極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/07/29(金) 01:45:09.46 ID:NyuOAz+6
そんなわけで、書きました。
『食べてしまいたいくらい、大好きだ』
http://loda.jp/madoka_magica/?id=2038



あれはもう、ずっと昔の事のような気がする。

朝、隣で寝ている織莉子の起床の気配で目が覚める。ベッドから降りる彼女の手を寝ぼけたままとり、つい口づけをした。
「ああ、織莉子、大好き。食べてしまいたいくらい、大好きだ」
「ん、もう。キリカったら、昨夜散々食べたでしょ?」
下着姿の彼女は、自らの胸元のキスマークを指さし、微笑む。
それは昨夜、私と織莉子はベッドの上で幾度となく口づけを交わし、或いは体を重ね合わせて互いの温もりを感じ合った、その証だ。
「おはよう。キリカ」
「おはよう。織莉子」
頭がしゃんとしたところで、改めて挨拶。そして、毎朝恒例のキス。
今、この広い美国邸には、二人しかいない。織莉子の父である美国議員の汚職発覚と自殺により、ここは世間の悪意に囲まれ、見捨てられた場所となった。
しかし、この敵意に満ちた広い世界のただ中でも、私と織莉子にとってはただお互いさえいればそこは楽園であった。
しかしそれは、既に遥かに遠い出来ごと。

いや、そんな昔なワケはない。私が織莉子と出会い、愛し合うようになってからまだ半月程だ。それなのにその思い出は、ガラス板の向こうの景色のように妙に隔たったものに感じる。
いや、やぱりそれは私の記憶違いだろう。なぜなら、私の置かれている現状が、その楽園とはあまりにもほど遠いからだ。
昼なお暗い、ビルの谷間。風雨にさらされヒビの入ったビルの壁に挟まれ、ゴミの散らばるこの路地裏に、私は織莉子とともに一人で佇んでいた。
一人?
そう、織莉子は既に人ではない。物言わぬ冷たい骸だ。目を瞑り、血にまみれ、すでに死後硬直も始っている。

世界を滅ぼす魔女の素体となる少女、鹿目まどか。私たちは世界を救うためにその抹殺を行い、なんとか成功した。が、その代償は大きく、私は愛しい織莉子を失う事となった。
そして魔女結界崩壊のどさくさで、私はなんとか織莉子の亡骸を回収し、ここまで逃げのびたのだ。

ソウルジェムを砕かれた織莉子は、もはや助けるすべはない。このままでは私の大事な織莉子の肉体は、朽ちて失われてしまう。
どうすればいい? 気ばかり焦って考えがまとまらない。
と、名案を思いつく。そうだ、文字通り食べてしまえばいい。
食べてしまえば全部自分のものだ、二度と失う事はない。そして食べてしまえば織莉子は私の血肉となり、文字通り一つに成る事ができる。
ああ、なんて素晴らしい解決策だろう。
私は早速織子の服――大分傷んだ制服――を脱がす。
ああ、愛しい織莉子、なんて美しいんだ。これが見納めかと思うと、心の底から残念だ。せめてしっかり目に焼き付けておこう。
眠っているような顔。未だ今朝のキスマークの残る愛おしい首筋。幾つか孔が穿たれてはいるものの、豊かで形の良い胸。くびれた腰に肉付きのよい臀部。両足の間の薄い痴毛。すらりと伸びた手足。
本当に美しい。が、いつまでも見とれている訳にはいかない。先へと進み、私と織莉子は一つにならなければならない。
まずは胸だ。何度も私が顔を埋め、安らぎを得た、柔らかな温もりの箇所。その先端に一度だけ軽く口づけをし、一気に頬張る。
ああ、愛しい織莉子。君の豊かな胸はなんて旨くて、なんて甘いんだ。口に頬張れば、噛み砕く必要すらなく、あっという間に蕩けていくようだ。
ああ、美味しい、旨い、甘い、柔らかい、愛おしい、素晴らしい。ああ織莉子、君はやっぱり最高だ。
夢中になって右側をあっという間に食い尽くし、ようやく我に返る。しまった、あまりの美味しさに十二分に味わうまもなく飲み込んでしまった。残る左側は、もっとじっくり賞味するべきだろう。
左側は、ゆっくりと一口ずつ口に含み、一噛み毎に織莉子の記憶を反芻する。
織莉子の笑顔、織莉子の声、織莉子の話し方、織莉子の仕草、織莉子の好み、織莉子の……
ああ、素敵な織莉子。君の存在は私の胃袋だけではなく、心まで満たしていく。
やがて、左胸の食べ尽くす。次はどこにしようか……
いや、待て。今食べたのは左胸だ。ならばこのまま続きを食べよう。
私は肋骨を噛み破り、音を立てつつその破片を咀嚼する。勿論これも織子の体の一部、ひと欠片たりとも無駄にしてはならない。
織莉子の重要な部分を守るだけあって、それなりに歯ごたえがある。その歯ごたえは織莉子の存在の証。私はゆっくりと時間をかけ、しっかりと噛み砕き嚥下する。勿論、味は一級品だ。
やがて、織莉子の心臓が露出する。ああ、織莉子。もう動かなくなって冷たくなってはいるが、それは間違いなく君のハートだ。
私はそれを一口に頬張り、噛まずに口の中で転がす。ああ、織莉子の味だ。織莉子の強く美しく脆く気高い心の味だ。
暫く口の中で舐め、転がし、呑み込まないように吸う。ああ、織莉子。君の心は永遠に失われてしまった。でも、その象徴は今私の口中にある。
いつまでもしゃぶっていたいが、それでは織莉子を全て自分のモノにはできない。
織莉子の全てに思いを馳せつつ、口中のそれをゆっくりと噛みつぶす。ああ、口の中に織莉子の存在が弾けて広がる。ああ、なんという至福の味、至高の味、究極の味。
さて次はどこにしよう。そうだ、手だ。
織莉子の繊細な指、それは私の全身を愛情を以って隈なく撫でた繊細な器官。織莉子の腕、それは私の身体を幾度となく抱きしめた愛情表現の象徴。
その愛おしい右手の指を口に咥え、かつて幾度もベッドの上でそうしたように、ゆっくりとしゃぶる。ああ、愛おしい。
そして、私はそれを噛み砕く。鈍い破砕音とともに、彼女の指が私の口の奥にまで届くようになる。
彼女の指が、私の舌を撫でる。私の口腔を愛撫する。私の喉にまで届く。ああ、織莉子。君の指が私の奥にまで届いているよ。私の奥まで愛撫しているよ。ああ、なんという幸福。
次いで左手だ。一本一本ゆっくりと時間をかけてしゃぶる。そして一本一本ゆっくりと噛み切って、たっぷりと時間をかけて咀嚼する。
滑らかな皮も、繊細な爪も、細い骨も、みんな素晴らしい舌触りと味だ。本当に、織莉子は素敵だ。
次は腕、即ち私を抱きしめた織莉子の愛情表現の器官。指と似ていて細長いが遥かに太いそれは、しかしけっして大味などではない。その肉も骨も、彼女の抱擁を想わせる力強い素晴らしい味がする。
今度は脚だ。織莉子のすらりと伸びた美しい脚、そして肉付きのよい太腿。それは庭の薔薇園で、リビングで、ベッドの上で、幾度も私を膝枕してくれた安らぎの思い出に繋がる。私はそれらの幸せな記憶を反芻しつつ、ゆっくりと時間をかけて咀嚼し味わい、嚥下する。
もう、織莉子の姿形も大分変わってしまった。残るは頭と胸のない胴だけだ。
脚に続いて臀部だ。私はそこに口づけをし、舐め、そしてその肉に歯を立てる。ここは彼女の生前は、流石に性的過ぎて失礼と思って余り触れなかった箇所だ。ああ、でもなんて肉付きが良くて柔らかくて、歯触り・舌触り共に心地良い部分なのだろう。
もし私にもう少し度胸と悪戯心があれば、ここに触れる事で、織莉子の新たな面を見られたかも知れなかったのに。今となっては後の祭りだ。本当に残念だ。
そして私は、始めて織莉子の陰部に口づけをした。そもそもここは、彼女の体を熟知する私ですら、触れるのも間近で凝視するのも初めての場所だ。
その柔らかで淫靡な場所を噛みしめ、私はさらに奥の女性としての中枢へと食べ進んでゆく。彼女の、女としての味が口中に広がる。
そこでふと、私は織莉子の月のものの日付すら知らないことに気づく。ああ、私達は深く知り合い、強く愛し合い、寝食をともにしてきたというのに、その程度の事も知らなかったのだ。やはり私たちには、あまりにも時間がなさ過ぎたのだ。もっと、もっと、ずっと一緒に過ごしたかった……
そして内臓、即ち大事な、大切な、かけがえのない織莉子の命を維持していた部分へと至る。ああ、これが織莉子の生命なんだ。これが織莉子の命の味なんだ。
ああ、織莉子、織莉子、織莉子、君の命はなんて美しく、なんて美味しいんだ。その深く複雑な味は、彼女が抱く様々な想いや経験を象徴しているかのようだ。
夢中で、しかししっかりと噛みしめて味わいつつ、私は織莉子の内を空にする。残る腰や腹、背中や肩も、一口につき八十八回は噛んで味も歯触りも味わいきってから腹に収める。ああ、織莉子もうすぐ、もうすぐ君を全部私のものにできるよ。
残るはもう首だけだ。眠るように目を閉じたその顔は、至高の美術品。美の女神の尊顔といえよう。
もう、これだけしか残ってない。いくら一つになれるとはいえ、織莉子はもうこれだけしか残っていないのだ。私の内に渦巻き荒れ狂うのは、希望と絶望の寂しさと安らぎの入り混じった、しかし決して均一化はしない、複雑な感情。
私は織莉子に口づけをする。これが、私と織莉子の465回目の、そして最後のキスだ。一度織莉子をゆっくりと頬張り、舌の上で転がす。
まずは舌で目を、星よりも宝石よりも輝いたそれを抉り出す。ああ、口の中に広がる輝きの味、織莉子の強い意志を表す味だ。
次いで、形の良い鼻を、美しい耳を、かつては薔薇色だった頬を、柔らかな唇を、一つずつ囓りとり、咀嚼する。
続いて髪だ。細く、艶やかで、柔らかな美しい髪。私は幾度も撫でたその髪を舌でこそげとり、思い出と共に呑み込む。
さて、残るは頭蓋と脳だ。
私は、織莉子の頭蓋をゆっくりと噛み割る。そして、中の脳味噌に舌を這わせた。
ああ、これは織莉子の思考の中枢、記憶の在り処、人格を成すところ。私の愛した彼女を彼女たらしめている器官。
しかし残念ながら、これを食らっても彼女の記憶や人格はとりこめない。それらは、彼女のソウルジェムと共に永久に失われたのだ。
ゆっくりと、口中の柔らかなものを舐め取り、飲み込む。ああ、これが彼女の記憶の味、思考の味、人格の味なのか。なんと素晴らしいのだろう。
それを十分味わい。私の神聖なる愛の儀式は終わった。
もう、織莉子は存在しない。永遠に失われてしまった。もう、織莉子は私の物だ。永遠に一緒だ。ああ、なんという寂寥感と至福。

もうすぐ、私は羽化して使い魔から魔女へと変貌するだろう。そうすれば、愛しい織莉子を殺した憎い四人の魔法少女への復讐ができる。
それだけではない。魔女になれば、もっと多くの私達を産み出せる。
織莉子のいない世界など、意味はない。だから数多の私達で、世界を食いつくそう。世界を滅ぼすその日まで。

<了>
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