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ピンク「はい、あ〜ん♪」
十二波「あ〜ん♪ モグモグ、手作りチョコは美味しいな〜」

真央「……何してるの……」

十二波「何って?」
ピンク「今日はバレンタインだからチョコ食べさせてあげてるんだけど」

真央「…邪魔だから出て行ってくれない」

ピンク「あれ〜、ブラック相手いないから僻んでるの?」
十二波「いや、俺達よりあっちを取り締まった方が良いんじゃないかな」

真央「んっ?」

ハンナ「おい、ヒカル抜け駆けする気だったろ」
ヒカル「何言ってるのさ、十四波は僕のチョコを早く食べたいに決ってるじゃいか」
十四波「おいおい、そんなに食べられないよ」
(紗矢香、響子、姫子、准ねえさんの分食べた後だから苦しいのに…)

十二波「最近の小学生は凄いね」
真央「……」
ピンク(うわ〜、ブラック凄い顔してる…)

真央「……」
九波「おい、ブラック」
真央「…何…」
九波「あいつ(七波)と喧嘩したらしいな」
真央「…レッドには関係ない…」
九波「そうはいかないな、元リーダーとして言わせてもらう。今すぐ仲直りするんだ」
真央「…言われなくても分かってる」
九波「いや、分かってないね。大体俺達と違って人間には寿命がある」
真央「…それで…」
九波「そして、俺に毎年チョコをくれてた女の子はもう居ないんだ」
真央「…!?」
九波「大神製のサイボーグの子で俺と会った時には、もう寿命が十年しか残ってなかった」
真央「……」
九波「だからブラック、好きな人との時間は大切にするんだ」
真央「…レッドは今でもその人のこと愛してるの?」
九波「当り前だろ」
真央「…そう、じゃあ私…」

十四波「あっ、レッドさ〜んそういえば預かり物があるんですけど」
九波「なんだい、十四波君」
十四波「チョコ何ですけど、准ねえさんと、姫子の職場の元先輩と、コウキの知り合いのお姉さんからです」
真央「!?」
九波「やった〜! 今年は諦めてたけど准と夏菜ちゃんと維織さんからだ〜♪」
真央「……ブチッ…」
九波「えっ、いや、ブラックこれは違うんだ」
真央「…問答無用!!」
・・・・・・
・・・・
・・

“ぐっしゃ!!”


十四波「レッドさ〜ん、胸に大穴が!!」
九波「し、死ぬ〜」
ピンク「大丈夫よ、死にやしないから」

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カズ「なあ、リーダー」
真央「…何…」
カズ「レッドさんには問題あるけど、言ってることは正しいんちゃうか」
真央「…うん…」
カズ「リーダーも仲直りのチョコを渡した方が良いんちゃう」
真央「…でもチョコが間に合わない…」
カズ「それなら大丈夫や、プロ野球は今はキャンプで今日は練習やけど明日は休み」
真央「…えっ…」
カズ「朱里も含めて、選手の奥さんや彼女はその日に渡すみたいやで」
真央「…でも、ヒドイこと言っちゃたし…」
カズ「そういう時はウチみたいに代打を頼めばいいねん、おい十四波〜」
十四波「なんですカズさん」
カズ「明日、何処行くんや」
十四波「明日は父さん達とキャンプ中の四波おじさんと、七波おじさんを激励に行くんですよ」
真央「!?」
十四波「七波さんは僕の魔球簡単にホームランするし、四波さんは素手でキャッチするし、あの二人に会うと自信なくなるんだよね」
カズ「リーダー、十四波は七波選手の親友の湯田元選手の息子やねん」
真央「湯田君の…」
十四波「あれ? ブラックさん、湯田父さん知ってるの」
カズ「リーダー、今から朱里の家に行ってチョコ作り混ぜてもらっておいで、十四波はそのチョコを明日七波さんに渡してあげて」
真央「うん」
十四波(あれ、ブラックさん楽しそうだけど七波おじさんのファンなのかな)
カズ「あと十四波、ウチの分うまくやってな」
十四波「う、うん」

―――次の日


七波「へ〜、真央ちゃんがね」
湯田「もう、良い年して夫婦喧嘩はやめるでやんす」
七波「分かってるよ。そして十四波君ありがとう」
十四波(……今年はフェンス直撃…)
湯田「打たれたショックで放心状態でやんす」
七波「いや、でも手は抜けないしな〜、まあお礼としてはせこいけど昼飯おごるから」
湯田「やったでやんす」
・・・・・・
・・・・
・・


食堂

―――ワイ、ワイ、ガヤ、ガヤ

七波「あれ? すごい人だかりだ」
湯田「本当でやんす… あ、おーい十一波」
十一波「あっ、湯田先輩に七波先輩」
七波「なんだい、この人だかりは」
十一波「渦の中心を見れば一目了然ですよ」



五十鈴「だから、何で大江さんのチョコが、書斎の机の引き出しに入っていたんだ」
十波「それが、全然思い当たる節が無いんですけど…」
五十鈴「ほう、まだしらを切るのか」
十波「いや、濡れ衣だ」
五十鈴「何処の世界に家にまで来てこっそり、机にチョコを隠す奴が居る」
十波「きっと、僕を陥れる誰かの罠だ! 昨日来た奴の中に犯人が居るんだ」
五十鈴「語るに落ちたな、昨日来たの紗矢香はのお友達の十四波君だけだ」
十波「何だって!」



十一波「これじゃ食事どころじゃないな…、あれ朱里?」
湯田「ウチの子も居ないでやんす」
七波「この人だかりじゃ、中々見つからないぞ」

朱里「で、犯人さん何でそんなことしたの」
※※※「えっ、何で僕が犯人」
朱里「いや、あれだけ冷や汗かいてたらわかるわよ」
※※※「でも…」
朱里「あのバカはともかく、秀才の天月さんまで頭に血が回るとわからないのね」
※※※「……」
朱里「キャンプ中にどうやって家に帰るのよ」
※※※「うっ…」
朱里「それに、カズの知り合いのあんたが家に来たなら100%犯人でしょ。十四波」
十四波「ごめんなさい」
朱里「私に謝ってもしょうがないでしょ。何であんなことしたの?」
十四波「カズさんから、チョコを隠して渡すように言われたんで…」
朱里「それたぶん、キャンプの界隈で出会ったらこっそり渡せって意味よ」
十四波「えっ、そうなの!」
朱里「……」
十四波「直ぐに、紗矢香のママに本当の事言わなきゃ」
朱里「面白いからもう少し後で良いんじゃない」
十四波「あれ?」
朱里「どうしたの」
十四波「そういえば紗矢香は?」

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(某公園)

紗矢香「ねえ、瑠璃花おばさん、走波おじさんこっちに大きなお魚がいるよ」

走波「ねえ瑠璃花、いつまで天月さんお子さん預かれば良いの?」
瑠璃花「ごめん、私に聞かないで」

その後、朱里が五十鈴に十四波のイタズラだったと説明したのはその日の深夜だったことは言うまでもない

ー完ー

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