エロパロ板「おむつ的妄想」スレッドに投下された作品のまとめwikiです。

102 :名無しさん@ピンキー:2015/02/23(月) 00:27:24.77 ID:dIHv7jLt
「シホ、やめなさい! 止めろ! 今止めろ!」

パパの悲痛な声。彼は身体の力が入らないらしいシホを抱きとめている。
腕の中で泣きべそをかき、恥ずかしい水をだだ漏れにする娘は、とても年相応に見えない。
父親に抱かれながらもシホの放尿は続いている。既にスカートの下で、紙オムツは両脚の間にもったりと垂れ下がる。
可愛いオムツの柄も、今の状況では気味の悪いもののようだ。

「オムツにしちゃダメだ、我慢しろ! 俺の声、届いているか?」

紙パンツ、という二人の間での言い方も忘れ、娘を必死でなだめる。

「とまんないの、全然とまんないの」

「何言ってる、止められるだろ!? 早よ、トイレへ行きなさい」

「でも、漏れちゃうんだもん! 何にもしてないのに……!」

「何もしてないから漏れるんだ。力を入れろ!」

まとまった放尿の後、15分足らずでまた放尿。さっきからそんな状態だった。
態度も喋り方も急に幼児のようになってしまった娘に、父親としてなす術がない。そうしている間にも、
オムツの足まわりから行き場のないお湯が流れ出し、脚をつたい、床にぽしゃぽしゃと水溜まりをなす。
ほとんど色がついていない、透明なお湯。
本来、児童用の紙オムツは、多量の尿を何度も保つには非力過ぎた。

「むぅっ…………んっ…………」

ぽろぽろと涙を流しながらつらそうにむせぶ娘が不憫で耐えられない。放尿が一旦止まり、パパはちょっとの間、自分の気持ちを落ち着かせる。
べたべたになってしまった娘の脚を、乾いたタオルで拭いてやる。

(ママ、アヤちゃん、俺に何が出来る?)

人の手を借りずに場を収められる自信はない。しかし、とりあえず何とかしないと。
パパは愛する娘のため、然るべき態度を早急に取る責任があった。……

103 :名無しさん@ピンキー:2015/02/23(月) 01:29:16.82 ID:dIHv7jLt


その日、シホは衝動的に、命を捨てようとした。

夕方、パパがまだお仕事の間に、夕飯を用意する。そして、明日アヤに見せるために、今日のノートをまとめる。
朝の内に干しておいた洗濯物を取り込み、畳む。
通販サイトを何となしに眺める。
それまではいつもと一緒だった。

不意に、水道の蛇口からの滴りが目に入った。
ぽたっ、ぽたっ、と落ちる水の粒を見ながら、シホは、かつて人に聞いた話を思い出す。

(水をいっぱい飲めば、死ねる、って……)

精神的に疲れ、毎日毎日、〈自死〉というものを考えざるを得ない状況に陥ったシホだが、それでも、 縊死 、飛び降り……そういった方法はためらわれた。
凄惨すぎて、自分が死んだあとパパが正気を保てないだろうと思ったからだった。
ママの穏やかな死の後、パパが半年ふさぎ込んだのをシホは覚えている。
シホが酷い死に方をすれば、パパの悲しみは如何ほどだろうか。

水の飲み過ぎで死ぬ。そんな嘘みたいな話を、シホは聞いた当初はもちろん信じていなかった。しかし今、手段は選んでいられなかった。

(飲もう)

迷いのない手つきで湯のみに水道水をなみなみと注ぎ、そのまま全部飲む。
喉をとおる水のなめらかさ。
それはいかにも生命的で、死とは遠いものに思える。爽やかに死ねそうな気がした。
一杯。また一杯と、シホはお腹に水を収めていった。

(んぅっ…………ぇぅ…………)

とうとう身体が水を拒否する。相当量の水を飲み干し、台所にぺたりと座り込み、ただただ自失する。
頭はからっぽで、時間の認識が出来ない。何時間も過ぎたようにも、まだ一分と過ぎていないようにも感じる。
窓の外はもう日没で、空の色はすみやかに変わっている。

……身体は何も変わらない。ずっと同じ体勢でいた。それでも、シホの身体はいつも通りだ。全身の肌寒さと、水によるお腹の張り以外におかしな事はない。
自死の失敗。シホがそう断じるのに長い時間は要らなかった。
107 :名無しさん@ピンキー:2015/03/01(日) 16:38:41.52 ID:B3HVUgpn


帰ってきて最初に見た娘の姿が狂乱したものであったのでパパは非常に戸惑った。
だが、酷い頻尿は水をたっぷり飲んだ事による一時的なものであると判明すると、胸を撫でおろせた。

娘をおんぶして離れにある手洗いに連れていってやる。シホをおぶうのなど、幼い頃以来一度もない。
身体は成長した分重たいが、ほかほかとした体温は昔のままだ。もちろんお尻のふにっとした紙オムツも。

おんぶしながらパパは娘のにおいを鼻に感じた。
ブラウスの胸から襟元を通って醸されるむっとしたすっぱいにおいを、気にしないでやる事にする。

腰をそっと便座に据え、すべすべした娘の手を握る。時折、背中をさすってやる。我慢できないほどの尿意はもうおさまったみたいだ。

「では、今言った事が全てなんだね?」

「ええ……、ねえパパ、本当にごめんなさい、大変な事をしちゃって……」

「良いんだ。よう言った。
それに、そんな簡単に死ぬるようなやり方ではなかったんだ、本当に良かった」

パパに一部始終を話したシホは、そのまま目をつむった。
父親として、聴いているのが辛い吐露であった。致死的な方法ではなかったが、娘が悩んだ末に自死を図ったというのだから。
シホは昔から親に少しの事しか伝えない娘で、何かと抱え込んでしまう所がある。シホが高校生の頃、母親が死んでからはより一層そうなった。
それは忙しい父親への配慮もあったし、また男親には深い事を相談しづらいという面も確かにあっただろう。

半年前の些細な事故はほんの引き金に過ぎない。
母親の死の余韻、目に見えない周囲からの抑圧、ぼんやりとした不安、そういったもので彼女の内面はドロドロだった。

パパは娘の身体や気持について何も知らなかった。娘と向き合う事をしなかった。
むろん、高校時代のシホに片親である事を負い目に感じさせぬよう努力はしていた。
そのために彼女を旅行、美術館、オペラといった場に連れていったり一緒に美味しいものを食べたりと、様々に配慮してきたつもりだった。
だがそれらの事も娘のためでなしに、自尊心を満たしたいがためだったのだと今実感する。

(すまなかったな、俺がもっと前に気づいてやれれば……)

シホの力ないさまを見れば、彼女に必要なのは適切な治療だという事は明らかだ。内面の乱れを鎮める治療が。

シホは脚をすり合わせ、もじもじしている。おもらしでしっとり湿った肌が気になるのだろう。

「ちょっと、ぴりぴりするかも……気持ちわるい」

「後でお風呂で洗って、さっぱりしような」

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