POG-36：第5試合

対戦カード

レポート

　来週23日に開催されるセミスキラの本大会に向けて、総合仕様に調整中の両者がプロレスのリングでシングルマッチを実施。一総合イベントの二枚看板による一戦は、プロレスとは一線を画した好勝負となった。
　ゴング直後、山﨑が挨拶代わりにハイキックを放ち、それを掻い潜った抹下がタックルで山﨑をテイクダウン。総合の試合でよく見るマウントの取り合いだ。それが解けて両者スタンドに戻るや、山﨑が強烈なスピンキック二連発。ポーカーフェイスの抹下が苦悶の表情で跪く。
　だが、抹下も伊達ではない。小手投げからの仕掛けは不発に終わったが、山﨑のロシアンフックをことごとくカウンターの掌底で返し、機先をそいだところで素早くテイクダウンし、ノーリミットヒールホールド！山﨑は悲鳴を上げながら必死の形相でロープに手を伸ばす。その攻防に、見下ろしながら闊歩したり、アピールをしながら技をかけるといった、プロレスで見られる「間」は一切存在しない。
　息をのむ観客に声を上げさせたのは山﨑だ。再開後、タックルを仕掛けた抹下をがぶるとカウンターで膝蹴りをぶち込む。そしてフラフラと立ち上がる抹下にフライングヒールキックを放ってその側頭部を撃ちぬいた。
　総合ならではのスピーディーで切れ味の鋭い試合展開で、チームKUNOICHI同士の両者はプロレスファンたちを沸かせることに成功した。最後、コーナーで仰向けの抹下を見下ろしていた山﨑が、プロレスルールであることを思い出したかのようにフォールしたのはご愛嬌と言ったところか。