アニメ『ダンガンロンパ3』の問題点・疑問点などをまとめたwikiです

非常に飽きっぽい性格の「超高校級のギャル」。 「絶望だけが予想の付かないもであり自分を楽しませてくれる」と考えている。 大切なものや大事に積み上げたものを壊すことに無常の喜びを感じていて、世界を絶望に染め上げることを夢見ている。

主に絶望編で登場。未来編でも最後の最後に登場する。
希望ヶ峰シリーズの全ての元凶のような立ち位置であり、完結編である今作でもその凶悪っぷりは相変わらず。
一方で長い間ファンから様々な考察をされていた77期生を絶望にする手段などが期待外れだったと言われる事も。

評判

初登場時

絶望編ではOPから登場しておりすでに怪しげな雰囲気を漂わせていたが、実際に登場するのは少し後、ストーリー中盤から。
「毎回毎回ラスボスが江ノ島なのはうんざりだ」と言われることもあるが、やはりシリーズの顔として愛されているのか、彼女が登場した際は「怪獣映画で怪獣が登場した時みたいに思わず笑ってしまった」など好評だった。
また、登場すると同時にアニメのサイトを江ノ島が占拠する画像に変わるなどの仕掛けも好評だった。

77期生の絶望堕ち

77期生の過去を描く絶望編が放送されると言われたときにファンが期待したのは、やはり「なぜ77期生は絶望へと堕ちたのか?」ということだった。
これは絶望編のキャッチコピーでもあり、言い換えると「江ノ島盾子はどのようにして彼らを絶望へと堕としたのか?」ということでもある。

長い間ファンがそれぞれに考察・想像してきた77期生を絶望に落した方法がついに明かされる!…ということで期待や不安の声が上がる中ついに明かされたその真相は、洗脳して絶望に堕としたというものだった。
しかもその洗脳の方法もただ映像を見せただけ
オマケにそもそも洗脳できたのは江ノ島自身の才能ではなく他人の才能のおかげでしたというオチだった。
この真相のせいで江ノ島盾子は格が落ちたと言われるようになってしまった。

洗脳について詳しくは後述。

77期生は雑魚

小高:江ノ島は『1』のクラスメイトのことが大好きなんですよ。それをもっと書きたかったなと
江ノ島にとって『2』のキャラクターは全員雑魚扱いで、知ったこっちゃねえという感じで一気に洗脳しましたが、『1』のメンツはちゃんと生き残らせて学園もシェルター化し、クラスメイトでコロシアイをさせようとしましたから。好きな人ほど大事にコロシアイというか、「クラスメイトだから大事に絶望させたい」みたいなお話は書いてみたいです。
オトメディア 2016年 12月号より 

小高氏曰く江ノ島にとって『2』のキャラ達は大した思い入れもなく雑魚でしかないので一気に洗脳したとのこと。
(これについては『2』の時点でそのような発言が存在する)
実際アニメ放送中も77期生の洗脳方法に対する批判の声に対して「江ノ島は興味のない人間には適当なのでこの展開で合っている」という反論意見もあった。
江ノ島盾子のキャラ的にはこの方法でもおかしくないと判断した視聴者もいたようだ。
だがこの絶望編は77期生の絶望堕ちがキャッチコピーにもなっている。
江ノ島から見れば興味のない奴らを適当に洗脳した、で済むかもしれないが77期生、そして彼らのファンからすれば実にあっさりと適当に洗脳されてしかも雑魚扱いされたことになる。
77期生がどのようにして絶望に堕ちるかを期待して見ていた視聴者には納得のいかない展開だったろう。

なお、この反論に対して、江ノ島が77期生を雑に扱うのと、脚本が77期生を雑に扱うのはまったくの別物という意見もある。
この『3』は矛盾点がかなり存在する。そのため公式スタッフは過去作の細部を把握してないと思われるが、今回の場合6章でサラッと言っただけの「77期生はザコ」といった類のセリフをよく覚えていたものである。
公式側が過去作の設定をあまりにも覚えていない事から、ファンが「江ノ島が77期生はザコと言っていたから矛盾していない」と言っているのを逆輸入してきた可能性がある。(可能性は可能性でしかないが)

カムクライズルの絶望堕ち

戦刃:あのさ……どうしてカムクライズルを予備学科の連中に渡さなかったの……?
江ノ島:やっぱ、お姉ちゃんってバカなんだね……だって、あいつらにカムクラを殺らせちゃったら、それで満足しちゃうじゃん。
そんなんじゃ駄目なのよ。あいつらにはもっと不安や不平や不満を溜め込んでもらって……その後で一気に爆発してもらうんだから。そうすれば使い捨ての暴徒くらいの役には立つでしょ?あいつらはその為の存在なのよ
(略)
戦刃:じゃあ、カムクラはもう用なしってこと……?
江ノ島:今は特に考えてないけど……ま、別に放っておいても問題ないでしょ。だってあいつはもう≪超高校級の希望≫なんかじゃなくて、絶望に落ちた絶望人間なんだしね!
そしてそんな結果も―また彼女の予測通りだった
やっぱり、何もかもが江ノ島の思い通りだった
結局今度も全てが江ノ島の希望通りの結果になってしまった。
ダンガンロンパ/ゼロ(下)より引用

『どうして彼らは絶望してしまったのか』をキャッチコピーにしていた絶望編だが、カムクライズルについては絶望に堕ちた理由が『ゼロ』ですでに判明していた
カムクラは生徒会同士のコロシアイに江ノ島の手によって放り込まれたことが明らかになっており、その結果カムクラは絶望に落ちた絶望人間になったと江ノ島も発言している。
しかし『ゼロ』ではカムクラはそもそも登場せず、『2』の0章でも虚無的で全てに退屈している、感情すらないような振る舞いを見せていたため、77期生とは別の意味で謎の多いキャラでもあったが、少なくともファンからは江ノ島の手によって絶望に堕ちたという認識はされていた。

だが実際は絶望になど落ちていなかったことが『絶望編』で判明した。
(判明した、というよりは、話の流れ上そう解釈した視聴者が多い)

江ノ島:アイツらからはあんたの記憶を消しといたけど・・なんでそんなダルいことさせたわけー?
カムクラ:近い未来僕は彼らと再会します。そのときに互いのことを知っていてはツマラナイじゃないですか。だから僕も彼らの記憶を消去するつもりです。
江ノ島:アンタまさか…
カムクラ:確かめたいんです。希望と絶望、どちらが僕にとって予想がつかないのか。もし彼女の思いが貴方の思惑に打ち勝ち彼らを救うことができたら絶望より希望の方が予想がつかないと言えるのかもしれません。
江ノ島:はぁ・・ああ!どんだけ尺割いて説明したらわかってくれんのよ!
ダンガンロンパ3 絶望編 11話より

上記の会話を見ればわかるがカムクラは最後まで絶望と希望、どちらが優れているかの判断を保留している。
これについて江ノ島も「どんだけ尺割いて説明したらわかってくれんのよ!」とカムクラが絶望に堕ちていないことを認めているかのような発言をしている。
つまり江ノ島はカムクラを絶望に落すことができなかったことになる。
77期生の絶望堕ちについては江ノ島の説明とかなり違ったものの一応彼らを絶望に落してはいたが、カムクラについては完全に嘘をついていたことになる。
この事実は元々77期生の絶望堕ちの真相のせいで落ちたと言われていた江ノ島の格をさらに下げることになった。

だがこれについては別の解釈をすることもできる。
小高氏は3について「針の穴を通すようなシナリオで過去作と繋げた。アニメを見終わった後「『1』や『2』のあの発言はもしかしたらこう解釈すべきなのかも?」と考えてほしい」と言っている。
この言葉通り絶望編での上記の会話を踏まえた上で『ゼロ』の発言を見ると江ノ島は普通にカムクラが絶望に堕ちたと勘違いしていただけなのでは?という見方もできる。
実際絶望編でも「アンタまさか…」とたった今気付いたかのような反応を見せておりこの時まで絶望に堕ちていると本気で思っていたのかもしれない。
三行もかけて全て自分の思い通りになったと自慢しておいて実は勘違いしてましたはかなり恥ずかしいが、自分を大きく見せようとありもしない嘘をつくのと、普通に勘違いして調子に乗っていたのとではどちらの方が格が下がるのだろうか?

余談だが江ノ島はカムクラを”なぜ予備学科に引き渡して殺させないのか”について話しているが、江ノ島はカムクラに一瞬でひれ伏させられており相手にならないほどの実力の差がある。
(ダンガンロンパにおいても別格とされているこの二人だがここまで能力に差があるのは意外だったという声が多かった)
仮に引き渡しても予備学科生にカムクラを殺すことができたか怪しいし、そもそも絶望編を見る限り江ノ島がカムクラを予備学科に引き渡すことができたのかも疑わしい。

なお、アニメ放送時公式サイトでは、77期生絶望堕ちの回が放送後、トップページの77期生の目が赤くなるという演出がされていた。
もともと目が赤いのでわかりにくいが、実はカムクラも目の色が微妙に変わっている
ストーリー的には10話終了の時点で絶望堕ちさせたつもりなのかもしれない。

江ノ島の説明と事実の矛盾

元々江ノ島(モノクマ)は『2』で、どのようにして77期生を自分と同じ超高校級の絶望へと変えていったかを断片的に説明している。
具体的に抜き出すと
  • 魅力とユーモア溢れる”絶望的な方法”を駆使して”超高校級の絶望”を作り上げていったこと
  • 理念に狂った人間には人を惹きつける強大な力がある。これは歴代の指導者達の中にも見られる傾向であり江ノ島盾子もまたそういう人間であること
  • 彼女は特有の層を惹きつけるカリスマ性で、権力者連中にまで影響を及ぼしていったこと
  • 圧倒的な理不尽さによって江ノ島は”超高校級の絶望”達を引き込んでいった。愛も憎しみも恨みも復讐も何もかもを利用して、彼らの絶望を操り江ノ島の絶望は他のどんな絶望よりも恐ろしいと本能に叩き込んだこと
  • (苗木に77期生を洗脳したと言われて)洗脳という表現はあまりに安っぽいのでやめてほしいとのこと
これらが江ノ島盾子が『2』で説明していた内容であった。
多くのファンはこの凄まじい内容を見て江ノ島は77期生がそれぞれに抱える心の闇や暗い過去を巧みについて誘導し絶望へと導いていった、また彼女自身の圧倒的なカリスマ性で彼らを魅了していったという真相を想像していた。
では実際はどうだったのかというと

超高校級のアニメーターである御手洗亮太を脅迫し洗脳映像を作らせ七海千秋をいたぶりながら見せつけることで77期生を洗脳したというもの。

…かなり江ノ島の説明と食い違っている。誇張表現どころではない。
まず、「洗脳という表現は安っぽいからやめろ」と言っておきながらどうみても普通に洗脳している。
そしてしつこいくらいに自分のカリスマ性や魅力をアピールしていたがこのやり方では江ノ島のカリスマ性などあってもなくても関係ない。必要なのは御手洗の技術皆大好き委員長ぐらいである。
(実際七海と狛枝、罪木以外は江ノ島のことを知らなかったのではないだろうか)
理不尽さだけはあるが愛も憎しみも恨みも復讐も関係なかった。
長い間ファンに期待を持たせるような説明をしておきながら、蓋を開けてみればこのような真相だったため、江ノ島自身の持つ強大な力やカリスマ性を期待していたファンからは「他人の才能を使っていただけのくせにあれだけ偉そうにしていたのか」という反感すら買ってしまった。
そこまで言わなくてもせめて”他人を絶望に堕とす才能くらいは江ノ島固有のものであってほしかった”という声もある。
ただこの展開については元々は御手洗が皆に希望を与えたくて作ったアニメを悪用して大勢の人間を死なせ洗脳するという他人が希望のために作ったものをどこまでも貶めて悪用し絶望へ叩き落す江ノ島のえげつなさを表現しているとも言える。
実際江ノ島は『ゼロ』では松田夜助、『2』では不二咲千尋、『絶対絶望少女』では塔和モナカの技術を盗み(利用して)悪行をやらかしておりこの点については一貫している。
恐らく小高氏が思い描く江ノ島盾子という悪役像は、強大な力で他人を圧倒する存在というよりは、どこまでもえげつなく絶望に忠実な存在という感じなのかもしれない。この展開はファンの持つ江ノ島盾子の悪役像によって評価が分かれるところだろう。

だが、どんなに好意的に解釈しようとも結局はファンの求めた江ノ島盾子から激しくずれていて幻滅したのは紛れもない事実であり、アニメはファンなら絶対喜ぶという小高氏の発言はここでも相変わらず失望の一因となっている。

上の内容と若干被るところがあるが、なぜ以前から他人の技術を盗んでいる描写があるのに、洗脳だけは批難が集まるのか?という疑問もある。
それはおそらく、過去作で盗んてきた技術(記憶操作、アルターエゴ、モノクマ)は他人を絶望させる前段階の準備、補足的な意図で利用していたから、今回盗んだ技術(洗脳)は他人を絶望させることそのものに利用していたからだと思われる。
江ノ島の他人を絶望に陥れるカリスマ性の正体が他人の技術を利用したものだなんて、ガッカリにもほどがある。

また、『ゼロ』では多くの予備学科を洗脳で絶望に変えているが、その点を「江ノ島にカリスマ性がない」と指摘されないのは、ストーリーにおいてモブであるキャラの絶望堕ちの経緯を丁寧に描写しても面白くないからというメタ的な理由があるのだろう。
そしてなにより、『ゼロ』の時点では、その洗脳方法がまさか江ノ島自身の力ではなく、他人の技術をそのまま利用しただけのものだと判明していなかったからだろう。

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