架空の女子プロレス団体「PLUS ONE Girls」のサイトです。

対戦カード

試合前

 第4試合は望月美芳と吉野さくらのシングルマッチ。吉野は元人気アイドルグループのセンターも務めたトップアイドル。突然の転身はファンの間でも話題となり、練習マッチの趣が強いこの大会にも彼女のファンと思われる観客が多く集まった。
 両者リングイン後、いきなり吉野が放送席に向かってマイクを要求!
  
まずは皆さんにお詫びがあります!突然アイドル活動をやめてプロレスラーになってしまってごめんなさい!

突然のアイドル活動の休止に関してアイドル時代のファンの皆さんに謝る吉野。さらに、親友で同じアイドルグループに所属していたレナが重傷を負ったことなど、詳しい事情を説明し、

……ですので、地球上60億の全人類の平和と幸せの為に、SNM48・2014年度センターボーカル改め、PLUS ONE Girls所属レスラー・吉野さくら、頑張りますッ!!

と観客全員に宣言。元アイドルとはいえ練習生の突然のマイクアピール、そして突飛過ぎるとも言える宣言に驚きとも呆気にとられているとも受け止められるどよめきが会場を支配する。
 その空気を破っていったのは対戦相手の望月。吉野からマイクをひったくるように奪うと

アイドルの癖にプロレスラー目指すなんていい度胸だね。でも、アイドルがプロレスラーになるなんて簡単じゃないよ。あんまりプロレス舐めてると怪我するからやめたほうが良いんじゃない?

そんなの、やってみなくちゃわからないじゃない!

威勢だけは一人前だね。ま、この試合の最後までアイドルの世界に逃げ帰りたいって思わないか楽しみにしてるよ!

そういうとマイクを叩きつけ自コーナーに戻る望月。練習マッチとは思えない展開に会場がヒートアップする中ゴングを迎えた。

レポート

 先制したのは望月。ゴング直後からドロップキックで吉野をなぎ倒すとニードロップを叩き落す。さらに望月は吉野を引きずり起こすとヘッドロックで頭蓋骨を軋ませていく!

ほらほらアイドルさん!もうプロレスやめたくなっちゃったかな?

そんな訳ないでしょ?!レナが見守ってる中で背中を向けて逃げる訳にはいかないのッ!!

吉野はなんとかロックを外すとソバットで距離を取ってからのヒップアタック!さらにフロントキックで牽制をかけるが望月はひるまない! 距離を詰めてDDTを浴びせるとダウンした吉野の足を両脇にはさみそのままステップオーバー! 逆エビ固めに捕える!

ほら、早く外さないと踊りが踊れない身体になっちゃうよ〜?それともSNMに逃げ帰ります〜って言ってギブアップしちゃうのかな〜?

うっ……ぐ……! こんな……所で……負ける……訳には……ッ!!

吉野はなんとかロープブレイクを果たすとミドルキックの連打で反撃! しかし望月は三度目のミドルキックを受け止めるとそのまま吉野の首に腕をまわしフロントネックロックの体勢に!

みるみる身体の力が抜けていき膝をついてしまう吉野。もはや勝負ありか……と思われた次の瞬間! ぐったりとしていた吉野が突如望月を突き飛ばし技を解く。あっけにとられる望月・そして観衆。ゆっくりと起き上がった吉野。髪の毛は気持ち逆立っており、目はアイドルとしての優しげな眼からファイターとして闘う目付きに、そして額には「肉」の文字が浮かび上がり、今までの吉野とは別人のような風貌となる。

なんてことでしょう!これはもはや「火事場のクソ力」!こんな小さなアイドルの体にここまでの力があるとは!彼女の力は侮れません!今日から彼女のこの力は「K.K.D.モード」!K.K.D.モードと命名します!!

興奮気味な実況をよそに、吉野は望月に向かってダッシュするとレッグラリアット一閃! 反撃ののろしとばかりに望月をなぎ倒すと、望月を起こしてからのローリングエルボーの連打! さらにレッグラリアットを浴びせ望月をダウンさせる!

望月も起き上がり端にニーリフトを浴びせ反撃していくがK.K.D.モードの吉野の勢いは止まらない!一旦距離を取ってからのレッグラリアットで望月を倒すと、髪を掴んで起こしていく。

さあ吉野、ここから望月をどう料理していくか……おっと?!望月の身体を逆さ吊りの状態で肩に抱え、両足を手で掴んだ! そして飛んだ〜〜!!

ひぎぃい!!

ダダーーン!という衝撃音とともに尻餅状態で着地する吉野。大ダメージの望月はぐったりと大の字にダウン。

望月ダウン! これはもう決まってしまったか……しかし吉野はまだ決めにいかない!もう一度引きずり起こして……パワーボムだ〜!! 吉野、軽々と望月の身体を抱え上げ、マットに叩きつける〜〜!!

再びダダーーン!という衝撃音が会場に響く。ぐったりとしたまま動けない望月。先輩プロレスラーが後輩、それも今日が初実戦の練習生にやられてしまうのか……という空気の中吉野がフォール!

このぉ……負けるかあぁ〜〜〜!!

気迫のブリッジでフォールを返す望月! それとみてやや驚いた表情を見せた吉野だったが、それならもう一度マットに叩きつけてやると言わんばかりに望月の髪を掴む!

この……調子に乗るなっ!

さあ望月、髪を掴んでいる手を払い、吉野の首に腕をまわした!フロントネックロック!

渾身の力でギリギリと首を絞めあげる望月。その表情はもはや後輩レスラーを甚振るものではなく、強敵のレスラーを仕留めるときの顔へと変貌している。

いい加減に……ギブアップ……しろぉ……!!

リング中央での攻防が続く。劣勢の吉野だが、数分前にK.K.D.モードで技を振り払ったときと同様返すのではと会場からはさくらコールが巻き起こる!

観客「さ・く・ら! さ・く・ら! さ・く・ら! さ・く・ら!」

しかしそのコールとは裏腹に吉野の足からは力が抜け、がくっと膝をついてしまう。それでもファンは諦めずに声援を送るが、やがて腕からも力が抜けると、吉野は弱弱しい動きで望月の腕を叩き降伏の意思表示。

ああ〜〜っとここでタップ! 10分4秒! フロントネックロック! 吉野、あと一歩というところまで望月を追い詰めましたが最後はギブアップ! しかしこれは大健闘と言ってよいでしょう!

シングルマッチ20分1本勝負
望月美芳10分4秒 フロントネックロック?吉野さくら

試合後

 試合後、しばらくぐったりしていた両者。先に身体を起こした望月、放送席にマイクを要求する。
 
はあ……はあ……アイドルの癖になかなかやるじゃん。面白かったよ。またやろう

そういうと吉野にマイクを渡し、右手を差し出す。「おおっ」と会場がどよめくなか、吉野は

負けちゃったけど、いい試合だったよ

といい、差し出された右手を掴み握手。激闘を演じた両者だったが、最後はお互いに健闘を讃えあうさわやかな締めとなった。

試合後コメント



ふぅ…入団してすぐ休む間もなくでちょっと焦ったけど、すごく満足できた試合だと思いました。それにしてもあの体の中から湧き上がったあの力は何だったんだろう……。まぁとにかくいつか望月先輩とはもう一度再戦してみたいです! あの子と戦ってると燃え上がる情熱とかSNMデビュー当時の緊張と興奮を思い出したりするから、私にとっては望月先輩は超えるべき壁でもあり、最高のライバルです!


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