ポケモン第二世代対戦シミュレータ「ジムリーダーの城」の対戦考察Wikiです。各所に散らばった考察をまとめ上げ、より考察を深めます。

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この記事は、一撃無し2000のパーティの分類を試みたものである。
パーティのテンプレ集、と捉えても良いだろう。

筆者は、GSC OUにおいて、以下のようにパーティを分類していた。
GSC OU Team Classification

多くのパーティを用意して使い分ける上で、このようにパーティを分類することで、パーティを作成したり、パーティ間の強弱関係(相性関係)を把握したりする際の思考量を削減することができた実感がある。

一撃無し2000において、同じようにパーティを分類しようとした際、以下のような点に困難さを感じていた。
  • レベル配分というGSC OUにはない概念が、パーティのバリエーションを増やしている。
  • GSC OUと異なり、6匹のポケモンの内、3匹は実際の対戦で使う必要はないため、汎用性に劣るポケモンもパーティに加えやすく、パーティのバリエーションが増えやすい。
  • 海外のSmogonと日本のジム城では文化に差があり、ジム城ではSmogonほどプレイヤー間の明確な順位付けを行わない(少なくとも年間チャンピオンを決めるようなことはない)ため、カジュアルなパーティが使われやすく、パーティのバリエーションが増えやすい。

そこで、筆者は、パーティの志向性に着目し、緩やかにパーティを分類することとした。
ただし、「緩やかに」と書いてはいるが、過去のテンプレ議論や有力なパーティ、特徴的なパーティを参考に、パーティの分類に基準を持たせ、また意味がある範囲でできる限りの例示を行い、具体的なイメージをしやすくなるように努めている。

分類の前提:志向性

パーティの志向性を示す概念はいくつか存在するが、何れも共通点が見られる。
具体的には、以下のような概念が存在する。

ここでは、それらの既存の概念をベースに、パーティを「対面構築」「起点構築」「受け構築」の3つに分類する。
(世代横断的に使われている用語も参考に、このような名付けとした)
大雑把に捉えると、「対面構築」は攻撃的、「起点構築」は中間的、「受け構築」は防御的、と捉えることができる。

前述の概念と対応付けすると以下のようになる。
パーティ分類理論分類戦略名海外分類
対面構築速攻重視対面構築Offense
起点構築決定力重視役割論理Balance
受け構築受け重視役割理論Stall

分類の各論:テンプレ

ここでは、過去のテンプレ議論や有力なパーティを参考に、「対面構築」「起点構築」「受け構築」のそれぞれについて、テンプレ構築を定義する。

対面構築

ここでは、特殊流しを50自爆カビに代表される50爆破に頼るパーティを「対面構築」に分類する。

対面構築のテンプレに関しては、Wiki内の既存の文書で言及している。
(「額縁理論」や、類似する構成についても言及している)

テンプレWA(自爆カビ+大爆発パル)
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%c6%a5%f3%a5...

理論的には、決定力重視のパーティが流行り、受けが難しくなった環境下では、受けにリソースを割かなくて済む速攻重視のパーティが強くなる、ということになっている。
しかし、今回の分類に従って考える場合、起点構築のパーティが鳴海型ムウマのようなポケモンを採用している場合、爆破一辺倒になりがちな対面構築は不利を取られやすくなる。
そのため、少なくとも今回の分類においては、それが当てはまるとは限らない。

あくまでも、対面構築は、自分のポケモンが1匹倒されるよりも先に相手のポケモンを1匹倒す能力に長けているポケモン(主にエース)を中心に戦いたい場合に適している形式、と捉えるべきだろう。
(そのようなポケモンがいる場合は、爆破爆破タイマンに持ち込みやすかったり、枚数差からの詰めをしやすかったりする対面構築の形式がマッチしやすい)

起点構築

ここでは、以下の2つの条件を両方満たすパーティを「起点構築」に分類する。
  • 特殊流しの手段が50爆破に依存していない
    • 55眠るカビゴン、50寝言カビゴン、ハピナスといったポケモンを採用している
  • 55鈍い地震眠るカビに対する安定した受けの手段が存在しない
    • 詳しくは「受け構築」の項にて後述

以下では、55眠るカビゴン、50寝言カビゴン、ハピナス、それぞれの特殊流しについて、テンプレやその採用例を紹介する。
55眠るカビゴン
55眠るカビゴン(カビゴンエース)の取り巻きの選択肢は多い。
スターミーやスイクンのような水ポケモンですら必須ではない一方、カビゴンと組ませて相性が悪いポケモンを考えるのも逆に難しい。
更に、近年ではカビゴンエースであったとしてもWAにするのが一般的になりつつあり、カビゴンエースはますます多様性の富んだものになっている。

そのような背景があり、当Wikiでは、カビゴンエースの類型化を、テンプレを紹介するというホワイトリスト方式ではなく、やってはいけない組み方を紹介するというブラックリスト方式で紹介している。

カビゴンエースパーティ構築のアンチパターン
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%ab%a5%d3%a5...

なお、上記の記事では、「カビゴンライコウWA」をアンチパターンとして紹介しているが、これは「起点構築」の観点で見た場合の話であることに注意が必要である。
後述の「受け構築」では、これこそが目指すべき形である。

また、現代的なWAの一つのテンプレとして、「55カビゴン+50ガラガラ+50ポリゴン2+55特殊決定力」で構成された「令和カビガラポリ」というものも提唱されている。

令和カビガラポリ
https://plaza.rakuten.co.jp/majinjima/diary/202408...

なお、筆者としては、令和カビガラポリのポリ2は圧し鈍いカウンターハピでも良いと考えている。
これには、55特殊決定力選出時の対55サンダー等が安定するようになる、というメリットがある。
しかし、攻撃ランクを+2以上上げる積み技や身代わりを持ったポケモンの起点になりやすくなるデメリットがある。
また、確実に麻痺を入れられなくなったりムウマ・ゲンガーに麻痺を入れられなくなることで、カビゴンミラーに悪影響が出たり、地震カビで道連れムウマ・道連れゲンガーを倒すのが難しくなったりする場合がある。
(筆者が実戦で使用し、実際に機能させたこともあるが、その採用例はPokemon Showdownのものであったため、Pokemon Showdown側の都合で2023年12月にリプレイ消失)
50寝言カビゴン
カビゴンが50だとしても、寝言カビであれば、ある程度安定して使える特殊流しとなれる。

例えば、50捨て身地震寝言カビであれば、対ゲンガーを含めた特殊を流すことができるようになり、催眠技やゲンガーに困らされやすいサンダーエースにとっては有力な選択肢となる。
しかし、状態異常や積み技で圧力をかけることができないので、高火力の特殊に対しては脆弱となる。例えば、55で雷を打ちながら眠る薄荷で回復するだけのサンダーとの完全タイマンですら、50%を少し超える程度の勝率しか出すことができない(詳しくは、マイナー・変態型奇襲まとめのカビゴンの項を参照のこと)。そのため、サイクル戦志向というよりは、対面構築に近いパーティでの採用が適している。
また、フシギバナにも脆弱であるため、フシギバナに強く出られるポケモンとの併用が適している。
これらのことを考えると、例えば、以下のように、いばみがサンダーエースとの併用が適しているだろう。

サンダーSA
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%b5%a5%f3%a5...

また、圧し寝言カビでサポートする型も存在する。
この型は、追加効果の麻痺がカビゴン自身の実質的な耐久をアップさせる効果もあるので、前述の捨て身地震寝言型よりは特殊流しが安定しやすい。
古い例にはなるが、分かりやすい例としてクソカビが挙げられる。
以下の記事ではクソカビを採用したパーティについても触れられている。
(ただし、現代では、圧し鈍い寝言カビの方が良いかもしれない)

クソカビ
https://undead-princess.hatenadiary.org/entries/20...

他には、捨て身鈍い寝言残飯という型も存在する。
50カビとは言え、天候受けを別に用意したり、昆布対策を55カビ採用時よりも少し強化したりすれば、55カビと同じような感覚で特殊に出せるようになり、受けを志向したパーティにもマッチするようになる。
パーティ例は後述の「受け構築」にて触れる。
ハピナス
ハピナスもまた、50でありながら、特殊受けを安定させることができるポケモンである。
ただし、カビゴンを始めとしたポケモンの無償降臨を誘いやすいので、そのデメリットを軽減させるような採用の仕方をする必要がある。

テンプレで言うと、カビゴン流しが安定するムウマと併用したハピムウマが近年になって提唱されている。

ハピムウマ(鈴ハピ+鳴海型ムウマ)
https://plaza.rakuten.co.jp/majinjima/diary/202110...

また、ハピナスは得意不得意がはっきりしているという意味ではタイマン向きのポケモンでもあり、裏択としてタイマンを志向したパーティで使用しても前述のデメリットを軽減させることができる。
前述の「カビゴンエースパーティ構築のアンチパターン」でも紹介しているが、例えば以下のように、55を爆弾として使用して50ハピをタイマンさせる択を作っておくと、汎用性を高めることができる。

Wikiカビ1.5
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/Wiki%a5%ab%a5%d...
(参考)55寝言ライコウ
ステータスが安定して高く、特殊方面に弱点を持たないライコウは、55で寝言採用することで、特殊流しとして信頼できるポケモンとして起用できるようになる。
しかし、実際にパーティに組み込んだ場合、後述の「受け構築」か前述の「対面構築」になる傾向があり、「起点構築」であることを示すポケモンとしては適していないと考えている。

まず、眠るカビと組み合わせた場合は、前述の「55眠るカビゴン」や「50寝言カビゴン」の分類に内包されるようになる。
更に、この構成はエアームドとの併用が親和的であり、キチカビ3のように「受け構築」に発展しがちである。

また、自爆カビと組み合わせた場合は、対面構築の傾向が強まる。
ハピナスの場合は、原則として50採用であるため、「50で受けを固めつつサポート+55エースで全抜き」という、「起点構築」らしい強力な選択肢を作ることができる。
しかし、ライコウの場合は、数字の関係で高レベルで採用しないと特殊受けとしては信頼感に欠けるため、50爆破の依存度を高めつつエース択ゲーをしかける「対面構築」らしい構成となりがちである。
例としては、2019年のオフ会で優勝した以下のパーティが挙げられる。
(一撃有り2000の例ではあるが、このパーティでは一撃技を使用しておらず、一撃無し2000にそのまま流用可能である)

【金銀】ライコウバンギWA+フシギバナグッドチーム【ヒストリアカップ7優勝構築】
https://yasupoke.hatenablog.com/entry/2019/05/31/2...

受け構築

ここでは、以下に代表される、55鈍い地震眠るカビに対する安定した受けの手段が存在するパーティを「受け構築」に分類する。
(「特殊流しの手段が50爆破に依存していない」を満たしていることが前提)
  • 鈍い飛ばしエア、鈍い毒エア等、55鈍い地震眠るカビ受けに適した型のエア
    • ここで挙げたような通常使われる型は、1対1の完全タイマンになると55鈍い眠る残飯カビゴンに対して不利になるので注意。幸い、エアームドには爆破耐性もあるので、多くの場合は立ち回りで完全タイマンを防ぐことはできる。
  • 丸くなるフォレ
  • 丸くなるツボツボ
  • 55鈍い残飯ポリ2
    • 例外的。仮にこのポケモンが入っていたとしても、50爆破ベースに作られているのであれば「対面構築」の方に分類するべき。
  • 55鈍いタンク
    • ミルク飲みのPPの関係で、サイクルは安定しない(特に爆パンや分身を持たない場合)。飛ばしエアのようなサイクル戦用のポケモンを併用する必要がある。
      • 1匹に対し2匹で相手する形になるので。選出制限に注意する必要があり、55鈍い地震眠るカビへの対策を複数用意するような対応が望ましい。
  • 毒飛ばしエア等、55鈍い地震眠るカビ受けに適さない型のエア
    • サイクルは安定するが1体残しの対策が必要。滅びムウマのようなポケモンを併用する必要がある。
      • これも選出制限に注意。

GSC OUのレンタルパーティの分類においては、以下の2つの条件を両方満たした場合に、暗黙的に「Stall」に分類している。
  • エアームドの使用
  • 撒きびし+スピンの併用(Spikes Warへのコミット)

この内、前者に関しては、一撃無し2000においても参考になる分類基準である。
鈍い地震眠るカビは受けようとすると著しく制約が大きくなる。また、防御的なパーティが得意とする毒をベースとした粘り勝ち戦術も、鈍い地震眠るカビには効果が薄い。鈍い地震眠るカビに対して、制約を受け入れてでも受けで対処しているというのは、そのパーティが受けを志向したパーティであることを示す象徴的な手法とみなすことができる。
また、鈍い地震眠るカビに対して受けを用意できているということは、他のポケモンに対しても一通り受けが用意されているであろうという推測もできる。

後者に関して、Spikes Warへのコミットが基準として扱われているのは、GSC OUにおいてそれが最も防御的な能力を落とさずに搭載できる攻撃手段だからである。3匹で戦う2000においては、撒き役とスピン役を選出すると、残り2匹で防御的な役割を充足させるのが困難になるので、2000においてはこの基準を適用するのは適切ではない。
2000においては、無差別破壊コンビネーションを持っていたりセミフル・フルアタであったりする攻撃役を1〜2匹採用して攻撃手段を搭載した方が、防御的な能力を落とさずに済む傾向がある。このような攻撃的なポケモンであっても、防御的な役割が全くないわけではなく、むしろエアームドやハピナスのような完全に受けに徹したポケモンにはできない防御的な役割を持っていて相性補完がしやすい傾向にある。
(例えば、剣セミフルガラは、滅びマジックやまるころ、闇等に対して、防御的な機能を持つ)

受け構築に関してはテンプレと呼べるほど流行っている傾向は存在しない。
しかし、当記事の分類で基準としているエアームドに関しては、汎用性が高く、「起点構築」の項で前述した特殊受けと合わせてテンプレのような形で扱うことができる。
以下では、具体的なパーティ例を紹介する。
エアームド+55眠るカビゴン

エアームドを55眠るカビゴンと組み合わせる場合、55カビゴンを捨て身地震電磁砲で採用するのが定番である。
カビゴンをこの型で採用することで、防御的な能力の低下を抑えた上で必要な攻撃手段を確保できるからである。
また、以下で例として挙げている秀才カビ'23では、55鈍い地震眠るカビ受けに適さない毒飛ばしエアが採用されているが、カビゴン1体残しに対する問題は滅びムウマや55鈍いタンクにより解消している。

秀才カビ'23
https://majinjima.ma-jide.com/party/2023/vakabi.ht...
エアームド+50寝言カビゴン

50寝言カビゴンも、捨て身鈍い寝言残飯のような防御的な型で採用するのであれば、エアームドを伴う受け構築での使用に適している。
55眠るカビゴンと比較すると、エースを自由に選択しやすくなるというのが特徴であり、メタの変動に柔軟に対応することができるようになる。
「起点構築」の項で前述の通り、天候受けを別に用意する必要があるので、ドククラゲバンギラスWAの例のように天候に強めのエースを採用すると良い。

ドククラゲバンギラスWA
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%c9%a5%af%a5...
エアームド+ハピナス

50としては、ハピナスもまた受け構築での使用に適している。
エアームド+ハピナスの組み合わせはカビガラポリ前の黎明期から存在する定番の組み合わせである。
50寝言カビゴンのように、エースを自由に選択することで、メタに変動に柔軟に対応することができる。
50寝言カビゴンと比較すると、多属性系統の有象無象に弱くなるデメリットはあり、そのことを考えると以下のセミクロスで採用しているヘラクロスのように有象無象に強めのエースとの併用が望ましい。
その代わり、晴れ文字のような高火力特殊には強くなり、鈴等でサポートすることも可能になる。

セミクロス
https://majinjima.ma-jide.com/party/2022/semihela....
エアームド+55寝言ライコウ

エアームドは55寝言ライコウとの併用にも適しており、これも定番の組み合わせ。
55寝言ライコウによりある程度の攻撃手段を確保できるので、55眠るカビゴンと組み合わせる場合は、キチカビ3のように55カビゴンに鈍いを採用しやすくなる。
55カビゴンとは言え、鈍いが無いと多属性系統の有象無象には弱めになるが、その問題を解消することができる。55寝言ライコウ自体も有象無象に対しては強め。

キチカビ3
http://www.q9con.net/pokemon/PartyBox/index.php?pa...



対人戦における一般論として、全ての相手を受けきることはできない。
(もしそれができるルールがあるとしたら、大会の運営上の問題によりルールの変更を強いられるため)
そのため、受けを重視したパーティは、立ち位置的にどうしてもニッチ寄りになる。
特に、速攻を絡め取ったり起点を作ったりするための毒を積極的に活用しない場合は、その傾向が強くなる。
受け構築は、狭くはない特定の仮想敵群に対して大きなアドバンテージを取りたい場合に使うべきパーティである、と捉えるべきである。

なお、理論的には、速攻重視のパーティが流行った場合、それを受けきって一方的に決定力を出すことができる受け重視のパーティが強くなる、ということになっている。
しかし、今回の分類に従って考える場合、今回の分類では速攻を絡め取るための毒等の使用を必須としていないため、それを使用しない場合は有利になるとは限らない。

補足的な分類:ニッチ

ここまでの議論は、パーティに汎用性や恒久性(パーティの構造や組み込まれた戦術が知られるようになった後の強さ)を求めることが前提となっていた。
パーティにそれらのものを求めない場合、パーティの構造はこれまで議論してきたものとは異なるものが合理的になる場合がある。

キラパ(低汎用の特化型パーティ)

キラパの作り方については、キラパの作り方で詳しく解説している。
キラパを作る場合、使用頻度が低いニッチなポケモンを使うことになることがあるため、その場合に特徴的な構造を持つパーティになりやすい。
この記事では、その中で、ガン受け狙いの場合とバトン狙いの場合について、具体的な例を述べる。
ガン受け狙い
数あるキラパ作成手法の中で、特に高い勝率が見込めるのがガン受け狙いである。
立ち回りが単純(読みの要素が少ない)というのも相まって、相手が予想通りのパーティを使用してきた場合に安定した試合運びを期待できる。

ガン受け狙いを行う場合、通常使われないような低汎用のポケモンに手を出さなければならなくなる場合がある。
キラパと言えど、相手が予想通りのパーティを使用してこなかった時のことを考える必要があるが、そのようなポケモンを採用してしまうと通常の構築手法ではまともに汎用性が出なくなることがあるので、かなり極端な手法を取り入れざるを得なくなる場合がある。

そのわかりやすい例として、朽氏のカビパルサンダーに対して作成した、しゃわ氏とはまっちゃった人氏による以下のキラパである。
このパーティでは、キラーとなる「55寝言エレブー+50スピンスターミー+鈍い飛ばしエア」の3匹からスタートしており、そこから強引に汎用性を出すために爆破爆破遺伝子牛を組み込んでいる。
(ただし、当時のパーティ構築の技術の水準は現代の水準よりも低いことに注意する必要がある。遺伝子牛に光線が採用されていないことからもそのことがわかる。現代のプレイヤーであれば、この3匹からスタートしたとしても、55寝言ライコウ+エアの標準的な受け構築に近づけようとするだろう。)

https://web.archive.org/web/20181106181317fw_/http...
アーカイブのHTMLを解析して作成したパーティの全体像
レベル種族技1技2技3技4持ち物個体値努力値
55ケンタロスすてみタックルじしんだいもんじのろいはかいのいでんしFFFF63-63-63-63-63
55エレブー10まんボルトクロスチョップねごとねむるピントレンズFFFF63-63-63-63-63
50カビゴンのしかかりじしんのろいじばくせんせいのツメFFFF63-63-63-63-63
50スターミーなみのりこうそくスピンでんじはじこさいせいきせきのみ1FFF63- 0-63-63-63
50パルシェンれいとうビームからではさむリフレクターだいばくはつおうごんのみFFFF63-63-63-63-63
50エアームドドリルくちばしのろいふきとばしねむるたべのこしFFFF63-63-63-63-63

なお、ガン受け狙いのキラパの場合、標準的な「受け構築」と異なり、仮想敵次第では55鈍い地震眠るカビへの受けが不要になる場合がある。
その場合も、標準的な「受け構築」からは離れた特徴的な構造となり得る。
バトン狙い
一撃無し2000において、バトンはそれ自体がニッチな戦術であり、テンプレらしいテンプレが存在しない。
強いて言えば、52黒まなバトンブラキが組み込まれた滅びマジックパーティがある程度標準化されている、という程度である。
特に、キラパ狙いで複数のバトンを組み合わせる場合は、特徴的な構造になりやすい。

これについては、前述の記事のベースとなったCH氏の記事に良い例があるので、その例を見てもらえるとわかりやすいだろう。

キラーの館
https://majinjima.ma-jide.com/analysis/killer.html
 ぐるぐるバトン

奇襲(一発芸のパーティ)

一撃無し2000においては、予測が難しいマイナーな種族や型を使用することで、相手の予測を誤らせ、アドバンテージを得る戦略が有効な場合がある。
これを、この記事では「奇襲」と呼ぶ。

奇襲によるアドバンテージは、相手の知識の不足や仮定の偏りを突いて、相手が想像するポケモン間の役割関係を真の役割関係と逆転させることで得ることができる。
より具体的に書くと、「予想外のポケモンからの決定力の創出」「予想外のポケモンによるガン受け」「対面・タイマンにおける予想外の強弱関係の逆転」といった展開を作ることでアドバンテージを得られる。
また、「予想外のポケモンによるサポート」によっても、間接的に役割関係の逆転が発生し得る。

これらの奇襲を成功させるために、パーティの構造は特異なものになり得る。
奇襲の鍵となるポケモンを活かすための特殊な構造になることもあれば、あえて標準的なパーティを装うこともある。

ここでは、それぞれの具体的な展開について、パーティの例を挙げる。
予想外のポケモンからの決定力の創出

通常、マイナーな低レベルポケモンにはサポートの役割やニッチな受け役割が期待されるが、以下の例では、低レベルグランブルから決定力を出すことが想定されている。

Jealous Dog
https://majinjima.ma-jide.com/party/2025/f_gran.ht...
予想外のポケモンによるガン受け

これは、キラパの項で前述した「55寝言エレブー+50スピンスターミー+鈍い飛ばしエア」が良い例である。
通常、55エレブーはガン受けに適さず、眠る無し身代わり残飯やセミフル・フルアタで起用されるが、この例では寝言型で採用することでガン受けを図っている。
この55エレブーは爆破爆破55ケンタロスと組み合わされているので、一見、非寝言55エレブーが親和的な速攻パーティのようにも見え、なおさら誤認しやすい。
対面・タイマンにおける予想外の強弱関係の逆転

ドーブルを、ライコウのような純電気ポケモンにタイマンで有利を取れる型で採用する、というのが良い例である。
通常、ライコウを使っている場合、対ドーブルに関しては、50ドーブルの場合にプレゼントによるワンチャンを警戒するぐらいで、55ドーブルに至っては主要な型が定数ダメージ型や太鼓型であるため、警戒する必要がない。
そこを逆手に取って、以下のような型で使うことで、奇襲の成功を狙える。
(ログ有り。ログはレベル55での採用。)

我流・個別分析 <ドーブル>
https://majinjima.ma-jide.com/analysis/individual/...
 Lv.50 地震/怖い顔/アンコール/テクスチャー@麻痺治しの実
予想外のポケモンによるサポート

これに関しては、55ゲンガーによる例がわかりやすい。
55ゲンガーには、通常、フルアタや怪しい光セミフルによる55鈍い寝言カビに対する刺しキャラととしての性能が期待される。
しかし、以下で紹介するなすお氏の動画では、催眠術を持つ司令塔エースとして機能させている。
(実際に、相手のフシギバナに催眠術が入ることで、フシギバナと50ガラガラの相性関係が逆転し、アドバンテージを得ることができている)
爆破道連れも持っているので、50ムウマとのシナジーにも期待できる。
このコンセプトで熟成を進め、夢食いをサイキネに置き換えて、催眠術・大爆発・道連れによる間接的役割破壊を狙える相手を定めやすくすることで、より司令塔らしい動きができるようになるだろう。
更に、大爆発もしくは道連れを悪夢に置き換えることで大爆発・道連れによる間接的役割破壊を狙える相手をより定めやすくする、雷や電磁砲を採用して攻撃範囲確保(→間接的役割破壊を狙える相手を定めやすくする)と麻痺サポを兼ねられるようにする、といった手法を用いても良いだろう。

【ポケモン金銀クリスタル】約20年以上前のポケモンの対戦!?【ゆっくり実況】
https://www.youtube.com/watch?v=uPV6Yj5atDM
動画の範囲でわかるパーティの全体像(個体値・努力値は理想値であることを前提とした推測)
レベル種族技1技2技3技4持ち物個体値努力値
55ゲンガーゆめくいさいみんじゅつだいばくはつみちづれたべのこしFFFF63-63-63-63-63
50サンダーかみなりドリルくちばしねごとねむるおうごんのみFFFF63-63-63-63-63
50ムウマ?????FFFF63-63-63-63-63
50ガラガラつるぎのまいいわなだれじしんだいもんじふといホネFFFF63-63-63-63-63
50ナッシー?????FFFF63-63-63-63-63
50エアームド?????7FFF63-63-63-63-63

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