ポケモン第二世代対戦シミュレータ「ジムリーダーの城」の対戦考察Wikiです。各所に散らばった考察をまとめ上げ、より考察を深めます。

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公開日  :2019/11/17
最終更新日:2025/06/19

はじめに

第二世代対戦の奥深さを知ってもらいたいと思い、一見さん向けにこれまでの戦術の変遷を書いてみました。
戦術の考察に必要な基盤の確立についても触れています。

当文書は著作権フリーであり、無断転載・無断使用可能です。
まとめサイトに転載する、動画に加工して公開する等して、アクセス数稼ぎにご利用いただいても構いません。

なお、以下は「ニンテンドウカップ2000」ルールの戦術の変遷に着目した内容であるということにご留意ください。
(その他の傍流のルールについては言及していません)

全ての始まり(1999年)

「ポケットモンスター金・銀」発売(1999年11月21日)

この時点ではゲームソフトが発売されたのみで、対戦ルールの発表はされていなかった。
なお、「ポケットモンスター金・銀」は「ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ」と通信交換することが可能であったため、この時点で第一世代で使用できるポケモンは全て使用可能であった。
第一世代に存在しないポケモンや第一世代に存在しない技を持っているポケモンは第一世代との通信交換が行えないという制約があったが、「ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ」で入手・育成可能なポケモン、「ポケモンスタジアム」で「なみのり」を習得させた「ピカチュウ」、「ポケモンスタジアム2」でゲーム中配布される「ドわすれ」持ち「コダック」、イベント配布の「そらをとぶ」持ち「ピカチュウ」等はこの時点から使用可能であった。
(なお、ここでは、それ以外の手段で覚えられない技を覚えたポケモンを特別に入手できることを「配布」と呼ぶ)

公式による対戦基盤の確立(2000〜2002年)

「ポケットモンスター金・銀」発売以降、大会のルール制定や要素の追加が公式に行われ、対戦研究を行う上でのルールが定義付けられた。

「マリスタカップ」による対戦のテレビ放映(2000年4月〜2000年5月)

テレビ番組「64マリオスタジアム」にて、「ニンテンドウカップ2000」の前身となる独自ルール(通称「マリスタカップ」)による対戦が放映された。
この独自ルールの時点で、「6匹のポケモンを見せあい、その中の3匹を対戦で使う」「レベルは50〜55であり、3匹の合計は155以下である必要がある」「同じ種類のポケモンは使用できない」といった基礎的なルールは確立していた。
ただし、このルールでは「ルギア」「ホウオウ」が特別に使用可能であり、また持ち物の重複は許されていた。

「ニンテンドウカップ2000」による公式大会(2000年8月〜2001年1月)

2000年8月に、当時開発中であった「ポケモンスタジアム金銀」を使用して、「ニンテンドウカップ2000」の公式エキシビジョンマッチが行われた。
この時点で、「ミュウツー」「ミュウ」「セレビィ」に加えてそれらのポケモンと同等レベルのステータスを持つ「ルギア」「ホウオウ」が使用禁止となり、持ち物の重複も禁止となった。
(「ニンテンドウカップ2000」での使用は禁止されているため戦術に影響は与えなかったものの、同時に「セレビィ」がイベント配布され、使用可能となった)
「ニンテンドウカップ2000」による公式大会は2000年11月〜2001年1月に開催された。決勝大会はかの有名な「きあいのハチマキ」で攻撃に耐えてからの「ヘラクロス」の「きしかいせい」で逆転した対戦である。
「ニンテンドウカップ2000」以外にも様々なマイナールールが存在するが、以降の対戦研究は「ニンテンドウカップ2000」をベースに行われることとなった。

「ポケットモンスタークリスタル」と「ポケモンスタジアム金銀」の同時発売(2000年12月14日)

「ポケットモンスタークリスタル」発売により、習得可能な技やゲーム中配布のポケモンが追加され、「つるぎのまい」持ち「カラカラ」、「まきびし」持ち「パルシェン」、「れいとうビーム」持ち「スイクン」、「しんそく」持ち「ミニリュウ」等が使用可能となった。
また、「ポケモンスタジアム金銀」発売により、「ポケモンスタジアム金銀」を用いた対戦が一般に可能になった他、以前のレベルアップで覚える技を習得できる「スーパーわざマシン」の要素やゲーム中配布のポケモンが追加され、「じしん」持ち「グライガー」等が使用可能となった。

コンボ中心の対戦研究(2000〜2001年)

公式大会前後の対戦研究は、「ロックオン」→「でんじほう」や「こらえる」→「きしかいせい」といった、複数の技や持ち物を組み合わせたコンボを見つける研究が主流であった。
これは、当時の攻略本、及び「ポケモンスタジアム金銀」内のコンテンツである「ジョバンニ先生のポケモン講座」で盛んにコンボの紹介がされていたことから、公式が作ろうとしていた流れであるように見える。
実際に、「ニンテンドウカップ2000」の決勝でも、「あまごい」→「かみなり」、「つるぎのまい」→「バトンタッチ」、「こらえる」→「きあいのハチマキ」→「きしかいせい」といったコンボが使われていた。
また、当時の対戦研究サイトも、コンボの研究が中心であった。

「モバイルアダプタGB」によるポケモン配布(2001年1月27日)

「モバイルアダプタGB」によるサービスが開始され、使用者には「ピヨピヨパンチ」持ちのポケモンのイベント配布が行われた。

「ポケモンのなぞのタマゴ」によるポケモン配布(2001年12月〜2002年4月)

「アンコール」持ち「ゴマゾウ」、「はらだいこ」持ち「ウパー」、「うたう」持ち「ピチュー」等がイベント配布された。
これにより、後の対戦考察のベースとなるポケモンは全て使用可能となる形となった。

ネット対戦文化の確立(2001〜2002年)

個人サイトを介してインターネットで対戦することが可能となり、対戦研究を行う上での基盤が整った。

「ジムリーダーの城」の公開(2001年2月27日)

個人サイトである「ジムリーダーの城」が一般公開され、ネット上でシミュレーターを用いて対戦することが可能となった。
シミュレーターによる対戦は、育成不要かつネット上で対戦相手を募集できるため、対戦研究を行う環境としてはうってつけであった。
しかし、当時は、対戦者の片方は「レンタル」と呼ばれる決められたパーティを使用しなければならないという制限が設けられており、対戦研究を行う上で不便な面もあった。
(ジムリーダー役を模した「ジムリーダーの城」関係者と対戦するイベントを除く)
なお、「ジムリーダーの城」公開後も、実機を用いてオフ会で大会を開く動きは見られた。
(記録に残っている範囲では、2017年のバーチャルコンソール版「ポケットモンスター金・銀」発売までは、数年に1度の頻度で数人〜数十人規模の実機のオフ会が開催されていた。また、記録に残っていない範囲では、現在に至るまで、仲の良い数人が集まって散発的に開催されるオフ会が随時行われていると考えられる。)

「役割理論」の確立(2001〜2002年)

2001年当時の実力者は、ポケモンそれぞれに「役割」を割り当てることで適切にポケモン交代を行えるようにするという戦術を用いていた。
この戦術は2002年に「役割理論」として体系化された。
当時の対戦で特に重要であり影響力があった「役割」として、「受け」という役割が挙げられる。
「受け」の概要
「ねむる」を使用すると、2ターン「ねむり」状態になる代わりに、HPが全回復し、「どく」「まひ」等の状態異常も回復することができる。
2ターン行動不能になるものの、逆にその2ターンを耐えることができるのであれば、「ねむる」を使用し続ければ倒れることがなくなる。

 自分のポケモンの「ねむる」、相手のポケモンの攻撃
→自分のポケモンの「ねむり」状態1ターン目、相手のポケモンの攻撃
→自分のポケモンの「ねむり」状態2ターン目、相手のポケモンの攻撃
→自分のポケモンは目を覚まして「ねむる」…

を延々と繰り返せば倒れなくなるため、相手のポケモンの攻撃に3回耐えられるのであれば倒れなくなるということになる。
(実際には、自分のポケモンも攻撃するターンを確保したり、急所や交代等を利用されて倒れないようにしたりするために、もう少し余裕を持たせる必要がある)

「じこさいせい」「タマゴうみ」「ミルクのみ」「つきのひかり」「こうごうせい」「あさのひざし」といった技も「受け」に使用される。
こちらは、1ターンで最大HPの半分しか回復しない上、状態異常も回復できないものの、「ねむり」状態になるという隙がないため、相手のポケモンの攻撃に2回耐えるだけで倒れなくなるという特徴がある。

「受け」を意識していないパーティが「受け」を意識したパーティと戦った場合、自分のポケモンがいくら攻撃しても相手のポケモンを倒すことができない、逆に相手のポケモンの攻撃によるダメージが徐々に蓄積し倒れてしまう、といった具合で、一方的に負けてしまう。
それまでに一般に使われていたパーティは「受け」を意識していなかったため、「受け」の概念を取り入れることで一方的に勝つことができた。

なお、「受け」ができるかどうかを正しく把握することが可能になった背景として、各プレイヤーが正しくダメージ計算を行うことができるようになったということがある。
ネット対戦文化が広まるまでは、プログラムの詳細な仕様、及びダメージ計算ツールは一般に広まっていなかったため、ダメージ計算は勘で行うしかなく、「受け」ができるか否かの判断も困難であったことは留意する必要がある。
「役割破壊」の概念
「受け」を突破できる技は「役割破壊」と呼ばれ、「受け」を意識したパーティに勝つための手段として有効とされた。
例えば、「カビゴン」を「エアームド」で受けに来る場合、「だいもんじ」を持っていれば「エアームド」に受けられずに倒すことができる。この例における「だいもんじ」が「役割破壊」にあたるものである。
しかし、この例のような「役割破壊」は、都合が良い「受け」を相手が使ってくれるかどうか、という偶然に頼る面があった。例えば、相手が「カビゴン」の「受け」として「ムウマ」や「サイドン」が使用してきた場合は、「だいもんじ」では倒すことができず、結局「受け」を突破することができなくなってしまう。

一撃論争と一撃無しルールの登場(2001〜2002年)

「役割理論」が流行っていた当時、「お互いに受け合って小さなアドバンテージを積み重ねる展開にこそ戦略性や面白みがある」という風潮があり、「受け」を放棄して「役割破壊」を多数持たせた攻撃的なポケモンは使用自体が嫌われる傾向にあった。
(具体例としては、「最低四天王」と呼ばれた「エレブー」「ドククラゲ」「ケンタロス」「ガラガラ」が挙げられる)
また、「戦略性のある展開を組み立てる実力者が勝つべきであり、運に頼って勝つべきではない」という風潮もあり、運要素が強い戦術も嫌われる傾向にあった。
(具体例としては、「いばみが」と呼ばれる「いばる」「みがわり」「たべのこし」を持たせ「こんらん」による自滅をひたすら待つ戦術や、「暗黒スターミー」と呼ばれる「れいとうビーム」「あやしいひかり」「みがわり」「じこさいせい」「たべのこし」持ちの「スターミー」でひたすら「こおり」漬けを狙う戦術が挙げられる)

特に嫌われたのは、「一撃必殺技」と呼ばれる「つのドリル」「じわれ」「ハサミギロチン」を持たせたポケモンであった。技を使いさえすれば約30%の確率で相手を倒せてしまうため、単純に受けが突破されるだけでなく、運に頼る面も強いために特に戦略性が無いものとされた。
こちらについては2001年に「一撃論争」と呼ばれる「一撃必殺技の使用を許可するかどうか」という論争が行われ、当時のプレイヤーの意見が二分した。結果的に、「一撃必殺技の使用は禁止するべきである」という意見が主流となり、2019年現在に至るまで「ジムリーダーの城」では「一撃必殺技」の使用を禁止するローカルルールが一般的に用いられている。
なお、同時期に、「はらだいこ」持ちの「カビゴン」も「一撃必殺技」と同じように禁止するローカルルールが生まれた。こちらについては、「一撃必殺技」のように運の要素が強い戦術ではなく、後の戦術の発展により禁止に値する程のアドバンテージは無い(戦略的に使わないと勝てない)とされ、2011年からはこのローカルルールの廃止が一般的となった。

その他の嫌われていた戦術については、一部の大会独自のローカルルールで禁止された例はあるが、広く禁止するほどのものではないと受け止められ、研究が進むにつれ徐々に寛容な動きが見られるようになった。
「受け」を放棄した戦術は後述の「カビガラ」、運要素の強い戦術は後述の「いばみがサンダー」の頃には、禁止が訴えかけられたり対戦を拒否されたりするほどの拒絶的な反応は起こらなくなった。
また、当時から知られていた「はかいのいでんし」「はかいこうせん」を持ったレベル55の「ケンタロス」(「狂牛病型」と呼ばれていた)についても、後述の「いばみがサンダー」の頃には受け入れられるようになり、研究が進むこととなった。

レンタル制限の廃止(2002年11月21日)

「ポケットモンスタールビー・サファイア」の発売に伴い、「ジムリーダーの城」のレンタル制限が廃止され、2019年現在に至るまでのネット対戦の基盤が完成した。
レンタル制限廃止により、「ジムリーダーの城」は対戦研究を行う上でより適した環境となった。
公式のサポートが第三世代へ移ったこともあり、これ以降の第二世代対戦の研究は「ジムリーダーの城」を中心に行われることとなった。
また、これ以降、「ジムリーダーの城」では、チャットで対戦相手を募る通常の対戦とは別に、数人〜百数十人規模の大会が1年に数度の頻度で開かれることとなり、プレイヤーに対戦研究を行うモチベーションを与えることとなった。

受け全盛時代の終焉(2003〜2005年)

「ジムリーダーの城」公表直後に猛威を振るった「受け」概念は、対戦研究が進むにつれ、汎用的な手段で対策されるようになった。

「受け」を突破する手段の確立(2003〜2004年)

「ジムリーダーの城」公開当時からのプレイヤーの研究の積み重ね、及びレンタル制限廃止後に「ジムリーダーの城」に流入したプレイヤーが与えた新たな風により、「受け」を突破する手段が確立された。
この時代に確立された手段は、相手がどのようなポケモンで受けに来るかに大きく左右されることがない手段であり、汎用性を伴ったものであった。これにより、「受け」が猛威を振るった時代から次の時代へと移ることとなった。
その手段の代表的な例としては、「昆布」と「セミフル剣ガラ」が挙げられる。
「昆布」の概要
相手の交代を読んで「ほえる」「ふきとばし」を用いることで、特定の局面を繰り返し発生させることができる。

例として、自分は場に「ライコウ」を出していて控えに「ヘラクロス」がいる、相手が「エアームド」から「カビゴン」へ交代しようとしている、という局面で
 相手は「カビゴン」へ交代、「ライコウ」の「ほえる」で「エアームド」が引きずり出される
→相手は「カビゴン」へ交代、「ライコウ」の「ほえる」で「エアームド」が引きずり出される
→…
といった具合で特定の場面を繰り返し発生させることができる。

ここで、「ライコウ」側が予め「まきびし」を撒いていたとすると、相手が「カビゴン」へ交代する度に「まきびし」でダメージを蓄積させることができる。つまり、「ライコウ」は全くダメージを受けることなく、相手に一方的にダメージを与えることができるようになる。
相手側は、「ほえる」を読んで「エアームド」を居座らせないと、このループから抜け出すことはできない。読みを外して「10まんボルト」を打たれてしまったら「エアームド」は1発で倒れてしまうため、この読みはリスキーである。

「昆布」自体は2001年に開発された戦術であるが、「昆布」には、相手が「ほえる」「ふきとばし」役に強いポケモンばかり出していた場合に相手を崩すことができない(相手は交代する必要が無いため)、という弱点があった。
この弱点に対して、以下のような対処法が明確に示されたのはこの時代である。
  • 「ほえる」「ふきとばし」役に弱いポケモンでしか受けられないポケモンを取り巻きとしてパーティに加える(例えば「ほえる」役が「ライコウ」の場合は、「ヘラクロス」と組ませると「ライコウ」に弱いポケモンを出して受けざるを得ない状況を作れる)。
  • 「まきびし」を使える「パルシェン」「フォレトス」で「だいばくはつ」を使用することで「ほえる」「ふきとばし」役に強いポケモンの内の1匹を倒す(若しくは取り巻きの受けを倒して取り巻きが止まらないようにする)。

「昆布」戦術の高度化によって、「受け」を突破する手段として汎用性を持つこととなり、流行ることとなった。
「セミフル剣ガラ」について
「じしん」「いわなだれ」「めざめるパワー(ひこうタイプ威力70)」「つるぎのまい」を持った「ガラガラ」は、受けることができないポケモンとして当時広まったポケモンである。
しかし、この「ガラガラ」には、「みず」タイプのポケモンや「くさ」タイプのポケモン等、「ガラガラ」に強いポケモンばかり出されるとそもそも場に出すことができなくなる、という弱点が存在していた。
しかし、「ライコウ」や「カビゴン」を一緒に用いることで、「ライコウ」受けである「ハガネール」や「ライコウ」、「カビゴン」受けである「ムウマ」や「フォレトス」といった、「ガラガラ」に弱いポケモンを出させることができる。
そのことを利用すれば、「ガラガラ」に強いポケモンばかり出されるのを防ぎ起点を作ることが可能となり、「ガラガラ」を用いた受け対策が汎用性を持つこととなった。

「カビガラポリ」の登場(2004〜2005年)

「昆布」や「セミフル剣ガラ」は次の時代へ移るきっかけにはなったものの、「受け」戦術の人気も根強かった。
「受け」の時代から次の時代への本格的な移行を促したのは、「カビガラポリ」と呼ばれる戦術である。

「カビガラポリ」では、前述の「カビゴン」と組み合わせた「セミフル剣ガラ」が採用されているだけではなく、「ポリゴン2」を用いた「でんじは」によるサポートも取り入れられていた。
「ガラガラ」は「すばやさ」が低いが「こうげき」が高いポケモンであり、「ガラガラ」に強くするためには「ガラガラ」に攻撃される前に先手で倒すことが重要である。ここで、「でんじは」で「まひ」状態にすることで、この対策を機能させなくすることができる。
例えば、「スターミー」は「ガラガラ」の「じしん」で2発で倒れてしまうが、2発打たれる前に先手の「なみのり」で「ガラガラ」を2発で倒すことができるため、「ガラガラ」の起点になることはない。しかし、「スターミー」が「まひ」状態になってしまうと、「なみのり」を2発打つ前に「じしん」を2発打たれるようになってしまうので、「ガラガラ」の起点になってしまう。
この「でんじは」サポートにより、「ガラガラ」はますます止まらない存在となった。

「カビガラポリ」では、「とくしゅ」タイプの攻撃に長けたポケモンを「カビゴン」で、「ぶつり」タイプの攻撃に長けたポケモンを「れいとうビーム」「リフレクター」持ちの「ポリゴン2」で対策していた。その他の役割も一通り揃っていたため、「受け」の時代を終わらせるには十分な汎用性が備わっていた。

カビゴンミラーマッチの先鋭化(2005〜2008年)

前述の「カビガラポリ」は新たな時代の出発点となった。
その中でも中心となったのは、やはり高い攻撃力と「とくしゅ」タイプに対する高い耐久を兼ね備えた「カビゴン」であった。
この時代は、「カビゴン」同士のミラーマッチが多発し、ミラーマッチ対策が先鋭化されることとなった。

「まひ」状態の使い方の多様化(2005〜2006年)

「まひ」状態を撒くことによるサポートは、単純に「ガラガラ」の起点を増やすためだけではなく、「昆布」の対策、及び「カビゴン」同士のミラーマッチの対策にも使われるようになった。
「昆布」の対策
「昆布」は主に「ライコウ」や「サンダー」で「カビゴン」を倒すために発展してきた戦術である。
しかし、「ライコウ」や「サンダー」に「まひ」が入ってしまうと、「まきびし」でHPが削れた「カビゴン」に先手の「10まんボルト」や「かみなり」で止めを刺すことができなくなってしまい「ねむる」でHPを回復されてしまったり、そもそも「ほえる」「ふきとばし」のターンで痺れが発生して動けなくなってしまったりする。
このように、「ガラガラ」のサポートである「でんじは」は「昆布」の対策にもなっていたため、「昆布」戦術は一時期のような人気がなくなり、「カビゴン」一強時代が形成されることとなった。
「カビゴン」同士のミラーマッチの対策
「カビゴン」同士の殴り合いは、レベルが高かったり、「のろい」で「こうげき」「ぼうぎょ」を上げたりできる方が有利である。
そのため、「のろい」を持たせたレベル55の「カビゴン」が多くなり、当時の対戦でも実績を残すこととなった。

この「カビゴン」同士の殴り合いに、「まひ」状態を撒くサポートが使われるようになった。
「カビゴン」に「まひ」が入ってしまうと、相手の「カビゴン」に後手になってしまったり、痺れで動けなくなってしまったりするので、「カビゴン」同士の殴り合いで不利になる。
そのため、「いかに相手のカビゴンにまひを入れるか」ということが重視されるようになり、「まひ」サポートを行うポケモンにも変化が現れた。
具体的には、「カビガラポリ」で使われていた「れいとうビーム」「でんじは」「リフレクター」「じこさいせい」型の「ポリゴン2」に強く「カビゴン」で受けざるを得なくなることが多い「スターミー」が使われるようになったり、「カビゴン」以外に有力な受けが少ない「サンダー」が使われるようになるようになった。

ミラーマッチの先鋭化(2006〜2008年)

時代が進むと、「カビゴン」同士のミラーマッチは更に先鋭化し、「カビブラウツボ」と呼ばれる戦術が開発され、「薄荷カビ」と呼ばれる「カビゴン」に「はっかのみ」が持たせたポケモンが使われるようになった。
「カビブラウツボ」の概要
「ブラッキー」はレベル52になると「つきのひかり」を覚えるようになり、「あまえる」を併用することで「のろい」持ちの「カビゴン」を受けることが可能になる。
更に、「ブラッキー」に「くろいまなざし」「バトンタッチ」を持たせると、相手を「くろいまなざし」で捕まえた後に「バトンタッチ」で交代し、「バトンタッチ」後も相手だけ一方的に交代できない状態にさせることにでき、相手のポケモンを簡単に倒すことができる。
例えば、
 相手は「カイリキー」へ交代、「ブラッキー」の「くろいまなざし」
→「ブラッキー」の「バトンタッチ」で「スターミー」に交代、「カイリキー」の「クロスチョップ」(ダメージ少)
→「スターミー」の「サイコキネシス」(ダメージ大)、「カイリキー」の「クロスチョップ」(ダメージ少)
→「スターミー」の「サイコキネシス」(「カイリキー」は倒れる)
といった具合で、相手が交代できないのを利用して一方的に倒すことができる。
「くろいまなざし」で捕まえたポケモンが「カビゴン」に弱いポケモンなのであれば、「カビゴン」に「バトンタッチ」で交代し、「のろい」を何度も積んでから相手のポケモンを倒すことで、一発で勝利を決定付けることができる。
「バトンタッチ」するまでの間に「のろい」を積まれたとしても「あまえる」で「こうげき」を下げてから「バトンタッチ」することができるため、「のろい」では対策にならなかった。「ほえる」「ふきとばし」なら「くろいまなざし」を解除できるが、「ほえる」「ふきとばし」による強制交代で「カビゴン」や「ガラガラ」等の攻めに長けたポケモンをノーリスクで出させてしまうリスクがあり、必ずしも対策として有効ではなかった。

しかし、「ブラッキー」には他の「カビゴン」受けと同じように、「つるぎのまい」を持った「ガラガラ」に対抗できず、「ガラガラ」の起点になってしまうという問題があった。
そこで注目されたのが「アンコール」を持った「ウツボット」であった。
「ブラッキー」の「あまえる」に対抗するためには、「あまえる」に合わせて「つるぎのまい」を使う必要があるが、「あまえる」「つるぎのまい」を打ち合う状態から「ウツボット」へ交代すれば、「ガラガラ」の「つるぎのまい」をアンコールし、「ガラガラ」を無力化できる。この際、「くろいまなざし」「バトンタッチ」が決まっていたなら、「ガラガラ」をそのまま一方的に倒すことができる。
「アンコール」を覚えるポケモンは他にもいるが、「しびれごなを併用しまひサポートができる」「ガラガラだけでなくカイリキーにも強い」「ガラガラにくさタイプの技が有効」「ヘドロばくだんでレベル50のまひサポート役やレベル52〜53のたべのこし未所持カビゴンを倒せる」といった理由で「ウツボット」が注目された。

このように、「カビブラウツボ」には既存の戦術に対する強みがあり、「カビゴン」のレベルを52〜53に落としてでも取り入れる価値があるものとされた。
「薄荷カビ」が生まれた経緯
これまでは「カビゴン」には「ねむる」と「たべのこし」を併用して「サンダー」や「フーディン」といった「とくしゅ」タイプの攻撃に長けたポケモンを安定して受けるのが主流であった。
しかし、「カビゴン」同士の殴り合いでは、「ねむる」で「ねむり」状態になっている間に相手の「カビゴン」に攻撃されて倒されてしまうことが問題となった。そこで、「ねむる」と「はっかのみ」を併用して「ねむり」状態を一発回復できるようにすると、「ねむる」状態になることなく「ねむる」でHPを全快することができるようになり、「カビゴン」同士の殴り合いで有利になる、ということが注目された。
「ねむる」と「はっかのみ」でも「とくしゅ」タイプの攻撃にはある程度耐えられるため、「カビゴン」同士の殴り合いを重視し、「はっかのみ」が採用されることとなった。

カビゴン全盛時代の終焉(2008〜2012年)

「カビガラポリ」から始まった「カビゴン」全盛時代にも変化が訪れることとなった。
「カビゴン」の使用率自体は高い状態を維持したものの、それまでのようにエース(レベル53以上のポケモン)として起用するパーティは下火となり、レベル50で状態異常を撒いたり「じばく」で相手のポケモンとの相打ちを狙ったりする役割に変わっていった。
代わりに「ガラガラ」や「サンダー」といったポケモンをエースとして採用するケースが増えた。

「ガラガラ」と「あやみがスターミー」の組み合わせ(2008〜2011年)

「カビブラウツボ」「薄荷カビ」が使われる頃になると、「カビゴン」が「とくしゅ」タイプの攻撃に対する受けをこなせないことが問題となった。
レベル50の「サンダー」「スターミー」に対しては「まひ」が入って「カビゴン」同士の殴り合いで不利になるのを避けるために出すことができず、レベル55「サンダー」やレベル55「フーディン」といった強力な「とくしゅ」タイプの攻撃を放つポケモンに対してはレベルが下がったり「たべのこし」を持たせなくなったことが響き、そもそも受けることができなくなっていた。
いわば、「カビゴン」が攻守優れた万能ポケモンから、単なる相手を崩す要員に成り下がっていたと言える。
攻めるだけなら「ガラガラ」をエースにした方が良いということで、「ガラガラ」にレベルを割り振り、エース的な役割を担わせることに注目された。

「ガラガラ」のサポート役として当初注目されたのは、「なみのり」「あやしいひかり」「みがわり」「たべのこし」を持たせた「あやみがスターミー」であった。
2008年に、「カビブラウツボ」に「あやみがスターミー」を組み込んだパーティが登場した。レベル51で使うことで、当初主流であった「かみなり」持ちのレベル55「サンダー」に対して先手で「みがわり」を貼り続け「かみなり」が外れるのを待つことができ、「みがわり」が残った後は「あやしいひかり」と「なみのり」で攻めに転じることで、「カビブラウツボ」が苦手とするレベル55「サンダー」が入ったパーティに強くすることができた。更に「でんじは」を組み合わせることで、「まひ」を撒くこともできた。「あやみがスターミー」は「こんらん」状態の解除のために複数匹で受けざるを得ないことも少なくなかったため、複数匹に「まひ」を入れるチャンスも作ることができた。

その後、「ガラガラ」をレベル53のエースとして起用したパーティにも、サポートとして「あやみがスターミー」が組み込まれた。
「ガラガラ」のサポートとしても有効であり、「カビゴン」全盛時代が終わった直後の時代に猛威を振るった。

レベル55「サンダー」の台頭(2008〜2011年)

「ガラガラ」がエースとして注目されたほぼ同時期に、レベル55「サンダー」にも注目が集まっていた。
特に注目が集まったのは「かみなり」「じしゃく」を持たせた「サンダー」である。
当時流行っていた「たべのこし」未所持のレベル55の「カビゴン」を乱数で3発で倒すことができ、「カビブラウツボ」で使われていたようなレベル52〜53の「たべのこし」未所持の「カビゴン」であれば命中すればほぼ確実に3発で倒すことができる。
「カビゴン」側の攻撃についても2回程度なら耐えるため、安定して「カビゴン」を突破することができた。
更に、「かみなり」と「じしゃく」を持たせることで、当時流行っていた「たべのこし」未所持のレベル55「サンダー」を乱数で2発で倒すことができたため、ミラーマッチにも強いという特徴があった。

サポート戦術の進化と「ガラガラ」+壁サポート戦術の確立(2011〜2012年)

「ガラガラ」のサポートとしては、「あやみがスターミー」の後にも、「れいとうビーム」「かみなり」「うたう」を持った「ハピナス」や「ラプラス」のようなポケモンが2010年まで検討され、これらのサポート役も実績を残した。

「まひ」のような状態異常を入れる類のサポートは、「ガラガラ」へのサポートという文脈から離れ、それ自体が一つの研究テーマとなり、最終的な帰着の一つとして「クソカビ」が2011年に開発された。
「クソカビ」とは、「のしかかり」「ばくれつパンチ」「ねむる」「ねごと」を持った「カビゴン」のことであり、自身は「ねむる」「ねごと」により状態異常の被害を最小限に抑え、相手には「まひ」をばら撒くことができた。
「ばくれつパンチ」を併用することで受けを難しくさせたというのも特筆すべき利点であり、「ねむる」「ねごと」持ちのレベル55「サンダー」や、「のろい」「ねむる」持ちのレベル55「カビゴン」で、「まひ」のばら撒きを対策させるのを難しくさせた。
また、「ねごと」で「ねむる」が出ることや、「まひ」「こんらん」で行動不可になることで攻撃の機会を失ったりすることで、この「カビゴン」を倒すのも難しかった。

そして、「ガラガラ」へのサポートとしては、「マルマイン」で「ひかりのかべ」や「リフレクター」を貼った後「だいばくはつ」で自主退場し、「ガラガラ」をノーリスクで出すという戦術がこの時期に発掘された。

「ひかりのかべ」や「リフレクター」でサポートされたレベル55「ガラガラ」は、「スターミー」や「ナッシー」といった、本来「ガラガラ」に強いポケモンに対しても殴り合いで勝ててしまうというものであった。
しかも、第二世代では「ターンカット」と呼ばれる仕様があり、先手のポケモンの行動によりどちらかのポケモンが倒れると、後手のポケモンの行動がスキップされるという仕様があった。
そのため、「マルマインのだいばくはつ(相手のカビゴンはこれを耐える)、マルマインが倒れてガラガラを出す、ここでカビゴンがすてみタックルを選んでいたとしてもそれは使われない」といった具合で、「だいばくはつ」から「ガラガラ」を出すことで、「ガラガラ」を出す際に何か技を使われることなく、ノーリスクで「ガラガラ」を出すことができた。
過去に流行った「まひ」サポートとは異なり、「スターミー」や「ナッシー」がサポート役と戦わないように気を付けて立ち回っていたとしても、この戦術は防ぐことができなかった。

なお、「ひかりのかべ」でサポートされたレベル55「ガラガラ」であったとしても、「リフレクター」「おうごんのみ」を持ったレベル50「パルシェン」には勝つことができなかったが、「パルシェン」には「マルマイン」が強いので、それを利用して対策することができた。

「いばみがサンダー」の台頭(2011〜2012年)

一方、レベル55「サンダー」側は、主要な型が「いばみがサンダー」に移っていった。
「いばみがサンダー」自体は「カビゴン」全盛時代の末期に開発された汎用性の高い型であったが、「カビゴン」全盛時代直後は当時使われていた「たべのこし」未所持の「カビゴン」に強い「じしゃく」「かみなり」持ちのレベル55「サンダー」が注目されたため、汎用性の高い「いばみがサンダー」に注目が移るには時間を要した。

「いばみがサンダー」は「かみなり」「いばる」「みがわり」「たべのこし」を持たせたレベル55「サンダー」のことを指し、「たべのこし」未所持の「カビゴン」のみでなく、「たべのこし」所持のレベル55「カビゴン」、時には「ライコウ」すら倒すことができるため、汎用性が高い。
「たべのこし」を持てばレベル55の「サンダー」の「じしゃく」で強化された「かみなり」が命中しても高い確率で2発耐える上、相手の「サンダー」を「いばる」で「こんらん」状態にさせることができるため、ミラーマッチでも強さを見せる型である。

「カビゴン」に対する「いばる」は、「カビゴン」の攻撃技のダメージを上昇させてしまうためリスクが高く、「みがわり」でダメージを抑えたとしても、「こんらん」状態が解けた直後の攻撃はどうしようもなかった。
 相手は「エアームド」から「カビゴン」へ交代、「サンダー」の「みがわり」
→「サンダー」の「いばる」、「カビゴン」は「こんらん」で自分を攻撃
→「サンダー」の「かみなり」、「カビゴン」の「こんらん」が解けた、「カビゴン」の「すてみタックル」で「みがわり」壊れる
といった具合で、場に「こうげき」が上がった「カビゴン」が残るという不利な状況になることが少なくなかった。
そこで、「役割理論」全盛の時代から使われていた「ムウマ」や「ゲンガー」が、「威張るリセット」と呼ばれ併用されることとなった。
「ムウマ」や「ゲンガー」は「カビゴン」が使う「ノーマル」タイプの技を無効化することができるため、ノーリスクで交代することができる。そして、「くろいまなざし」で「カビゴン」を捕まえ、「ほろびのうた」で「カビゴン」を倒すことができ、仮に「じしん」のような攻撃技でダメージを与えてきたとしても「みちづれ」で「カビゴン」を倒すことができるため、「ムウマ」や「ゲンガー」に交代することで「こうげき」が上がった「カビゴン」を交代に追い込み、交代によりカビゴンの「こうげき」の上昇をリセットすることができる。

「ジムリーダーの城」の戦術の複雑化(2013〜2019年)

2013年に、レベル55「ケンタロス」とレベル55「ガラガラ」とレベル55「サンダー」を組み合わせたパーティが大会で結果を残し、対戦の歴史に影響を与えた。
レベル55「ガラガラ」とレベル55「サンダー」に関しては、前述の通り2011〜2012年に研究が進んでいた。それとは別に、レベル55「ケンタロス」についても2010年から別途研究が進んでいた(型は、「一撃論争と一撃無しルールの登場(2001〜2002年)」の項にて前述した「狂牛病型」である)。
これらの知見を合流させるような形で、2012年にこのパーティの原型となるパーティが出来上がり、一部のプレイヤーの間で共有されていた。そして、2013年に、それぞれのポケモンの型を調整し、完成度を高め、ついに歴史に名を刻む成果を残した。

これ以降、1つのパーティが複数の顔を持つことが多くなり、弱点がはっきりしない現代的な高汎用パーティが主流となった。
これまでのように革命的な出来事で戦術が大きく変わることは少なくなり、細かい計算を積み重ね、着実に戦術を進歩させていく世界観へと変わっていった。

ダメージ計算ツールの進化も特筆するべきポイントであり、この時期になると、特定のポケモンを特定の攻撃で何%の確率で何発で倒せるのかを手軽に計算できるツールが広く出回るようになった。
このことにより、「まきびし」やタイプ強化アイテム(例えば「ピンクのリボン」や「じしゃく」)等を有効活用した調整が容易になり、戦術の精緻化が促されることになった。

「TA」「WA」の台頭

2013年に開発されたレベル55「ケンタロス」とレベル55「ガラガラ」とレベル55「サンダー」を組み合わせたパーティは大きな影響を与え、現代的な領域に足を踏み入れる大きなきっかけとなった。
それまでのパーティは、「レベル55カビゴンを採用したパーティは○○に弱い」「レベル55サンダーを採用したパーティは○○に弱い」といった形で、レベル55として採用したポケモンによって弱点が決まることが多かった。
しかし、このパーティは、それぞれ得意不得意が異なる3匹のレベル55ポケモンを使い分けることで、レベル55のポケモン同士で弱点を埋め合い、1つのパーティに複数の顔を持たせる形で汎用性を高めることに成功している。
レベル55のポケモンを複数採用すると、「3匹の合計は155以下である必要がある」というルールによりポケモンの選出を大きく制限されることが問題となる。例えば、このパーティの場合は、レベル55「ケンタロス」とレベル55「ガラガラ」、レベル55「ケンタロス」とレベル55「サンダー」、レベル55「ガラガラ」とレベル55「サンダー」を同時に選出することができない。相手が「ライコウ」と「ヘラクロス」を同時に選出してきたとしても、「ガラガラ」と「サンダー」を同時に選出して対抗するということができない。
この問題に対して、このパーティはレベル50のポケモンを「じばく」「だいばくはつ」持ちで固め、相打ちによりどのようなポケモンが出てきても対抗できるようにすることで対処した。具体的には、レベル50のポケモンを「カビゴン」「パルシェン」「マルマイン」で固めている。例えば、前述の「ライコウ」と「ヘラクロス」の同時選出については、「ライコウ」に強い「ガラガラ」と、「ヘラクロス」との相打ちを狙える「カビゴン」を選出することで対応できる。「カビゴン」は本来「ヘラクロス」に弱いポケモンであるが、「じばく」を持たせることでこの相性関係を無視して相打ちすることができる。「いわ」「はがね」タイプで半減されたり「ゴースト」タイプで無効化されたりしない限りは相打ちに十分なダメージが出るため、「じばく」「だいばくはつ」を持たせることで多くのポケモンと相打ちすることができ、高い汎用性が出るようになる。
更に、「パルシェン」の「まきびし」を利用して「サンダー」で「昆布」を仕掛けたり、「マルマイン」の壁サポート戦術により「ケンタロス」や「ガラガラ」を強化することもできたため、個々の選出がどれも強く、高い汎用性を確保するに至った。

このパーティ以降、「TA(トリプルエース、レベル55のポケモンを3匹入れる)」や「WA(ダブルエース、レベル55のポケモンを2匹入れ他のポケモンをレベル50にする)」といったレベル編成が主流となった。
「SA(シングルエース、レベル55のポケモンを1匹入れ他のポケモンをレベル50にする)」の優位性を唱える者もいたが、その主張は「汎用性を確保するためにはレベル50を3匹選出するパターンも作ることが重要であり、それを考えると選出制限がかからないSAが最も柔軟に相手に対応できる」というものであり、「1つのパーティに複数の顔を持たせる」という根本の発想は「TA」や「WA」と変わらないものであった。

この時代からは、レベル51〜54のポケモンを使うことが明確に下火となった。
汎用性を確保するために「じばく」「だいばくはつ」による相打ち狙いが増え、相打ちの役割ならレベル50のポケモンで十分こなせるため、微妙なレベル調整をする意味が薄くなったというのが大きい。
また、レベル55のポケモンがいればミラーマッチ対策の負担が減り、汎用性が出やすくなるというのもあった。例えば、レベル53「ガラガラ」とレベル52「カビゴン」という組み合わせの場合、レベル54以上「ガラガラ」が出てきたりレベル53以上「カビゴン」が出てきたりした場合にミラーマッチで不利になるため、「ガラガラ」と「カビゴン」の両方の対策の強化が必要となってしまう。しかし、レベル55「ガラガラ」とレベル50「カビゴン」という組み合わせなら、自分の「ガラガラ」よりもレベルの高い「ガラガラ」が出てくることがないため、「ガラガラ」同士の殴り合いは悪くても互角で、「ガラガラ」対策を強化せずともある程度戦えるようになる。

「三銃士」「エース5強」の台頭

対戦研究が進むにつれて、高い汎用性を確保する上で重要な役割を持つポケモンがある程度定まってきている。
そのようなポケモンは、「三銃士」「エース5強」という通称がつくようになった。
ここでは、唯一無二の強さを持つ「自爆カビ」、そして「三銃士」「エース5強」について、簡単に見ていきたいと思う。
自爆カビ
レベル50の「じばく」持ち「カビゴン」を指す。
単純に「じばく」のダメージが高く相打ちを狙いやすいというのも大きいが、それ以上に「高い耐久と少ない弱点によりじばくできずに倒れるという場面がほとんど無い」「まひによる運ゲーが期待できるのしかかりや大ダメージが出るすてみタックル、豊富な役割破壊技を持ち、これらの攻撃技で1匹倒してから更にじばくでもう1匹倒すという動きを狙いやすい」といった利点が光る。
「じばく」「だいばくはつ」役のポケモンとして、確実性もワンチャン性も高い。レベル55「カビゴン」を採用しない限り、採用しないことに理由が必要なほど強い。
三銃士
レベル50の「パルシェン」「ナッシー」「フシギバナ」のことを指す。
ポケモン簡単な説明
パルシェン「だいばくはつ」は相打ちに十分なダメージを出すことができ、更に「すばやさ」の値も悪くないため、「あまえる」や「リフレクター」といった技で対抗される前に先手でそれを打てる場面が多い。「まきびし」や「リフレクター」を置くこともでき、相打ちしつつこれらの技を使えば「入れるだけで有利になる」と言っても過言ではなくなる。「なみのり」「れいとうビーム」「こごえるかぜ」といった攻撃技により「いわ」「はがね」「ゴースト」のタイプを持つポケモンを倒せる、「ガラガラ」や「ケンタロス」といった「ぶつり」のタイプの技で攻めるポケモンに強い、といった点もポイントが高い。
ナッシー2014年に強さが見直されたポケモン。高い「とくこう」から「サイコキネシス」を打つことができ、それを「やどりぎのタネ」や「ねむりごな」と組み合わせて止まらなくすることができる。レベル50「カビゴン」にすら「じばく」で相打ちされない限り勝つことができ、「サイコキネシス」を半減する「エアームド」ですら受け切ることはできない。「パルシェン」とそれと同じダメージが出る「だいばくはつ」を使うこともでき、「やどりぎのタネ」を解除するために半ば強制的に交代させ、複数のポケモンをボロボロにした挙句、相打ちするという動きもできた。「めざめるパワー(むしタイプ威力70)」をあちこちから打たれても文句は言えない強さで、実際打たれる。
フシギバナ以前は使用者がほぼいないマイナーなポケモンであったが、2012年に発掘され、2014年頃には三銃士と呼ばれるにふさわしい評価をされるようになった。「ナッシー」と同じく「やどりぎのタネ」や「ねむりごな」を使うことができる。攻撃技は貧弱な「はっぱカッター」が主力になるものの、「やどりぎのタネ」と「こうごうせい」を組み合わせた回復力、4倍弱点未所持、「ぶつり」タイプの攻撃にも「とくしゅ」タイプの攻撃にもある程度耐える耐久、「どくどく」無効といった特徴を併せ持つことにより、場に居座ってじわじわHPを削っていくという戦い方ができる。「フシギバナ」対策を意識せずに「フシギバナ」を突破することは困難であり、「カビゴン」全盛時代に使われていたようなパーティが相手であればレベル50「フシギバナ」1匹で半壊させることができる。
エース5強
レベル55の「カビゴン」「サンダー」「バンギラス」「ライコウ」「ミルタンク」のことを指す。
ポケモン簡単な説明
カビゴン2014年に「すてみタックル」「のろい」「ねむる」「ねごと」「たべのこし」を持った「カビゴン」の強さが見直された。かつてはミラーマッチの激化で地位を下げたものの、高いステータスや弱点の少なさや高い威力の攻撃技は嘘をつくことはなかった。有象無象のポケモンに強く、対策法が限られる汎用性の高いポケモンである。レベル55「カビゴン」対策として2016年にレベル55「ミルタンク」が発掘されてからは、「ミルタンク」対策として「ばくれつパンチ」や「はらだいこ」を持たせるケースも散見されるようになってきた。
サンダー以前に流行した「いばみがサンダー」や「昆布」戦術が現代でも根強い人気を誇っている。2016年に発掘された「ミルタンク」にも強いポケモンであるため、「ガラガラ」や「ケンタロス」のように人気が下火になるようなこともなかった。以前と異なる点はミラーマッチ対策の激化で、「いばる」を「きせきのみ」で対策するケースが出てきたり、「サンダー」に強い「カビゴン」との「WA」にするケース(後述)も出てきた。
バンギラス以前は「マイナー」とまでは言わないものの「トップメタ」とも言えないポケモンであり、カビゴン全盛時代には「サイドンの方が強い」という意見すら見られた。しかし、「じばく」「だいばくはつ」が重要な意味を持つようになった2013年以降はじわじわと人気を上げ、2019年現在では「エース最強」という意見も見られるようになった。「じばく」「だいばくはつ」のダメージを抑えられるだけでなく、それらの技を使うポケモンの攻撃技にも比較的強いため、「じばく」「だいばくはつ」持ちのポケモンを起点にして相手を崩すことができる点が評価されている。お互いの技次第ではあるものの、「エース5強」同士の殴り合いでも強さを見せる。
ライコウ高いステータスと少ない弱点を兼ね備える有象無象に強いポケモンであり、常に高い人気を誇ってきたポケモンである。現代でも「サンダー」に対する強さが注目され、「エース5強」と呼ばれるほどの人気があるポケモンだが、主流の型は時代と共に変化している。「TA」の速攻対策が課題となった2014年は、その回答として「リフレクター」持ちの「ライコウ」が発掘された。レベル55「ケンタロス」すら上回る「すばやさ」で「リフレクター」を貼ることで「ケンタロス」に有利を取ることができ、「リフレクター」は「じばく」「だいばくはつ」の対策にもなった。レベル55「ミルタンク」が発掘された2016年以降は、レベル55「ミルタンク」を先手の2発の攻撃で倒すために「じしゃく」「かみなり」持ちが主流となった。
ミルタンク以前は決してメジャーなポケモンではなかった。しかし、2016年に詳しい計算が行われ、「おんがえし」「のろい」「ミルクのみ」「ピンクのリボン」を持たせることでレベル55「カビゴン」・レベル55「ガラガラ」・レベル55「ケンタロス」を初めとする様々なポケモンに勝てることが判明し、一躍注目された。「ぶつり」のタイプの攻撃への強さと高い「すばやさ」と「ミルクのみ」による回復を兼ね備えていることが強さの源であり、レベル55「カビゴン」に至っては(PPを考えない条件下での計算上は)受けることも可能で、先手「のろい」で「じばく」「だいばくはつ」に耐えて次のターンで「ミルクのみ」でごっそり回復するような立ち回りも可能である。役割破壊技も豊富で攻めの面でも決して劣っていない。「エース5強」という言葉が生み出された時期には、その名にふさわしい評価をされている。

バーチャルコンソール版の対戦文化の確立(2017年〜)

2017年にバーチャルコンソール(以下VC)版のポケットモンスター金・銀が発売された。
このことにより、VC版独自の対戦文化が形成されることとなった。

VC版「ポケットモンスター金・銀」発売(2017年9月22日)

仕様は以前に発売されたゲームボーイ(以下GB)版の「ポケットモンスター金・銀」に準拠している。
VC版「ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ」との通信交換も可能であり、第一世代で使用可能なポケモンは第二世代でも使用可能である。
しかし、VC版では「ポケモンスタジアム」「ポケモンスタジアム2」との連携や、GB版でイベント配布されたポケモンの使用が不可能であったため、「なみのり」持ちの「ピカチュウ」が使用できない等の相違点はあった。

VC版「ポケットモンスタークリスタル」発売(2018年1月26日)

「ポケットモンスタークリスタル」の発売により、VC版の環境でも「つるぎのまい」持ち「カラカラ」や「まきびし」持ち「パルシェン」や「れいとうビーム」持ち「スイクン」等が使用可能となった。
ただし、「ポケモンスタジアム金銀」との連携や、GB版でイベント配布されたポケモンの使用は不可能なため、「じしん」持ち「グライガー」や「アンコール」持ち「ゴマゾウ」等はVC版の環境では使用できない。
また、VC版で育てたポケモンを「ポケモンスタジアム金銀」準拠の環境で戦わせることもできない。

VC版の第二世代対戦オフ会の開催(2017年11月〜)

VC版の第二世代対戦オフ会は2017年11月より開催され、2019年11月に至るまでオフ会が開催され続けた。
2019年末から始まったコロナ禍(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行)の影響を受け2020年3月に開催予定であったオフ会は中止となったが、コロナ禍に伴う混乱は徐々に治まりを見せ、2020年12月に再びオフ会が再開された。
何れも数十人規模のオフ会であり、1年に数回の頻度で開催された。
VC版「ポケットモンスター金・銀」の発売は、オフ会の規模・頻度の増加と言う形で、対戦研究のモチベーションを高めるきっかけとなった。

オフ会では公式大会当時の対戦文化の原点に立ち戻るため、「一撃必殺技禁止」のローカルルールを見直す動きが出た。
オフ会の参加者は、「ジムリーダーの城」に親しんできたプレイヤーだけでなく、公式大会の実力者や、オフ会に出るまで本格的な対戦は未経験であったプレイヤーも多く含まれていたため、この見直しの動きは参加者に受け入れられ、本来の「ニンテンドウカップ2000」でオフ会が開かれることとなった。
(ただし、オフ会によっては、「一撃必殺技禁止」のローカルルールが適用される場合もある。また、2023年からは、本来の「ニンテンドウカップ2000」にオフ会独自の制限を加えたローカルルールが適用されることも出てきた。)

オフ会の参加者の中には、「ジムリーダーの城」のプレイヤーと交流を持つものが少なくなかったため、オフ会の成績優秀者を中心に、「ジムリーダーの城」の対戦研究が反映されたパーティが使われることが少なくなかった。逆に、「ジムリーダーの城」のプレイヤーにとってもオフ会で行われている対戦やそれに関する考察は参考になるものであり、オフ会で発掘された戦術も存在する。

オフ会では「一撃必殺技」が解禁されたこともあり、「一撃必殺技」に関する対戦研究が盛んに行われた。
「一撃必殺技」の研究の変遷
オフ会が開催されるようになった当初は、「つのドリル」や「じわれ」を持ったレベル55「ケンタロス」が注目された。
先手で「一撃必殺技」を当てて相手のポケモンを倒すことができるのが強いとされた。
「ケンタロス」の耐久や「一撃必殺技」の命中率の問題で、2匹目3匹目を倒すのが困難であることが問題とされたが、この問題に対しては、1匹目を倒した後にレベル50ポケモンの「じばく」「だいばくはつ」で相打ちを2回繰り返して勝つ、という解法が示された。
また、「みがわり」で「一撃必殺技」を受けるという対策に対しては、「すてみタックル」や「じしん」で「みがわり」を壊すという解法が示された。

しかし、「つのドリル」や「じわれ」を持ったレベル55「ケンタロス」は、オフ会で結果を残すことができなかった。
理由は、レベル55「ミルタンク」に対策されたためである。
この型の「ケンタロス」は、「ひかりのこな」「かげぶんしん」「ミルクのみ」を持ったレベル55「ミルタンク」を倒せる確率が低く、レベル50ポケモンの「じばく」「だいばくはつ」もこの型の「ミルタンク」には弱かった。そのため、レベル50の取り巻きもろとも「ミルタンク」に対策されてしまった。

その後、相手の攻撃を受けながら「一撃必殺技」を試行し相手を崩すという戦術が2018年に確立された。
例えば、「じわれ」「ねむる」持ちのレベル55「カビゴン」を用いた戦術が当時のオフ会で優勝する実績を残した。
(公式大会の時期には当該の型の「カビゴン」は既に使われていたが、当時は「役割理論」が確立していなかったことに注意する必要がある)

「ジムリーダーの城」での小規模大会の定期開催による流行の変遷(2020年〜)

2020年1月から2021年12月にかけて、通常の大会とは別に、「ジムリーダーの城」にて定期的な小規模大会(数人〜十数人規模)が月に数回の頻度で開催された。
大会の頻度が多くなったことで、流行の変遷が進みやすくなった。
定期的に大会が開催されるようになったこと、またこの大会ではポケモンの使用率について統計が取られ、その統計データが大会告知用のページに公開されていたため、データから流行の変遷を分析することも容易になった。

主催者の変更により統計データの公開は無くなったものの、2022年以降も、およそ隔週で小規模大会を開催する流れは続いている。
また、2022年以降は、「一撃必殺技禁止」の「ニンテンドウカップ2000」だけではなく、本来の「ニンテンドウカップ2000」、オフ会独自のローカルルール、リトルカップ等の発展途上のルールで開催されることも出てきた。
これにより、オフ会に向けた考察や準備をしやすくなったり、発展途上のルールを楽しみながら知見を蓄積したりすることもできるようになり、幅広い需要に応えることができるようになった。

また、同時期には、「ジムリーダーの城」で行われている全ての計算を再現したツールも登場し、このツールを用いて特定のルーチンに従って自動的に対戦を行うことも可能になった。
このツールを使いこなすにはプログラミングの知見が必要なため広くは使われていないが、簡単な条件下での勝率計算が可能となり、例えば後述する「キュウコン」の合理性の一部を証明することも可能となった。
(レベル55「キュウコン」が「かえんほうしゃ」「あやしいひかり」「メロメロ」「みがわり」「たべのこし」を持つことで、レベル55「カビゴン」に対して1対1では有利を取ることができるということが勝率計算により示された)

「プレゼント」バグの実戦投入(2020年〜)

GB版・VC版「ポケットモンスター金・銀」には技「プレゼント」にバグが存在する。
タイプ2が「とくしゅ」タイプのポケモンや、タイプ1が「とくしゅ」タイプでタイプ2が無しのポケモンに対して、数百のダメージが出る、というバグである。
「ジムリーダーの城」でもGB版・VC版とは若干異なる仕様ではあるが「プレゼント」バグが実装されており、仕様の調査が2019年に行われた。
「ジムリーダーの城」において本格的に「プレゼント」バグが戦術に組み込まれるようになったのは2020年に入ってからである。
特に注目されたのは、これまで「とくしゅ」タイプのポケモンに対して有効打を持てなかった「ハピナス」に「プレゼント」を持たせるという戦術であり、「プレゼント」を覚えさせた「ハピナス」を入れたパーティが小規模大会で複数回優勝するという実績を残した。
(「ジムリーダーの城」の影響を受けたかどうかは定かではないが、2020年12月のオフ会でも「プレゼント」を持たせた「ハピナス」が使用され、優勝する実績を残した)
「プレゼント」は既存の流行にも少なからぬ影響を与えた。
「三銃士」の枠組みで言うと、「ハピナス」等に対して「ねむりごな」「やどりぎのタネ」で粘ったり後攻になったとしても「だいばくはつ」で相打ち狙いしたりできなくなった「ナッシー」は強い影響を受け、元々「ミルタンク」や「ハピナス」の「かみなり」で2発で倒れる問題があったが「プレゼント」バグの実戦投入により1発で倒れるようになってしまった「パルシェン」も影響を受けることとなった。
「エース5強」の枠組みで言うと、「昆布」で「ハピナス」対策ができなくなった「ライコウ」は強い影響を受け、「ノーマル」タイプへの耐性でダメージを軽減できるとは言え有効打を入れられる「バンギラス」、「HP」と「とくぼう」が極端に高い「ハピナス」の使用率が上がることで受けられる場面が増える「サンダー」も影響を受けた。

カビゴンファイヤーWAの台頭(2020年〜)

2020年から始まった小規模大会で、エースに関して新たな傾向が生まれた。

かつて、レベル55「カビゴン」はSAが主流とされていたが、戦術が進歩するにつれて、「カビゴン」では不利な相手に対してもう片方のエースで突破できるようにするという戦術が有効であるということが示されてきた。
2017年には「カビゴン」「ライコウ」のWAが公開され、当時流行していたレベル55「ミルタンク」に対して「ライコウ」で対抗できるようにしたパーティとして評価され、実際に「ジムリーダーの城」の大会での優勝にも貢献した。また、「カビゴン」と「ライコウ」は役割が似ており、レベル50に求められる役割を共通化しやすいことから、パーティの汎用性の確保も比較的容易であった。
(「カビゴン」「ライコウ」のWAほどの知名度はないが、「カビゴン」「ミルタンク」のWAや、「カビゴン」「バンギラス」のWAもほぼ同時期に公開された)
また、前述のVCオフ会では、「カビゴン」「サンダー」のWAが優勝するという実績を残している。「サンダー」もまた、レベル55「ミルタンク」に対抗できるポケモンであった。役割の類似性という意味では「ライコウ」ほどではないが、それでも「エース5強」の1匹であるため、パーティの汎用性の確保は難しいことではなかった。

そして、2020年に入ると、「カビゴン」と「エース5強」以外のエースを組ませたパーティが使われるようになり、「ジムリーダーの城」の大会でも顕著な成績を残すようになった。
具体的には、「カビゴン」「ファイヤー」のWAが顕著な成績を残した。
これは、
  • 「すてみタックル」「じしん」「のろい」「ねむる」を覚えた「カビゴン」
  • 「だいもんじ」「めざめるパワー(かくとうタイプ威力70 or くさタイプ威力70)」「にほんばれ」を覚えた「ファイヤー」
  • 「10まんボルト」「めざめるパワー(こおりタイプ威力70)」「ほえる」「ねむる」を覚えた「ライコウ」
  • 「まきびし」を持ったポケモン
の4匹をベースにして、「カビゴン」「ファイヤー」「ライコウ(昆布)」の何れかで相手を崩すという構成である。
また、この4匹は防御的なシナジーにも優れており、この4匹だけで主要な役割を満たすことができた。
「ファイヤー」を選出した場合にも「とくしゅ」タイプの攻撃を「ライコウ」等でいなすことができるので、WA化による選出の縛りの悪影響も最小限にすることができた。
2020年には計52回の小規模大会が行われたが、当コンセプトのパーティが登場したのは第20回であるが、その後2020年内に当コンセプトのパーティで8回優勝するという顕著な成績を残した。

レベル55「カビゴン」もWAとして使われるようになったこと、そして役割が似たエースを起用したり「エース5強」で固めたりすることすらなく高い汎用性を確保できる構成を確立したことは、パーティの構築技術の向上を象徴する出来事として扱うことができるだろう。

2021年に入ると、上記とは異なるコンセプトのレベル55「カビゴン」+レベル55炎ポケモン(例えば「リザードン」や「キュウコン」)のパーティも複数登場し、それらのパーティも小規模大会で優勝を収める成績を残した。
また、レベル55「カビゴン」+レベル50「ガラガラ」+レベル50「ポリゴン2」+レベル55炎ポケモン等(「令和カビガラポリ」)のような、高いシナジーを持つ他の組み合わせも後年提唱された。

「鳴海型ムウマ」の本格投入(2021年〜)

2021年には新たに「鳴海型ムウマ」と呼ばれる「ムウマ」が本格的に使用されるようになった。
「鳴海型ムウマ」とは、「どくどく」「あやしいひかり」「ほろびのうた」「いたみわけ」を覚えたレベル50の「ムウマ」のことを指す。

この型の「ムウマ」は、「じばく」「だいばくはつ」や「カビゴン」等による攻撃を無効化しつつ、「どくどく」や「あやしいひかり」や「いたみわけ」により、相手のポケモンのHPを削って弱らせることができるという特徴を持つ。この特徴により、レベル55のポケモンで2匹3匹と続けて倒す体制を作るのに向いている型であった。
相手のポケモンが残り1匹になり、こちらのポケモンが2匹以上残っている状況において、「ほろびのうた」で止めを刺すこともできた。「鳴海型ムウマ」は、「じばく」「だいばくはつ」を「ムウマ」への交代で無効化することで相手のポケモンを一方的に倒したり、「ムウマ」によるサポートを受けたレベル55のポケモンで相手のポケモンを先に倒したりすることができるため、この状況を作りやすかった。
これは、レベル50「自爆カビ」を採用した「WA」「TA」が主流である現代的な対戦環境において、無視できない影響があった。

更には、1対1のタイマンになったとしても、「あやしいひかり」により相手のポケモンのHP回復を妨害することで「いたみわけ」と「どくどく」で倒しきれることがある、という副次的な効果もあった(従来良く使われていた「くろいまなざし」「ほろびのうた」「みちづれ」型は、「くろいまなざし」が1対1のタイマンでは効果がなく、「ほろびのうた」と「みちづれ」は1対1場面ではルール上発動しなかったり反則負けになったりするため、1対1のタイマンで問題を抱えていた)。
また、「ほろびのうた」は、「ムウマ」が「のろい」や「かげぶんしん」等を積まれる起点になることを防ぐこともできた。

「鳴海型ムウマ」は、前述した「リザードン」や「キュウコン」のようなレベル55のポケモン、他には「ケンタロス」のようなレベル55のポケモン、更には「ガラガラ」のようなレベル50のポケモンと組み合わせることで真価を発揮し、小規模大会で複数回の優勝を収める実績も残した。

なお、「エース5強」と呼ばれた「ミルタンク」にとって、この「鳴海型ムウマ」の本格投入は強い向かい風となった。
元々「ミルタンク」は「エース5強」の中での使用率は高い方ではなかった。
また、この時期になると、「鳴海型ムウマ」への対抗が難しくなる「ばくれつパンチ」や「かげぶんしん」を持たない限りは、レベル55「すてみタックル」「のろい」「ねごと」「ねむる」「たべのこし」「カビゴン」に対する1対1での勝率が、上手く立ち回ったとしても50%を少し超える程度でしかないことがプログラミングによる勝率計算で示されるようになった。
その上での「鳴海型ムウマ」の流行であるため、「ミルタンク」は「エース5強」と呼ぶのが難しくなるほどに評価を落とすことになった。例えば、2011年末から継続的にポケモンの評価をランク付けしている有力サイトの2022年末のポケモンの評価では、長期的な視点で見た上で、「ケンタロス」よりも下、「バクフーン」と同等の評価となってしまった。
(補足すると、「ケンタロス」も「バクフーン」もレベル55での使用が一般的なポケモンである。「ミルタンク」はこの時期にはレベル55で使われることが多くなっており、基本的にはレベル55の性能での単純比較となるが、「ミルタンク」は低いレベルで「かげぶんしん」「まるくなる」「ころがる」「ミルクのみ」のような型で使われることもあるため、それを考慮されて加点される可能性もあった。)

海外シミュレーター「Pokemon Showdown!」での「ニンテンドウカップ2000」大会の開催(2021年〜)

第二世代の国際的なオンライン対戦文化は遅くとも2004年から存在している。

2021年時点では、海外のオンラインシミュレーター「Pokemon Showdown!」で対戦するのが主流である。
また、国際的なコミュニティでは「ニンテンドウカップ2000」ルールは主流ではなく、代わりに「なんでもあり」ルールをベースにいくつかの禁止事項を加えた「Gen2OU」ルールが主流である。

しかし、国際プレイヤーの中には様々なルールでの対戦を楽しむプレイヤーもおり、また2021年1月には日本人の「ジムリーダーの城」コミュニティのプレイヤーが国際的なコミュニティに流入した。
それがきっかけとなり、2021年に「ニンテンドウカップ2000」ルールの大会が、2021年3月〜2021年6月に国際的なコミュニティで開催された。

国際的なコミュニティにおいても運要素の強い技は嫌われる傾向にあるため、日本でも主流となっている「一撃必殺技」禁止のルールに加えて、「かげぶんしん」「ちいさくなる」も禁止された。
また、イベント配布されたポケモンが日本版と海外版で異なるため、公平を期すためにイベント配布されたポケモンの使用も禁止された。

また、国際的なコミュニティでは、一般的に以下の形式で大会が開催されており、この大会でもその形式に従うこととなった。
  • ダブルエリミネーション(大会のトーナメント形式の一つであり、一度負けても敗者復活戦に進み、二度負けると敗退となる方式)
    • 日本の大会では、シングルエリミネーション(一度負けたら敗退)のトーナメント、リーグ、スイスドロー、もしくはそれらを組み合わせた形式で大会が開催されていた。
  • BO3(二本先取)
    • 日本の大会ではBO1(一本先取)が一般的であった。
  • 週1ラウンド(「対戦相手の決定→対戦日時のすり合わせ→準備→対戦→対戦結果の報告」が毎週続く)
    • 日本の大会では、主催が決定した日時に集まり、複数ラウンドを消化するのが一般的であった。

この大会は、日本人プレイヤーにとっても国際プレイヤーにとっても、不慣れな点があった。
日本人プレイヤーにとっては、「かげぶんしん」「ちいさくなる」やイベント配布のポケモンの禁止、細かい仕様が異なる「Pokemon Showdown!」での対戦、日本では一般的ではない大会形式での対戦、英語での対戦及びコミュニケーションといった点が不慣れであった。
また、海外プレイヤーにとっては、「ニンテンドウカップ2000」というルールそのものが不慣れであった。

国際プレイヤーにとっては慣れないルールであったため、2021年3月〜2021年6月の大会では国際プレイヤーは日本人プレイヤーのパーティを真似ることが多かった。
しかし、「Gen2OU」ルールで鍛え抜かれた国際プレイヤーの立ち回りは確かなものであり、決勝戦は日本人プレイヤー対国際プレイヤーとなり、結果も3-2で日本人プレイヤーが勝つという接戦となった。

また、大会とは別に、2021/10の1ヶ月間限定で、「ニンテンドウカップ2000」ルールのレート戦も「Pokemon Showdown!」にて解放された。

2021年のこれらの一連の活動により、「ニンテンドウカップ2000」も「Gen2OU」と同じように深い歴史と発展した戦術を持つルールであることが海外でも知られるようになった。
それ以降も、不定期かつ低頻度ながら、「ニンテンドウカップ2000」の小規模大会が計画されたり開催されたりしている。

日本におけるダブルエリミネーション・BO3・週1ラウンド形式の大会の開催(2024年〜)

2021年の海外との交流以降、海外の大会形式を日本で部分的に真似る動きが一部で見られた。
そして、2024年に、「ジムリーダーの城」にて、海外の大会形式と全く同じ「ダブルエリミネーション」「BO3」「週1ラウンド」の形式の大会が開催された。

2021年の海外での大会では、日本人プレイヤーにも国際プレイヤーにも不慣れな点があり、本格的な対戦というよりは交流戦の色が強かった、
しかし、2024年の「ジムリーダーの城」での大会は慣れ親しんだ環境での大会となったことから、海外の「Gen2OU」と同じように、この形式の特徴を利用した本格的な対戦が行われた。
具体的には、1週間に1人のプレイヤーと戦うということから、それぞれのプレイヤーの傾向を分析した上で、そのプレイヤーに対して有利な戦術を用意して対戦に臨む、ということがされるようになった。
これは、幅広い戦術を理解し、それを対戦相手に合わせて適切に使い分けられるプレイヤーにとって有利なものであった。
この文書で紹介しているような過去の戦術や、革新的ではなかったが特定の状況での有効性が示されているニッチな戦術も、個々のプレイヤーに対しては最も有効な戦術になり得る。その意味では、「ニンテンドウカップ2000」の戦術の深みをより実感できる形式であると言えるだろう。

この形式での大会はその後も開催されており、この文書を更新している2025年5月現在も、第二回目の大会が進行している。

発展的な話題

「ニンテンドウカップ2000」ルールの歴史や動向

「ニンテンドウカップ2000」ルールの歴史や動向をより多角的な視点で知りたいのであれば、以下の記事がお勧めです。

一撃無し2000環境考察
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%b0%ec%b7%e2%cc...

海外の第二世代対戦について(「ニンテンドウカップ2000」ルール以外)

「Gen2OU」ルール
国際的には、「Gen2OU」ルールが最も歴史が深く発展しているルールです。
このルールについては、M Dragon氏が、以下の掲示板のスレッドで2004〜2019年の歴史をまとめています。

GSC Teams Through The Ages
https://www.smogon.com/forums/threads/gsc-teams-th...
「Gen2OU」「Gen2Ubers」ルール(Item Clause)
国際的には通常持ち物重複可のルールで遊ばれていますが、メキシコやチリでは持ち物重複不可(Item Clause)のルールが最も普及しているルールです。
「Gen2OU」ルールや「Gen2Ubers」ルール(全ての種族が使用可能な「Gen2OU」ルール)をベースとして、持ち物重複不可のルールを付加して遊ばれています。
これらのルールについては、Beelzemon 2003氏が、以下の専門のスレッドを掲示板に立てています。

Item Clause GSC OU, Little Cup, Middle Cup, Poké Cup and Ubers Resources & Discussion
https://www.smogon.com/forums/threads/item-clause-...

このページへのコメント

別件で50圧し寝言カビの過去事例を調べていたところ、誤りに気付いたので修正しました。

>**「いばみがサンダー」と「クソカビ」の台頭(2011〜2012年)
>(中略)
>「いばみがサンダー」は、「あやみがスターミー」対策として開発された「クソカビ」と呼ばれる型のレベル50「カビゴン」と併用されることが多かった。
>「クソカビ」とは、「のしかかり」「ばくれつパンチ」「ねむる」「ねごと」を持った「カビゴン」のことであり、「とくしゅ」タイプのポケモンを受けつつ、「まひ」や「こんらん」をばら撒くことができた。「ライコウ」「バンギラス」といった「サンダー」に強いポケモンに交代されるのを防げる上、「まひ」や「こんらん」により行動不能になれば「サンダー」が「みがわり」を貼る隙も作れるため、「いばみがサンダー」のサポートとして有力であった。

そもそも「併用されることが多かった」という部分が誇張表現な上に、いばみがサンダーと組まされていたと思っていたものが寝言サンダーと組まされていました。
https://undead-princess.hatenadiary.org/entries/2011/09/22

そのため、当該の記述を削除し、項の名前も
**「いばみがサンダー」の台頭(2011〜2012年)
に変更しました。

その代わり、クソカビについては、その直前の項で触れることにしました。

>**「ガラガラ」+壁サポート戦術の確立(2011〜2012年)
>「ガラガラ」のサポートとしては、「あやみがスターミー」の後にも「れいとうビーム」「かみなり」「うたう」を持った「ハピナス」や「ラプラス」が検討され、これらのサポート役も実績を残した。
>そして、「マルマイン」で「ひかりのかべ」や「リフレクター」を貼った後「だいばくはつ」で自主退場し、「ガラガラ」をノーリスクで出すという戦術が発掘された。

>**サポート戦術の進化と「ガラガラ」+壁サポート戦術の確立(2011〜2012年)
>「ガラガラ」のサポートとしては、「あやみがスターミー」の後にも、「れいとうビーム」「かみなり」「うたう」を持った「ハピナス」や「ラプラス」のようなポケモンが2010年まで検討され、これらのサポート役も実績を残した。

>「まひ」のような状態異常を入れる類のサポートは、「ガラガラ」へのサポートという文脈から離れ、それ自体が一つの研究テーマとなり、最終的な帰着の一つとして「クソカビ」が2011年に開発された。
>「クソカビ」とは、「のしかかり」「ばくれつパンチ」「ねむる」「ねごと」を持った「カビゴン」のことであり、自身は「ねむる」「ねごと」により状態異常の被害を最小限に抑え、相手には「まひ」をばら撒くことができた。
>「ばくれつパンチ」を併用することで受けを難しくさせたというのも特筆すべき利点であり、「ねむる」「ねごと」持ちのレベル55「サンダー」や、「のろい」「ねむる」持ちのレベル55「カビゴン」で、「まひ」のばら撒きを対策させるのを難しくさせた。
>また、「ねごと」で「ねむる」が出ることや、「まひ」「こんらん」で行動不可になることで攻撃の機会を失ったりすることで、この「カビゴン」を倒すのも難しかった。

>そして、「ガラガラ」へのサポートとしては、「マルマイン」で「ひかりのかべ」や「リフレクター」を貼った後「だいばくはつ」で自主退場し、「ガラガラ」をノーリスクで出すという戦術がこの時期に発掘された。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年06月19日(木) 01:00:44 返信

「「ジムリーダーの城」の戦術の複雑化(2013〜2019年)」に以下の文言を追加しました。
レベル55「ガラガラ」とレベル55「サンダー」に関しては、前述の通り2011〜2012年に研究が進んでいた。それとは別に、レベル55「ケンタロス」についても2010年から別途研究が進んでいた(型は、「一撃論争と一撃無しルールの登場(2001〜2002年)」の項にて前述した「狂牛病型」である)。
これらの知見を合流させるような形で、2012年にこのパーティの原型となるパーティが出来上がり、一部のプレイヤーの間で共有されていた。そして、2013年に、それぞれのポケモンの型を調整し、完成度を高め、ついに歴史に名を刻む成果を残した。

それに合わせ、「一撃論争と一撃無しルールの登場(2001〜2002年)」の以下の文言も変更しました。
2010年台に入ってからは、「狂牛病型」と呼ばれる「はかいのいでんし」「はかいこうせん」を持ったレベル55の「ケンタロス」(型の存在自体はこの時代から知られていた)や、「闇の世界の〜」と呼ばれる「かげぶんしん」「のろい」「みがわり」「ねむる」「たべのこし」でひたすら相手の攻撃を回避して「わるあがき」で決着をつける戦術も研究され、使われるようになった。

また、当時から知られていた「はかいのいでんし」「はかいこうせん」を持ったレベル55の「ケンタロス」(「狂牛病型」と呼ばれていた)についても、後述の「いばみがサンダー」の頃には受け入れられるようになり、研究が進むこととなった。

闇型についてはこの文章からは落としました。
(初見さんの興味を引くことはできるかもしれないが、対戦の歴史という意味では傍流なので)

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年05月17日(土) 23:45:23 返信数(1) 返信

ちなみに、これに関連するDiscordの会話は以下です。

chio — 22:26
え…マリオパやん…
2012/05/06やぞ…
https://web.archive.org/web/20220712065818/http://1579.blog63.fc2.com/blog-entry-383.html
The ささらほうさら サルでも勝てる構築
偶然の一致なのか、ワイが知ってる歴史(マリオは2013)が違うのか

クラヴハンマー — 22:29
あぁそれあって
僕も2012にちょうど似たような編成使ってたんですよ
http://majinjima.ma-jide.com/party/2012/ibm_thdr.htm
ここで語られています
マリオパってほんとにちょっとずつパーツが集まって、あの時に完成したみたいな感じ
2012はいばみがサンダーに固執していたので
昆布にする発想が無くて、うわーって感じでした

クラヴハンマー — 22:33
いばみがサンダーだと、あやみがスターミーとかに纏めてチマチョゴられてしまうとか色々あったのでね
カビに鈍い積まれるだけでヤバいとか
パルシェンもリフだったしね
そこに昆布サンダー+鈍いパルってのを見て、「あーパーティってこうやって組むのかー」みたいなのを見せつけられた感じだった
2010 遺伝子ケンタTA
2011 ガラマイン(ケンタとは別)
2012 マインとケンタの合流、いばみがサンダー
2013 昆布サンダーに進化して完成
ざっくりこんな感じじゃないかな
この間TA編成自体は細く存在はしてた(この前通話で話してた内容)
2011〜2012はカビパが居なくなってガラサンダー方面ばかり進展していたから
サンダーパルはとにかくいばみが+リフパルっていうふうに割と凝り固まっていたんですよね

クラヴハンマー — 22:40
55フーディンがエーストップ3ぐらいに入ると言われていた時代

chio — 22:41
>2010 遺伝子ケンタTA
これ確かわんおーさんのやつでしたよね
エビデンス残ってるか怪しいですが…
クラヴハンマー — 22:41
です
わんおーブログに形ぐらいはあるんじゃないかな
昔はPartyboxに3パターンぐらい投稿されていたけど・・
(55ツボツボ入り、55ルージュラ入りなど。懐かしい)
50はカビパル何かだったけど、マルマインやガラガラは居なかったはず
最高峰界隈()では爆破速攻が2010年頃には既に当たり前になっていて、守るが一瞬流行ったりしてたこともありましたね
僕は当時まだ傍から見ていただけで何言ってるか分からなかった

chio — 22:45
これか!
http://wannonk.seesaa.net/article/216181257.html
サンダーケンタパ: ポケモンわんおー日記
55 サンダ− はっかのみ 10まんボルト めざめるパワ− ふきとばし ねむる 50 パルシェン きせきのみ れいとうビ−ム まきびし のろい    だいばくはつ 50 カビゴン たべのこし のしかかり じばく だいもんじ じしん 55 ケンタロス はかいのい...
2011年だた

クラヴハンマー — 22:45
あーフォレトスだ!
サンダーリキーケンタがテンプレでしたね
遺伝子ケンタvsリフパルはリフパル有利、みたいな記事が
そのもう少し前にあった気がする
http://wannonk.seesaa.net/article/157122812.html
http://wannonk.seesaa.net/article/154865790.html
http://wannonk.seesaa.net/article/144301061.html
パーティ幻想もぶち抜こう: ポケモンわんおー日記
ついでに パーティ幻想もぶっ壊そう 有名なカビクイン 55カビゴン 捨て身地震鈍い眠る@薄荷 50スターミー 波乗り電磁波スピン再生@粉 50ゲンガー 炎Pくろまな滅び道連れ@麻痺治しの実 50サンダー 10万めざ氷電磁波飛ばし@奇跡の実 50パルシェン...
遺伝子ケンタはパルシェンに負ける: ポケモンわ...
遺伝子ケンタは パルシェンとのタイマンで 4割しか勝てません つまり不利つきます やべぇやべぇ ごく一部の人達の間で ヤバイヤバイ言われてた ほとんどのパーティに有利つくか? と思われていたケンタロス じつはパルシェンとかいう 超メジャーポケ...
大会: ポケモンわんおー日記
大会乙っしたー!! りちゃさんと柿さんはありがとねー! ああああーーーー くやしいくやしい! 優勝して今まで封印してたような ビッグマウス開放するつもりだったのにぃぃぃぃ まぁ気が向いたらなんか書きます キラりまくってて よくできてるな...
やっぱ2010に遺伝子ケンタの話めっちゃ出て来る

chio — 22:56
なるほど、遺伝子ケンタは2010なのか…。

MISSINGNO — 23:14
ちなみに遺伝子ケンタってゴールドさん発祥ってことらしいんですが合ってますか?
彼の動画曰く遺伝子ドードリオから着想を得たとか

chio — 23:18
遺伝子ケンタ自体は大昔からいるはず
少なくともカビガラポリより前のはず
それこそ発祥とかあるのか?というレベルです。
サンダールさんのとこに載ってる時点でカビガラポリより前は確定です。
https://web.archive.org/web/20090209170850/http://f4.aaa.livedoor.jp/~myfriend/yogo.htm
狂牛病・・・(名)俗語。「はかいのいでんし」を持たせたケンタロスの事、またそのケンタロスが自滅ダメージを受ける事。

運次第では止め様が無くなる。

クラヴハンマー — 23:21
僕も物心ついた頃には既にあったので、どっから出てきたかは全く知らないですね
一撃ケンタぐらいな感じで黎明期に誰かが自然と思い付いて初期の段階で広まったようなものと思ってました

chio — 23:23
旧版Pokemon Battle Vroad(ゴールド氏)
2001〜2002年頃に対戦考察が行われていたサイトです。

ここに載ってるということは、もう、ジム戦とかの時代ですね…
https://web.archive.org/web/20021018044005/http://www15.u-page.so-net.ne.jp/gb4/tabosan/kentarosu.htm

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年05月17日(土) 23:47:46

「カビゴンファイヤーWAの台頭(2020年〜)」に令和カビガラポリを追記しました。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年05月17日(土) 15:54:39 返信

まだ見きれたわけではありませんが、2022年以降の動向をおおよそ把握したので、「(2022年以降の「ジムリーダーの城」の動向については調査中)」という但し書きを外しました。
その上で、以下の修正を行っています。

・バーチャルコンソール版の対戦文化の確立(2017年〜)
細かい記述を色々見直し。

・「ジムリーダーの城」での小規模大会の定期開催による流行の変遷(2020年〜)
2022年以降も小規模大会の開催がおよそ隔週で続いていることを追記。
その他、細かい記述を色々見直し。

・海外シミュレーター「Pokemon Showdown!」での「ニンテンドウカップ2000」大会の開催(2021年〜)
当時のジム城の大会との形式の違いについて追記。
(ダブルエリミネーション、BO3、週1ラウンド)

・日本におけるダブルエリミネーション・BO3・週1ラウンド形式の大会の開催(2024年〜)
項目追加。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年05月11日(日) 21:20:20 返信

「「鳴海型ムウマ」の本格投入(2021年〜)」の項にて、この型のムウマは枚数差をつけやすいので枚数差からの滅びで詰めをしやすい、的なことを書きました。
(賛否両論かもしれませんが)

なお、この文章では黒まな滅び怪しい光型に言及していないため、怪しい光で混乱させて滅び際の爆破を阻止、的な話には触れていません。

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Posted by  nanashi_a nanashi_a 2025年05月11日(日) 00:19:52 返信

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