純丘曜彰教授博士の哲学講義室 - 第08講 形而上学
 「形而上学」というのは、もとはと言えば、アリストテレス全集を作ったときの残片、すなわち、論理学や倫理学、自然学ではない、対象不明の論考を集めて一冊にしたメタフュシカ、自然学後書という意味です。これが目に見える世界の背後を探るものだったために、その後、哲学の中心課題と見なされるようになりました。

 プラトンは、形(見た目)よりもイデアを重視しました。しかしながら、これはかえって見た目を重視することにほかなりません。いくら同じものでも、見た目が変わってしまえば、それはイデアから離れてしまったのであり、ただの堕落したものなのです。

 これに対して、アリストテレスは、見た目を越える存在の統一性を見出します。
 
自己錬成