極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

それは、探究心という名の悪魔のささやきの続き


 まあ、そんな感じでいろいろな責めを与えてみたが、どれもいまいちぱっとしない気がしてね。まあ、鞭と針に焼きゴテだけだからね。どちらかというと、地味なのは仕方がない。
 だからこそ、最後は派手なやつにしよう。そう思っていたんだ。
 私は、並べられた拷問器具の中から、金属製の洋ナシを手に取ると、彼女に見せてやったんだ。
 それが、実際にどう動くのかをね。
 手元のネジをひねって回すと、洋ナシは四つに割れて広がる。そして、その奥から鋭いトゲが飛び出して、徐々に突き出てくる。割れた洋ナシの部分にも仕掛けがあって、割れて広がるうちに、金属製の爪が出てくるようになっている。
 ネジを完全に回しきると、洋ナシはまるで蕾が花開いたかのように広がって、鋭い爪は花びらになり、トゲは突き出ためしべのように、その存在感を主張する。
 その姿と洋ナシのからくりをしっかりと覚えさせてから、私は、ネジを反対方向にひねって、元の形に戻した。
 そして。
 その洋ナシにたっぷりと潤滑油を塗りたくって。
 彼女の性器に、強引に押し込んだんだ。
 先ほど初めて男を受け入れた彼女にとって、それは、あまりにも巨大すぎる。鞭を打ったり、胸に針を突き刺したり、焼きゴテを押し当てたときよりも、はるかに大きな悲鳴が部屋の中に響き渡ってね。若い少女が、まるで野獣の遠吠えのような声を出すんだ。驚いたよ。
 だが、それだけじゃない。
 彼女は、この洋ナシがどんな風になるか理解している。だから、私が洋ナシから突き出たネジに手をかけると、狂ったように暴れだした。
 だが、手も足も固定されている状態で、私の動きを阻害できるほど、身体を動かすことなんて、できるわけがない。
 怯えた目でこちらを見下ろす少女に向けて、にやりと笑うと。
 私は、ゆっくりと。
 だが、確実に。
 洋ナシのネジを、回し始めた。

 悲鳴は一段と高くなった。
 無理も無い。彼女の狭い膣内を、洋ナシは無理矢理広げていくのだし、その過程で飛び出す爪やトゲは、彼女の胎内を確実に傷つけるんだからね。
 そんな彼女の悲鳴を聞きながら、私はただ黙々とネジを回し続けた。人の胎内を押し広げて引き裂いていくんだから、抵抗だってものすごい。それでも、少しずつネジを回すと、洋ナシは確実に広がっていく。
 彼女の太腿に、針によってもたらされたものとは比べ物にならないくらいの鮮血が、幾本もの赤い筋を描いていくんだよ。
 白い肌に描かれた、真紅と呼べる赤。
 繰り返しになるがね。あれは、本当に美しかった……。

 ネジを最後まで回しきってから。私は、それを力任せに引き抜こうとした。
 流石に無理だったね。
 すでに悲鳴は消えそうなくらい小さくなっていたけど、洋ナシを引っ張ったときだけはものすごい叫び声をあげたよ。
 抜けないものは仕方ない。挿入したときと同じ形になれば、きっと抜けるようになるだろう。そう考えた私は、ネジを逆に回し始めた。
 そのときはあまり気にしていなかったんだがね。ぱっくりと開いた洋ナシが閉じるにあたって、内側の襞を巻き込んでしまうらしいんだ。何しろ、金属製だろう? それに、縁は刃物のように切り立っているから、噛んでしまった襞については、切り取ってしまう形になる。ネジもなかなか回らなくなってね。渾身の力をこめて、ネジを回すんだ。するとね。
 消えかけていた悲鳴が、再び彼女の喉から放たれたんだ。
 いや、驚いたね。
 人間というのは、ひどく脆い生き物だと思っていたけど、どうやら違うらしい。本当に致命的な一撃を与えない限り、なかなか死なないものなんだ。私は、そう理解した。

 力ずくで回したネジは、ようやく最初の位置に戻った。
 その頃には、彼女の太腿をつたう血はかなり太くなっていてね。このままでは、失血死してしまうかもしれない。そう思った。
 案の定、私が洋ナシを引き抜くと、血がぼたぼたと零れ落ちてきた。
 これは拙い。本当に失血死してしまいかねない。そうなると、私が描いていた脚本は、途中で強制終了となってしまう。
 私はあわてて膿盆を手に取ると、まだ使っていない縫合用の針付き糸をひとつ選んだ。
 そして、彼女の大陰唇をひっぱりながら、針を通して縫い付けていったんだ。
 もう、悲鳴をあげるだけの力も残っていなかったのかもしれない。針が皮膚を貫くたびに、小さくうめいていた彼女も、少しずつ反応が鈍くなっていく。
 そろそろ、次の段階に進まないとダメだ。そう思ったよ。

 敏感な場所に針を打ち込まれ、鞭や焼きゴテを喰らったり、洋ナシで引き裂かれた秘所を縫い付けられたりした結果、彼女は言葉も発せぬほどに疲労し、ぐったりとしていた。手のひらで頬を叩いてみても、小さくうめくくらいの反応しか戻ってこない。
 そんな彼女の拘束を外すと、私は彼女を抱きかかえ、ベッドに横たえたんだ。
 非難めいた視線か、または怯えきった目を期待していたのに、彼女は目蓋を開くだけの力すら残されていないのか、身じろぎもせずに黙ったままだったよ。
 まあ、その方が好都合だったので、特に気にとめもしなかったけどね。
 抵抗する気力すらなくなったと見える彼女の手足を、ベッドから伸びる鎖と、その先につけられた拘束用のベルトでしっかりと固定して、あまり派手に暴れられないようにした。何しろ、これからしようと思っていることは、かなりハードだったからね。

 あの映像を見た人は、「なんでこんな奇妙な寝かせ方をするんだ?」と思ったんじゃないかな。
 彼女の身体はベッドに対して平行になるように寝かされず、短辺側を使うようにして寝かされていたからね。これだと、頭をベッドの上に乗せると、足はベッドからはみ出てしまうからね。
 だが、この寝かせ方の方が好都合だったんだ。まあ、その、いろいろとね。

 ここからは一気にペースをあげて、彼女を壊しにかかるつもりだった。
 うん。文字通りの「壊す」さ。

 私は、例の様々な器具が置いてある棚へと歩いていった。
 そして、最後の段階に進んだときに使おうと思っていたものを、動かせる小さな棚に移してから、ベッドの側に押していき、すぐに手に取れるようにしたんだ。
 最初に手にしたものは、あの開頭器さ。のこぎりの歯が円筒形になったようなやつだよ。
 聞いた話では、最近じゃ脳の手術を行うときでも、そんな形の器具を使ったりはしないみたいなんだけどね。昔、そんな道具を使って患者の頭を開いて、手術を施して助ける。という内容の本を読んだことがあってね。その道具を実際に使ってみたい。という欲求と、単純に人の脳の見てみたいという欲求に、抗えなかったんだ。
 これは手術じゃないからね。だが、手元が見えないとえらい間違いを犯してしまうかもしれない。できれば、彼女は壊す過程の終盤までなるべく生きていて欲しいしね。少しは配慮しないといけない。
 いくらぐったりしているとはいえ、どんなことが起きるかわからなかったのでね。撮影だの何だので待機していた男たちを呼び寄せて、彼女の頭を押さえさせた。もし動かれて手元が狂ったら、台無しだからね。
 屈強な男たちががっしりと頭を固定していることを確認してから。
 私は、彼女の頭頂部に、開頭器を押し当てた。
 手元のハンドルを回すと、円筒形になったのこぎりの歯がくるくると回転するんだ。そして、頭蓋骨を削っていき、適度な大きさの穴を開ける。というものなのだが、普通なら髪の毛を剃り、頭皮を切開して頭蓋骨を露出させてからこれを使うんだが、私はいきなり押し当てて切り始めたからね。髪の毛を巻き込んだりして、少々手こずった。
 だが、ゆっくり回していくうちに、髪の毛なども完全に切断されてしまってね。それまではハンドルが滑ってしまって、確かな手ごたえを感じられなかったんだが、やがてそれまでにない抵抗を感じた。
 一度開頭器を外してみると、円形に切断された頭皮が髪の毛ごと落ちてね。その下に隠された頭蓋骨と、その頭蓋骨にうっすら円状の傷が描かれているのが見えたよ。
 だから、私は再び開頭器を彼女の頭蓋骨に押し当てて、手に伝わる感触を確認しながら、ゆっくりとハンドルを回したんだ。
 意識があるまま、頭蓋骨を削られて穴を開けられるというのは、どんな感覚なんだろうね。少なくとも、彼女の反応を見る限りでは、恐ろしいほどの恐怖を覚えるんだと思うんだ。何しろ、骨を削る音がすぐ頭上から聞こえてくるんだし、その振動を直に感じるんだから。
 それまで抵抗らしい抵抗すらしなかった彼女が急に暴れだしたのは、そのときだった。屈強な男たちが三人がかりで少女を押さえ込んでいるのに、首が動きそうになるんだ。
 驚いたよ。
 ここまで体力を消耗し、抵抗する気力すら失っているように見える少女が、なぜこれほどの力を発揮できるのか。とね。
 それに、彼女が動くことでのこぎりが彼女の脳まで達してしたら、それこそ大変なことになる。
 男たちが必死に頭を押さえる中、私は身長にハンドルを回し続けた。

 不意に、手にかかる抵抗が減ったように感じて、私は一度手を止めた。
 そして、ゆっくりと開頭器を外すと、そこには一部が貫通し、一部がまだ残っている頭蓋骨が見えたんだ。貫通しているのはわずかに四分の一程度だったがね。
 これ以上、開頭器を使っていると、脳に傷をつけてしまうかもしれない。そう判断した私は、そのわずかな切れ込みに金属製のへらを押し込んで、てこの原理で頭蓋骨を持ち上げて、強引に外そうと試みたんだ。
 意外とあっさり外れてね。こんなものかと驚いたんだが、そんな驚きもすぐに吹き飛んだ。
 頭蓋骨に穿たれた穴の奥に、彼女の脳があったんだ。
 そこに脳があることは当然なんだが、実際にこの目で見ると、やはり衝撃的な光景だったね。
 桃色というか、灰色というか、そんな色合いの脳と、深く縦に走る大脳縦裂。
 美しい。
 ただ単純に、そう思える光景だった。
『人間は考える葦である』と述べた哲学者がいるが、その人間を人間たらしめている思考という機能をつかさどる、人体における最重要の器官が目の前にあるんだ。
 それも、ほどよい大きさの穴を介してね。
 そうなれば、やることはひとつだろう?

 彼女の頭を押さえつけていた男たちには引き下がってもらって、私が彼女の頭を押さえつけた。額に親指をかけ、手のひら全体で即頭部を持つような感じでね。
 彼女は目を見開いていたが、どこを注視しているのかがわからないような、うつろな目をしていた。そんな彼女を見下ろしながら、私は、彼女の頭頂部に開けた穴に、いきりたった私の肉棒を押し付けて。
 ゆっくりと、その中に挿入したんだ。

 それはもう、すごかったよ。
 何しろ、脳という器官を直接犯されているんだからね。拘束している手足はもちろん、頭だって逃れようと激しく動こうとする。
 私は、それを力ずくで押さえつけながら、一番奥を目指して突き進んだ。
 まあ、残念なことに、私のモノは平均的な大きさだからね。先端に当たった硬いものは、頭蓋骨ではなく、脳梁だったのかもしれないな。
 仮に、私の陰茎が彼女の頭蓋骨の底部に当たっていたのだとしよう。そうなると、私は彼女の思考はおろか、生命維持の中枢たる脳幹のあたりまで犯したことになる。
 そう考えると、運動や感覚を感じる場所がめちゃくちゃにかきまわされるのだから、彼女が暴れまわるのも納得がいくね。

 それにしても、脳を犯すというのはたまらない感覚だよ。
 それは、女性器と比べたら、締め付けといったものとは無縁だからね。単純な刺激でいえば、通常の性交の方が気持ちがいい。
 だが、今、私が犯しているのは、個人の尊厳や人格そのものといってもおかしくない、脳というかけがえの無い器官だ。
 女や純潔を単純に犯すだけじゃない。
 彼女の生命そのものを犯している気分になれる。
 あれほど素晴らしい性交は、なかなか体験できないと思うね。
 おかげで、突き入れてからそれほど時間もたたないのに、私はすでに絶頂を迎えようとしていたんだ。彼女の頭の中。彼女の脳の中に放てる。そう考えただけで、背筋を駆け上るような快感と眩暈を覚えたよ。
 次の瞬間、私は、彼女の脳の奥深くに、私の欲望の証明を吐き出していた。
 尋常じゃない量だった。
 彼女の初めてを奪ったときよりも、はるかに多い量の白濁液が、私の陰茎が脈打つたびに、彼女の脳を汚していく。
 そう思うだけで、また射精しそうになるくらいだったよ。

 たっぷりと彼女の脳内に精液を吐き出してから、私は自分のモノを素早く引き抜いて、先ほど外した頭蓋骨で蓋をしてしまった。
 たしかに、私の陰茎でぐちゃぐちゃにかき回された脳を見たいとも思ったが、それよりも、彼女の頭の中に私の子種が入っているという事実の方がたまらなくてね。こぼしてしまうのがもったいなくて、思わず蓋をしてしまったんだ。
 脳を犯す様子は、複数のカメラが様々な角度で撮影してくれていたから、後でゆっくり楽しむこともできたんだが、中の脳の様子を捉えられたカメラは一台だけで、しかも一瞬しか映せていなかったんだ。
 今でも、あれは失敗のひとつだと悔やんでいるよ。
 もう少し、中の様子を映してから蓋をするべきだったね。
 切り取った頭蓋骨を戻して、引き剥がした頭皮まで無理矢理縫い付けて、強引に蓋をしてから、私は、最後の仕事に取り掛かることにした。
 これで最後。そう思うと、自然と力が入ったね。

 ベッドの上に横たわる彼女の上に跨ると、私は、棚の上から一本のメスを取り出した。
 そして。
 迷うことなく、彼女の腹を一閃した。へその上あたりから恥丘のあたりまで、まっすぐ縦方向にね。
 何が起きているのか、彼女はもう、理解できなかったと思うよ。何しろ、何かを考えるための器官は私が散々に犯したからね。
 そんな彼女の白い肌に赤い線が浮かんだかと思うと、一気に血があふれ出してくる。
 彼女の腹を切り裂いたメスを棚に放り投げると、今度は開創器を取り出した。
 問答無用で腹の切れ目に指をかけ、強引に割り開くと、開創器を使ってその開口部を拡大し、固定したんだ。
 そのとき、彼女の声が聞こえたんだ。
 うめき声に近いものだったけどね。
 何しろ、一番重要な機関を破壊した後だったし、そんな、痛みを感じることはおろか、感じた痛みを表現することもできないと思っていたから、それはもう大変な驚きでね。
 こんな反応がまだあるようなら、この後もまだまだ楽しめるんじゃないかと思ったよ。

 そこまで深く切ったつもりは無かったんだが、腸の一部にもメスが通った跡が残っていた。できれば、腸は無傷のままにしておきたかったのだが、こればかりは仕方ない。何しろ、カエルや魚の解剖すらろくにやったことのない人間が、初めてメスを握って振るっているんだからね。
 綺麗な腸だった。
 そりゃ、生きている人間だからね。絶食させられていたわけではないから、その中には消化中のモノがつまっているし、傷つけてしまった箇所からそれが漏れ出していたり、酷い臭いがしたりもしたけど。
 肉食獣が獲物を捕らえたときに、真っ先に腸に齧りつくのは、消化済みの植物を摂取するという事の他に、純粋に旨そうに見えるからなのかもしれない。そんな風に思ったね。
 だが、私は、腸に喰らいつくのを目的として彼女の腹を開いたわけじゃない。だから、粛々と次の作業にうつった。
 彼女の腸を、腹腔から引きずり出したんだ。
 何しろ、目的のモノに到達するためには、邪魔で仕方ないからね。

 黙々と腸を取り出すと、腹腔内は随分とすっきりした姿になった。まあ、胃だの肝臓だの、他の臓器はまだまだあるんだがね。それでも、目的のモノには到達できない。
 だが、そこに至るための目標はすぐに見つかった。
 子宮だよ。
 あれは膀胱なんかよりも手前というか、上というか、より腹腔内に突出するような状態になっているからね。非常にわかりやすい。
 おかげで、私が目指しているものの位置がはっきりした。あとは、邪魔なものを取り払うだけでいい。

 とはいったものの、私はそこに到達するのに、まだまだ時間がかかりそうだった。何しろ、刃の部分が小さな手術用のメスじゃあ、思ったように一気に切り裂くことができなくてね。
 そこで、司法解剖とかで使うような大き目のナイフを手に取ったんだ。
 恥骨の奥にある膀胱を解剖用ナイフで切り取ろうとすると、一番大事にしているものを切りたくないあまりに、誤って膀胱を切り裂いてしまったんだ。おかげで、彼女の腹腔内に尿が流れ出して、ほのかなアンモニア臭が漂いだしたが、私はそんなことはおかまいなしに、彼女の膀胱を切除した。
 私が見たかったものが、そこにあった。
 無残な姿だった。
 洋ナシで無理矢理拡張された結果、裂けてしまった膣だ。
 裂けたとはいえ、完全にずたずたになってしまったわけではなく、一応、それらしい原型はとどめていた。
 もう、たまらなくてね。
 彼女の脳内に放って萎えかけていた私の陰茎は、再び元気を取り戻していた。
 少しも躊躇わずに挿入したよ。
 驚いたね。
 裂けた膣壁の隙間から、私のモノがちらりと見えるんだ。
 私はね。その光景を見ただけで、思わず射精してしまいそうになったよ。

 私は狂ったように腰を振った。
 その動きに合わせるように、膣がふくらんだりしぼんだりする。私のモノが出入りしているんだから、当然といえば当然だね。
 さらに、洋ナシが引き裂いた膣壁の亀裂から、わずかにだが、私の亀頭や陰茎が見えるんだ。
 素晴らしい光景だよ。
 何しろ、生きている女性を相手にしているなら、決して見られない光景だからね。想像でしか見られないような光景が、今、私の目の前にある。
 それを考えるだけで、たまらなく興奮したよ。
 正直に言えば、脳を犯したときと同じように、締め付けなんてほとんどない。周囲の筋繊維は切り裂いてしまっているし、確認こそしていないが、彼女はすでに死んでいたっておかしくないからね。
 それでも、愛液という潤滑油が無い状態の膣内は、例えそれが力ずくで引き裂かれたものであっても、強烈な摩擦抵抗がある。
 果てるまでに、それほど時間はかからなかった。
 もっと、もっと、長く楽しんでいたかったんだが、もう、限界だ。
 私は、彼女の中に再び放った。これまでに二回も放っているから、そろそろ勢いも弱くなるかと思ったんだが、思いの他、勢いよく吐き出してね。
 本来なら、彼女の膣内を満たし、いくらかは子宮内へと流れ込んでいくんだろうが、膣壁にいくつもの裂け目ができているような状況だったからね。
 かかる圧力から逃げるように、そんな亀裂から白濁液が零れ落ちてきたんだ。
 こんな光景、滅多にお目にかかれるものじゃないぞ。
 自分でやっておいてあれなんだが、私は自分にそう言い聞かせたよ。

 彼女の中で放った結果、幾分萎えてきた竿を抜き取って、私は一息ついた。
 やってみたいと思っていたことはほとんどやったからね。ここで終了でも問題はなかったんだが、今回はお客さんからのご要望があるからね。正直、彼の希望どおりになっているか、自信がなかった。
 だから、最後に、彼女を徹底的に破壊することにしたんだ。
 美しいものを壊す。
 酷い話だろう?

 最初に手をつけたのは、彼女の女性そのものの部分を切り取ることだった。
 すでに、脳という、彼女の人間としての尊厳そのものを散々に犯したからね。次に、女性としての象徴を彼女から奪いたかったんだ。
 例の解剖用のナイフを持つと、私は、彼女の外性器のあたりに刃先を押し当てた。
 それから、ゆっくりと刃先を彼女の体内へと押し込んでいったんだ。
 陰核や小陰唇はもちろん、大陰唇のあたりまで残せるように、なるべく大きめに切り取ることにしたんだがね。なかなか難しい作業だったよ。
 あまり無理をして、すでに壊れかかっている膣をさらに壊してしまうのは避けたかったし、だからといって、それが女性器だとわからないような肉塊にしてしまうのも嫌だった。
 だから、私は、慎重に、慎重に、作業を進めていった。
 厄介だったのは、刃先が恥骨に当たってしまったときと、女性器と直腸を隔てるわずかな壁を切り離すところだったね。
 まあ、直腸と肛門に関して言えば、私はあまり興味がなかったので、まあ、多少は壊れてしまったとしても、女性器そのものを残すことを目的として、しっかり切り取っていった。
 ナイフがようやくぐるりと一周したのを確認してから、私は膣口から指を突っ込んでしっかり保持すると、少しずつ手前に引き出していったんだ。
 ずるり。と、彼女の女性だけの部分が抜け落ちたのを見たときの嬉しさは、なかなか表現が難しいね。あの喜びに相応しい言葉を、私は今も捜しているんだ。
 女性だけが持つ器官を、目の高さに持ち上げてじっくりと観察してから。
 私は、それで自分の陰茎を包もうと、彼女の入り口から再び侵入を試みた。
 膣壁はかなり壊れているから、支えも無い状態で包んだままでいられるか心配だったが、これは意外とうまくいった。
 私の陰茎はさらに元気になっていたが、それをしっかり包むことができたよ。
 そして、その先端には、子宮という大きな塊と、それに連なる卵巣とがぶらさがっているんだ。
 まるで、何か別の生物に見えたよ。

 下着というよりは、ペニスケースと呼ぶほうが相応しいそれに満足した私は、次の作業に取り掛かることにした。次の作業は、彼女の胸郭内をあらわにしようというものだ。
 まあ、すでに息はないだろうが、一応、心臓が止まっていることくらいはこの目で確認しておくべきだと思ってね。
 かつて見た司法解剖の映像や法医学関連の学習用の映像などを思い出しながら、彼女の首あたりから腹にかけて、Y字を描くようにしてナイフを走らせた。それから、肋骨にそって刃を滑らせるようにしながら、彼女の皮をはいでいく。
 可愛らしい胸を剥ぎ取り、彼女の肋骨が広範囲に露出するような状況にしてから、私は大型のワイヤーカッターを取り出して、肋骨を一本一本切断していったんだ。
 骨を切るためののこぎりもあったんだが、一本ずつ真面目に切断していく気分じゃなかったんでね。かなり乱暴な方法だとは思うが、速いんだから仕方が無い。
 すべての肋骨を断ち切ってから、胸骨のあたりをつかんで持ち上げると、彼女の胸郭があらわになる。
 自分の目を疑ったよ。
 本当に微かで、ひどく間隔が開いているものの、彼女の心臓はそれでも動いている。
 生きているんだ。
 頭に穴を開けられて、脳を犯され。
 腹部を切開されて腸を引きずり出されて、女性器を切除され。
 肋骨を切断されて、胸郭があらわになっていても。
 生きている。

 私はカメラを手招きしながら、そのけなげに動いている心臓を映像におさめさせてから。
 カメラが見ている目の前で、ナイフを使って心臓を切り取った。
 そして、つい先ほどまで動いていた心臓を私の頭上に持ち上げて、握りつぶすような形で心臓をしぼった。
 最後の最期に心臓内にあった血液が、私に降り注ぐんだ。
 小柄な少女のものとはいえ、心臓というのは結構な大きさなのだね。驚いたよ。おかげで、頭はもちろん、肩や胸のあたりから腹や背中を通って、腰のあたりにまで流れ落ちてきた。
 私の手で、彼女の人生を完全に終わらせてから。私は、彼女を黙々と破壊していった。
 乳首だけを切り落として、そのまま口に含んで噛んでみた。歯ごたえはなかなかで、面白い食感だったのだが、何しろ生肉で血抜きもしていないからね。味がどうなのか、よくわからなかったんだ。
 だから、次は、乳房を切り落として焼きゴテに使った炭火で焼いてみてから、それにかじりついた。
 これも微妙だったね。
 まあ、もともと血抜きをしていないから、そのまま食べると生臭さが残ってしまうのかもしれないし、そもそも、乳房は脂肪の塊のようなものだからね。
 まあ、結局のところ、肉の味よりも、人を食しているという事実に興奮と喜びを覚えたという感じだろうね。

 あとはもう、ひたすら彼女を破壊し続けた。
 左の目玉をくり抜いたり、口に心臓を咥えさせたりしてね。
 腕、足、首を切り落として、胴体の上に盛り付けたりもしたよ。あれは生け花をやっている感覚に近いのかな。
 散々に切り刻み、ボロボロになった彼女だが、首から上については、片目を抉り出すだけにとめておいたから、綺麗なものだった。
 白い肌に、点々と飛び散った血が描かれていてね。
 そんな彼女の口から心臓を取り出すと、大きく開けた口にそっと唇を重ねたんだ。
 それから、彼女の口腔内に引っ込んでいた舌に噛み付いて、引きずり出しながらたっぷりと味わった。
 甘くて、とても美味しい舌だったよ。
 生きているときにキスを交わしたときとほとんど変わらない、甘い舌だった。

 無残な骸となった彼女を、野犬の餌にして喰い散らかされる姿をカメラで撮影するように指示すると、血まみれのベッドに座り込んだ。
 時計をちらりと見てみたら、彼女と引き合わされてから六時間以上が経過していたよ。
 六時間。
 そんなに時間がたったとは思えないくらい、あっという間だったね。

 疲れ果てて座っていると、あの小男が拍手をしながら近づいてきた。例の通訳を連れてね。
「いや、なかなかの作品だったよ。素晴らしい」
 そう言いながら、手を差し出してきたんだ。
 私はその手を握り返すと、意図を簡単に説明してやったんだ。
「最初の部分だけなら、児童ポルノとして売り出せるだろう。中盤だけなら拷問系の嗜好を満たせるだろうし、洋ナシのあたりからは純粋な殺人ビデオとして見れるはずさ。無論、すべてを通して見たっていい。あとは、特に酷い部分だけ抜粋して、黙らせたい連中に見せてやればいいはずさ。これでどうかな?」
 何しろ、その時の私はかなり疲れていたからね。横柄な口調になっていたかもしれない。だが、彼はそんなことはまったく気にせずに、ただただ笑って答えるんだ。
「最近の顧客の中じゃ、かなり上出来な作品だよ。機会があれば、また来い。歓迎するぞ」
 私はその誘いに、うなずくだけで答えた。もう、そのまままぶたを閉じて寝てしまいたい衝動にかられるくらい、疲れていたんだ。

 気がついたら、私は車の中にいたよ。
 例の、私たちを置いて逃げたはずのドライバーが、車を運転している。
 編集さんも疲労の色が見えるが、大量の殺人ビデオの観賞を強いられたり、先ほど人を殺してきたばかりの男の後始末で疲れているという雰囲気ではなかった。

 そう。
 きっと、あれは夢だったんだね。
 かなり鮮烈な夢だけど、きっと夢だったんだよ。
 皆を満足させるために、人を殺すという行為について深く知りたい。
 そんな探究心がきっかけとなって、私にあんな夢を見せたんだろうね。
 それに、あれは夢だということにしておかないと、私は若い少女を自分の都合のために殺した殺人鬼ということになってしまう。
 だから。
 あれは、夢だったんだ。
 間違いない。

 だけど、あの夢を見れたおかげで、作品に深みが増したというのかな。あの旅行の後の作品からファンからの手紙が少しずつ増えていったよ。
 嬉しいことだね。

 うん。
 確かに、彼とは今でも連絡を取っている。
 私が簡単な脚本を書いてね。彼は、その脚本をもとにした映像を作って、こちらに送ってくれるんだ。
 ああ。いくらか手元にあるよ。見てみたいのかね?
 ふむ。
 まあ、教えてあげるのはかまわないが、それから先がどうなるかは、私は保証しないよ。それでかまわないというなら、メモを書いてあげるから、連絡してみるといい。

 ああ。あと、彼のコレクションの中に、『女性、白人、金髪、一五歳(長編)』と書いてある作品があったら、なるべく見ないようにしておいた方がいいよ。
 何しろ、私の夢にそっくりな映像だからね。
 それに、同じような話を二度も見たり聞いたりするんじゃ、退屈だろう?

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