2769 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:00:17 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
項梁・項羽の軍師として名高い范増。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ハ ／ } イ ／ }
/ {/ } ／ ムｲ
}｀Y ィ_ ィ |
/ 八 xー`ｰ` " " Z、 :|
{ / / { j7
､ ./ { { { 、 / イ
＜.〈 ィﾆﾆミ ､--v ィﾆﾆミ ､ 「 /
[{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く
{＾ゝ ＿彡/ ゝ ＿彡 }/:ﾍ}｀¨
Vﾊ ｛､__,_， 〃) /
∨} ／ ｀ヽ / ! イ
八 { -‐_＾`_‐- } / } }ヽ.／⌒ヽ
/ j ヽ、, ,人 ､､ __ .ノ 从ﾉ_./ ﾉ
{ ｀ヽノ〕 ／ ｀¨¨¨¨／ { {､＿
＿厂{ L.. { { . -‐/´￣￣￣｀ヽ ｀ヽ
r‐ ¨¨ ー┐ 八__ノｰ廴_ノ { -―- ､ ﾊ }￣￣≧=- ､
／ゝ {¨¨ /{__./ヽ／ ﾉ / }-‐ ' .， ´ ヽ
／ 〕 ＼ {i:i:i/ / ／ { " ¨¨¨¨` / | ／
｀Y / 廴 ∧ ∨ / { { ＿_ | 〃 }
| .′ ｀ヽ / }/ / / 〉´ ｀ ﾊ′ ﾆ=- .
| { ーz / / / :} ､__,ノ{､ / :} ﾆ=- /
_人 ､ 〔 / .′.′ ﾉ 厂 ゝ`ｰz ｲ} ＼ ＼
【 范増 】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
楚漢戦争作品において、
必ずと言っていいほど登場する人物だが、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2770 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:00:53 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
実は史記において、
たったの四ヶ所にしか出てこない。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━┛
┌───────────────┐
│ ...│
│ � 々猯造忙鉄韻靴榛檗 �.│
│ ...│
│ �◆ 々猯損犖紂 �..│
│ ...│
│ �� 鴻門の会 ..│
│ ...│
│ �ぁ ．吋ね枉觜極廟錙 �......│
│ ...│
└───────────────┘
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
うち、�△楼貶犬世韻僚�任記録なんで、実質三ヶ所。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2771 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:01:31 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━───
┃
さらに��と�い砲�いて、
この爺さんが口にすることは、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━┛
:| { ヽ / | / / /
丶 ﾘ ; ﾐ, / 八 / / /
＼ ﾚ! ﾉ `, / 〈 ゝ-彡 ' /
ヽ ￣ 厶 l ; ヽミ ,厶,,_
＼_ ／‐=ニニﾆヽ { ﾉ, ／ 二ﾆ=、 } _,／ , ´
ﾐ, } { ／,≫＝ミゝ_,｝〉 {《___ノｧ=≪ ＼ | 丿 |＼ /＼ / | ／/ /
＼ｒ‐┤ | ／ め ｀`〈 ﾉ め ＼ ､ ｜|>―､彡 ＿| ＼/＼/ ＼／＼/ |∧／ /／/
ﾉ Ｊ | ミー==彡ゝ i へ ﾐ= ___,,. |｜/＾ i ＼ /
} ノｌ ! へ,,__ ／ } ＼ ノ＾' } ｊくl ; ∠ 劉邦を殺せ殺せ殺せ殺せ！ ＞
{ { l| ! _,／ `ｰ ; ｌ| ﾉ 八 ／＿ ＿ ＼
八 ﾘ ‘ / ﾘ / ￣ / ／∨| /Ｗ＼ /＼|＼ .| ￣
＼‘ ゝ ﾉ ＿＿_ュ__ｒュ＿＿_ 丶 ,ｲ { ,〈 /／ |/ ＼/ ＼|
＿ゞ, い, l ／ ＼ } /ﾉ ,厶ハ,
／ ハ ! ｌ V , ,___ｔ___人__ｘ,__､ ､ Ｖ // { V└―ｘ、
__」 / '，l ` '⌒了___ｧ………=ｔ__T＾ﾞ⌒` ′ l }／ ⌒ ＼___
ミ〈 い、 弋く >ｿ ; l ‘ ｀ ,
》 ﾉ ＼ ヽ辷ｰ─一少 ﾉ 〈 乂 |
〃 く, ＼ ,,.二二.,, ／ ゝ ﾏ └ｭ_
ヘ ＾气 ￣乙 ィ／＼ ､__,z―=彡 厂 ﾉ ＼
〕ﾄ 厶 ´ ﾉ ｀ゞ ,厶 ／ ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
と、連呼するばかりで、
作戦というほどのものではない。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━┛
2772 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:02:11 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
特に��の鴻門の会における
范増の発言はどうにもおかしい。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ / ／ '.
「 У / ／ ∨}
} { `ﾄ､/ イ斗≦ イ ＜彡 }
/ 〉 .r`⌒ヽト､{ ∨ / }
{ ′ | / / i V /
､ | } { / {: } :./ , ム
､¬ﾐ L ＿ :. / ＿ } : / / /´
＼ ィ⌒ヾﾐﾒ､ { { rzz彡 ⌒ヾ } /ﾍ .′ 劉邦の気を観測させたところ
Yﾊ } /ノ´苡≧､ｰヘ ィ廴苡>､ } //} } / 五彩にして竜虎の気
} }i ｀¨¨ ／ } ＼ ｲ〃り }′
. V八 ／ } ` ､ / } }/ /
＼ ﾄ､ ､ , / | | ム あれは天子の気だ
Vﾊ イ"" ｀丶、ヽ | しﾍ厂_
∧ }〈{ ィ イ_ヘ_ト ﾄﾐ } } ﾉ }､}､ ｀ヽ
／∨ ﾑゝゞ' ｀¨ﾆﾆﾆ¨´ ／ 〈 ﾉ } ⌒ヽ
_{ ∠ィ ＼ , へ ／ ､}／ / }_
-‐y⌒Y´ } 〈 ﾑﾍ ` " ` ` ` , -=彡 /i:} ｀ヽ
{ / { ゝ =ﾐ } ィ i 〃 /i:i/ }＼
/ { V´:i:i:i:i:i:iヽ 人､从{从 ｲイ { /i:i/ ゝ､:＼
2774 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:02:40 ID:29AISvmM0
＞=弌 ,小 ::{ .:/
'⌒ヽ ＼ { ::、 .::/ -――- ､
八 } -=¬ニ ‐- ヽ.. /::; , ≦三_￣￣￣｀`
＼ ,込 ,＞ミ 、 い. ﾍ .::::ﾉ ／／二二二¨¬
⌒{ 丶 , ´≫=＝ミ; 、ヽﾉ:::∨::く:乂＿__／／,ｧ'~￣￣¨ ミx、
人 、ﾊ _ノ 〃 __＼＼廴＿__::::＼ゝ─ﾁ::イ ｨぅぃ ≫- 今、除かなければ我が軍の者は
ヽ＼′￣__ =ｔう) 冫ｼ:::ｱ⌒¨＾:::::::::::彡::::´==ミ___ヒソ／ノ 全員、やつの捕虜となってしまうだろう！
人 ﾏ ＼^'ー--‐=彡＾>:〃⌒ヽﾐ::「`＜￣二 ｰ- ,,__ " ノ`
ー〉 ､ ｀ ￣ ／::::: ヽ| ｀丶:::... _,／
' `ｰ ／⌒〉::l ｀丶:::... だから劉邦は殲滅だ！
{ ／ .:::::; :.. ｀ ｰ- ,,__ 処刑してしまえばいいのだ！
l.:::::| ヽ:.､
＼ l::::::| 人::＼ ‐-
＼ ﾉ 丶入 ／ ￣ ¨ ミ ､ 丶、
_ｒ'⌒ヽイ厂介x 〈 , イ ⌒T ´ ＼ 丶 ｲ
_,ｘ┘ ／／ 八い, ∨ >､＼ ､ ＼ ′ |
┘ ／／ ）八 { _彡′ ￣｀¬ミｰ-=ミ l | {
┏━━━━━━━━━━━───
┃
と、主張しているわけだが、
┃
───━━━━━━━━━━━┛
2776 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:03:16 ID:29AISvmM0
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┃
そもそも鴻門の会の部分は、
史記の中でも一、二を争うぐらい、
劉邦贔屓の脚色が入っており、
┃
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, :': : : : : : : : : : : : : : : : : : : `:..、
／: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,:': :／: : :. : : : : : :./: : : l: : : : : : : : : : : :':.
/: :/: : : /: : /: :〃:'|: : : ::!: : l: : : : :l: : : : : '.
. ,': ::,': : : /: : /: //:,' .l:.ﾄ,: ::l: : :l: : : : : l: : : : : :'
|: : |: : : l: ::/l::/ ,':/ |:.', V:l: : ;l: : : : : V: : : : ::l
l: : l: : : :l: :,'-!_'-|,'‐' ヾ -ヾﾍ:_: : : : : :V: : ::l:.:| ここはどうしたって
l: : :V: : :V!ｵ芍斗 乍芍=ﾏｪ-: : :.ヽ: :.|: | 脚色入れないと……ねえ？
. V: :.ヽ: :ﾊ 弋,ﾉソ 乂じﾉソ 》ヾ､: : ヘ: :|
V: :l: ＼ヽ , ー‐ ´ !:.ﾊ: :ﾄ,: ﾊ;!
V:|: /: l |:.l V!:}:/: l
,': : ﾄ.、 lﾌ::.ヽ u ,ｨ' l-:': : : : : :',
/: : :.l:l::.丶 ゝ- ' ィ':j ,':: : : : : : : ﾊ
/: : : ::l |: :r-| ` - ´ ,'-//: : : : : : : : : :'.
/: : : : :..l l/ ¨｀` - 、 / //V: : : : : : : : : ﾊ
. , -ナ- ‐―.; l / ', / , ' V:_:_:_: : : : : 、:',
/ 、 l l 、 / V , / / ヽ:',
. / ヽ !l ヽ x≦三三ﾌ/ミzx' j ヽ,
/ l |.! Y////／//V,'///ハ ./ V
【 司馬遷 】
.
2778 ：名無し-Red-市民-2：2015/09/15(火) 20:03:57 ID:Ub28fqkI0
まあ一言でいえば土下座しに行ったんだからな
しかも途中で逃げ帰っているし
2777 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:03:50 ID:29AISvmM0
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┃
項伯や樊カイの描写なども、
状況的に明らかにおかしいことを口にしている。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ￣￣ ＞
／ / 、 .＼＼
/ / { .ヽ ＼ヽ
/ / ./ i} l ',ヽ ヽ
∨ ＼ ヽ | / { .| l ...ﾄ}.. ...i i..ﾊ.} ､ } .i
｀ﾍヽ､ ヽ-_‐､‐,-- ､／ } ., .} i i|ハ ､i l レ7.} l| .}}
／ミ_ _ ／ﾐ／´ ｀´ ヽ .i ', -十卞=.弋 {i....ﾊｱ}ﾚ i ﾊ}
´ ｀ヽ/ミ､{ ':, } .', _}.--<示ア. ゞ乂¨ .ﾚ/乂
/ﾐ , j } } i .i .ﾏ .ﾊ￣ .::', ﾚ .i
E,= 彡 ､ l .i } .ﾄ、} i ´ /| l |
彡､, /= , ﾐ二 ヽヽ i l , -‐'",l .l | .l . 1 . ﾊ u ,.-, ./.i l l |
_ /j-､ﾐ `ﾆcｵ ` ' ' /'-‐.,-, l .l ii ﾊ .ﾊ .}＞.， ﾞ_/ i..l |...ｌ |
- ― --､´ l彡／; l ', ｀ﾞ¨ ' l .| li | } i=ｭ___ ｀{ i .| | l .乂、
､ , -'"´ 彡 ／∧ u ,._'_´ | ヽ /､_ , .i ＿_..ﾉ∧ .∨//}}/∧≧ｭ┐ー- .、
／ ー=／ ／ヽ /-,‐｀"｀^｀_' ／ミヽ､ , ヽ∧ .∨/}}/////}}/} ヽ
／ -=＝'´／/｀´,-‐'"´二､｀ヽ､´ミ､＼ ゝ / .》 } ...ﾚr-０=､//}}.ム_ .}
-= '／ ／ ｀ー '"´｀ｰ- '´ヽ､ミヾ､ﾐ､ .{ .､ ﾚ //| ＼∨ﾉ///＝￣≧=ｭ___
´ー '／ ／ | i l / ＼ヾ ､＼ゝ 八 ', / //.ﾊ＼＿ >}ヽ/〔////／/⊂)--.>ｭ
´ ／/ l |/ k ､ヽ ＼ ゝ ヽ ヽ У./ -≠＝==≦.O/{////ゝ.／///////≧ｭ
, - ‐'"´￣￣｀ｰ,,､' ﾚ' ヽ､ ＼;;;;;', ヽ______ ／／///:{////////≧ゞ、////////////////ゝ、
, -'"´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;｀;;;ヽ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;', ﾏ///／./＞ ¨⊂⊃￣ ＞ｭ､.//ﾑ////////////////{{iﾉ
【 項伯 】 【 樊カイ 】
.
2779 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:04:26 ID:29AISvmM0
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┃
范増の天子の気がウンヌンという発言も、
裏返してみれば、劉邦賛美であり、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
{ / ::{ { { { / ／ ／ -=ﾆ ﾉ }
∨ ::＼ ､ ､ ､ムイ イ -‐ ¨¨Z≦､ ー==彡 ／}
{ ::／ ::＼ ／ /
、 / ＿ ::ヽ ｰ=彡 }
〈 ＼{ ,ｨ=≠ ¨¨¨` ::」 /
∨ ヽ ≠＝=ミ / r_巧≧ ＼ `ｰ===彡ヘ
〉､ } ィ_巧≧x} .: } 厂
＼ﾉ ノ / : { / / ﾉ 劉邦は天に認められた英傑！
〈 / : ヽ . :} }⌒ヽく
∧ { , r ､ }::. . : :} }て } )、
∧ ／` ー ー＜:::: . . : : : } } }' { 〉 必ずや天子の位に上るだろう！
∧ ′ / ｉ i ｀ヽ:: . : : : } }_ノ ﾉ ／
ﾊ { { /从从从从 } } }::: } : :/ 八彡く
} } こ二二ヽ / :ノ ゝ〔
ﾑ人＿__ ｨ ｀ーーー ､ xく ､ ／ ヽ
イ / / / {i } 、ヽ ＼ ＼ ヽ ＼＼」
r ＼ { / { { ハ } } }i } } ／ Υ
＿厂 ヽ{ } ｉ{′/ / ﾘ / ﾘイ }
r┘ )人} 八 { / /／. :´ /＼
-=ﾆ { ＼/ x≦- ､ / :/〉、
-=ﾆ { }／ ＼ .′ :// /`ー- ､
2781 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:05:02 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
また、この爺さんは鴻門の会の頃から、合計三回も
「劉邦を今ここで殺さねば俺たちは負ける」と言っている。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ﾉ} ／ } V }
／ / -‐ ¨¨ /
「Y { ／ /⌒ー ´} ﾊ
| :| :/ ′ -‐ ¨¨ ′ ﾉ
| :| / ／ ／ / ⌒ヽ
′/{／{／ "Z ／ / 7 厂
＼ { / ＼ ／ / ノ
｀V ｰ=彡 /く
| -ｧ ｀ヽ Y⌒ヽ ﾉ 将来、劉邦は偉大な存在になるから
| ／xく | | V ／ ／ 我々はかなわんのだ！
. 八`´ 苡ﾝ U | | | ／ く 絶対に！ 確実に！
} `ｰ ､ 八 ムヘ | 厂
.′ ′／ ＞ ／
{ u {／ ＞ ´ ⌒ヽ、- ､ だからここで殺そう！
└ ン`ｰ- ､ ／＞ ´ﾉ ＼ ﾊ 厂 }
〈__ ､ -‐=ﾐ〉 ¨´ ／ _厂 ﾑｲ }ﾉ ⌒}
に二彡 ／ ／ 厂ヽノ 八
ﾊ、＿彡 ／ 厂 }
{ }" 厂 八
} ／"厂 }
ﾑﾍ从イ 厂 厂⌒⌒⌒`く
┏━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
どんだけ未来に悲観的なんだよ、あんた。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2782 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:06:17 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
こういう偉大さを示すための
未来予言者的な脚色は、他にもけっこう見える。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
-‥… ――- ､
／ ヽ
/ ヽ
,' 、_i､ 、 ゝ､_,,､,､_,,y Y
. i ーrｯ‐'ﾍ} {/ｰrｯ‐一ｬ }
i ”””'' ''”””´ ,' 俺が呂雉に残した遺言とかな
. 丶 } /
. ＼ ヽ＿/＼＿ノ ／
ヽ ／|＞､ なんで俺より年上の王陵が
＞ ＿_＿_ ィ／ ! 蕭何や曹参より長生きすることを
」| ／ ﾉ .ﾞｉ_ 俺が分かってんだろうなぁ……
／ .{ ＿／ ／ ＼
. , ’/'ｒ＿ﾝ< ／ ＼
, ’ { ./|〈O,r'＼ ／ ＼
,イ |/.>＝‐r／ﾞｉ／ ﾞｉ
i !;;;;;;;;;;ﾙ _ - ‐−- _ ﾞｉ
| ﾞｉ 〉ｰｲ´ ／ ＼ﾞｉ
| 'ii. /;;;;;;;| ／ ﾘ
〉 /i. /;;;;;;;;;;| ,' /
【 劉邦 】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
劉邦絡みでは、自分の子、劉ビを見て、
「これから五十年以内に謀反を起こすのは
きっとお前だ」、と言ったとかもこの類だろう。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2784 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:07:00 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
だから史記の范増は、
「劉邦の出世・勝利と、項羽の敗北を
予言する敵方の軍師」、という、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
:| { ヽ / | / / /
丶 ﾘ ; ﾐ, / 八 / / /
＼ ﾚ! ﾉ `, / 〈 ゝ-彡 ' /
ヽ ￣ 厶 l ; ヽミ ,厶,,_
＼_ ／‐=ニニﾆヽ { ﾉ, ／ 二ﾆ=、 } _,／ , ´
ﾐ, } { ／,≫＝ミゝ_,｝〉 {《___ノｧ=≪ ＼ | 丿
＼ｒ‐┤ | ／ め ｀`〈 ﾉ め ＼ ､ ｜|>―､彡 劉邦はすごいやつ！
ﾉ Ｊ | ミー==彡ゝ i へ ﾐ= ___,,. |｜/＾ i
} ノｌ ! へ,,__ ／ } ＼ ノ＾' } ｊくl ;
{ { l| ! _,／ `ｰ ; ｌ| ﾉ 八 だから小僧の項羽や我々では
八 ﾘ ‘ / ﾘ / 負けてしまうのだ！
＼‘ ゝ ﾉ ＿＿_ュ__ｒュ＿＿_ 丶 ,ｲ { ,〈
＿ゞ, い, l ／ ＼ } /ﾉ ,厶ハ,
／ ハ ! ｌ V , ,___ｔ___人__ｘ,__､ ､ Ｖ // { V└―ｘ、
__」 / '，l ` '⌒了___ｧ………=ｔ__T＾ﾞ⌒` ′ l }／ ⌒ ＼___
ミ〈 い、 弋く >ｿ ; l ‘ ｀ ,
》 ﾉ ＼ ヽ辷ｰ─一少 ﾉ 〈 乂 |
〃 く, ＼ ,,.二二.,, ／ ゝ ﾏ └ｭ_
ヘ ＾气 ￣乙 ィ／＼ ､__,z―=彡 厂 ﾉ ＼
〕ﾄ 厶 ´ ﾉ ｀ゞ ,厶 ／ ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
隠れ太鼓持ちのような存在に、
脚色されてしまっている可能性がある。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2785 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:07:36 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
まあ、実際に鴻門の会において、
范増が劉邦殺害を主張したのは間違いあるまい。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
} :/ } :} ::/ ー―ｧ
/ { { ﾉ ::ノ＿ ノ
( ト､ ､ イノｰ ´ く `ｰｧ
}｀ヽ ｨ´ ヽ ／
{ { { ./ ／⌒ } 7
､ ﾉ ,==ﾐ ｰくこぅ､ 〈 /
八 ∨f 斗 } ＼ , } rヘ 7 だがそれは決して
ヽ} ,: /: | |ﾉ:} }′ 劉邦が天子になると
人 _` ` ‐-､ {: | | xく 見抜いていたからではないぞ
ﾊ {ム-‐ ､ｰ ヽ j ﾐ ､}
i} ´__｀ -‐ くｨ／}_
八 ／ ｀Y´ ／⌒ / �澄 � もっと現実的な状況判断からだ
〈 { ／ ｲ ��
厂 ｀丶､ ノ イ ／ ﾉ
人 } ／ =ﾐヽ イ ／ rｰ ¬ この説明は本編が
-‐ , =ミ ヽ ＿/ {（__） } }／ rｰ┘.， ´ 鴻門の会まで進んだら、やる
r ' { (__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡 r‐┘ ´
,廴 ゝ ＿彡 ﾏ / / ノ rｰ┘ /
. / �澄◆� ｀¨¨| V //rｰ┘ .′
/ ｀¨¨¨ヽ! ′://" {
. / / :| / // .:: 〉
2786 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:08:17 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
とにかく范増という人物は、記録が乏しい上に
その記録が脚色された様子があり、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿ / r‐ ､ヽ （ /⌒ヽヽ
r‐､ヽ {__{__ 〈 （ ￣ ﾉ ﾉ
! { { ／ ＿_｀∨､ r__..´イ
〉 ヽ. {_／ }○} { ＼ } ﾉ } ○
O ﾉ ﾉ rﾍ ミ ｰ ､ノイ 幺ｲ ,. ―- ､
＿./.／ _{ ／ ﾐ/ 7 /_r ⌒ヽ.ヽ
/ r‐ ､ヽ ＼｀ヽ f ｰ=ミ } /-=‐ } / ﾉ ﾉ
_ {_j }. { `ﾊ} } <苡 { 苡>}ﾊ ( 二 イ
､ヽ、 ○ヽ{ {く} } ／ }＼ ﾘi} ○
ｰ' O ○ ゝ} }u , -｀‐´､ 〃' j -―- 、
____ 小ﾑﾍ、ムィへｰﾐ.从〉､ {_/⌒ヽ }
/ r‐ ､`ｰ､ O ／ { ､＼ ーzへ､イ／ / �澄◆ � __ ノ ﾉ
__{ .{ ｀¨¨ ＿ , -r┘ ∧ ＞- ､从从ｲ- ､′ �澄◆ 押 �_r‐ ´
(r‐､ヽ二ﾌ ((⌒j) ／ r┘ ∧{ r_，）}＿ ィ r_，} }､ (_r‐ ､○
/ノ ＿ （( r‐くﾆﾆ�澄 � ゝ-彡 ¨¨¨ ゝ-彡 ノﾆ=- ､ ﾉ }
o′ (＿_ ｀ヽ o_. |ﾆﾆ丶ﾆﾆ�澄� ∧ Υ { ノ ﾆﾆﾆﾆﾑ _／ ノ
） } |ﾆﾆニヽﾆニ�澄 � ﾊ | { ノ ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾊ } ｒ‐ ´
|ﾆﾆﾆニ‘，ﾆニ�� } ｜ { ノﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ}○
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
実像が極めて掴みにくくなってしまっているのだ。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2787 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:08:52 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
なんでまあ、想像で語りまくるんで、
そこんところよろしく。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,イ ／i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!≧x．
/i:!ﾚi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i≧x、
li:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!＜￣｀ヽ
|i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:ヽ
|i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!ト､i.、
〉i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:|＼:|￣/￣≧xi:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!:＼｀ヽ
. /i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/ ＼i:!i:!i:!i:!| i j ,/／ ／１|l|l!＼|＼i:!i:!i:!i:!:i 俺の周りの連中
/i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!/ 、｀ ＼i:!i:!i:く 〔ノ'' ／ 川i! ∨＾Yｉ:!ﾊ| こんなんばっか……
|i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i:!i|`≧ミゞz､＼i:!i:!ヽ≦zzzz彡" !｀; |ﾑ!¬、
!i:!ﾊi:!i:!i:!i:!i:!!ﾄ:!zr――ｧ7">＞､:!`ヽﾆ=- u ��ﾉ∧: ヽ: ＼ー- ．_
!| |i:!i:!i:!i:!i:!| ヾミ≡彡"／-=ΞΞニニ＝‐二._ ﾚ∧: ヽ: :｀､: :ヽ: : : : : ｀ヽ⌒＼_
! !i!i!i!i!i∧ゝ -==ﾆΞ三三ヽΞ -=υ三￣ |'/∧: : i: : ヽ: : :i: : : : : : : :＼ヽ:
＼i:!i:| !∧ | -=ﾆ三三〈ゝ -´ ∪ ｜'//|: : |:､: :}i: : :!: : : : : : : : : :ヾ:
>ﾍ （ ﾍ. U ∪ =ﾆΞ ,. -＿ ､ 八∧|: : |: :｀T!⌒Yr-――--:､:_:
」: : ＼ヽﾍ ﾆΞ三／≦__y_）'/〃: :ﾘ: : |: : : }!: : :}!: : : : : : : : : : :
／: ﾄ: : {!: :ゝ∧ , ＿,二ﾆ=ｧ≡＜￣ヽ /}!: : :/.: : :|: : :！: : :!: : : : : : : : : : :
厂i: : : :ﾄ､: :}!: : :{// ､ { 〔ゝ／ ／-=三=- //}!: :/.: : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : :
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【 項羽 】
.
2789 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:09:32 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
さて、数少ない范増の記録から
その実態を想像すると、まず劉邦陣営に
けっこう評価されていることが目につく。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ﾉ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ﾉ
イ二二二二∞∞∞∞ 二二イ∵
∵ ∵ ／― ―＼ ∵ ∵
∵ ／ （ ●） （●） ＼ ∵
| （__人__） | 天下を取った後に
＼ ｀⌒´ ／ 俺曰く
__／::ゝ| /: : ‖::::::::::::
_／:::::::::::::/ｌ/: :／‖:::::::::::::::::: ヽ
＿ ＿, ィ´:::::::::::＿__| ,.へ.＿‖__::::::::::::::::::::::| 俺には張良・蕭何・韓信の三人がおり
≧_｀￣}i : : |:::::::::::_|＿＿＼ ＼_l|＿|:::::::::::::::::::::＼ 項羽にはただ一人の范増がいた、と
⊂イ |: : :|:::::::::{l〈 ＼ノ"）／:::::::::::::::::::::::/
| ｜: :|:::::::|￣￣￣￣`ｰイ/:::::::::::::::::::::::::::::|
｜ |: : :l:::::::￣|￣￣￣￣７::::::::::::::::::::::::::::::::|
| ｜／|:::::::::::| /＼:::::::::::::::::::::::::::::|
レイ.: : :|:::::::::::| 〈 ＼:::::::::::::::::::::::|
| |: : : :|:::::::::::| ヽ 〈:::::::::::::::::::::::|
2792 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:10:03 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
「劉邦の三傑」と呼ばれる、
張良らに匹敵する評価が為されている。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:∧!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.＼:.:.:.:.＼:.:.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:∧
/:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:./ !:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:Y:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:.:.:∧
/:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.|:.:.:.:./ |:.:.:.:.:.:ﾑ:.:.:.:.:.:∧､:.:.:.:.:.∧:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.∧:.:.:.:.:.:.|
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:./ |:.:.:.＼:.:ﾑ､:.:.:.:.∧＼:.:.:.:∧:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|
/:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:. |:.:./ ',:.:.:.{ ＼:ﾑ＼:.:.∧=トx:.:.∧ﾞ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.|
.:.:.:.:.:.:.:. |:.:.:.:.:. |:./ ‐- 、∨:ﾑ 〉'´ ＼斗七¨＼∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.: !:.:.:.:.:. '
|:.:.:.,ｲ:.:.:.:|:.:.:.:.:. |:{￣¨^'' ｘヽ:.:.ﾑ. / -‐'´_,.ｨ≠≠ミｘ,', |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:/
|:.:./ |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.{,.ィ≠=ｘ、∨:ﾑ| ,.斗乞/////}〃!j:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ト:.:.:/
|:./ |:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.|:.ト ∨//} ',＼:', ∨//// ,':|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| }/
j/ j:.:.:/|:.:.:.:.:.:.|:.:.ヽ ∨ﾂ [|⌒`ヽ ゝ-‐′ / |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.レ′
/／ :ﾄ:.:.:.:.:.:|:‘:.， j ヽ, , ' |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
／ |:.ﾍ:.:.: |:.:.:.:.ヽ､ _ ,.〈 ` ー- '′ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:ﾍ:. |:.:.:.:.:.ﾊ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
|:.:.:.:ﾍ |:.:.:.:/ ヽ, ﾏ_ﾆ=一 ／ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼
|:.:.:.:.:.ヾ:.:.:｛ ＼ ／ :|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ＼
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| く｀ヽ、 , イ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼ ／
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| `´ }｀¨¨ ´ ,、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:∧
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＿_,. -‐ﾆ´|＼/{ |＼／ ヽィ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.∧
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| | ', :| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|＼:.:∧
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|--‐‐‐==ﾆニ| ',| |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ＼:',
【 張良 】
.
2793 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:10:43 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━───
┃
またこれ以前に陳平曰く。
┃
───━━━━━━━━━━┛
, -‐ ――- 、
,.ィ仭ｨ,ｲ州ﾑﾑﾏﾑ.､､｀ヽ､
≧ﾁ州'/州ﾘi州l-l|lﾊﾂﾘ.|l li li, ､ヽ、
ｨ仭lﾚ'ｲiｌ,州ilｲ'ﾘ＿' ヽ`ﾘ仭l|l l,|li li,ﾏﾑ
,ｲ州仭il|.|! 'l!イ'´7ﾃﾓ､//州lﾘ州|li.!川ﾑ
./ｲ州州lリ|! ﾋﾑｲ/〃州ﾘ州州!|l|i州l
./,仭'|ﾊill´ ,州'仭州|lｉ,州州
lﾘ' .l!.!ｌ,| ,ｲﾘｲ.lﾘ ﾚｲﾄ,ﾄl州lﾘ 項羽の剛直の家臣は
州i! 仁ﾆ=‐'´ ,〃 , ＜',うﾉ州ｿ′ 范増・鍾離昧・龍且・周蘭など数人
/ | .／ , --- イ州州ﾐﾄ､
| , -‐ '´ |州|洲ﾄヽ、
ヽ≦_ ´ 〃 ＿'|ﾘ_!_ヾ!
,. -､ ｀V ,ﾑイ´￣￣￣￣!`＿
.ｌ Vヽ、〉ィ " ,ィ仁三二Z二三三
| | .|´ ,ィ仁ﾆ三ヲ仭州洲州l州
.| ﾉ ! l|州州|lｱ,ｲ州洲州州洲州
,l / ,〈 l l洲7ﾁ川ｲ洲l洲州l洲洲州
,／ / ,_ｨ',ｲl､l,ィ!仭洲l|N|洲l洲州州|l州li|
r ' 、ｲ,.ィ ,{洲○仭ｲ州州|lﾐﾏ州州州州州li
′ く/／,ｨヽﾐ州i洲州lﾐﾑ,マﾄﾐ州|l州i州洲
,' ヽ .V〃 `l州l州洲ｌ,ｲ州ﾐﾑﾏ州洲州洲
/〈 ＼ Уヽ ,ィ州洲l州i洲|州洲ｌﾏ,ﾏ州洲l州
ﾉ〈`ﾐ､_ 〉‐ゝイ州}il州i州l洲l州州洲|liﾏﾐﾐ州洲i|
,ィ ヽ、＿｀二ｲli|l| 州○ilﾘ洲ｌ州i洲州洲州lｉﾏ州li|l州
,ｲ州liﾑ ￣￣ﾃ州ﾘl三ﾆ=-li州l洲l洲li州lil洲州ﾑﾏ州洲
【 陳平 】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
ここでも項羽家臣の筆頭として語られている。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2794 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:11:13 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
なんで能力が高かったことは間違いないだろう。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ハ ／ } イ ／ }
/ {/ } ／ ムｲ
}｀Y ィ_ ィ |
/ 八 xー`ｰ` " " Z、 :|
{ / / { j7
､ ./ { { { 、 / イ
＜.〈 ィﾆﾆミ ､--v ィﾆﾆミ ､ 「 /
[{:::(◯)::}::}⌒V:{:(◯)::}]ﾆﾆゝ､く
{＾ゝ ＿彡/ ゝ ＿彡 }/:ﾍ}｀¨
Vﾊ ｛､__,_， 〃) /
∨} ／ ｀ヽ / ! イ
八 { -‐_＾`_‐- } / } }ヽ.／⌒ヽ
/ j ヽ、, ,人 ､､ __ .ノ 从ﾉ_./ ﾉ
{ ｀ヽノ〕 ／ ｀¨¨¨¨／ { {､＿
＿厂{ L.. { { . -‐/´￣￣￣｀ヽ ｀ヽ
r‐ ¨¨ ー┐ 八__ノｰ廴_ノ { -―- ､ ﾊ }￣￣≧=- ､
／ゝ {¨¨ /{__./ヽ／ ﾉ / }-‐ ' .， ´ ヽ
／ 〕 ＼ {i:i:i/ / ／ { " ¨¨¨¨` / | ／
｀Y / 廴 ∧ ∨ / { { ＿_ | 〃 }
| .′ ｀ヽ / }/ / / 〉´ ｀ ﾊ′ ﾆ=- .
| { ーz / / / :} ､__,ノ{､ / :} ﾆ=- /
_人 ､ 〔 / .′.′ ﾉ 厂 ゝ`ｰz ｲ} ＼ ＼
2795 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:12:06 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
次に范増のバックボーンを考えていく。
……と言っても、史記には
わずか数言しか書いてないんだが。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,. ‐''"´ ｀ ｰ- ､
／ ＼ ＼
,ｲ ＼ ＼::: : ＼
/ / ! :| :|ヽ＼ ＼:::::. ヽ
,' .:/ .::::/ ,' :,' .::iハ . ヽ:::: :::ヽ:::::. ﾍ
i .:/ ::／ / ::/!: .::,' | |∨:|ﾍ:::: : :::ﾍ:::::::ﾊ
| .:,' ／ .:/ ::/,' :::/ |:.! |:.:| |∨::::::::∧::::::i､
| .::i:./ .:::,ｲ ::＿/:::/ ﾘ !斗f‐-､::::::::::ﾊ::::| ! 范増は居巣の人
|／:|/ :／,ィ"´／:｀` / |/'_｣」. i:`: :::::::|::::| | 項梁に仕えた時、歳は七十
,ｨ| / ::::::／i,.＞''"ｱiヽ /´::::}`.|:::::::::::::ｌ::::| |
/ | ,'::::／{ rT{::::::::::r ! {:::::rﾘ ‖:: :::::/ﾄ､ﾊ|
{ | {::/::::::ヽ|:|乂､_,ﾉﾘ ヾ之' ,'|::::::::,'. | 乂 平素より家におり
ヽ | |,' |::::|::::|｀ﾄ! ''' "´ ､ ,,,,, ﾊ|::::.::i ! `''ｰ‐ 奇計を好んだ
ｉ |::::|::::l::::|ﾄ､""゛ /:::|:::::::| ヽ
ﾊ:: l: ::|::::|::::iﾊ ＼ u へ .イ:|!:::ﾊ:::::|
∧: !::::i:,.-､｢|∧ ＞ ､ _,. ＜:i::|:::|:::::.ﾍ:::ﾍ ……たったこれだけ
/::::: _厶イ .／ |:.:.|` ｰ-L＞､:::::::|::|:::|:::::::::.`iｰ＼
. /＞＜ ＼ ﾍ. i:.:.i ,'!ﾊ| `＜ｭ」::|::::::::.:.∧ `ｰ
. ,ｲ-― ､` ､＼ ヽ|,ｲ /_||__〉 ﾊ｀ヽ :::::.:.:.∧
/ :: :: :: :: ＼ ＼`'''" `''ｰ-ｲ＞=＜ヽ | !:: ﾍ:::::.:.:.∧
,i :: :: :: :: :: :: :＼ ＼ く／,' ﾊ ﾄ､＼ ｀ | |:: :: }:::::::.:.:.ﾍ
2796 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:12:36 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
うち「平素より家におり」の部分から、
ただの一般市民だったと解釈されがちであるが、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
○ .:;,:.
.; . Ｏ ,.. ´ ｀ ､ :;ゞヾ
' ;::, [ 三 ] ／ ＼ ,. ' ｀ ､ ,;ﾐヾゞﾐ
' ;: : ' | ／:::::::::::::::＼ ,. ' ..⌒ ... ~^~...` ､ 'ゞミヾﾐ
:; : ; : .; ／::::::::::::::::::::::::::::＼ ..:.:.:::.:::::.:.::.::::.... ｀ ､ ;:ゞ彡;ゞ
; :; ' ; : ／|￣￣￣￣￣￣￣|＼ :::::::::::::::::.:::.::..:.:::.:..:.｀ .､ ;ゞヾヾゞ;
', ; .; ' | □ □ | ::::::.:::::::::::.:::::::.::.::::....:......゛ゞﾂ;ﾐ;;ｿ
! i! | □ □ | .:.:::::::.:::::::.:::::::.:.:.:.::..:..:..:......:..:.:li l !
ｌ ｉ ! ][][][]＿_＿＿＿＿|_ ::...::.::::::::.::::::::::::.:.:..:..:........::..::.::i: l!i ::~^"''''' ー - -
'"^''"'''~''"'"'"^"^^^'^'""'' _||_ _||_└i'"''"""'''"^"'^'^'"^"'""'"^'''^^''''''^"'~^^''^""^^'"^~^
.:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. : .:. :
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . :
. .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . .. . ..
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
2800 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:13:09 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━───
┃
「家におり」はこれ、
「官におり」の対義語である。
┃
───━━━━━━━━━━━━━┛
「｀' ―- ､,_ ∠､ ―――- ､ __／ l
ヽ. ／ ＼ l
ヽ. ／ ,ｨ ＼ ハ
＼ / / / / l i ヽ ヽ ＼ / l
/ j .ﾊ j l ヽヽ ヽ ヽ ＼ ＼ `<、 l
.j / l_l_ l l ヽヽヽ_ヽ__`__.＼ ＼＼-､ .l
. ｌ |. ｌ ｌ ﾊ ｌ 弋 ＼＼＼ ＼＼> ヽ＼｀ﾄ､
.l li .l l l fTﾃヽ ＼ 'Τ圷ヽ､:f ( ｀ナ､ ＼＼ 役人になることが出来たけど
l l.l l ｌ ﾊ .b::::l b:::::::::ｌ | ﾉ ノ| l＼､ あえてならなかったということだね
', ,ヽヽ､ l ﾍ弋n! .ﾋ辷ッ |‐'´l l l
ヽ ＼＼ ﾍ "" ' __ "" ,ｲ |. i l l l
ヽ }i| ＼＞.､ ヽ ） ／ .ｉ|:|__. i l ｌ ﾊ
jj.l i. /: l l |l:＞.､イ ﾉ | >,‐ ､_ヽ ヽ
〃ﾉ// l | |ｌ, ｲ|_ __／ || .∧ _,. ＞､ ＼
ノ ノ_ｨ ﾉ /l l／ | ｨl |ﾊ . |ﾚ //´／ ヽ,､. ＼
' ノ / / rl || lﾊ| || ヽ,/.!|. // / ハ ＼ ＼
／ / / .l.| || ,.-H-､ ∨ﾘ // / / / ヽ、＼ ＼
／__,∠∠_＿_ l| || 〈/7介､ ＼__,//_/ ｌ / |_ ＼`､‐､
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
そして「皇覧」という漢時代の書物に、
面白い記録が見える。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2802 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:13:48 ID:29AISvmM0
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┃
それによると、漢時代に入ってからも、
居巣の民は范増を篤く祀っており、
その祀る場所が「役所の中」だというのだ。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
{三三三}
| |
＿＿＿＿＿_[お]＿[役]＿[所]＿[だ]_|_[よ]＿＿＿＿＿
／＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＼
＼┌―――――――――――――――――――― ┐ ／
｜|￣|￣| |￣|￣| TニニニニT |￣|￣| |￣|￣|｜
｜|＿|＿| |＿|＿| .|:{工}: :{工}:| ロ |＿|＿| |＿|＿|｜
｜ |: : : : : : : :| |
｜ |: : : : : : : :| |
｜|￣|￣| |￣|￣| .|: : : : : : : :|. |￣|￣| |￣|￣|｜
｜|＿|＿| |＿|＿| .|: : : : : : : :| ロ |＿|＿| |＿|＿|｜
｜ |: : : : : : : :| |
｜ |: : : ☆.: : .:| |
｜|￣|￣| |￣|￣| {三三三三三} |￣|￣| |￣|￣| .|――┐
｜|＿|＿| |＿|＿| ||:::‖:::::‖:::|| |＿|＿| |＿|＿| .| |
========================||:::‖:::::‖:::||===========================
＿＿＿＿＿＿＿＿＿_＿_＿_||／￣￣＼jj＿_＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_
2803 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:14:25 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
さらに赴任してきた長官は、
まず最初に范増を祀ってから、
ようやく政務を取った。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━┛
＿
,，＜//////＞ ､
,，＜/////////////∧.
. ///////////////////∧
}∧///////////////////＼
////|//////////////////// ､_ 范増様、今日より居巣を
∨��///////////////////////＼ 治めさせていただく者です
///|////////////////////////∨＼
. |//ﾉ/////////////＿//////////{///＼
. }／､///////////∧三ミx///////∧//// ＼ どうぞよろしくお願いします
. ／///∧/////////{//⌒ヾ//／￣￣ ＼///// ,
. ／///////}/////////从 i^ﾏ///| }/////′
／///////ノ´七 ￣￣￣ j ＼/l //////
////////／ ∨//////j ヽ //////
∨//////＼ ��//// | | Y/////′
＼///////＼ ��///ヽ! ｉ | ｉ 7///ﾉ
. ＼/////// >．＼//＼ ////
｀ ＜////// ＞＜￣ヽ 、丶 ﾉ / > ´
｀ ＜/////ﾉ￣/＞ ． _ イ//′
` ヘ厶 ,/////∧¨´{/////
` ＜＼＼〉 .i//／
￣ ￣
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
漢の高祖に敵対した者への対応としては、
異例と言って良い手厚さである。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2804 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:15:13 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
統治者側がこういう態度を取る時は、
祀る対象がかつて地元の権力者であったことが多い。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
, --=ﾆﾆ､ヽ､
. ∠ -―‐--- ､ ＼＼
／ / ／ , ｀ヽ ヽ＼
// , / / ／/ /,ｲ Vﾊ ヽ
// // / // / //｜｜l ｌ！ ＼
{ﾉl ｌ| ｢Ｚﾒ/l// /ム⊥｜| | | ／
l l |l 〈f沁 {/ / ｨ汽く l| j ,ﾘ } rく つまり范増は一般民じゃなく
Ｎ八〉｀ﾞ′, ｛ﾞりﾉ//〃/ｲ | 居巣の地元豪族であり
jﾍ、 _ " 彡'／/ |l |
/ / 丶、｀ , ィ7´ rク l |
厶ｲ __｣二兀／/-|-/厂ヽ、 ｜ それも代を重ねた古豪で
/ / ｌ { ´´rｸ〈 ｜ /´ 〉 ｜ 民衆にけっこうな影響力を持っていて
/ / /八 ｝| ∨ ﾉ! /! ､
/ /イ {几こﾌｌ｣__j ）｝ ハ ヽ
／ﾚ ﾉ // r1ｰ┤ l|_｝ ヽ ＼
| /「 } / / |｢ / |_｝ 〉 ヽ
｜ | ,′ ,ｲ}{ ||/ |_｝ ＼ ｀、
| // /_〉!Ｌ.ｌ |_｣｝rr=＝n=＜ |
| ﾊ ヽ､_／|_|X圧| __|ﾆＶ{廴／|ﾄV/ |
レ1｜ |ﾆニﾆレ彡-‐frｰ / || |｢ |
/ ､ |ﾆ「に厂 }} ,′ || l｣ |
【 蕭何 】
.
2805 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:15:53 ID:29AISvmM0
/ノ´: /: : : : : : : : : : : : : :ｉ: : : ::ｉ: ::ヽ: : : : : :＼ ＼
/": : :/: : : : : : : : : : : : : : ::|: : :|: |: : : ヽ: : : : : : :ヽ ／
/: : : ::/: : : : : : : : : : : : :／:/}: : ｉ: :|: : : : :ヽ: : : : : : :Ｖ
/: : : : :|: : : : : : : ／: ::／:: / /: :/: / ヽ: : : : }: : : : : : :ｌ
｀.{: : : : : :|: : : : : : : : ::／./／ /:／/:/-―--:､; |: : : : : : :|
|: : : :{: : |: : : :,斗ｧ''フ" ／" // ＼ヽ|: : ｉ : : ::|
|:ｉ: : :ｉ: : :ｌ ｒ彡"´ " / }: :ﾉ : : ::| 蕭何や曹参のように
ｌ: ｉ: : { : : ｌ | __,.. / ''ェ;_＿_,ｪ; /: : : : /∧ 「豪吏」として役所に出仕できたけど
. ',ヽ: : : : ヽｌ ,ｒ＝=＝" ￣￣ ./: : : :ノ/ ｌ あえてそうしなかった
＼＼: : : ＼ ! /, ｒ '´ }: : :ヽｌ
|: : : { `ー ＞ /{ ＊ }: : ヽｌ
|:/: : { __ ｉ/ ヽ .／: { }:_:: : : : ｌ これが史記の言う
. //: : : :{ "ｉヽ { :ヽ､ ⌒ ／:__ : { ／ ﾉ: : : : :.'., 「平素より家におり」の
ｌ/: : : : : :} ｒ−┘､: ::ｒ`ｖｒ‐ - ´|: : : | _｣_{./ ./: : : : : : : '., 指す意味じゃないですかね？
/: : : : : : : { ｀ヽ、 ヽ.Ｌ._ヽ. レ'Ｖ＿＿ ヽ/: : : : : : : : : :'.,
/: : : : : : : : ｒ ト ＊|ヽ／ ノ ヽ.'､ ／ { （＿__ 〕ｒ､＿: : : : : : : '.,
: : : : : : : : :∧.ｌ.｝ }〔 ´ ／ ヽG＝ニ:|（ ./ｒ'/ｒく: : : : : : : : :',
: : : : : : : ::/ )|.ﾄ} }ヽ へ）|ノ＼.{ |/ｰｉ /`./ ( ヽ: : : : : : : : ',
: : : : : : : / .)|.｢.） .} ∧ ） ７ .ヽ | { フ | ヽ: : : : : : : : ',
＿＿＿＿
／ ＿＿＿＿ `丶、
／ ／ ＞'´ ＼ｰミ__＼
/ _」 ／: : : : : :|: : ',: :＼ヽ＼
/ / / : : /: : : :.|: : :l : : : ＼ 〉
/ ｝ / : : /: :／ ｜ : l＼: : : : 〈
∨ :′／／ : : /| : l:|￣＼: : :‘，
| __{＿l彡: : :／／ 厶ｲﾉｨi灯7: : :l | それともう一つ
| __l｀¨Ｔﾆ／ィｘf圷 乂ｿ |: : :ﾊ|
￣ 八 ∨: :八Vｒﾘ 、 厶 ∧
/: : 〉 ∨: : :＼＿ , ,.ィ: / ',:、 范増の年齢にも注目してみたいです
/: : 人_ }_＼＼＞‐┬ /_ヽY:{ }: ＼
／: : : : :八 } /￣ｰ‐ｖ|l {ニ｀∧＼ ＼__＼
. ／ : : : : : /: : ＼ ヽ, ／介/ ∧:∨: ￣＼ ￣￣＼＿
／ : : : : : : : : : : :_八 ヽ l| :||(人ｒ'∧ヽ∨: : : : ＼＿__ ＼
／: : : : : : : : : : : : : :Y＾ヾ、 ��l_ﾉ|〉}⌒ ', }::＼: : : : : : : : :＼＿__/
. /: : : : : : : : : : : : : : : :.l:::::〈∧ ＼:||八 ＼::::}: : : : : : : : : :＼ :ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : :/::::::::::)ﾊ V 〉 ＼ ヽV: : : : : : : : : : : ＼}
2806 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:16:23 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
項梁に仕えた胡亥二年に七十歳なら、
范増がまだ十八歳の年に、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ヽ ｀ / } ﾉ
厂 {＼ ／ ヽ ﾉ⌒ヽ、
／⌒ ｀ ｰ-- 〈 〉 ／ ｰ-｀ ｰｧ
/ / / ヽ ／ --‐ ''´ ／ /
{ ｛ ／ | } ヽ、 /
. ∧ :､ へ､ | /＼ }｀¨ /
:, xﾍ{ｲアＴﾐヽ /-==ヘ ﾊ ／ ／
', /ハ 弋ｿ ＼ / ´ Ｊｿ}｀V } ｘﾍ ＜ ┏ ┓
∨ヽ :, ｀ ゝ ' /イ } ﾉ ／ ┃ 若范増 ┃
ゝ 〈! /_ノ／／ ┗ ┛
｛ 八 /ｰ '＜
ｰ{ ヽ ＼ ⌒ ヽ ∠_-‐ ´ ＼
＿＿ ／ ＼ ＼ _.. イハ |ヽ ヽ
／´ ￣￣｀ ヽ ＼ｰ＜＿ノ｛ l | l| }
／ :, V//////V .| l| ﾊ_＼
/ ＿_ ヽ ∨/////,| / j| / }=ヵト―
｛ ／´ ＼ ｀ヽ、 ハ V/////ﾊ ｛ ｌl / ／ ||
2807 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:16:52 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
白起が長平の戦いでジェノサイドしており、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ト‐- _ /＼
ノ-‐…‐-ミ( / ｀¨¨¨¨¨＼
＼ / ＼＿＿＿__
｢ `丶､＼《 /, ＼ |
,. ┤ ハ｜∧ ヽ ヽ ゝ ト . ＿__
／／厂￣￣ ≧ }｣//厶 ｜ | ｛ 八 |
ｨ / ,′ ／￣ | | | | ＼人 丶 ｜
| / Ｌ. / }|／|／| |i }ｉ ＼＼ ヽ 人
l,′ ｜/ / / l ｌ| 人从从从ハハハハハハ 〉
{ / { ; 〃 / }Ｎl /! 厶 |l「|l | } } } } ,′
/ {/ /{ l |l /} ﾉ ﾉ/.:ｊ/汽刈八_| ｝ | l
⌒＞ｰ--‐彡仏ｲ八八{ |/ ／. :./ミ::乂_ソﾉ | }_ ノ | |
厂::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{_:;ノ ⌒ ≧=彡≠≠ 7¨丁 丁´ |
／⌒つ::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ , -‐‐‐-=ﾆ二二Y__彡'／ } { ＼__
)::::::::::::::::::::::::::::::::::::｛ VＶ∨∨∨�此� ｢ / { ￣｀`丶、
／.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ﾏ.:::::::::;..-‐┤ノ⌒) / | ｛￣⌒丶 ゝ
. ／.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ∨ﾚ' | ／ _,ノ′ | ＼＿ Ｖ＾ヽ
〃´￣}:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧ 《ﾊハハソ／ ⌒７ | |、 ＼ﾉ
{ ｛￣｀う:::::::::::::::::::::::::::::::/::∧ ｀¨¨¨¨´}′ ／ ｲ 八 「｀ヽ ｢￣｀ヽ
（⌒7.:::::::::ノ.:::::::::::::::/::∧_ ... -‐} ７^¨¨¨´｜ '⌒i{ ＼ ＼ }⌒ヽﾍ
}:::::／{__彡:::::.イ:::::{::::｀¨７７ア|/ |/ |{ |＼ ゝ }
ノ'" （ {´ 人Ｎ{::::::::/:/::::斗 ¨￣厂￣八|＼ Ｎ )ｰ-ﾐ
八／{:::{/ |＼Ｎ ）
T´ 〉
《_ ／ 〔
【 白起 】
.
2809 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:17:24 ID:29AISvmM0
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┃
また始皇帝によって楚が滅亡した年には、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━┛
． ’・．． ’・．从人 ‘ ・．． ’・．． ’・．从人 ‘ ・． ’、′‘ ・． ’、 人人 ’、人人 ’、′‘ ・．ζ ．・”； ’、
＼ γ γへ从 ⌒从へ＼ γ γへ从 ⌒从へへ从・． ’、） ・． ’、′）） ⌒ ） ） ”； ’、
爻 ヽ γ (( 人 ）） ヽ γ (( 人 ）） λ λ ） （（ （ （ へ从へへ从へへへ从へへ从γ
ｋヽ Σ（ （（ ⌒ ⌒ ）ヽ Σ（ （（ ⌒ ⌒ ） _）＼_)＼ 人 从 （ ｿ从へへ从／::＼ ／
､,＼;;:: 人人ｷ,, /）ζ へγ人へ从从へ['i']::::＼へ、 ／ ､,＼;;:: 人人ｷ,, /）ζ へγ￣从へへへ从::＼へ、 ／
ﾆヾ ＼�龕� Y从へへへ从 ′‘ ・． ’、::[];､＼ Yy,,.. ﾆヾ ＼�龕� Y,／ 人へ从从へ]:::[_,!_]::[];､＼ Yy,,..
-‐''` `.、:,:／ ／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿ -‐''` `.、:,:／ ／ii;[ i ]~~[_!_]~[l];:ヽ ＼＿
＿,,､＿,,,,／ ,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ >￣ヽ＿,,､＿,,,,／ ,／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ >￣ヽ
ﾊﾊ从 ／-―====r-===三'' ､-―――――――‐＜ 木ﾎﾊﾊ从 ／-―====r-===三'' ､-―――――――‐＜ 木ﾎYyy
(⌒)ｲﾄ爻------( tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥(⌒)ｲﾄ爻------( tｲ-‐'´::::::::,＼＿＿,,,....､_＿＿,,,_____`」￥ Y
T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[] i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三T,::爻Ooﾄ[iiii]<,,. ､ ｷ[] i::::::::::::::::[]::::::::::::::[]=======|爻爻三三
ー- ''ー＾ 二,, ー---┴, -‐へ-O-ー-〜〜-―へ`~~ ー- ''ー＾ 二,, ー---┴, -‐へ-O-ー-〜〜-―へ`~~ ]、
∧＿∧ ＿ ∩ ∵' ';:;'"'"''::',:＿＿＿ '
'':'`::'::',:'':（｡Д⊂ `つ ∠(｡ｃ ⌒ヽ ;.（｡ω｡ ）二二⊃ ⊃
' '' ' ' '' '' ' ''' ∨｀しし' ' ∨∨"'"''"'"' " "'
∧ ∧∧ ∧ "' "'''.''' "''' ∧＿∧ ＿
"' "'''.''' "''' (;;;,,,, (;;;,,,, ﾟ) （｡Д｡⊂ `つ
(:::;;; (:::;;; |,) '':'`::'::',:'':
〜|::::〜|:::: |
2810 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:17:58 ID:29AISvmM0
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┃
范増は五十二歳であった。
┃
───━━━━━━━━━━┛
} :/ } :} ::/ ー―ｧ
/ { { ﾉ ::ノ＿ ノ
( ト､ ､ イノｰ ´ く `ｰｧ
}｀ヽ ｨ´ ヽ ／
{ { { ./ ／⌒ } 7
､ ﾉ ,==ﾐ ｰくこぅ､ 〈 / 当時としてはジジィだが
八 ∨f 斗 } ＼ , } rヘ 7 まだ戦に出る年齢でもある
ヽ} ,: /: | |ﾉ:} }′
人 _` ` ‐-､ {: | | xく
ﾊ {ム-‐ ､ｰ ヽ j ﾐ ､} 秦の兵役だと六十五歳までは
i} ´__｀ -‐ くｨ／}_ 徴兵範囲内だったからな
八 ／ ｀Y´ ／⌒ / ��
〈 { ／ ｲ �� ＿
厂 ｀丶､ ノ イ ／ ﾉ �澄�ﾆ=- ､
人 } ／ =ﾐヽ イ ／ rｰ ¬へ} ヽ
-‐ , =ミ ヽ ＿/ {（__） } }／ rｰ┘.， ´
r ' { (__) } }ﾆﾆﾆゝ __彡 r‐┘ ´ }
,廴 ゝ ＿彡 ﾏ / / ノ rｰ┘ /
. / �澄◆� ｀¨¨| V //rｰ┘ .′ /
/ ｀¨¨¨ヽ! ′://" { /
. / / :| / // .:: 〉 /
┏━━━━━━━━━━━━━───
┃
つまり、何が言いたいかってぇと、
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───━━━━━━━━━━━━━┛
2812 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:18:26 ID:29AISvmM0
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┃
この爺様は統一戦争以前、
戦国七雄の時代から生きており、
従軍経験が相当に豊富だった可能性が高い。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
,-=/: :＼: : : : : : : : : : : : :／: :|: : : ＼
r-=ﾆ三彡: /: : ヽ: `＞- 、: : : : ／: : : : : : : : 刈、
|: : : : : : : : :|: : : : ｀: : : : : ｀: : : : :、: : : : : : : :.乂ﾘ
ﾏ: : : : : : : ::i!::......: : : : : : : : :/乂ハ: : : : :...／: : :|
ﾏ: : : : : : : :｀ヽ、:::::::::.. : : : :＼::∨: : : :／: : : : : ￣｀ヽ、
ﾏ::.:.:. : : : : : : : ＞――: : : : :｀′: ﾊ/: : :.:.:. ｀ヽ.: : : :∧
＜ニ乂:::::::. : : : : : /: : : : : : : i::::..: : : : : 乂..: ::::::::.斗:.:.: : : |
ﾏ::::::｀::::::::..: : ::::i: : : .: : :.／|::::::∧: : : :} > 、:::::::ｿ:.:.:.: : :i!
ﾏ:::::::::::::ヽ:::::::i!: .:.:.:.:／ V:.ﾘ::::i: : :/彳― |:::人:::::: : :ﾘ 楚を秦から守るため
ヽ、::::::,'^ヽ::X::／ー>三=-爪:ﾉ:／ ﾋﾘ:} j´,' ﾉ ヽ:: :人、 僕は戦う！
｀ヽ::', .{:ヽ:',' | ﾋﾘ:} | 爪／ ゝ-' ´ ｲ__／iノ ｀ヽ
＜:::::乂、乂 丶｀¨´ , ,' |, ヽ ∧
,r――x_ニi=-‐= ・┘, ,ｲ ﾊ i i
,／ ｀ヽV:ヽ::＼ 爪三弋 ｲ ハ | ト、
｛ ヽ::::ヽ.::',> 、 乂::::::乂／|:::. / / .| ﾉhヽ- 、
i r- 、＿r―、 ヽ、.:ヽヽ三＞=＿ ／三i!::./ /| .ﾉ .: ,'〃::::::::..｀ヽ、
Vi:／ .:::.ﾑ;. L, i ＼ ｀ ヽ三三三三三i!/ / ゝ-ｲ:::: .: ::/''::::::::::::::::.. ｀ヽ、
〉´ .::／⌒ヽﾃ ', ＼ ヽ三三三三/|. /: .::::::::...::::::::/::::::::::::::::::::::.. ｀＞‐＿_
', ／ _／｀ヽ ノ!￣￣＼ヽ三三三三|/: .::::::::::i:::::::::ム-＝、::::::::::::::::::::.... _」 ｀＞ 、
{i ,／ ／ヽ:::::::::. :::ヽi三三三三| ..::::::::::::/:::／ ｀￣￣三三∨ ｀ 、
, ' 入、 ／ /|:::::::::::::.... ::::::|三三三/i! .::::::::::::::::/´ ｀ヽ ＼
j /:::乂-=_´ /ノ}:::ﾑ:::::::::::::::::::i!三三三ﾊ,::::::::::::::::/ 乂 ∧
,ムｲ ::::::::｀ヽ:.｀＝ｲノレ´:::::::::::::::::::::|三三三三:::::::::::::::i ＼ ∧
∠ :::::::::::::::ヽ:.／人::::::::::::::::::::::::::::j三三三三ﾑ:::::::::::i!ヽ ＼ i
2813 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:19:09 ID:29AISvmM0
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┃
さらに地元豪族だという推測どおりなら、
子分をそれなりの数、率いて戦に出たろう。
┃
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／■＼.／| ／■＼.／| ／■＼.／| ／■＼.／| ／■＼.／| ／■＼.／|
（´∀｀ ||. | （´∀｀ ||. | （´∀｀ ||. | （´∀｀ ||. | （´∀｀ ||. | （´∀｀ ||. | （
（ ○ | （ ○ | （ ○ | （ ○ | （ ○ | （ ○ | （
∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧ ∧＿∧
（・∀・ ） （・∀・ ） （・∀・ ） （・∀・ ） （・∀・ ）
∠二二}]=と ） ∠二二}]=と ） ∠二二}]=と ） ∠二二}]=と ）∠二二}]=と ）
Ｙ 人 Ｙ 人 Ｙ 人 Ｙ 人 Ｙ 人
∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧
矛 矛 矛 矛 矛 矛 矛
∧ ∧‖ ∧ ∧‖ ∧ ∧‖ ∧ ∧‖ ∧ ∧‖ ∧ ∧‖ ∧ ∧‖
(ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖ (ﾟДﾟ )‖
{XXX'○ {XXX'○ {XXX'○ {XXX'○ {XXX'○ {XXX'○ {XXX'○
|VVV|‖ |VVV|‖ |VVV|‖ |VVV|‖ |VVV|‖ |VVV|‖ |VVV|‖
~|r'⌒J ~|r'⌒J ~|r'⌒J ~|r'⌒J ~|r'⌒J ~|r'⌒J ~|r'⌒J
┏━━━━━━━━━━━━───
┃
そして戦場で指揮力を発揮し、
┃
───━━━━━━━━━━━━┛
2814 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:19:40 ID:29AISvmM0
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
それが史記の「奇計を好む」という
評価に繋がったのではないだろうか。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
_＿＿_
, ィ ´ ＿_,.､_＿ ｀＞､
／ __.r‐┘ ＼ └‐ｔ _ ＼
／/ ／ ／／ l ', ､ ＼ﾊ＼
／ /イ /／ / l | ＼ ヽ! ＼
／ / / /.: : :/ / l |:.:. ', V ＼
/ j/ / /.:. : : ／ ／ / l |＼:.: ', ', ,.: 〉
/ / l:.-−―／ ／/ ｲﾅ ― --l !イ::／
￣ヾー-|l ＿ 斗匕三ｘ' ´ ／ / ｘ三:心j:.: j l/
＼|:!:. :.:.ｌｉヽ ﾊノ:! / ﾊノ:i ﾉｲ.:. /! l 実際、范増の作戦能力は
l|小、:.:.:.ヽ. ゞ=' ／ ゞ=' /.:.: ｲ } l それなりに高いですぅ
l| { ヽ､:.:.:.＼ ' ／ィ´_ {!_ ｌ: l
l| ｝ _{!_ 下Ｔ、 cっ u ／i:.ﾊ. {! }:. ',
‖ { {! }:::i::::＞:..､ , ィ:::::::.:l:::.:} {:.:. , あいつがいなくなった途端
/' } {::l.:.::::::l::::| : :|::::l::::::::.:i:::.{'_{!_/:.:.: ', 項羽の戦略が
/ / ﾄ､ }!,jV.:.__／￣¨ Y ¨￣＼＿:ｒ､} }!/ .:.:.:.. ', 目に見えて下手くそになる
,' / {こ入 { ｲ ,.‐',二¨Ｔ¨二.'‐､ { j／¨ヽ:.:.:.:.. ヽ
,' .:' / _ｒ'_{! ﾉ { /／ / ,小.ヽ ＼ヽ r' |!｣ i l :.:.:.:.. ヽ
/.:.: ｒ ‥'.ノ ノi { ヽ.二 ｨ | {｜ト 二.ノ { 〈| ! ヽ V :.:.:.. ヽ
/.:,:-' ／ヽ _/, = , ‐ ､二二二二二 _−- ､{. ＼ ! ヽ :.:.:.:.. ＼
/￣､ 〃 ／ / r＝/¨＼「￣}‐､:::）＿ｒ＝i! ', └ｔ._ ヽ :.:.:.. ＼
┏━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
また過去の実績があるからこそ、
項梁・項羽が重用したかもしれない。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2815 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:20:23 ID:29AISvmM0
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┃
まあ、何を言っても
想像にしかならないのが苦しいが、
とにかく范増という老翁は、
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
i ,ｲ! ,ｲ i
i ヽ, ,j｡ '" j ｰ─‐一'’ ,'
i ﾍ'" .ｲ ﾘ
r, j ｿ " ,.ｨ'´￣￣ ヽ､ ＿
} `'ィ’ i { ￣ /
��ﾊ } ﾍ j,.イ ノ
} ﾍ ､､ ヽ ソ `く
�此� ,＞''¨~￣ﾞﾞ''"~"~~~~´`'ゞ, `'ーｧ
∨, i' ヽ, ／
∨ { ,.ｨﾍ ', j' ,.ｨュ., i 〉
'r､i{ ´¨ﾍﾍ.,_ ､ _,.ィノ｀ｰ` ;}ｨ´｀!／
iﾍﾊ ,.-‐≧〈 ! ヾy´ ＞ｬ, ﾘ仁iﾑ
j くﾍ ｀´￣ >｀! 'ｰ´, ,ﾊヒ,ﾘム
,.イﾍ iﾑ i ﾊi'ﾗﾘ ｨ｀'ｰｬ､
,ｨ ∧i ', , __ ,ij{ｲ j ヽ,_
r’ ∨ i ',,.ィ~｀'ｰ｀'´'~ ,＞ｧ' i ﾍ,' {
ｲ ∨ / ',ﾍヘﾆ二二 ￣ ﾘノリ >' .ｲ
∧ ∨ 'ヘ ヽ､ ｀'ー─一'" ／／ ／ i
∨ >､ ゞ‐＞ﾆ＜,.ィ／j ,. ＜ {
∨ / ~''ﾍ, / ） ,. ＜ .{
, ∨ / ∧ヘ, ,ｲ j ,. ＜ Y
∨ ∧ ﾞ^ｲ i!,ｲ i
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━───
┃
「実戦経験の無い平民」というわけでは
無かったんじゃあるまいか。
┃
───━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
2817 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:20:59 ID:29AISvmM0
〜〜項梁の幕舎〜〜
. ∧ ∧
. |_| |_|
. [ﾆ]＿＿＿＿＿ │＿＿ [ﾆ]＿＿＿＿＿
. || |─ │ 師 ＞ || |─
. || |─ │￣￣ || |─
. || ... |─ _ 冂 _ || ... |─
. [ﾆ]￣￣￣￣￣ ___-‐￣ ´ ｀ ￣ ‐- ___ [ﾆ]￣￣￣￣￣
.┃ ___-‐ ￣ ノ´ ｀ミ ￣ ‐- ___ .┃
.┃ |=======--´-＿＿＿＿＿-｀--=========| .┃
.┃ i :￣￣‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐￣￣: i ┃
.┃ i i i .i ┃
.┃ ∧ i i ＝＝＝＝ i .i ∧ ┃
.┃ |__| .i i || || i .i |__| .┃
.┃ ..∧ ∧|| ..i i || || i .i .∧ ∧.|| ┃
.┃ ...(ﾟДﾟ )|| .i i || .|| i i ( ﾟДﾟ)|| ┃
...┏╋┓ {XXX'○ .i i || || i i {XXX'○ ┏╋┓
...┃┃┃ |VVV|,|| ￣‐- ,,,,,i,,,,,,,,,,,,,,||,,,,,,,,,,,,,,,,,.||,,,,,,,,,,,,i,,,,, -‐ ￣ |VVV| || .┃┃┃
...┃┃┃ |r'⌒J |r'⌒J ┃┃┃
2818 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:21:14 ID:29AISvmM0
│ l | |
lﾞ | ! ',
! | | !
.! ! ! ',
! ｌ ｌ !
lﾞ 【】 ! ', 【】 ',
. l 囚 ,' .＿／￣￣￣￣.￣￣＼＿___ .ｌ 囚 ｌ
/ ||_,,,.. -―'''＿＿￣￣ 「|￣￣￣￣￣￣￣「| ｀＿＿^"'''''―||_..,,,_ ｌ.
彡‐'" || ／ ／| |＼ ＼ || ｀'''ｰ.ｌ.
／ ￣ ／ ／ ＼ ＼ ￣ ＼
|￣￣| |￣￣|
￣￣ ￣￣
ｨ ＿＿ -‐¬ _ -‐ 7´ }
-‐=彡 ´ -‐ ﾉ / 从
ト ／ ´ ´ ¨¨¨ ー┐ ﾊ
} { / ／ ＿ ﾉ }
/ / ／ -‐ ¨¨￣ ｀Y´} ﾑ
{ ､ { ィ-‐ ´￣´ーく / 厂
＼}^" 〃 ﾄ / /
ﾘ {i { 勹/ 項梁様の下で働きたく馳せ参じた
〈 {__, -く⌒ 乂 __ / 居巣の范増と申す
i} 辷rtｯｰ､ 〉 / | /7
ﾘ ＼ V /_ .| ' /
/ /{ / ｀V ノ お見知り置きを
〈__､_, ／ ／i 〈
〈 ｀¨¨ヾ r＜＞ ´ } `} }､ﾉ｀ヽ__
`辷__ ^^^` ／ xく ﾑｲ: : : : } ヽ
}ｰ- ､ __ .， ´ xく .， ´: : ＿厂 }
〈 ／ .， ´: : : : r┘ 八
} ／／.: : : :. :.厂 }≧x
从从斗く {: : : : : : r┘ {ニニ＼
厂 ∧＿: :/: :.ｰ┐ 厂 ノニニニ≧= ､
厂 ／ { /￣ r┘ ｧ^⌒ ´ニ≫ ´ニニニﾑ
2821 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:21:50 ID:29AISvmM0
. -‐ｧｧｧｧ‐- .
／｛｛｛｛////／∠=-＼
_,/｛｛｛｛∨///厶__二三三＼
／.//／/^Τ｛ ｛Χ,∨ |iミ-=ミ、
{ .:| /// | Χ＼l ＼|ｉｌミ-=ミ＼
/,ﾊl｛｛ ∨ Χ＼_,,.|ｉ| ミ/＾ヽ . ヾ､
｛∧ィ"⌒＼∧{｛ｰ＜¨二|ｉlヽi{ ,ﾊ│〉 ｝｝ うむ、遠路よう駆けつけてくれた
//i{ |／//∧::::. 癶ツ|ｉ| i ノ//∧ﾉニ=
｛｛ ∧{///// }::::l ´￣￣ｉ|ｉ∨ _////∧ﾆ=─
ヾ∨,∨//／.::::| . 八ｉｉ∨（）////∧＼
／//∧ﾅ ＼l__／ｰ==ミ∨://l ///// ＼｀二
＼ _＿彡'//∧彡ｲｲ示ﾐミミフ∨彡'/| /////// ｀ﾞ'＜
. ＞辷＿＿彡'//∧ ｀ﾆニニニ´∨彡'//|//∧＼//////
／ //////／∠// :∧Ｖ/ｌ|l|l|ｌ|Ｖ∨/////,|///∧. ＼////
/ ／／////／／/ ://｛｀''++++++''//////,|/////＼｝｝ﾆﾆ
. __厶 -‐=ニ７.::::::::/.::.'//∧ V∧ l///∧ ∧//////,｀ﾞ'＜
／/ニ=-‐ :::: ￣/.::::::::/ .:::|///∧ ｝/} l'//｛ ＼ ＼/////////
/ .'／ ::::::::::::::::: /.::::::::/.::::::,' | |'∧ ∨∧ /＼ ＼＼/////
【 項梁 】
::＼ ｉ} } Ｙ{
:ヽ ﾘ / ノ 7
. ＼ ＼: . ｲ ﾍ / }
＼r冖¨¨¨¨¨` " ∨ /
「 ＼ {i V
ー- } :ﾉ ヽ ﾘ_,ｨ7}
ｰ- 7 -=ﾐzzzz彡' {f苡〈 さて、さっそくですが
r-.､ 〈 ィ忖} ∨ 一つ、問わせてもらいたい
{てﾊ ‘， ／ ∨ }
ゝ` ﾑ ‘， ／ ,= -く 八
{从ｰく} ‘，、 ／ ､}i ＼ 項梁殿は陳勝の上柱国を
从ﾉ ‘，ヽ 「ムイ " `｀ 八 `ﾄ 名乗っておられるが……
�澄．爛ぁ 澄 � ィ へノ トゝ ﾘ ��
} �澄�ﾑヘ ｰ-彳 i} ／ �澄�- ､
: :} ､ｉ:ｉ�� ‘，＼ ﾘ/｀ヽ �澄� ヽ
: :‘，丶ｉ:ｉ��}i. ｰヘ ト､从ｲi:i/⌒} ��
: : :‘， ＼:i:i:＞――＜ /i/i:i:i:/ ��}
: : ‘， ＼i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:〉=く人:iノ �� |
: : :‘， YﾆﾆﾆﾆY } �� | |
2822 ： ◆TLDPZPDjO6：2015/09/15(火) 20:22:22 ID:29AISvmM0
ー ＿. : : : : : :＿_ ＼ 〉:.: }: }__
｀ー ´￣￣. . : : : . . ＼ ｝..:/: : /: : / /
: : : : . : : : : : : : : : : : :／ー―`---＼: : : :ィ{: :. ｛
ゝ: : : : : . : : : : : : : : : :,′ | ￣ }: : }
: : : : : : : : : : :_;/ } | │:.／
: : : : :ー : : : : : : : : :_;ノ / | / ∨
∨: : : ￣.: : ―＜:..:.| ,.ィ二ヽ │ { ノ:.〉
__＼: : : : :/ ⌒ヽ |: :| ／ゝ ﾆ==〉 ﾚ'ィ/ それはすなわち 陳勝のように
｀ヽ : : : : :{ { 〉 :.:| ,.＜ 艾/／ﾐ {-丐 秦に敗れて死に
乂 : : ∧ ｝ 〈 |:..:| ／ :, }
＞:.:小、__j:..:{ ＼ ∨
／ﾚ{: : ﾄ､{ r=':.:.:| │ -:.＞′ 一緒に墓へ入っていい、ということですかな？
´~| ＼乂_| /: :.. ＼ } ,:／ ￣￣ 〈
.....| ＼ ｀¨ﾌ:..:. ＼ ｛ ィ ´￣Yﾊ｀
.....{ 丶 ｀ヽ: : ＼ ｰ==='''} い、
.......丶 丶 ＼:..: ＼_,ｨ_,ｨノヽ八 ヾ＼
............＼ ＼ ヾ: : ｝ ＼::、
＼ } ／ﾚヽ: : : : : : : :/ ／:::ｉ
＼ ____{ ｛ | ＼: : : :ｨ/, '~~::::::::}
＼└┐ } く ｀T〔{／:::::::::|::::::/
／|
／ |＿_
/ｉ川川�今讚�ｲイィｲ≦三三三≧ﾐｘ ＼ ／
.ｲ川ﾘ l ':; ｘ彡ﾊ}ﾐミ≧ﾐﾐ��ﾊ、＿ ノ _.＿ | ＼
,'介川 ヽ ,.イ ｨ}l_l ﾘ }ﾐミミミﾐ;��l、 .ｘ仁二 ￣￣
// !川N. i ヽ ' ,.ｲ =}"ノ.ﾉ__｀Y./ﾐ/ ｀ヾilﾊl i ｌ}Y´￣
{.l /ﾊﾘミｘ､)〉_ｲ.ﾉ/.',ｨ≦l´_｀ヽ'/〈 ト,.i ��l弋_.�今�､
',У.l人メ///ﾊl;ゝУｨ=ｔッ７ﾉ{./ｲ }i .ﾉ///{､＿ｨl} なんだとっ！？
ｿ从!.l|'/////}l| .:'=＝ﾆ彡 / | l|､｡.ｲ/,ｌ|i､__.乂 川ｘ‐=-
.�宗嘛�'////ll| ､::::; ｌ.i{ l 乂��ﾘ'/��､三三彡ﾍ二ニ＝=-...、
/ ￣￣z≧ｘ＿人ﾉ�此罅�ﾘｌ| .;/ 乂ﾐﾐ;',ﾘ//l'∧�此羯易帖紕�ｚｘ、
, イ三三三三三三ｌ/ハ .,ヾｚ〉=‐ ー＝ミﾐ ﾐ��//ｲｌ|/∧圦ﾐ三三三≧ﾐlii,
.//川�� lｿ,��ｨﾆ三三'/∧ぐ州ｲ_｀ミzﾐ_ﾐﾐ刈ﾐ刈|ｌi,'ｌ|il∨ﾐ≧三三三三ﾐ��l|l
ｌ l .��ｨ仁三�� 川川ｌ��//��､二二こ,ィ`ﾐｘメ/.|l|�鎖優漾羯飴飴哀漾�ﾐﾘ从ミニ≧=､
. 乂ﾉ�� �� �裟郢哀張�/ ,':ｉ�今�ｉ州ｉ､,,ｉｌ|}／.:弋ﾐミﾐﾐｘ､:Ｙ⌒Ｙ⌒Ｙ⌒ｉﾊ｀ ￣二ニミﾐﾐ､ ヽ
,-ァアー――‐' ´￣/ｿ/`ｰ' ﾉｿ ｌ::::::ヾl州州lイ::::／ .:/,'``)`ヾ}{:.ｰ个ｰ介 ��､＿￣￣.ヽ) .ｿハ
（ここまでの出典：
私談・楚漢戦争）