもいいでしょうか?」

守矢「どうなされました?」

神名「あの一面真っ白な部屋……あそこに心当たりのある人はいますか?」

黒城「はぁ?何いってんの?」

藤山「悪いけど、なんもわかんねーな」

……どうやら、他の人には違和感は無いみたいですね

クロエ「…さて、これで終わりみたい…」

菊名「あっ、待って!クロエさんに見て貰いたいものがあるんだけど…」



272 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 20:52:53.56 ID:DGZBKkcLO

クロエ「……私に?」

菊名「うん。これなんだけど……」

黒城「何よソレ。機密文書?」

坂東「が、外国語かよ…俺、英語は苦手なんだよなぁ」

守矢「ふはは。小生は勉学は得意と自負しておりますぞ!」

藤山「ホントかよ!そのナリでか?」

守矢「そんな風に人を見た目で判断しないでくだされ!」

クロエ「……少し貸して。やれる限り翻訳してみるわ」

神名「出来るんですか?」

クロエ「アラ、私を誰だと思っているのかしら?」

クロエ「世界各地を渡り歩くFA財閥の令嬢を、余り舐めないで貰いたいわね」

黒城「アタシだって世界を飛び回ってるわよ!よく強制送還されるけど!」

藤山「なんの自慢にもなんねーよ!」

坂東「つーか何やらかしてんだよ!?」

黒城「それはね…………!」

クロエ「取り合えず表紙は訳せたわ」

黒城「アタシの話をぶったぎってんじゃないわよーーー!!」

神名「えーっと、何々…………」


273 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/16(日) 20:54:33.35 ID:DGZBKkcLO









神名「……『ゴフェル計画』…………?」











281 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:20:02.67 ID:i2hjYH9ZO

坂東「ご……ごふぇ……なんだって?」

黒城「ゴフェル……ノアの方舟の材料ね」

守矢「ノアの方舟……ですかな?」

藤山「何だよそれ?」

黒城「え?もしかしてアンタ達、ノアの方舟も知らないの?」

ノアの方舟……名前だけは聞いた事がありますけど、いざ聞かれるとなると……

神名「……すみません。知らないです……」

坂東「俺も知らねー」

菊名「俺も……」

黒城「え!?何々!?アタシしか知らないの!?ノアの方舟!!」

黒城「しょーがないわね!アタシがノアの方舟についてレクチャーしてあげるんだから!」

クロエ「私は知っているのだけれど…翻訳中に騒がれても面倒ね」

クロエ「黒城、少し話してて」

黒城「ふっふっふー!ようやくアタシの出番ってワケね!」

黒城「座して聞きなさい!」

坂東「いいから早く言えよ!」



282 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:20:43.76 ID:i2hjYH9ZO

黒城「まず、ノアの方舟は旧約聖書にて描かれている神話ね」

黒城「旧約聖書については…言わなくてもいいわよね?」

藤山「そ、そうだな……」

菊名「脱線しそうだしね…」

黒城「まあいいわ。その中でノアの方舟は創世神話のジャンルになるの」

黒城「本当は詳しく話したいのだけど…」

クロエ「ダメよ。五分以内で済ませなさい」

黒城「チッ、仕方ないわね…」

黒城「ざっくり言っちゃうと、神様が人間多過ぎだから洪水を起こすって…」

神名「どうして神様がそんな事をするんですかっ!?」

信じられません…!人が邪魔だから洪水を起こすなんて酷すぎます!それが神様のやる事ですか!?

黒城「知らないわよそんなの!そういう神話なんだから仕方ないじゃない!」

黒城「で、ノアってジジイに洪水を起こす事を伝えて…」

神名「神様の言葉は統べての人々に伝えるべきです!一人の人間だけが神託を受けるのは……」

黒城「あーもう!黙ってて!全く進まないじゃない!」

守矢「神名殿、少し失礼」

なんですか!?私は教祖として、この神話を許す訳には……!




283 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:21:29.68 ID:i2hjYH9ZO

ぴとっ

神名「え?」

守矢「ほれ、こうすれば神名殿も大丈夫でしょう」

守矢くんが近付くと、私の耳に守矢くんの大きな手が添えられていて……

菊名「もっ、守矢くん!?」

坂東「なっ…!ななな、何してんだよ!」

守矢「耳栓ですぞ!こうすれば黒城殿の声も伝わりますまい」

神名「?」

……?菊名くんと坂東くんがあたふたしてますけど、何かあったんでしょうか

菊名「うわあ…!」

藤山「おっいいじゃねえか!千鶴ちゃんのきょとんとした顔、中々いいぜ!」

坂東「そ、そうやって女子の身体に気安く触れるのは止めろって!」

黒城「ちょっと!ここにもその可愛い女子がいるんですけど!」

坂東「あ、そうだな」

黒城「軽いっ!?」

クロエ「くだらない寸劇はいいから、早く話を進めなさい」

黒城「そんなぁ…アタシは真面目にやってるのにいぃぃ……くすんっ」

神名「???」


284 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:22:06.04 ID:i2hjYH9ZO

黒城「まあいいわ!話を続けるわよ」

黒城「そのノアは、全ての動物と自分の両親だけが乗れる方舟を造るの」

神名「!」

! 正さねばならない気配がします!

藤山「おい守矢!しっかり塞いどけよ千鶴ちゃんの目がおかしいぞ!?」

守矢「バカな……音は完全に遮断出来ているはず……」

菊名「まさか……感覚だけで!?」

坂東「嘘だろ…!?格闘家でも無い神名がそんな技を使えるなんてよ……!」

藤山「いやそうじゃねえ、千鶴ちゃんだからこそ、だろうな」

菊名「神名さんの教祖としての才能が、人の限界を越えた超感覚として発現したんだろうね……」

守矢「流石は神名殿……教祖としての名は伊達でないという事ですな」

黒城「………………………………………………」


285 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:22:48.59 ID:i2hjYH9ZO

黒城「なんやかんやあって人類は衰退しました!でもノアの方舟に乗っていた親と動物は無事でした!終了!」

坂東「速えーよ!手抜きじゃねーか!」

藤山「やっぱり黒城じゃこんなもんだよな……」

黒城「うるさーーーい!!アタシを無視して盛り上がってんじゃないわよ!!」

菊名「ご、ごめんね?」

藤山「悪い悪い。てかどこまで話してたか覚えてねえからもう一回頼むわ」

守矢「お願いしますぞ!黒城殿!」

黒城「やらないわよ!もう知らない!」

黒城「そんなに詳しく知りたいなら、後で図書室で自分で調べなさい!」

神名「あの、どうしたんですか?」

守矢「失礼。今離しますぞ」

黒城「アタシ超高校級のオカルトマニアなのにぃ〜〜〜!!」

クロエ「……終わったわ。案外時間を使ってしまったわね…………」



286 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:23:39.81 ID:i2hjYH9ZO

藤山「おっ!どうなんだ!?」

クロエ「ええ、さっきの黒城の話に出てきたノアの方舟にもあるけど…」

クロエ「このゴフェル計画は、人類の種の保存を目的とした計画であるという事がわかったわ」

神名「人類…?保存…?」

菊名「あ…神名さんは黒城さんの話を聞いて無かったんだよね」

坂東「もう一回やり直してくれるか?」

黒城「もうしないわよ!」

クロエ「だけど、それ以上の事は解らなかったわ。ごめんなさい」

守矢「いえいえ、それだけでも十分な成果と言えるでしょう」

坂東「つってもよ…なんでそんな計画がこんなトコにあるんだよ?」

藤山「そのゴフェル計画が、こんな廃墟染みた場所と関係あるとは思えねーな」

黒城「わからない事だらけじゃない!どうすりゃいいのよ!?」

菊名「いや……あいつなら知っているかもしれない」

神名「えっ…!?誰ですか!?」

菊名「……モノクマだよ」





287 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:24:27.54 ID:i2hjYH9ZO

神名「モノクマ…………!」

確かに、私たちをここに連れてきたモノクマならばゴフェル計画について知っている可能性は高いですね……

藤山「そういやよ、モノクマって結局何モンなんだ?」

黒城「きっと中の人がいるのよ!そいつが黒幕に決まってるわ!」

坂東「……で、それって誰だよ?」

黒城「知ってるわけないじゃない!」

クロエ「だけど…黒幕がこの施設内にいる事は確かよ」

守矢「それもそうですな!でなければモノクマの操作もままなりますまい」

坂東「しゃあっ!ここにいる黒幕を見つけてぶちのめす!それが俺達の最後の目的だぜっ!」

菊名「が、頑張るぞっ!おー!」

黒城「はぁ?何言ってんの、こいつ……」

神名「頑張るぞーっ!おー!」

藤山「おーっ!やってやるぜ!」

守矢「おー!ですぞ!」

坂東「しゃーっ!」

クロエ「ふふっ。……どうするの?」

黒城「え?あ、ええっと、お、おー!」

全員が空に向かって拳を突き上げ、決意を新たに固めます

黒幕を倒す。その想いは、今までの私達では出来なかったでしょう

これは、福島さんと鈴木くんの遺した願いが叶えたんです……絶対に私達はここから出て見せます!




288 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:25:19.42 ID:i2hjYH9ZO

あの後、皆は各自で自分が出来る事をする。と食堂から飛び出ていきました

残っているのは、ゴフェル計画の話についていけなかった私だけですね

神名「……私は何をしましょうか」

皆が必死で頑張っているのに、自分だけ部屋でごろごろするのもダメですよね

かといって、私だけが勝手に行動して皆の足を引っ張るのもいけませんし……

……ここはやっぱり

神名「……皆の所に行きましょうか!」

さて……どこへ行きましょう?



※注意
一つの選択肢につき一人が対応しています。一度選ぶと再度選べません
一日につき三回まで。全て選ぶと次のステップへと進みます

1:新しい場所は見つかりましたか?
2:図書室でノアの方舟の復習でもしましょうか…
3:最終決戦に向けて、気合いとやる気は充分ですね!
4:見回りですか?手伝いますよ
5:機械を組み立てて、簡単な武器にするんですね
6:……どうしてここに?
↓1

289 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/23(日) 15:25:49.20 ID:JFThs0BFo


290 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 15:59:10.69 ID:i2hjYH9ZO

――『図書室』――

クロエ「………………………………」

ノアの方舟…守矢くんが耳を塞いでいたからよくわからなかったんですよね

図書室にいけば資料があるかな、と立ち寄ってみたのですが……

神名「あ、クロエさんもノアの方舟について調べているんですか?」

クロエ「貴女と一緒にしないで頂戴」

一刀両断されました

神名「えーと、それではどうしてクロエさんはここへ?」

クロエ「これを見にきたのよ」

そういって見せてきた古い本……あれ?こんな本前に調べた時には無かった気が……

神名「あの、その本はどこから…?」

クロエ「千里山の個室よ。…どうやら、死亡した生徒の部屋は開錠され続けているみたいね」

千里山くん…そういえば、歴史的な価値のある本は自分が保管しているって言っていましたっけ……

神名「…すみません。私も一緒に見て大丈夫ですか?」

クロエ「構わないわ。私はもう既に読み終わっているもの」

神名「それでは、お隣失礼しますね……」



291 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 16:01:35.34 ID:i2hjYH9ZO

神名「……世界の終焉?」

クロエさんの持っていた本は、一種の予言書でした

でも、その予言はとても荒唐無稽なものとしか言いようがなくて……

神名「……なんですか?これ」

クロエ「私の趣味よ。悪い?」

神名「悪いと言うより……クロエさんってこういうのが好きなんですね」

クロエ「いいじゃない。有り得ない事を俯瞰するのは、心がざわつくわ」

クロエ「……まあ、この状況こそが普通なら有り得ない事なのだけれどね」

神名「そうですね……」

クロエ「…私が貴女達と協力しよう。なんて、前までの私じゃ考えられないわね」

神名「えっ?」

クロエ「不思議な気持ちよ…どこかのバカが私にしつこく仲良くしろ、なんて言うから……」

クロエ「…もうそいつは居ないのに、ね」

それって…………

クロエ「フフ、何でかしらね?もう仲良くする必要も無いのに貴女達と共に戦うなんて……」

神名「クロエさん…………」

クロエ「……もう戻るわ。その本は貴女に貸しておくから……」

…最初の頃は私達を見下していた彼女が、ここまで私と雑談に興じるなんて

きっとそれは、ここに来てからの交流で彼女も変わっていったんでしょう

……射和さん。あなたの存在が、彼女を変えてくれたんです

【クロエ・ファウラーとのイベントを終了します……】


292 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 16:02:34.11 ID:i2hjYH9ZO
>>288の中から、一つ選んでください
※選択済:2(クロエ)
↓1

293 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/23(日) 16:04:53.91 ID:TtH6SW8I0


294 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 16:48:32.18 ID:i2hjYH9ZO

――『一階 空き教室』――

菊名「………………………………」

神名「……あれ?菊名くん?」

菊名「あっ……神名さん…………」

ふと教室の中を覗くと、菊名くんが教室の中にいるのを見つけました

こんな所に独りで居るなんて……何かあるのでしょうか?

神名「……どうして、こんな所に?」

菊名「えっと…ここって、初めて事件が起きた場所だよね」

菊名「今は全員が団結しているけど…もしもっと早くに皆が団結出来ていたらって思うと……」

菊名「だから、ここに来れば何かわかるかなって思ったんだけど……」

……初めての事件。それは江野森さんが小田切くんを殺害した事件

あの時、私は必死になって矛盾を論破していきました。まさか何度も経験するとは知らずに……

千里山くんや夜桜さん。鈴木くん……

糸長くんに黒崎さん。そして射和さんに福島さん……

皆と一緒に出たかったのに、もうこんなに減ってしまったんですね……




295 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 16:49:02.72 ID:i2hjYH9ZO

菊名「…もう、誰もいなくならないよね」

神名「……はい」

菊名「もう、コロシアイなんて起きないんだよね?」

神名「……ええ」

菊名「……俺、怖いんだ。何度もそう思っていたのに、何度も学級裁判が開かれるなんてさ」

菊名「だから、俺の命を犠牲にして皆を脱出させようと思ったんだ……」

それが、菊名くんの動機……

菊名「でも、福島さんはそれが間違いだって教えてくれた。だからもう俺は逃げないよ」

菊名「………絶対に、皆でここから出ようね!」

神名「はい!皆でここから出たら……」

神名「私の教団に入会しましょう!」

菊名「それは嫌だよ!?」

神名「どうしてですか!?菊名くんにも私の教えの素晴らしさを知って欲しいだけなのに……!」

菊名「え、えっとそれはその……」

この後、逃げる菊名くんを追い掛けて学園中を走り回りました

……なんだか、気負いが薄れたような、そんな気がします

……そうです。絶対に皆でここから脱出するんですから!

【菊名 幸路とのイベントを終了します……】





296 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 16:49:55.41 ID:i2hjYH9ZO
>>288の中から、一つ選んでください
※選択済:2(クロエ) 6(菊名)
↓1


297 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/23(日) 16:50:33.30 ID:ho2Nkvf8o


302 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 22:41:11.55 ID:u+/4gv1FO

――『廊下』――

守矢「おや?神名殿、どうされました」

神名「あ、守矢くん!」

神名「聞いてください!さっき菊名くんに入信の手続きをして貰おうとしたら逃げられてしまって…」

神名「そうだ、守矢くんは宗教に興味はありませんか?」

守矢「む?宗教ですかな?」

守矢「ありませぬなぁ。小生、信ずる物は金と自身と決めております故!」

神名「……本当に、ですか?」

守矢「本当に本当の本当であります!」

言い切られてしまいました…これじゃあ勧誘しても無駄みたいですね

守矢「ふふふ。随分と楽しそうですな」

神名「…わかりますか?」

守矢「わかりますとも!最近の我々は、辛い事ばかりだったでしょう?」

守矢「こうして朗らかに笑える時が来るとは、ここに来た時には考えませんでしたなぁ!」

…確かにここに来た時は皆が皆焦っていたから、こんなにはしゃげるとは思いもしませんでしたね……



303 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/23(日) 22:43:09.08 ID:u+/4gv1FO

神名「……そういえば、守矢くんはどうして廊下に?」

守矢「見回りですぞ。いつモノクマの魔の手が延びるとも限りませぬからな」

守矢「…小生に出来る事はこれくらいしかありませぬ」

守矢「小生が皆様を守れず、何人もの犠牲を出してしまった事。…後悔してもしきれませぬ」

守矢「はは…小生も超高校級とは呼ばれていますが、守衛としては未だ未熟ですなあ」

神名「……守矢くん」

神名「……私も、見回りを手伝いますよ」

守矢「神名殿が……?」

神名「はい。私、いつかあなたに言ったじゃないですか……」

神名「皆があなたを信じなくても、私があなたを信じます。って!」

守矢「……はっはっは!これは一本とられてしまいましたなぁ!」

守矢「では、この守矢藤右衛門。神名殿の守衛として、この学園の秘密を捜索致しましょう!」

神名「はい!ありがとうございます!」

守矢くんと一緒に、夜まで学園の見回りをしました

学園は不気味な程に静かで、まるで全ての生き物が死に絶えたかのような静寂が支配していました

それでも、学園に根付く草木や……私たちは生きています

守矢くんは守れなかった事を悔やみ続けるのでしょう。それはもう取り返せない失敗ですから……

だけど、それを忘れてはいけないと思うのです。私達が生きて、それを想い続けていかないと駄目なんです……

【守矢藤右衛門とのイベントを終了します……】

310 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 16:03:31.44 ID:bp3UyCbyO

……翌日

――『食堂』――

坂東「よっ!お前らおはよう!」

守矢「おはようございますですぞ!」

クロエ「おはよう…随分と楽しそうね?」

坂東「おうっ!ここからさっさと出られると思うと、わくわくするぜ!」

菊名「そうだね!皆には心配してくれる家族もいるだろうし……」

神名「それって、まるで菊名くんには居ないみたいな……」

黒城「自分語りはノーセンキューよ!アタシだって無視されたんだから!」

菊名「あっ!でもお姉ちゃんがいるから大丈夫だよ、うん!」

黒城「アンタ正真正銘のシスコンじゃない!気持ち悪っ!」

菊名「えへへ……」

黒城「否定しなさいよ!余計気持ち悪いじゃないの!」

藤山「へっ!こりゃ俺もちっとは本気を出さねぇとな!」

藤山「でよ……ここから出たらよ、菊名の姉ちゃん紹介してくれよ!」

菊名「嫌」

藤山「即答かよ!?」


311 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 16:03:58.34 ID:bp3UyCbyO

藤山「ちっくしょう……まあいいや。全力出していくぜ!」

坂東「しゃあっ!こうしちゃいられねぇさっそく行ってくるぜ!」

黒城「アタシだって負けないわ!絶対に黒幕に硫酸ぶっかけてやるんだから!」

守矢「小生は、昨日と同じく見回りでもしていましょうかな」

クロエ「なら、私もお供しようかしら」

菊名「お、俺もいくよ!」

守矢「おお、忝ない!お二人もお手伝いしてくれるとは嬉しいですぞ!」

クロエ「…なにもしないよりはマシだからよ、本当よ?」

菊名「俺にも出来る事って、これくらいしかないからさ…」

神名「だったら、是非とも私の……」

菊名「嫌」

神名「即答ですかっ!?」

うーん厳しい……菊名くんも入ってみたらきっとハマると思うんですけど……

神名「あ、皆さんもなにかあったら……」

黒城「アタシそろそろ行くわ!」

藤山「俺も」

坂東「おう!じゃあまた後でな!」

守矢「小生らもぼちぼちと見回りを開始致しましょうか」

クロエ「そうね。それがいいわ」

神名「……………………………………」

……泣いてません。だって私は超高校級の教祖なんですから

だから、私は私の出来る事をしましょう

今日は守矢くん達が学園内の見回りをしてくれているみたいですし……

今日は、昨日話していない他の人の所に行きましょう!


何処に行きましょうか……
1:……なんの儀式ですか?
2:トレーニングの最中でしたか
3:ここで、いったい何を……
↓1


312 : 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします  2017/04/30(日) 16:04:32.36 ID:z4+De3NL0
1

313 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 17:01:38.53 ID:bp3UyCbyO

――『資料室』――

黒城「…………………………………………」

神名「……あの、黒城さん?」

黒城「……………………………………何よ」

神名「……なんで、床が焦げているんですか?」

黒城「…………それ聞く?」

神名「聞きます」

黒城「よくぞ聞いてくれたわね!これはアタシが黒幕にぶちまける為に特別な配合を重ねた……」

神名「あ、なんとなく察したのでもういいです」

黒城「説明キャンセルっ!?」

神名「それにしても、黒城さんってオカルトマニアなんですよね?」

黒城「そうよ。今更アタシに聞くことがそれなの?」

神名「その割には、やっている事が科学者っぽいといいますか……」

黒城「何よ口ごもっちゃって、言うならハッキリ言いなさいよ!」

神名「本当に……黒城さんってオカルトマニアなんですか?」



314 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 17:02:56.89 ID:bp3UyCbyO

黒城「はぁ?何いってんのアンタ……」

黒城「アタシがオカルトマニアであるのは最早運命!そして必然なのよ!」

黒城「そんな事言ったら、アンタだって教祖らしく無いじゃない。この地味女」

神名「地味……っ!?」

黒城「そもそも、自分でそう思っていたら悪いの?誰がなんと言おうと、アタシは超高校級なんだから!」

神名「そ、それは……そうですけど……」

黒城「アンタだってそうでしょ?」

神名「…………えっ?」

黒城「アンタだって誰かが教祖だからって言われたから教祖になったワケじゃないんでしょ?」

黒城「大切なのは自分がどう思うか!そこには、他人の意思なんて関係ないんだからっ!」

黒城、さん…………!

黒城「ふっ……我ながらイイコトを言ってしまったわね……」

黒城「それじゃあアタシはもっと改良を加える事にするわ!アディオス!」

神名「はい!ありがとうございます!」

黒城「……?」

大切なのは自分の気持ち、か……

そうですよね。私がここまで来れたのは皆さんを信じたいという私の気持ちに従ったからこそです

……黒城さんって、考えなしに見えて意外と物事を考えているんでしょうか……?

【黒城奏とのイベントを終了します……】


315 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 17:47:53.43 ID:bp3UyCbyO

――『大広間』――

坂東「ほっ!はっ!せやぁっ!!」

藤山「オラッ、甘いぜ坂東!もっと本気で来いやぁっ!」

坂東「どらあぁぁぁ!!」

神名「な、何しているんですか!?」

ふらっと大広間に足を運んだら……鉄棒を振りかぶった藤山くんと坂東くんが相対していました

まさか……コロシアイ!?

神名「や、止めてください!こんな事、もうしなくてもいいんです!!」

藤山「ん?千鶴ちゃんどうかしたか?」

坂東「そんな慌てんなよ!俺たちはただトレーニングしてただけだからよ!」

神名「トレーニング……ですか?」

坂東「おう!あのモノクマのヤローをぶちのめす為にな!」

藤山「そんで、坂東の持っていた格闘技の本を見ながら見よう見まねでやってるんだぜ」

神名「そうなんですか……でも、なんで鉄パイプなんですか?」

藤山「素手で殴ると痛てぇじゃん?」

そんな理由で武器を決めたんですか……



316 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/04/30(日) 17:48:20.38 ID:bp3UyCbyO

坂東「けっ、ヘタりやがって」

藤山「なにおぅ!これでも普段の俺からすりゃあ全力だっつーの!」

坂東「へへっ、でも、なんかこういうのもいいよな!」

藤山「そういや、ここって一応は学園なんだよな?それっぽい事なんもしてねーけどよ」

神名「ええ、モノクマはここは希望ヶ峰学園と主張していますけど……」

藤山「んなワケねーだろ!こんな廃墟めいた場所が希望の学園なんてよ!」

藤山「おーし燃えてきた!ここから出たら思いっきり青春っぽいことするぞ!」

坂東「ぽいこと……って何だよ?」

藤山「そうだな…合コンなんてどうよ!」

藤山「男女グループに別れてよ、なんかやんだよ!」

坂東「なんかって何だよ!つーかお前女と遊びたいだけじゃねーの?」

藤山「そうだよ!悪いか!?」

坂東「悪いわ!」

神名「ふふっ、楽しそうですね」

藤山「あ、合コンには千鶴ちゃんも誘うから安心してくれよ!」

坂東「行かなくていい!いいからな!」

このあと、私達はこんな調子で、下らない雑談に華を咲かせて一日を終えました

ここから出たら、学生らしい生活を。前までの私には考えられない事です

青春…………私にも、出来るといいな…………

【藤山戒&坂東永太のイベントを終了します……】
【次のイベントへ進みます……】


321 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:15:53.89 ID:uBMYQWYiO









その日、私は夢を見ました

皆が揃って、遊んでいる夢を……











322 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:16:29.17 ID:uBMYQWYiO


神名『あっ、あの、そんなに引っ張らないでください…………っ』

福島『だーめ!千鶴ねーちゃんもこっちに来るの!』

坂東『そうだぜ?一人だけ隅っこにいるなんざつまんねぇだろ?』

藤山『こういうのは全員でぱーっとやんのが楽しいんだよ!千鶴ちゃん!』

江野森『で、でも…………嫌なら別にいいんじゃないか?』

鈴木『ダメだ!これは全員参加だぞ!』

千里山『おんしが勝手にそう言っておるだけじゃろうゥ……』

菊名『だけど、これから私達は力を合わせないといけないから……』

夜桜『無理にでも仲良くなれって事?』

糸長『そうだよ!今僕らはこうして出会えたんだからさぁ!』

黒崎『まさに異文化交流じゃな!妾は楽しいぞ!』

小田切『でも、君たちって緊張感の欠片も無いよね?』

クロエ『これからやる事が、こんな茶番で失敗したらどうするのかしらね』

黒城『はぁ……ホンットーに余裕が無いのねアンタ達は!』

射和『今だからこそ。だろ?いざ始まるとおちおち羽を伸ばすことも出来ねぇ』

守矢『そうですぞ!小生がいますから安心してくだされ!』

神名『……はい!わかりました!』

神名『今、そっちに、行きますね……!』


………………………………

…………………

…………




323 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:17:09.66 ID:uBMYQWYiO

チッ……チッ……

神名「うーん……うーーん……」

神名(何だったんでしょう、今の夢は…)

チッ……チッ……

神名(懐かしいような……でも、どこか違和感があるような……)

チッ……チッ……

神名(……思い出せません。どこに違和感があるのか、そして、あの夢はなんだったのか……)

神名(……考えても仕方ないですよね)

チッ……チッ……

神名(夢に出てきた皆は、もうほとんど残っていませんけど、それでも……)

神名(私達は、その夢に向かって歩かないといけないんです)

チッ……チッ……

神名「……うるさいですね…………」

さっきからちくたくちくたくと、時計の音が耳障りですね…………

神名(……あれ?そういえば…………)

神名「私の部屋って、音の出る時計がありましたっけ……?」



324 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:17:58.93 ID:uBMYQWYiO





目を開けて、くるりと身体の体勢を直すと、まず気づいたのは……

神名「ここ、どこですか………あれ、動けない」

そして、それよりももっと重大な事は……

モノクマ「…………………………………………」

チッ……チッ……

神名「なんで……なんで…………」

神名「モノクマから時計の音が聞こえているんですかーーーっ!?」



325 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:18:48.44 ID:uBMYQWYiO

神名「えっ……!?何ですかコレ!?」

暴れようにも暴れられない…!まさか、腕と足が縛られている!?

意識して見てみると、ぎちぎちと両手と両足に鎖が巻き付いています

いや、そんな事よりも………!

神名「なんで……モノクマの中から時計の音が……」

間違いなく、目の前に鎮座するモノクマの中からは時計の音がはっきりと聞こえてきています

でも、なんで…………

神名「…………あっ!?」

そういえば、いや……まさか、まさか、まさか!

神名「この中に……爆弾が!?」

確か、初めてモノクマが現れたときにクロエさんがそう言っていたような……

それって、つまり…!


326 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:19:18.85 ID:uBMYQWYiO

神名「い…嫌……っ!嫌ぁっ………!」

頭に浮かんだ最悪の想像。それを振り払う為に身体を精一杯によじるけど……

神名「痛っ………!?」

かなりキツく縛られた鎖が、私の手足の自由を奪います。私が動く度に鎖が食い込んで、鋭い痛みが突き刺さります




神名「こんな………っ所でっ………!」

でも、それでも、私は死ねないんです

だって、まだ私は、1つも約束を守っていないんですから―――!



327 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:20:08.03 ID:uBMYQWYiO

「うおっ!?おい!いたぞ!」

「本当でございますか!?今皆様を呼んできますぞ!」

「ちょっ……待っ……息が………」

神名「……!?誰ですか!?」

藤山「俺だ!藤山だぜ!ついでに黒城と守矢もな!」

黒城「はーっ……はーっ……疲れた……」

助かりましたけど、どうしてここに……いや、今はそれよりも……

神名「早く逃げてくださいっ!モノクマの中に爆弾が!」

藤山「何ぃ!?爆弾だとぉ!?」

黒城「どどどどうすんのよ!?アタシでも爆弾の解除はしたことないわよ!?」

藤山「どうするっつったってよ…助けにいくしか…」

黒城「アンタ…出来るの?解除」

藤山「したことねーけど……」

黒城「もー!出来もしないのに簡単に言うんじゃないわよ!」

藤山「じゃあどうしろってんだ!見殺しにしろってか!?」

黒城「なによ!」

神名「や、止めてください!こんな時に喧嘩するなんて……!」




328 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:20:44.47 ID:uBMYQWYiO

守矢「遅れました、藤山殿!全員連れて参りましたぞ!」

坂東「悪ぃ神名!遅くなっちまった!」

菊名「か、神名さんっ!」

クロエ「どういう状況なの?それに何かしら?微かに聞こえる時計の音は…」

坂東「んな事どうだっていいだろ!早く神名を助けにいかねーと…」

神名「こ、来ないでください!モノクマの中に爆弾があるんです!」

守矢「爆弾ですとぉ!?」

菊名「どうなの!?クロエさん!」

クロエ「確かに、モノクマの中に爆弾が内蔵されているのは断言出来るわ」

クロエ「でも、爆発するかは見てみないとなんとも言えないわね」

黒城「ならアンタが行ってよ!」

クロエ「勿論そのつもりだけど…出来ればもう一人くらい付いてきて欲しいわね」

藤山「なら俺がいくぜ。鎖をぶっ壊さねえといけないからな」

菊名「俺もいくよ…何が出来るかはわからないけどさ」

守矢「では、小生らは何かあった時の為に待機していますからな」

坂東「だったら俺も待ってるぜ!」

黒城「アタシも待ってるわ!」

藤山「お前は単に面倒なだけだろ!」

クロエ「まあ人手は多いに越したことは無いわ…いくわよ」






329 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:21:34.87 ID:uBMYQWYiO

菊名「…特に何事もなくつけたけど……」

クロエ「何があるかはわからないわ。くれぐれも慎重にね」

藤山「よしっ、動かないでくれよ…」

神名「は、はい……」

クロエ「んー……随分と古典的な爆弾ね」

藤山「なんじゃそりゃ!オモチャじゃねえか!」

首を傾げながら見せてくれた爆弾は、ドラマに出てきそうな時限式爆弾でした

クロエ「でも、見た感じ火薬の量はかなりのものね……爆発すれば簡単に死んでしまうわ」

菊名「ひっ!?」

藤山「へっ、だったらその前に逃げちまえばいいだけだぜ」

藤山「つー訳で菊名はそっちがわ支えていてくれ」

菊名「う、うん……」

神名「あまり捻らないでください…鎖がくい込んで痛いです……」

……なんとなく手つきが怪しいのは気のせいですよね、多分


330 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:22:12.77 ID:uBMYQWYiO

藤山「おし、終わったぜ」

神名「ふぅ……ありがとうございました」

菊名「じゃ、じゃあ早くいこうよ!」

クロエ「そうね……カウントダウンはまだ余裕があるけど、万が一に備え、て……」

……?クロエさんの表情が固まってますけど、何かあったんでしょうか?

クロエ「…………逃げて」

神名「……え?」

クロエ「全員全力で逃げてッ!カウントダウンが異常に速くなってるのッ!」

菊名「え……っ?えええっ!?」

藤山「嘘だろ!オイ!」

クロエ「いいから速く!消し炭になりたいの!?」

神名「わ、わかりました!」

……あっ!?




神名「……きゃっ!?」

ずっと縛られていて、足が……!






331 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:22:46.74 ID:uBMYQWYiO

守矢「皆様!大丈夫ですか!」

藤山「ああ、なんとかな……」

クロエ「ゾッとしたわよ…でも、なんで急にスピードが……」

菊名「……あれ?神名さんは?」

黒城「え?一緒じゃないの?」

菊名「え?あれ?え?」

坂東「……っ!オイ!あそこに!」

藤山「なっ……なんで……あんな遅れてるんだよ!?」

坂東「わかんねーよ!速く助けに……」

守矢「ええ!小生が神名殿を……」

クロエ「ダメよ!あの距離だと確実に爆風に巻き込まれるわ!」

坂東「じゃあどうすりゃいいんだよ!見殺しにしろってーのか!?」

クロエ「なら貴方が代わりに死ぬかもしれないけれどいいの!?」

坂東「………………………………!」

クロエ「神名はもう助からない!あの距離から助けるなんて出来っこない!」

藤山「…………悔しい、けどよ……!」

守矢「……くそっ!小生が、もっと……!」

クロエ「……神名はもう、誰も助けられないのよ…………」

坂東「………………………………!」



332 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:23:16.99 ID:uBMYQWYiO









坂東「だったらやってやろうじゃねえかよおおおおおおおおおおッッ!!!」











333 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:23:48.23 ID:uBMYQWYiO

―――――――――――

神名「…………あはは、ここまで、ですね」

まさか、こんな事で死んでしまうなんて…

でも、それが神様の定めた運命なら、受け入れないとダメですよね?

だって、私は教祖だから。神様が決めた事には逆らえないですよね?

…………でも

神名「……あれ?なんで、怖いんだろう」

この心の底から沸き上がる震えは、空が落っこちてくるような、そんな底無しの絶望は…………

…………なんなんでしょう?

神名「…ああ、やっぱり、私は……」

私はまだ生きたいと思っている…そして、その理由は……

神名「ここから…出ないと……!」

お飾りでも構わない。役立たずでも構わない。意味がなくても構わない……

それでも、絶対に、皆と一緒にここから出ないと……!

神名「助けてよ……っ!神さま……っ!」



334 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:25:01.94 ID:uBMYQWYiO

坂東「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」

神名「きゃっ!?」

坂東「守矢ァ!受け止めろよぉぉッ!」

守矢「…はっ!」

神名「えっ?えっ?」

坂東「神名…俺はお前の、その諦めないって顔が好きなんだぜ」

坂東「だから…ちょっと痛いけど我慢しててくれっ!」

坂東「…………どらぁっ!!」

凄い速さで駆けてきた坂東くん。いきなり宙に浮く私の身体

唐突な出来事の連続に、考える頭が完全に止まってしまいます

守矢「……はっ!受け止めましたぞ!」

守矢「坂東殿!速く此方へ!」

坂東「おう!今そっちにい―――」


335 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:25:36.86 ID:uBMYQWYiO








閃光、爆音、それが私達を包み込みます

意識も、記憶も絶え絶えの中、私が最後に見たのは―――

神名「―――坂東くーーーーーーん!!」

眩しいほどの閃光に飲み込まれる、坂東くんの姿でした









336 : ◆Wd9XQcLkjx0n  2017/05/03(水) 20:26:15.39 ID:uBMYQWYiO









【CHAPTER5】
  神の名は  非日常編













捜査編


【元スレ】
【二次創作】安価で進めるオリロンパ その2