最先端の構造体意識海における外部接続技術や独立戦術分析も可能な演算能力を持つアライメント。例の白髪の構造体が使用した場合のみ「彼」の性能を完全に発揮できる。それは戦場の決定打となる弾丸であり、闘技場で解き放たれた狂獣だ。戦場で「彼」を見かけると、戦うために生まれた魂を見ているかのような感覚に陥る。

「あっ、来たのね。外部接続スレーブユニット2.0の最適化はどうだった？」
「ゴロ」
「使用データのレポートをこちらの端末に送って」
「ゴロ」
「……何？」
「……あの子の名前。ゴロ」
白髪の構造体が陰鬱な面持ちで言葉を繰り返す。この優れた武器の呼び名は、開発する上で重大な意味を持っているのだが、第一科学研究所の開発者達は仕方なく変更することにした。
「ゴロ、可愛い名前じゃない！似合ってるわよ！」
「レ、レオニー、ケルベロスの隊員をそう揉みくちゃに……」
「ん？何か悪いことでもした？この子、優しい子じゃない？」
「お前を殺すって目で見つめてるけどな」
「あなた誤解してるのよ……じゃ、お姉ちゃんは仕事に戻るわね。ゴロが早くあなたの側に居られるようにしなくちゃ」