パワポケでエロパロ保管庫 - 特命ハンターINジャッジメント第一話 第二話
第一話 戻れない道


目の前を強い光が差し込む。
「ここは…どこだ…?」
俺は見知らぬ密室で両手足を縛られた状態で座らされていた。
「お目覚めのようですね…。」
保健の桧垣先生と浜野が立っている。
「まったく、あんた達のせいで酷い目にあったわ……それにしても、こんなことしてタダで済むわけがないのに…バッカじゃないの?」
浜野はくすくすと笑っている。
「先生…これは一体何の真似ですか?」
桧垣先生は、眼鏡を直しながら答えた。
「全く…我々に歯向かうなんて…馬鹿な事をしましたね。
君が知っての事か否かに関わらず彼女自身が逆らった以上君もタダでは済みません…本来なら抹殺されてもおかしくない…。」
「…歯向かう?抹殺?」
「大江はジャッジメントから脱走しようとしたのよ。そしてあなたは大江に加担した。だからここにいるの。」
「…?先生たちが何を言っているのか分からない俺は確かにカズにグラウンドの明かりを消すように言われましたが、それがこの事と何の関係があるのですか?」
「あんたのせいでこっちは大怪我よ!!結局あいつはしあわせ草の禁断症状で倒れたから良かったけど。」
虎をも睨み殺すような目で小波を見るが、彼にはまだ何がなんだか分からない。
「まぁ落ち着きなさい…彼も重要な部分の記憶は消されています…少し説明しましょうか。
まず、ここはジャッジメントグループの研究室、あなたは大江君の脱走の加担者として…それと私の薬の被験者としてここに連れてきました。」
「薬の被験者?…そういえば昔、俺に何か勧めていましたよね?」
「はい、その薬です。…君はたしか服用を拒みましたね。だから、こっそり野球部の食事や飲み水に薬を混ぜさせてもらいました。」
「じゃあ、他の奴等もここに?」
「いや、あなただけです。他の方には何も起こりませんから。この薬はO型…それも『ボンベイタイプ』の方しか影響が出ないと研究で分かっていますので…。」
「ボンベイタイプって言うのは非常に稀な血液型の事よ…。親に輸血する時は注意するように言われた事はないかしら?」
「…知らないな。」
「ボンベイタイプの人は分類上はO型だけど、普通のO型の血液は輸血できないのよ。…まぁどうでもいいけど。」
「とにかく、君も大江さんや水沢さんと同じくボンベイタイプ…つまり薬の適合者なのですよ。」


「…水沢って行方不明のか!?」
「はい、正確にはもうこの世にはいませんが。
「!!薬の副作用か!?」
「これも二度目なのですが、まぁしかたありませんね。…私の薬に毒性はありません。
もしそうなら君も大江君も野球部の部員も皆、死んでいるはずです。彼女の能力は『自分を破壊する』というものであっただけです。単に運が悪かった。」
「人が死んだのに運が悪かっただと!?ふざけるな!!」
「薬を飲んだのは、彼女自身の意思です。…それに、その時は死亡する事例が無かったのでね。…一応、気の毒には思っていますよ。」
ため息をつきながらやれやれと言いたげに話す。
「…何故、人を死なせてまでこんなことを?」
「まずは人類の発展。特に大江君の能力はうまく使えば永久機関にもなる。…これは以前話した内容でしたね。もっとも、一番の理由は、優秀なエージェントの育成ですがね…これも話しておきましょうか?
…我々ジャッジメントグループは新興勢力である大神グループと抗争状態にあります。そして、大神の持つ人間兵器に対抗するために我々はしあわせ草とその服用による超人的能力の力に目をつけました。つまりあなた方のことです。」
「俺にもカズのようになれると?」
「現地点では、どんなものかはっきりしていませんが、わたしの予想では、すでにあなたは気づいてないだけで何かしらの能力者です。
…甲子園の直前に君は怪我をしましたね?…個人的に調べてみたのですが、あれはどう考えても常人では三週間で済むはずが無い怪我なのですよ。」
「そんなバカな…。」
「後頭部から血を流してもそんな事が言えますか?」
「後頭部!!!?」
「そうです。外傷がまだ残っているはずです。」
頭を触ると確かに傷跡がある。
「そんなダメージを受けているにも関わらず君は意識がはっきりしていた。…それだけでも十分な根拠と言える。」
「そんな…。」
「まぁいずれはっきりするでしょう。…とにかく、君はもうジャッジメントの人間です。すぐにでも工作員の訓練を受けてもらいますよ。」
「…誰がお前らなんかに…!!」
「まぁ、無理も無いですね…しかし、我々はあくまで自主的な協力を望みます。」
そう言い終えると、奥のモニターが映し出された。
その中には、裸で両手足を縛られた状態の女の子…小波にとって良く知る存在だった…。
「あれは…カズ!?」


〜小波が目覚める少し前〜

「彼女が能力者…ですか…?」
…ここは…何処や…?
「いいですか…間違っても殺してはいけませんよ。この子は貴重なオリジナルです…。」
…ウチは一体…?
「…どうやらお目覚めのようです。」
…せや、たしか朱理に挑んで…気を失うて…。
「では、任せました…。私はもう一人とお話をしてこなければなりません。」
…もう一人…?