初代ぷよぷよ 拡散不定形 -DIFFUSION- - 初代ぷよ思考: なぜ多連鎖はデスタワーと発火色が被ると勝てないのか

はじめに

初代ぷよにおいて、戦型は2つの方向性に振り分けることができる。5連鎖と、デスタワーである。
4ダブは5連鎖側、3トリはデスタワー側に振り分けられることが多い。5連鎖側の戦型を"多連鎖"、デスタワー型を"マルチ"と呼べるが、そのままタワー呼びされることが多いだろう。
もちろん、初代ぷよは二極化された戦型しか存在しないわけではない。中央不定形は4ダブメインで3トリ派生もあるし、デスタワーだって千早式に組み替えて5連鎖を組むこともある。あくまで方向性で分類してほしい。

さて、初代ぷよ界隈では多連鎖使いの間で共有されていることがある。

「タワーと発火色を合わせるな」。

結論から言うとこれは事実に近いのだが、どういうロジックなのかまではこのワンフレーズからは推測できないため、ここで解説していこうと思う。

初代ぷよは基本的に5組のブロックで致死連鎖を作る


5組というのは、このような4個でひと塊のぷよを組と指している。


例として、少しだけ配置をずらせば5連鎖の形に。
4ぷよ×5組の合計20個のぷよで致死連鎖が出来上がる。


4連鎖ダブルの例。
こちらも同様に5組であることには変わりないが、5連鎖よりも完全致死に必要なぷよの数が増えている。4ダブは4連鎖目で10個消える形であれば完全致死になる。もちろん、4連鎖目が10個に満たなくても2連鎖目や3連鎖目の連結が豊富であれば致死に届かせることができる。


3連鎖トリプルと2連鎖クアドラブル(デスタワー)の例。
これらも5組からなる致死連鎖である。

全ての連鎖の連結が最低である4連結の場合、5連鎖は致死になるが、4ダブは致死に満たない。4ぷよ×5組のぷよを最低限の連鎖パーツとしてのベースと考えると、致死に届けるための追加的な必要ぷよ量は以下の通りである。
連鎖形最低限のぷよ量致死に必要な追加のぷよ量
5連鎖200
4ダブ202
3トリ204
2クア203
(デスタワー)
このように、連鎖数が短くなる代わりに、追加的に必要なぷよ量が増えている。
3トリから2クアになる流れで逆に必要なぷよ量が減っているが、これがタワーが強いと言われる理由の一つである。せめて完全致死ラインは19個消しじゃなくて20個消しにすべきだったんじゃない?

5組のぷよで5連鎖を作る場合、必ず8個必要な色が存在する


改めてこれを見てみる。
わかりやすいように5色のぷよで5連鎖を作っているが、基本的に初代ぷよは4色ルールで対戦するため、初代の5色目である青の代わりに、別の色ぷよを使って残りの1組を作らなければいけない。
対戦において、もっとも偏った色を2連鎖分使った連鎖が最速になる。そのため、単純に5連鎖だけを狙う場合、5個目の同色は同じ組に連結させるより分離して使うほうがいいだろう。
一方でデスタワーを見てみると、


メジャーなデスタワーの初手の置き方だと、序盤で最も多く偏った色を発火色に割り当てる。
この画像の土台を例にすると、4色タワーに求められる各色は、
必要数
赤(発火色)4+1
黄色2
3
4
その他3
"その他"は4色16個タワーが完成した後に、致死にするために必要な残りの連結数であり、色は何でもよい。
この中で最も要求数が多いのは発火色である赤である。
デスタワーは傾向として発火色が最も要求数の多い色になることが多く、タワーを完成させる上においてボトルネックになりやすい。このボトルネックのことを律速と呼ぶ。
純粋な確率だけで見ると最後に揃うのは赤か、今回の場合はまだフィールドに1個もない緑のどちらかだろう。逆にこの赤と緑が揃うまでに黄色と紫は4つ来ているだろうし、黄色に対しては余っているかもしれない。
ボトルネックの色が来るまでにツモる余計なぷよを使って"その他"の3連結部分を埋められるのなら、実はデスタワーを作る上に置いて致死に必要な追加の3連結はあまり足かせになっていない。

連鎖に視点を戻す。


こういう5連鎖で赤待ちをしている場合、最短では11手で発火することができる。
問題は、8個目の赤がいつ来るかということである。

17手目で赤が来たとすると、たいていデスタワー側も完成しているだろうし、同手数発火になって連鎖数の短いデスタワーが勝つ。無慈悲。
逆に、11手目で発火できた場合は、タワーは確実に致死タワーが完成していないので有利をとれる。タワー側はそのあとの手数でタワーが完成した後に発火色を引くというフェーズに入らないといけず、連鎖をまくるためには14手くらいでタワーが発火できなければいけない。