日付:2024/01/21
筆者:chio
この文章は日本語で書かれていますが、各言語への機械翻訳を容易にするための表現を用いています。
Although this text is written in Japanese, expressions are used to facilitate machine translation into each language.
また、このレポートは一般の人に向けたものであり、専門的な事柄には触れていません。
Additionally, this report is intended for the general public and does not address specialized matters.
筆者:chio
この文章は日本語で書かれていますが、各言語への機械翻訳を容易にするための表現を用いています。
Although this text is written in Japanese, expressions are used to facilitate machine translation into each language.
また、このレポートは一般の人に向けたものであり、専門的な事柄には触れていません。
Additionally, this report is intended for the general public and does not address specialized matters.
2024年の1月に、国際ポケモン対戦コミュニティ「Smogon Forums」にて、「Asia vs World Tournament」と呼ばれる大会が開催された。
開催要項、及び結果は以下の通りである。
https://www.smogon.com/forums/threads/asia-vs-worl...
https://www.smogon.com/forums/threads/asia-vs-worl...
ポケモンはこれまで様々なシリーズが発売されており、対戦環境の違いにより、Gen 1〜9 の 9 Generation に分類されている。
今回の大会では、それぞれの Generation について、アジア地域の代表者とその他地域(国際)の代表者が戦い、どちらの地域の方が勝利者が多かったかを競うものであった。
私は、Gen 2 のアジア地域の代表として、上記の大会に参加した。
以下では、私の準備と対戦結果、振り返りについて記載する。
開催要項、及び結果は以下の通りである。
https://www.smogon.com/forums/threads/asia-vs-worl...
https://www.smogon.com/forums/threads/asia-vs-worl...
ポケモンはこれまで様々なシリーズが発売されており、対戦環境の違いにより、Gen 1〜9 の 9 Generation に分類されている。
今回の大会では、それぞれの Generation について、アジア地域の代表者とその他地域(国際)の代表者が戦い、どちらの地域の方が勝利者が多かったかを競うものであった。
私は、Gen 2 のアジア地域の代表として、上記の大会に参加した。
以下では、私の準備と対戦結果、振り返りについて記載する。
当文章では、機械翻訳への対応の都合上、以下の特殊な用語を用いる。
用語 | 日本人 Gen2 プレイヤー向けの表現 | 説明 |
---|---|---|
Generation / Gen | 世代 | (「はじめに」にて前述) |
フォーマット | (広義の)ルール | ポケモン対戦における広義のルール。各世代でいくつかの分類があり、国際コミュニティの標準は「GSC OU」、日本コミュニティの標準は「ニンテンドウカップ2000」である。 |
条項 | (狭義の)ルール | フォーマットの下位に位置されるルール。代表的なものとしては、後述の「OHKO条項」が存在する。 |
ニンテンドウカップ2000 | 2000 / NC2000 | 2000年の任天堂公式大会にて採用されたフォーマット。 |
OHKO条項 | 一撃無し | OHKO move(後述)の使用を禁止する条項。「GSC OU」にて採用されている条項の一つ。ニンテンドウカップ2000では公式採用されていないが、対戦コミュニティでは採用されることが多い。 |
OHKO | 一撃 | 「Horn Drill」「Fissure」「Guillotine」(後述)の総称。約30%の確率で相手を倒す(HPを0にする)move である。 |
move | 技 | - |
Horn Drill | 角ドリル | ポケモンの move の一つ。 |
Fissure | 地割れ | ポケモンの move の一つ。 |
Guillotine | ハサミギロチン | ポケモンの move の一つ。 |
メカニズム | 対戦環境 | 「カードリッジ」と「スタジアム」の2つが存在する。細かい仕様が異なる。 |
クリスタルmove | クリスタル技 | 2000年発売「ポケットモンスタークリスタル」にて新たに使用できるようになった move の総称。ニンテンドウカップ2000の公式大会では当初は使用不可であったが、開催期間中の途中から使用可能になった。 |
ポケモンセンターmove | 配布技 | 任天堂開催のイベントに参加することで使用可能になる技。ニンテンドウカップ2000の公式大会では使用不可。 |
Evasion条項 | 分身禁止 | 「GSC OU」にて採用されている条項の一つ。日本では支持されていないが国際的には支持されている。詳細は割愛する。 |
SleepTrap条項 | 黒まな催眠禁止 | 「GSC OU」にて採用されている条項の一つ。日本では支持されていないが国際的には支持されている。詳細は割愛する。 |
TrapPass条項 | 黒まなバトン禁止 | 「GSC OU」にて採用されている条項の一つ。日本では支持されていないが国際的には支持されている。詳細は割愛する。 |
BO3 | 二本先取 | 複数回試合を行い、先に2回勝った方が勝ち。 |
BO5 | 三本先取 | 複数回試合を行い、先に3回勝った方が勝ち。 |
チームロック | パーティ変更不可 | 試合毎に「チーム」(日本語で言う所の「パーティ」)を変更することを禁ずる付随的なルール。 |
Cloyster | パルシェン | ポケモンの名前の一つ。 |
Spikes | 撒きびし | ポケモンの move の一つ。 |
three‐way deadlock | 三すくみ | - |
boom | 爆破 | 「Self-Destruct」と「Explosion」(後述)の総称。自分が倒れる代わりに、相手に致命的なダメージ(多くの場合は倒れる)を与える、相打ち志向の move である。 |
Self-Destruct | 自爆 | ポケモンの move の一つ。 |
Explosion | 大爆発 | ポケモンの move の一つ。 |
Perish Song | 滅びの歌 | この move を使用すると、双方のポケモンが3ターン後に倒れる。相打ち志向の move である。 |
Double-Edge | 捨て身タックル | ポケモンの move の一つ。 |
Earthquake | 地震 | ポケモンの move の一つ。 |
Substitute | 身代わり | ポケモンの move の一つ。 |
Bright Powder | 光の粉 | ポケモンに持たせることができるアイテムの一つ。 |
Tauros | ケンタロス | ポケモンの名前の一つ。 |
Snorlax | カビゴン | ポケモンの名前の一つ。 |
Misdreavus | ムウマ | ポケモンの名前の一つ。 |
Exeggutor | ナッシー | ポケモンの名前の一つ。 |
Fire Blast | 大文字 | ポケモンの move の一つ。 |
Marowak | ガラガラ | ポケモンの名前の一つ。 |
consistency | 汎用性 | 日本語に直訳すると「一貫性」であるが、日本ポケモン対戦コミュニティでは「一貫性」が別の専門的な意味を持つ用語として用いられているため、「汎用性」と翻訳するのが妥当。 |
Psychic | サイコキネシス | ポケモンの move の一つ。 |
Fire Punch | 炎のパンチ | ポケモンの move の一つ。 |
Attaract | メロメロ | ポケモンの move の一つ。 |
Leftovers | 食べ残し | ポケモンに持たせることができるアイテムの一つ。 |
Reflect | リフレクター | ポケモンの move の一つ。 |
Starmie | スターミー | ポケモンの名前の一つ。 |
Skarmory | エアームド | ポケモンの名前の一つ。 |
Drill Peck | ドリル嘴 | ポケモンの move の一つ。 |
Mystery Berry | 不思議な木の実 | ポケモンに持たせることができるアイテムの一つ。 |
スイッチ | 交代 | - |
Giga Drain | ギガドレイン | ポケモンの move の一つ。 |
Gen 2 を専門とするプレイヤーである。
1999年発売の Gen 2 を発売当初からプレイし、2002年より Gen2 の日本ポケモン対戦コミュニティに接触し情報を集め続け、2018年より本格的な貢献を開始した。
日本の Gen 2 の対戦に関する情報は、以下の Wiki ページにまとめており、文献の網羅、自身の対戦考察、シミュレーターのソースコードの公開とそれを用いた研究発表等を行っている。
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%c8%a5%c3%a5...
Gen 2 の公式フォーマット「ニンテンドウカップ2000」のプレイヤーとしても実績がある。
2019年の27名規模の大会では2位に入った。また、2020年の4〜8名規模の小規模大会に8回出場し、その内4回優勝し、1回2位に入った。
2021年に国際ポケモン対戦コミュニティの存在を知り、接触を開始した。
2022年からは、活動の軸足を、日本ポケモン対戦コミュニティから国際ポケモン対戦コミュニティに移しており、メインとして扱うフォーマットも「GSC OU」に移している。
1999年発売の Gen 2 を発売当初からプレイし、2002年より Gen2 の日本ポケモン対戦コミュニティに接触し情報を集め続け、2018年より本格的な貢献を開始した。
日本の Gen 2 の対戦に関する情報は、以下の Wiki ページにまとめており、文献の網羅、自身の対戦考察、シミュレーターのソースコードの公開とそれを用いた研究発表等を行っている。
https://seesaawiki.jp/pbs-thread/d/%a5%c8%a5%c3%a5...
Gen 2 の公式フォーマット「ニンテンドウカップ2000」のプレイヤーとしても実績がある。
2019年の27名規模の大会では2位に入った。また、2020年の4〜8名規模の小規模大会に8回出場し、その内4回優勝し、1回2位に入った。
2021年に国際ポケモン対戦コミュニティの存在を知り、接触を開始した。
2022年からは、活動の軸足を、日本ポケモン対戦コミュニティから国際ポケモン対戦コミュニティに移しており、メインとして扱うフォーマットも「GSC OU」に移している。
私の対戦相手は「zee」と呼ばれるプレイヤーであった。
彼は、複数の Generation にて、国際大会の優勝実績があり、「Smogon Forums」への貢献者としても認められている人物であった。
ただし、Gen 2 に関しては専門としていなかった。
彼は、複数の Generation にて、国際大会の優勝実績があり、「Smogon Forums」への貢献者としても認められている人物であった。
ただし、Gen 2 に関しては専門としていなかった。
大会の主催者により、フォーマットはニンテンドウカップ2000を採用すると決まっていた。
しかし、主催者は、適用する条項を決めていなかった。
そこで、プレイヤー間で適用する条項を協議することとなった。
Gen 2、特にニンテンドウカップ2000の知識や実績に関しては、私の方に大きなアドバンテージがあると考えていた。
そこで、私は、zee に希望する条項を指定してもらい、それに適応する形とした。
私は、これは、フェアな条件で戦うために必要な措置であったと考えている。
しかし、主催者は、適用する条項を決めていなかった。
そこで、プレイヤー間で適用する条項を協議することとなった。
Gen 2、特にニンテンドウカップ2000の知識や実績に関しては、私の方に大きなアドバンテージがあると考えていた。
そこで、私は、zee に希望する条項を指定してもらい、それに適応する形とした。
私は、これは、フェアな条件で戦うために必要な措置であったと考えている。
条項としては下記のものが指定された。
この中で、私にとって最も問題になるのが OHKO条項が適用されなかったことであり、次に問題となったのはクリスタルmove が禁止されたことである。
このルールが決まったのは3日前であるため、3日間での準備が私に要求された。
このルールが私に与えた影響については詳しくは後述する。
条項 | 適用状況 |
---|---|
メカニズム | スタジアム |
クリスタルmove | 禁止 |
ポケモンセンターmove | 禁止 |
OHKO条項 | 無し |
Evasion条項 | 無し |
SleepTrap条項 | 無し |
TrapPass条項 | 無し |
この中で、私にとって最も問題になるのが OHKO条項が適用されなかったことであり、次に問題となったのはクリスタルmove が禁止されたことである。
このルールが決まったのは3日前であるため、3日間での準備が私に要求された。
このルールが私に与えた影響については詳しくは後述する。
今回の大会では、フォーマット毎で BO3 を適用するか BO5 を適用するかが主催者の手により決まっていた。
ニンテンドウカップ2000に関しては BO5 が適用された。
また、主催者により、チームロックの適用が指示された。
後述するが、これらの付随的なルールも私に影響した。
ニンテンドウカップ2000に関しては BO5 が適用された。
また、主催者により、チームロックの適用が指示された。
後述するが、これらの付随的なルールも私に影響した。
Gen2 の日本ポケモン対戦コミュニティでは、2002年以来、OHKO条項の適用が常態化しており、この条項の適用を前提として知見が蓄積されていた。
2017年以降は並行的に OHKO条項を適用しないルールも採用・研究されるケースが出てきたが、私に関しては OHKO条項専門のプレイヤーであり、OHKO move を使用できるルールに関する知見と経験に乏しかった。
そこで、私は、「mogami」と呼ばれる日本の有識者に協力を依頼した。
彼は OHKO move に関する知見と経験を持ち、2023年9月の24名規模の OHKO条項が適用されないルールの大会の優勝者をサポートしていた実績も持つ。
私は、彼に、サンプルチームの提供、使用するチームのレビュー、練習試合の実施を依頼した。
この判断に関しては適切であったと考えている。
2017年以降は並行的に OHKO条項を適用しないルールも採用・研究されるケースが出てきたが、私に関しては OHKO条項専門のプレイヤーであり、OHKO move を使用できるルールに関する知見と経験に乏しかった。
そこで、私は、「mogami」と呼ばれる日本の有識者に協力を依頼した。
彼は OHKO move に関する知見と経験を持ち、2023年9月の24名規模の OHKO条項が適用されないルールの大会の優勝者をサポートしていた実績も持つ。
私は、彼に、サンプルチームの提供、使用するチームのレビュー、練習試合の実施を依頼した。
この判断に関しては適切であったと考えている。
私は mogami に、過去に実績を残したチームをサンプルチームとして提供を依頼した。
そして、サンプルチームをコピーすることを計画した。
ここで問題が発生した。
日本ではクリスタルmove を禁止されることがない上、サンプルチームの多くが「Cloyster」の「Spikes」を所持しており、これが抵触していたため、サンプルチームをコピーすることができなかった。
これは現代的な team を構成する重要な move の一つであったため、今回のルールのメタゲームも含めて、再考を余儀なくされた。
そして、サンプルチームをコピーすることを計画した。
ここで問題が発生した。
日本ではクリスタルmove を禁止されることがない上、サンプルチームの多くが「Cloyster」の「Spikes」を所持しており、これが抵触していたため、サンプルチームをコピーすることができなかった。
これは現代的な team を構成する重要な move の一つであったため、今回のルールのメタゲームも含めて、再考を余儀なくされた。
これは私の見解になるが、今回のルールでは、以下のような three‐way deadlock が発生していたと考えている。
Gen 2 は、仕様上、フェーズ1の受動的チームが強い Generation であることが知られている。
しかし、これは、対戦コミュニティで適用されることが多い OHKO条項を前提とした場合の話であり、OHKO条項を適用しない場合、OHKO move の試行回数の多さと対抗手段の少なさから、OHKO move を使用したチームが支配的な影響を持つと考えられる。
プレイヤー達が OHKO move を使用し始めた場合、相手の攻撃を受けきることが困難になるため、OHKO move のミラーマッチを制することに重点が置かれ、フェーズ2の耐久型OHKOチーム、そしてフェーズ3の速攻型OHKOチームに移行すると考えられる。
実際に、OHKO条項が適用されない日本の大会では、次第に試合が短くなっている(相手に倒される前に相手を倒すことに主眼が置かれるようになっている)とされており、この話は mogami からも聞いている。
速攻型OHKOチームの戦術は、レベル55の Double-Edge / Horn Drill / Earthquake or Fissure / Substitute を使い、Bright Powder を持つ Tauros が中心となる。
この Tauros は全てのポケモンを倒すことができる(受けが不可能)上、1対1でほとんどのポケモンに50%以上の確率で勝つことができる。
(そして、Tauros に50%以上のポケモンで勝つことができるポケモンは、何かしらのポケモンが倒せず、受けで対処できる)
しかし、ニンテンドウカップ2000は3匹で戦うルールであり、この Tauros は3匹まとめて倒せるほどの耐久力は有していない。
そこで、Tauros を用いて先に1匹倒すと同時に、残った相手の2匹のポケモンを自分の Tauros 以外の2匹のポケモンの boom や Perish Song で相打ちにすることが有効となる。
「相手に倒されるよりも先に相手を倒す」という観点からは最高の戦術であるが、この戦術は受動的チームに対する潜在的な弱点を抱えている。
受動的チームは、 boom や Perish Song に対する対抗手段を備えていることが多い。
この対抗手段により、残りの2匹と相打ちすることを困難にさせることができ、速攻型OHKOチームに対して耐久力に劣る Tauros で2匹も3匹も倒すことを強いさせ、勝率を落とさせることができる。
今回のルールでのメタゲームの遷移には、上記のような three‐way deadlock 構造が存在していたと考えている。
フェーズ | チーム分類名 | チーム分類内容 | 得意 | 不得意 |
---|---|---|---|---|
フェーズ1 | 受動的チーム | 相手の攻撃を受けることに主眼を置いたチーム。 | 速攻型OHKOチーム | 耐久型OHKOチーム |
フェーズ2 | 耐久型OHKOチーム | 相手の攻撃を受けながらOHKOを使用して相手を倒すことを志向するチーム。フェーズ1に近いものからフェーズ3に近いものまで、グラデーションが存在する。 | 受動的チーム | 速攻型OHKOチーム |
フェーズ3 | 速攻型OHKOチーム | OHKO move に boom や Perish Song を加えた速攻志向のチーム。相手に倒されるよりも先に相手を倒すことを目的とする。 | 耐久型OHKOチーム | 受動的チーム |
Gen 2 は、仕様上、フェーズ1の受動的チームが強い Generation であることが知られている。
しかし、これは、対戦コミュニティで適用されることが多い OHKO条項を前提とした場合の話であり、OHKO条項を適用しない場合、OHKO move の試行回数の多さと対抗手段の少なさから、OHKO move を使用したチームが支配的な影響を持つと考えられる。
プレイヤー達が OHKO move を使用し始めた場合、相手の攻撃を受けきることが困難になるため、OHKO move のミラーマッチを制することに重点が置かれ、フェーズ2の耐久型OHKOチーム、そしてフェーズ3の速攻型OHKOチームに移行すると考えられる。
実際に、OHKO条項が適用されない日本の大会では、次第に試合が短くなっている(相手に倒される前に相手を倒すことに主眼が置かれるようになっている)とされており、この話は mogami からも聞いている。
速攻型OHKOチームの戦術は、レベル55の Double-Edge / Horn Drill / Earthquake or Fissure / Substitute を使い、Bright Powder を持つ Tauros が中心となる。
この Tauros は全てのポケモンを倒すことができる(受けが不可能)上、1対1でほとんどのポケモンに50%以上の確率で勝つことができる。
(そして、Tauros に50%以上のポケモンで勝つことができるポケモンは、何かしらのポケモンが倒せず、受けで対処できる)
しかし、ニンテンドウカップ2000は3匹で戦うルールであり、この Tauros は3匹まとめて倒せるほどの耐久力は有していない。
そこで、Tauros を用いて先に1匹倒すと同時に、残った相手の2匹のポケモンを自分の Tauros 以外の2匹のポケモンの boom や Perish Song で相打ちにすることが有効となる。
「相手に倒されるよりも先に相手を倒す」という観点からは最高の戦術であるが、この戦術は受動的チームに対する潜在的な弱点を抱えている。
受動的チームは、 boom や Perish Song に対する対抗手段を備えていることが多い。
この対抗手段により、残りの2匹と相打ちすることを困難にさせることができ、速攻型OHKOチームに対して耐久力に劣る Tauros で2匹も3匹も倒すことを強いさせ、勝率を落とさせることができる。
今回のルールでのメタゲームの遷移には、上記のような three‐way deadlock 構造が存在していたと考えている。
今回の大会では、国際ポケモン対戦コミュニティに所属する主催者より、BO5 が指定されていた。
このことをもって、私は、国際ポケモン対戦コミュニティでも、OHKO条項を適用しないニンテンドウカップ2000では1試合にかかる時間が短いこと、そして OHKO move が当たるかどうかの運要素に左右されるルールであること(対戦数を重ねないと実力差を反映できないこと)が認知されていると判断した。
そして、フェーズ2の「耐久型OHKOチーム」、もしくはフェーズ3の「速攻型OHKOチーム」が使用される可能性が高いと推測した。
上記の推測より、フェーズ3の「速攻型OHKOチーム」を使用することが適切であると判断した。
このことをもって、私は、国際ポケモン対戦コミュニティでも、OHKO条項を適用しないニンテンドウカップ2000では1試合にかかる時間が短いこと、そして OHKO move が当たるかどうかの運要素に左右されるルールであること(対戦数を重ねないと実力差を反映できないこと)が認知されていると判断した。
そして、フェーズ2の「耐久型OHKOチーム」、もしくはフェーズ3の「速攻型OHKOチーム」が使用される可能性が高いと推測した。
上記の推測より、フェーズ3の「速攻型OHKOチーム」を使用することが適切であると判断した。
チームの作成には2日間を要した。
最終的には以下のチームを使うこととした。
https://pokepast.es/5959bc25a46ad48a
Tauros に加え、boom や Perish Song を行うサポート役として「Snorlax」「Misdreavus」「Exeggutor」を採用した。
また、フェーズ1「受動的チーム」への対抗策として、「Fire Blast」を覚えている「Marowak」を採用した。
机上での検討に加え、過去のいくつかの事例(チーム)を参照し、これで最低限の consistency を確保できていると判断した。
そして、アンチメタゲーム的な要素を持たせるために、レベル55で Psychic / Fire Punch / Attaract / Substitute を覚え、Leftovers を持つ Alakazam を採用した。
国際ポケモン対戦コミュニティの経験より、日本人の Gen 2 プレイヤーと異なり、国際 Gen 2 プレイヤーはこの戦術に対して無警戒であることが多いことを私は知っていた。
そして、相手が無警戒である場合、この戦術は、一部のフェーズ1「受動的チーム」相当のチーム、そして多くのフェーズ2「耐久型OHKOチーム」とフェーズ3「速攻型OHKOチーム」に対してイージーウィンが可能となる。
残りの期間で今回のルールに適合した consistency 重視のチームを作ることは困難であると判断し、私はこのようなアンチメタゲーム的なチームを使うこととした。
最終的には以下のチームを使うこととした。
https://pokepast.es/5959bc25a46ad48a
Tauros に加え、boom や Perish Song を行うサポート役として「Snorlax」「Misdreavus」「Exeggutor」を採用した。
また、フェーズ1「受動的チーム」への対抗策として、「Fire Blast」を覚えている「Marowak」を採用した。
机上での検討に加え、過去のいくつかの事例(チーム)を参照し、これで最低限の consistency を確保できていると判断した。
そして、アンチメタゲーム的な要素を持たせるために、レベル55で Psychic / Fire Punch / Attaract / Substitute を覚え、Leftovers を持つ Alakazam を採用した。
国際ポケモン対戦コミュニティの経験より、日本人の Gen 2 プレイヤーと異なり、国際 Gen 2 プレイヤーはこの戦術に対して無警戒であることが多いことを私は知っていた。
そして、相手が無警戒である場合、この戦術は、一部のフェーズ1「受動的チーム」相当のチーム、そして多くのフェーズ2「耐久型OHKOチーム」とフェーズ3「速攻型OHKOチーム」に対してイージーウィンが可能となる。
残りの期間で今回のルールに適合した consistency 重視のチームを作ることは困難であると判断し、私はこのようなアンチメタゲーム的なチームを使うこととした。
- 余談:品質チェックを終えたチームについては、その証として、各々のポケモンに独自のルールで決められたニックネームを与える運用としている。
最後の1日は練習試合に費やした。
自己対戦と mogami との対戦を行った。
行った対戦は以下の通りである。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
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https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
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https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
残された期間を考えると、最低限消化するべき試験項目は網羅的に消化できていたと考えている。
この練習試合では、受動的チームに対する問題が発見されていた。
Marowak を用いて攻略できる想定であったが、水ポケモンは Marowak の攻撃にある程度耐えることができ、そして今回のチームは水ポケモンに対する受けが不安定でもあったため、Marowak で相手を崩す前に水ポケモンに崩される危険があった。
しかし、この問題に対処しようとした場合、チームの構造を根本から変更する必要があり、残り期間を考えると対応は困難(対応することによる副作用の方が大きい)と判断したため、これ以上の対策は行わなかった。
また、前述の通り、受動的チームが使われる可能性は低いとも見積もっていたため、優先的な対策事項であるとも考えていなかった。
自己対戦と mogami との対戦を行った。
行った対戦は以下の通りである。
- 自己対戦1:今回の試合で使用するコマンドの確認、OHKO move の使用感の確認
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
- mogami との対戦1:OHKO move ミラーマッチでのプレイングの最適化
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
- mogami との対戦2:Alakazam が通用するケースの確認等
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
- mogami との対戦3:Marowak を用いた受動的チーム対策の確認等
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
- 自己対戦2:OHKO move 未使用チームに対する挙動確認
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2038...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
残された期間を考えると、最低限消化するべき試験項目は網羅的に消化できていたと考えている。
この練習試合では、受動的チームに対する問題が発見されていた。
Marowak を用いて攻略できる想定であったが、水ポケモンは Marowak の攻撃にある程度耐えることができ、そして今回のチームは水ポケモンに対する受けが不安定でもあったため、Marowak で相手を崩す前に水ポケモンに崩される危険があった。
しかし、この問題に対処しようとした場合、チームの構造を根本から変更する必要があり、残り期間を考えると対応は困難(対応することによる副作用の方が大きい)と判断したため、これ以上の対策は行わなかった。
また、前述の通り、受動的チームが使われる可能性は低いとも見積もっていたため、優先的な対策事項であるとも考えていなかった。
- 余談1:今回は対戦中のBGMに「東方永夜抄 少女綺想曲 〜 Dream Battle(https://www.youtube.com/watch?v=SdE5O23gyhM)」を選定した。練習試合で使用し、大会本番でも同じものを使用した。私は、BGMの選定も含めて、大会本番時の環境を練習試合で調子が良かった時の環境に近づけることも重要だと考えている。
- 余談2:次の日に向けて睡眠時間を十分に確保した。大会本番で眠気等はなく、万全の体調で試合に臨むことができた。
1対3で私が敗北した。
相手は受動的チームに相当するチームを使用した。
それも、Alakazam を対策し、Marowak にも強い Reflect Starmie を伴う、考え得る限り最悪に近いチームであった。
更に、チームロックが適用されていたため、相性不利なチームでBO5を戦うことを強いられた。
相手は受動的チームに相当するチームを使用した。
それも、Alakazam を対策し、Marowak にも強い Reflect Starmie を伴う、考え得る限り最悪に近いチームであった。
更に、チームロックが適用されていたため、相性不利なチームでBO5を戦うことを強いられた。
当初の予定通り Marowak を使用。
しかし、相手の Skarmory の Drill Peck がタイミング良く急所に当たったことで、予定していたプレイができず、敗北した。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
しかし、相手の Skarmory の Drill Peck がタイミング良く急所に当たったことで、予定していたプレイができず、敗北した。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
1試合目で相手が Starmie を使用しなかったため、Starmie が有効であることに気付いていない可能性に期待し、Alakazam を使用。
しかし、相手は Starmie を使用した。
なお、私は、この試合で、Starmie の Mystery Berry の効果発動を見落とすプレイングミスを犯したが、Mystery Berry の効果が発動した時点で私の負けはほぼ決まっていた。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
しかし、相手は Starmie を使用した。
なお、私は、この試合で、Starmie の Mystery Berry の効果発動を見落とすプレイングミスを犯したが、Mystery Berry の効果が発動した時点で私の負けはほぼ決まっていた。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
2試合目で Marowak も Alakazam も通用しないことがお互いに認識できたと判断。
Tauros の使用に切り替えたが、Tauros を使用した場合に3連勝できるほどのアドバンテージはなく、順当に敗北した。
この共通認識が生まれる前の、1試合目か2試合目、少なくともどちらかで勝利しておく必要があった。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
Tauros の使用に切り替えたが、Tauros を使用した場合に3連勝できるほどのアドバンテージはなく、順当に敗北した。
この共通認識が生まれる前の、1試合目か2試合目、少なくともどちらかで勝利しておく必要があった。
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
https://replay.pokemonshowdown.com/gen2nc2000-2039...
明確なプレイングミスは2試合目のものだけであり、それも試合の勝敗にはほとんど関係なかった。
しかし、プレイングの方針という意味では、より高い勝率を確保できるものがあった可能性がある。
Snorlax や Exeggutor を使用して Skarmory へのスイッチを促し、Skarmory に対して Tauros をスイッチし、OHKO move を試みた方が良かった可能性がある。
Skarmory は Tauros に大きなダメージを与えることができないため OHKO move の試行回数を稼ぐことができる。そして、Skarmory を倒せば相手は Snorlax や Exeggutor による相打ちを防ぐ有力な手段を失うことになり、Skarmory から別のポケモンへスイッチすれば OHKO move の試行回数が更に1回増えることになる。
しかし、このプレイングは事前に計画したものでも練習したものでもないため、その場の判断で実行することが難しいものであった。実行時に何かしらの未知の問題が発生する可能性もあった。
「計画や練習の通りにプレイする」という意味では、これは最善に限りなく近いものであった。
しかし、プレイングの方針という意味では、より高い勝率を確保できるものがあった可能性がある。
Snorlax や Exeggutor を使用して Skarmory へのスイッチを促し、Skarmory に対して Tauros をスイッチし、OHKO move を試みた方が良かった可能性がある。
Skarmory は Tauros に大きなダメージを与えることができないため OHKO move の試行回数を稼ぐことができる。そして、Skarmory を倒せば相手は Snorlax や Exeggutor による相打ちを防ぐ有力な手段を失うことになり、Skarmory から別のポケモンへスイッチすれば OHKO move の試行回数が更に1回増えることになる。
しかし、このプレイングは事前に計画したものでも練習したものでもないため、その場の判断で実行することが難しいものであった。実行時に何かしらの未知の問題が発生する可能性もあった。
「計画や練習の通りにプレイする」という意味では、これは最善に限りなく近いものであった。
上記の通り、私は適切な準備を行ったのにも関わらず、最も良く知るフォーマットであるニンテンドウカップ2000の試合で勝つことができなかった。
理由をまとめると以下のものが挙げられる。
私の方にも問題があったとは言え、フェアな条件下でベストを尽くしたとは自信を持って言えるものである。
そして、最終的に私を上回った対戦相手の「zee」の英知を称えるべきだろう。
短い期間ではあったが、刺激的な経験をすることができた。
このような大会を開催してくださった関係者の方々、そして私を大会に誘ってくれた人物である「Fluore」には感謝している。
理由をまとめると以下のものが挙げられる。
- 理由1:フェアな条件を求めた
- 相手に条項を選ばせることで、日本の過去の事例を適用できないルールでプレイすることとなり、知識量の差が埋まった。
- 理由2:準備期間が不足していた
- 準備期間が長ければ、consistency 重視のチームの開発の成功、もしくはプレイングの最適化により、結果が変わっていた可能性がある。
- 理由3:メタゲームの予測に失敗した
- 使用確率が低いと見積もった受動的チームを使用された上、アンチメタゲームのために投入した Alakazam も通用しなかった。
- 理由4:相性不利なチームでの連戦を強いられた
- チームロックの BO5 により、チームの変更により相性不利を解消するという手段を封じられた。
- 理由5:上記の問題を突いて勝ち切ることができるほどの実力を相手が持っていた
- 複数の Generation やフォーマットに精通しているプレイヤーは、未知の Generation やフォーマットについても、ある程度合理的なチームを作成し、概ね問題のないプレイングを行い、高い精度で相手の選択を予測することができる。今回の対戦相手はそうであった。
- しかし、2試合目の Turn 2 では、Gen 2 に精通したプレイヤーであれば選択することがない、Substitute への Giga Drain を選択していた。Gen 2 に関する知識という意味では、若干の不足があった可能性が高い(単なるミスクリックの可能性もある)。
私の方にも問題があったとは言え、フェアな条件下でベストを尽くしたとは自信を持って言えるものである。
そして、最終的に私を上回った対戦相手の「zee」の英知を称えるべきだろう。
短い期間ではあったが、刺激的な経験をすることができた。
このような大会を開催してくださった関係者の方々、そして私を大会に誘ってくれた人物である「Fluore」には感謝している。
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