極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 02:36:04 ID:CQbow02x
一昨年に続き物を2作品投稿しました。今回その続編を思いついてしまったので書いてしまいました。
前作の続き物なので初見の人のためにも、前作も微修正した上で含めています。
量が多いので、ロダを使わせていただきます。

ヒロインは、きら●ん☆レ●リューションの人たちです。
全編蟹場。トンデモ料理ばかりなので吐かないようにご注意ください。
それでも読んでいただける方は下記から、パスは蟹場をローマ字でどうぞ。

ttp://u3.getuploader.com/eroparo/download/81/%EF%BC%93%E6%9C%AC%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88.txt

※前々作…月蝕、前作…月の裏側



★題名 『団欒』
●「団欒」プロローグ

私はテレビを見ていた。目が疲れてきたせいもあり、ふとテレビから目を放した瞬間、突然あの音が鳴った。

高くよく透る音でありながら、柔らかな丸みを帯びさせたような音。字幕によるニュース速報だ。

次に出てくる文章がどういうものか?期待に胸が膨らむ。

『タレント3人の乗ったチャーター機が行方不明』

「やったぁ!」


期待通りの文章に、歓喜の言葉がつい口を突いて出てしまった。
いかんいかん。こういう荒んだ1人暮らしをしていると、人の不幸というものが蜜の味に思えてきてしまう。
我ながら少しは自重すべきだろう。
しかし、タレント3人とは一体誰だろうか?しばらくはニュースを見るのが楽しみになりそうだ。

この時の私は、自身が当事者であることなど知る由もなかった。


●「団欒」1/25

翌日には、次第に詳細が明らかになってきた。
行方不明となっているのは、村西事務所所属の若手人気アイドル3人とそのマネージャー1人、そして飛行機のパイロット1人。
アイドルは、観月ひかる、雪野のえる、花咲こべにの少女3人だ。
2年前から行方不明となっている月島きらりのユニット相手だった者たちだ。
何かのロケで遠くの島に向かおうとしていたチャーター小型飛行機が、海に落ちたそうだ。
機体の破片らしき残骸と、燃料らしき油が海面に浮かんでいるのを確認できたものの、人影は確認できていない。
生存は絶望視されている。

「よりにもよってこの3人とは・・・。」

私はこの少女たちに会える日を楽しみにしていた。
例の店のオーナーには、何度も何度も依頼していたのだが、一向に色よい返答はなかった。
こんなことになるくらいなら、もっとしつこく食い下がるべきだった。
いや、それよりも私自身の手で実行に移すべきだったか・・・。

いやいや、私にそのような実行力はない。
そんなことは自覚していつつも、先に立たない後悔に突拍子もない妄想で対抗しようとする。我ながら情けない。
私の中に居る彼女に申し訳がない。

ふと気がつくと、後悔の海に沈む私の心の中で携帯電話が鳴っていた。
違う。現実に鳴っているのだ。私に電話がかかるなど珍しい。

電話の相手は、例の店のオーナーだった。さらに珍しいこともあるものだ。


●「団欒」2/25

「お久しぶりです。ところでテレビは見ておられますか?」
「はあ、見ていますが。それが何か?」
「今テレビで話題の食材を入手できたことをお伝えにお電話を差し上げた次第です。」
「え?あ?ま、まさか?」
「はい。以前からあれほど熱心にご依頼をいただいてましたのでね。」
「こちらとしても早くご期待にお応えしたかったのですが、物事には段取りとタイミングが重要でしてね・・・。」

私は驚きと喜びに言葉を失ったが、なんとか振り絞り声を発した。
「で、で、では!早速明日にでも伺います!」
全然、音量調節がなっていない上ずった私の声にオーナーは、たしなめるように言った。
「まあ、そう慌てなさんなって。」
やや重い間が空いた。

「美味しく召し上がっていただけるころに、また連絡させていただきます。」
「ただ、今回は大掛かりで費用が掛ってますんで、それなりの覚悟はしておいてくださいな。」

私はひとしきり礼を言いながら電話を切った。
しかし、良い意味でも悪い意味でもあのオーナーは人が悪い。費用も彼女の時の6倍を下らない。
いっても3倍くらいと思っていたのに完全に足元を見られてしまっている。
まあ、でもいい。楽しみに待っているとしよう。


●「団欒」3/25

「ようこそおいでくださいました。」
「ああ、久しぶりだね。」

彼女を堪能してからというもの、この店には暫く来ていなかった。
それは、何を食べても彼女と比較してしまい、以前ほど美味しいと思えなくなってしまったからだ。

久々に見たこの板長の人懐っこい笑顔にはほっとさせられる。

だが騙されてはいけない、この笑顔の裏にどんな食材でも料理してのける、恐ろしい料理人としてのオーラを感じる。
油断すると、この私でさえ料理の具材にされてしまいそうな怖さだ。本物を知るものにしかわかるまい、この気持ち。

「ご注文はこの少女たちで間違いありませんか?」
以前と同じように、カウンター上でこちらを向くように少女たちの頭部のみが飾られている。
彼女は笑顔だったが、この少女たちは安らかな顔で目を閉じ、まるで眠っているようだ。
手前から、雪野のえる、花咲こべに、観月ひかる、間違いない。テレビで見たステージで歌っていた少女たちが今、目の前に居る。
間近で見ると、とても可愛い少女たちだというのが良くわかる。さすがは人気アイドルだ。独り頷いた。
「うむ。」
そして・・・奥にさらにもう1人。

「誰だいこれは?」
「はい。こうしてめがねを外すと、ほら、結構美人でしょう?ひそかにわたしのお気に入りなんですよ。」
「で、誰なんだい?」
「えっと、この3人のマネージャーさんですよ。」
「ほほう?」
「いえね。仕入れの予定にはなかったんですが、捨てるのもなんなので、一緒に料理しようと思いまして。」
「うむ。見たところ二十代後半から三十に満たないくらいか。まあ若いな。」
「はい。聞くところによると月島きらりのマネージャーもやっていたそうですよ。」
「彼女の?」
そう聞いて、私の心は決まった。
「よし、この女も一緒に頼むよ。」
「かしこまりました。あなたにならそう言っていただけると思ってましたよ。」


●「団欒」4/25

さっそく突き出しが出てきた。火を通した細切り肉と、キュウリと酢の和え物のようだ。
なぜか、小さな色違いの器が4つあり、すべて少量ずつ同じ料理が入っている。
おもむろに、色鮮やかな黄色の器に箸をつけた。さっぱりしたよい味だ。

「今回の突き出しは、わりと普通の料理だね。」
「もしかして、器が4つあるのは、材料の違いなわけかい?」
「はい、お察しのとおりです。」
「今、お取りになった黄色の器は、花咲こべに嬢。」
「青の器は、雪野のえる嬢。赤の器は観月ひかる嬢。そして、紫の器はマネージャーである雲井かすみ嬢です。」
「ほら、彼女たちにも同じ色の髪飾りを付けています。」
「このあとの料理も器などで、色分けしてまいりますので、ぜひそれぞれの食材の個性を比べてみてください。」
「ほう。こりゃあいい。私の味覚を試すチャンスだな。」

さっそく、すべての器の料理を食べ比べてみた。
どれも酢の味が強くて味の違いは正直よくわからないが、微妙に肉の硬さと脂ののり具合に違いがあるようだ。
赤の器が一番柔らかく、青の器が一番脂身が少ない。きっと、生活習慣と年齢で違いが出るのだろう。
なるほど、ほんの少しとは言え、意外と違いがあるものだ。


●「団欒」5/25

「では、お腹がお空きのうちに、メインをお出ししておきましょう。」
「待ってました。あの料理かね。」
「と、その前にそこに近い部分をお先に用意しました。」

板長は、鍋から蒸し焼きにしていた料理を取り出し赤の皿に載せた。
太くて短くずんぐりとしたソーセージのような形をしたものが、アツアツの湯気を立たせている。

私は目を疑った。
穴の周りの1センチ程度を肉ごと切り取ってある、なおかつその裏側には管が繋がったままだ。
20センチくらいあるその管の先端は結わえてあり、はちきれそうなくらいに詰まった黄色い中身が透けて見えている。
そして、少し拡がったその穴からは、その黄色い物体が顔を覗かせている!

これは尻の穴だ、しかもそれだけではない。繋がった腸に何かが詰まっている。
スカトロビデオや映像程度なら何とも思わないが、さすがに食う趣味はない。こんなものが食えるか!

怒りに震えてその言葉が口を突いて出ようとする矢先に、板長は先手を打った。
「ひっかかりましたね。」
板長はいたずらな子供のように微笑んだ。

「失礼、冗談が過ぎました。お詫びします。」
「まあ、騙されたと思って食してみてください。その証拠に臭いはしないでしょう?」


●「団欒」6/25

言われてみればそうだ。私は恐る恐る、穴から覗く黄色い物体を箸で摘み取り口に運んだ。
濃厚な肉と野菜の旨みが口に広がる。これはミンチ肉に野菜を混ぜたつくねだ。そしてこの黄色い色と風味はターメリックか。

さらに味わうべく、尻の穴を箸で拡げ、中からつくねをほじくりだし、大きく頬張った。
ひとしきり口中で咀嚼し、味わい、飲み込んだ。
「うまい!」

「いやあ、恐れ入った。本当に見た目はあれにそっくりだったよ。危うく料理を床に叩きつけるところだった。」
「すいません。あなたにならこのユーモアは気に入っていただけると思ったんです。」
「ユーモアにしてはブラックすぎるが、この味はなかなか気に入ったよ。」
「ところで、この肉は、どこの部分かね。」
「この尻の穴の周囲からとった肉です。」
「肉の味も柔らかさもいい。さすがに若さ溢れる味だ。」

私は安らかに眠るひかる嬢の顔を見ながら心の中で礼を言った。

皿の上には、だらしなく口を拡げて横たわる空のチューブが残っていた。
私はそれを箸で摘みあげ、口に運んだ。
噛むとそれは口中でくちゅくちゅと音をたてていたが、すんなりと喉の奥へと消えていった。


●「団欒」7/25

「あと3人分同じ料理を用意してあるのかね?」
「もちろんです。」
「じゃ、1つの皿に盛ってもらえるかな。」
「いいいですよ。どうぞ。」

大きな皿に3人分の料理を載せてもらった。尻の穴をすべてこちらに向けて並べてある。
先ほどよりも中身を少なくしてあるためか、菊門はその形を保っていた。
先ほどのは、それっぽく見せるために、あえて内容物をパンパンに詰め込んであったのだろう。

「ははははっ。こうやって見るとなかなかに壮観だねえ。」
ホカホカの湯気の中で並ぶ3本のアナル。

「おやおや、1人だけイボ痔が出来てるぞ。それに形もいびつで脱肛気味だ。」
「お気づきになりましたか。それはマネージャーさんです。」
「ああなるほど、少し黒ずんでるし、歳の差がこういうところにも現れるものなんだな。」
「美人なのに気の毒に。結構苦労してたんじゃないでしょうか。」
「そうかもしれんね。」

私はおもむろにマネージャーであるかすみ嬢のそれを摘み上げると、アナルの側から半分を噛み千切った。
いびつだったアナルがつくねと共に口の中でハーモニーを奏でる。せめてもの供養に美味しく食べてあげよう。そう思ったのだ。
こうしてかすみ嬢も喉の奥へと消えていった。


●「団欒」8/25

「残るは、のえる嬢とこべに嬢か。」
「なるほど、実に綺麗な形をしているものだな。」
2人とも食べるのが勿体無いくらい、綺麗に閉じた菊の形をしている。だが、綺麗過ぎるものは壊したいという衝動も沸いてくる。

1つの菊門を箸でほじくり拡げてやる。弾力を失っているそれはいとも容易く拡がり成すがままだ。
箸で腸の端を押さえ、奥からつくねを押し出してやる。すると、拡がったアナルからムリムリとつくねが這い出してくる。
「わははははっ。」
生前は、出てくるものこそ違うものの、毎日のようにこんな光景が見られたことだろう。

私は女とは醜い生き物だと思っている。
どんなに美人だろうが、顔が可愛いかろうが、アイドルだろうが、こんな醜い部分を隠し持っている。
可愛い女の化けの皮がはがれるこんな料理は大歓迎だ。実に愉快だ。楽しくて仕方がない。

「まさか、4人とも尻の穴に自らのミンチ肉を詰められるなど、思いもしなかっただろうね。」
「しかも、こんなに美味しく食べられてしまうなどと。」
「ええ、まったくです。同情しますよ。」
「君が言えた義理かね?」
「ええ、まったくです。」

冗談の混じりの楽しい雰囲気が、食欲を増進させていく。
もう1人の菊門も同様の状態にして醜い姿を堪能したのち、すべて平らげた。残すことはしない主義だ。
ちなみに、最後に食べたのがのえる嬢だ。脂身が少なくさっぱりした味だった。


●「団欒」9/25

「では、お待ちかねの料理とまいりましょう。」
板長は青と紫の2つの大皿を取り出した。
まるで赤やピンクの花が咲くように一面に広がり、盛り付けられた肉の皿。カルパッチョだ。
肉は、陰唇やクリトリス、膣壁などといった性器と恥丘などその周辺部分のみを使用している。
しかも、その盛り付けは、元の形を容易に想像できるという芸術品だ。

「おおーお!やはり感動ものだよ。しかもそれが2つも並ぶなど。すごいねえ!」
「もうおわかりでしょうが。青の皿がのえる嬢、紫の皿がかすみ嬢です。」

見るまでもない。
肉の瑞々しさ、陰唇の皺、メラニン色素の沈着具合、どれを取ってみても紫の皿は分が悪い。
味はどうだろう?青の皿から膣壁と思しき部分を摘み上げ口に運んだ。

「うまい!」
自然と気持ちが声に出た。だが不思議だ。
以前、彼女のときは味があまりしなかった。だが今回はもっと濃い肉の味が口中に広がった。何故だ?
紫の皿からも同様の部分を口に運んだ。やはり同じようにうまい。
ソースに秘密が?いや、これはただのオリーブオイルと酢をベースにしたソースだ。では一体何だ?

2つの皿をまじまじと見つめるうちに、もう1つの違和感に気がついた。
「陰毛がない・・・。」


●「団欒」10/25

「気づかれましたか?その通り陰毛はすべて除去してあります。」
「月島きらり嬢の陰毛は薄く、そのままでもお召し上がりいただけるくらいでしたが・・・」
「このお2人はとても濃く、そのままでは見栄えが悪いので、すべて取り除いた次第です。」
違う。陰毛の有無でこのような味の違いが生じるわけがない。

まてよ、前回はその場で盛り付けをしていたが、今回はあっという間に出てきた。
しかも2つもだ。さらには陰毛の処理まで済ませて・・・。
もう一度、膣壁を口に運び、舌の上で転がした。
全体に旨みを帯びている。表面の粘膜細胞が旨みに転化しているようだ。間違いない。

「そうか!肉を数日間寝かせたな!」
謎解きに夢中なあまり、つい答えが口を突いて出てしまった。
「ご名答!」
板長がにっこりと微笑んだ。

「さすがですね。」
「おっしゃるとおり、この皿は盛り付け後、3日間氷温で寝かせておいたものです。」
「前回は、味がしないとおっしゃっておられましたので、今回はその反省を生かしました。」

「月島きらり嬢の時は、できるだけ鮮度にこだわり、屠殺を調理前日の夜としました。」
「今回は仕入れ後すぐに屠殺を行い、熟成させるというプロセスをとっています。」


●「団欒」11/25

「なるほど。となると、ソースに愛液は?」
「残念ながら入っておりません。」
やはりそうか。あんな手間のかかることを、しかも人数も多いのにできようはずもない。
納得する私に板長がさらに説明を続ける。

「月島きらり嬢は、実に素直な性格で、すべてこちらの思い通りに事が運びました。」
「肉質を落とさぬよう、ストレスを感じさせず数日間リラックスした状態で過ごさせることもできました。」
「あの笑顔にしてもそうです。あの表情は彼女であればこそだったと思います。」
確かにそうだ。今でも彼女の笑顔を思い出す。あの笑顔を眺めながら食する彼女の肉は最高の味だった。

「ですが、ここにいる少女たちに、それを求めることは無理でした。」
「肉質を落とさないよう、屠殺を速やかに行うことこそが最善の方法だったのです。」
なるほど、ここに並んだ首の表情にはこういう事情があったのか。

謎も解けたことだし、料理を味わうとしよう。


「しかし、年齢の違いがあるにせよ。色も艶もここまで違いがでるものかね。」
かすみ嬢のびらびらの小陰唇を箸で摘み上げて、のえる嬢のそれと比較する。

「ええ。では、材料について説明を少し。」
「雲井かすみ。年齢は29歳。調査によると事務所社長とは恋仲だったとのこと。」
「まあ、ここにあるものは社長のペニスのためのオナホールだったのかも知れませんね。」
「ぶっ!こらこら、これから食べようというときに酷いじゃないか。」
「あっ。すみません。」
悪戯な笑顔を見せながら、板長は謝罪した。
まったくこの板長は悪戯が過ぎるのには困ったものだ。


●「団欒」12/25

2つの皿の小陰唇を食べ比べてみた。のえる嬢のそれは少し硬めでしゃっきり噛み切れる感じ。

かすみ嬢のそれは、柔らかくぐにゃりとした感じだ。だが、ほんの僅かだが旨みが違う。

「これは意外だ。」

驚いたことに、噛みしめれば噛みしめるほど、かすみ嬢の方が旨い。何度食べ比べてみてもその結果だ。
「かすみ嬢の方が旨いよ。甘みがある。驚いた。」

「そうですか。白人よりも黒人の肉の方が旨いという話も聞きますね。」
「もしかすると、メラニン色素による味の違いがあるのかも知れませんね。」

クリトリスの部分はどうだろう?
かなり黒く変色した包皮の下に、小さなピンクの真珠が隠れていた。

「包皮部分にもかなり色素が沈着していることから、この部分で自慰もしていた模様ですね。」
「マネージャーという忙しい仕事柄、熟れた体の火照りを、独り慰めることも多かったのでしょう。」

彼女のものは、あるかないかわからないぐらいだったが、これは大きすぎず小さすぎずといったところか。
陰唇の上端とY字型に連なったそれを口に含んで舌の上で転がす。

恋仲の社長とやらも、この舌触りを楽しんだのだろうか。
だが、さすがにこうやって噛み砕くなどということはできまい。はははっ。

私はその優越感とともに、かすみ嬢のそれを歯ですり潰した。
みるみる形を失って粉々になっていく。やがて、かすかに血の味を残してそれは喉の奥へと消えていった。


●「団欒」13/25

のえる嬢を味わってみよう。
こちらの肉には、全体的に若さを感じる。
旨みの点はかすみ嬢に軍配が上がったが、しゃっきりした歯ごたえとさっぱりした風味はこちらの方が上だ。

「クリトリスは、っと。」
かすみ嬢に比べて、かなり包皮が盛り上がっていると感じていた。
皮をどけてみるとやはり見事な大粒の真珠が隠れていた。真珠の先端を摘んで引っぱった。
「うおっ!!」
思った以上に長い。
肉の下からズルズルと引き出したものは、小指の太さほど、長さは指先から第二関節くらいまであるだろうか。
「こ、これはペニスではないか!」
形にしても、色にしても、ペニスにそっくりだ。小さいものの、カリのようなくびれまで見て取れる。

「では、材料について説明を。」
驚く私の表情を見て、「してやったり」といった表情で解説を始める板長。

「雪野のえる。16歳高校1年生。夢は金メダルというスポーツ少女。」
「さっぱりした性格で男勝り。今回屠殺の時にも、大立ち回りを演じています。」
「柔道の投げ技で男2人を投げ飛ばし、危うく逃走されそうになったとか。」
「きっと、男性ホルモンが多いのでしょうね。」
「なお、恋人はいません。おそらく処女だったと思われます。」

「ふーむ。なるほど・・・。」
「ネット画像でこういうのを見たことはあるが、実際にあったとは。」
「ええ、これほど大きいのはとても珍しいと思いますよ。珍品です。珍味だと思いますよ。」
なるほど、珍味と言えば聞こえはいい。料理の世界で珍味といえばそれだけで価値が上がったように思えてしまう。
しかし、あの可愛い顔で、こんなグロテスクなものを隠し持っていたとは。女とはつくづく面白いものだな。
ボーイッシュなのえる嬢の寝顔を眺めながらそう思った。


●「団欒」14/25

箸で摘み上げ、おそるおそる口に運ぶ。
つるつるの細長い棒の表面の感触を楽しむ。カリのような段差が舌に当たる。
私にそんな趣味はないが、フェラチオとはこういう舌触りなのかもしれない。
しかし、血抜きをしていてこの大きさだ。勃起していたら一体どれくらいの大きさになったものやら・・・。

歯で噛もうとするが、かなり抵抗感がある。だが力を込めるとぐにゃりと表面に歯が食い込んでいく。
思い切って噛み潰すと、ぷつっとした感触とともに中から汁のようなものが口中にあふれ出してきた。
これは濃厚な血の味だ。思わず吐き出しそうになるが、ぐっとこらえ、噛まずに急いで飲み込んだ。

ドリンクで口中を洗い流し一息ついた。
「ふーっ。」
「如何でしたか?」
「うーん。これほどの大きさともなると煮物か何かにした方が良かったね。血の味が強い。」
「そうですか、申し訳ありませんでした。今後の参考にします。」

こうして、2つの皿の肉を交互に食べながら、完食したのだった。


●「団欒」15/25

「では、次にまいります。」
「さすがに、カルパッチョばかりというのはどうかと思いまして、別の料理に調理しました。」
「確かにそうだな。」
「ではこれです。」

赤の皿の上に置かれたのは、これまた蒸し焼きだ。
大陰唇の外側で切り取られた性器の形はそのままに、周囲の陰毛も生えたままだ。性器の裏側に膣が繋がっている。
さらに膣には、これまた肌色で極太のペニスが奥まで突き入れられている。
それらが皿の上に横たえられ、ホカホカの蒸気を発している。

「こりゃまたズバリそのままだな。」
板長の趣味に苦笑しつつも、それが楽しみで仕方がない自分がいる。

「では、材料と料理について解説します。」
「観月ひかる。15歳中学3年生。歌とダンスの才能に定評がある。」
「事務所では最年少。勝気で生意気な感じが売りの、元気な少女でした。」
「極度のアガリ症だったものの、月島きらりとユニットを組むことで克服。最近はソロで活動していました。」
「ちなみに、幼馴染の恋人がいて、初体験は済ませていたようです。」

「なんと!子供のくせに生意気な。」
「まあ、最近の子供は進んでますからね。普通でしょう。」
「料理ですが、そのひかる嬢の初体験をイメージしてみました。」
「挿入されているペニスは、本人の脛や腕の肉をミンチにしたものを大腸に詰めたソーセージです。」

「なるほど。しかし、ペニスは子供のそれにしては太すぎだろう。」
「まあそうですが、そこは演出というやつでして。ある程度の太さがある方が挿入っぽくていいでしょう?」
確かに、この膣口の拡がり具合はリアルだ。


●「団欒」16/25

ではいただくとしよう。
まずは、この極太ソーセージにフォークを突きたてて引っぱる。ズルズルと這い出してくるソーセージはかなり長い。
ソーセージにはどろりとした赤いものと白いものが纏わり付いており、膣から皿の上に流れ落ちる。
すべてが抜けたあとの性器は、勲章だと言わんばかりに赤と白で彩られ、膣内の襞を見せ付けるようにぽっかりと口を開けていた。

「赤いのはトマトソース。白いのはドレッシングです。」
「なるほど初体験か。」

ソーセージに歯を立てると、プツンと弾けて中の肉汁が口中に広がった。
その見た目の色の薄さと裏腹に、中身はピリピリと辛いスパイスで味付けされている。まるで口の中に火が点いたようだ。
だが、さっぱりとさわやかなトマトソースとドレッシングが、その火を和らげてくれる。実に絶妙な味付けだ。

「うむ、美味い。さすがだ。」
「ありがとうございます。」

ソーセージはあっという間に平らげてしまった。あとには、性器がまるのまま残ってしまった。
この手の見せる料理というものは、どうしてもこういう無駄な部分が残ってしまうものなのだ。
通常であれば廃棄処分だ。が、私にとってはこれこそがメインだ。

まるで、自らの性器を自慢げに見せ付けて誘惑しているかのようだ。いかにも生意気な少女らしい。
こうして見ると、ひかる嬢の寝顔が、どこか得意げな表情をしているように思えてくる。
なんだか腹が立ってきた。


●「団欒」17/25

「こうしてやる。」
ナイフとフォークを手に取り、無造作に性器の左側大陰唇にフォークを突きたてた。
クリトリスに刃先を定め、そこを中心にして全体にナイフの刃を引きおろした。
蒸しあげられた性器はいとも簡単に両断され、その断面を晒した。小ぶりのクリトリスは潰れて跡形もなく、膣の襞がまる見えだ。
トマトソースとドレッシングで味付けされた膣は、根元から切り取り、フォークにくるくると絡めとリスパゲッティのように食した。

続いて小陰唇に狙いを定め、その部分だけを切り取ると、まるで、貝ひものようだ。
口に入れたそれは、よく熱が通っており塩味が付けてある。

大陰唇を縦に切り分けた断面には、表皮の下にうっすらと脂肪の層があるのが見える。
口に運ぶと、まったりとした脂肪分とじゅわっと広がる肉汁が絶妙なハーモニーを奏でる。
肉はとても柔らかく、味は鳥肉のそれに似た感じだ。

「こちらは、昆布の粉末を混ぜた天然塩をすり込んで味付けしています。」
「よろしければ脇にお付けしたからしをつけてお召し上がりください。」
からしをつけてると、これまた鮮烈な刺激がたまらない。実に食が進む。

こうして、ひかる嬢もほとんどすべて私の胃袋に消えていった。
ただ、彼女の時と違い陰毛は残した。やはり毛は食い物には向かない。
皿の片隅に残された縮れた陰毛に悲哀を感じつつも、どこか笑いがこみ上げるものがあった。生意気な女も形無しだ。


●「団欒」18/25

「では、続きまして。」

今度は皿ではなく、炭火コンロが目の前に置かれた。
板長はコンロに焼けた炭を入れてから、大きな貝がらを取り出すと、コンロの上に載せた。
実に見事な大きさの鮑の貝がらだ。
貝の内側では醤油のような液体が満たされており、その中に肌色の物体が半分沈められている。

「焼きアワビです。」
「ははは。この料理はいずれ来ると思ったよ。」
「あれ?想像できました?」
「まあ、アワビは女性器の比喩としても使うからねえ。」
「でも、ただの焼きアワビではありませんよ。お楽しみに。」
板長は自信たっぷりだ。

肌色の物体とは、当然のごとく女性器だ。
ぷにぷにとしたふくよかな大陰唇の外側で楕円形に切り取られた性器の真ん中は、その中身を隠すようにぴっちりと縦一文字に閉じている。
陰毛は完全に処理されており、肌に見える無数の微細な毛穴のみが、そこに陰毛があったことを物語っている。

「解説します。」
「花咲こべに。16歳高校1年生。特技は占い。よく当たると評判でした。」
「一見、おっとりした性格に見えますが、とても芯の強い少女だったようです。恋人はいません。」
「屠殺の際は、毅然とした態度で、男たちを睨みつけていたそうです。」
「さらには、『悪人にはきっと天罰が下るでしょう。』と言っていたとか。」
「現に、そこに立ち会った人間全員に、事故や急病、身内の不幸といった出来事があったそうです。」

またまた、この板長はさらりと恐ろしいことを言ってのける。


●「団欒」19/25

「こらこら、また、これから食べようとするのにやめないか。」
「いえ、残念ながら事実ですので。一応申し上げておかないと。」
「どうされます?」
「いや、どうもこうも・・・。もう肛門料理食ったあとだし。」
「や、失礼。そうでした。」

ふん。例え呪いの料理だろうが何だろうが腹に入れてしまえば関係のない話だ。
世の中、神仏や超常現象を信じる輩は多いが、そんなものは人の弱さが作り出した幻想に過ぎない。
本当に神や仏が居るのなら、この娘たちは今も元気にステージで歌い踊っていたことだろう。
なのに現実はどうだ。この罪もない娘たちは、私の前でこんなにも無残な姿をさらしている。
一番罪深いはずのこの私が、今ここでのうのうと美味い食事をしているではないか。
この世に、神や仏など居るはずがない。

やがて、貝がらの上に満たされた液体が煮えてきた。ぐつぐつと音をたてながら醤油の煮えるよい香りが漂う。
細かな気泡が、艶やかな肌色の鮑を外側から取り囲み、その色を白く変えていく。

ぴっちり閉じていた大陰唇が次第に拡がってきた。まるで火に掛けられた二枚貝がその口を拡げるかのように。

「おお、これは!!まるで生きているようだ。」

やがて隠すのをあきらめたように、ぱっくりとその全てを開ききると、中に溜め込まれていた蒸気が一気に立ち上った。
曝け出された膣口と尿道口から、蒸気が勢いよく吹き出している。あまりの熱さにその口で喘いでいるかのようだ。
ぐつぐつと煮えたぎった液体が、膣口の内側で泡だっている。

「如何です?これぞアワビの踊り焼きです。」
「素晴らしい。実に素晴らしいよ。」
「まさかここまでリアルな演出を楽しめるとは思いもよらなかった。」
やはりこの板長、只者ではない。


●「団欒」20/25

口を開いたときはピンク色だった中身が、次第に白く変化していく。
頃合を見計らって、板長はペースト状の何かを、アワビ全体に塗り始めた。
何か旨みの強いものが焼ける香りが立ち込める。
やがて液体がなくなり、醤油と肉が焦げるような複雑な香りが立ち上ってくる。
実に食欲をそそるこの香り。そろそろ食べ頃だろうか。

貝がらをコンロから外して、目の前に置いた。貝がらが皿になっているのでこのまま食する。
まさに焼きアワビ。姿といい形といいそのものだ。
ナイフとフォークを手にスライスにした一切れを口に放り込んだ。

「ほほっ。これはまたアツアツだ。」
アワビには、よく火が通り、醤油とみりんの味がよく染みこんでいる。そして、さらに鮮烈な旨みが。

「旨い!!このペーストの旨みは一体?・・・・肝か?」
「ご名答。最後に塗ったものは、蒸した肝臓を裏ごししてペースト状にしたものに、酒と調味料を混ぜ合わせたものです。」
「ほう。なるほど。アワビの肝焼きか。ますますもって素晴らしい。」
こんなに美味くていいのだろうか?なんと私は幸せものだろう。

久々に感じた幸福感の余韻に浸りながら、食べ進めて半分まできたとき、クリトリスをほじくりだしてみた。
もはや少女たちのそれを比較するのが愉しみになってしまっている。これが最後かと思うと少し寂しい。
サイズは、かすみ嬢と同じくらいだろうか。こちらはうまく臭みも消えており、美味しく食べることができた。

こべに嬢のアワビは、かけらも残らず全て胃の中へ消えてった。
呪いの料理だなどととんでもない。これは至福の一品だ。


●「団欒」21/25

「では乳房料理にまいりましょう。」
「乳房の盛り合わせとなっております。」

大きな皿に原形のままの大小4つの乳房が盛られていた。
「ほほっ!こうして見るとそれぞれの個性がわかって面白いもんだね。」

大きな乳房が2つ。中くらいの乳房が1つ。小ぶりの薄い乳房が1つ。それぞれ、乳輪の大きさや色もまちまちだ。

「だが、これをどうやって食べるのかね?」
「失礼、こちらは未調理でして、後日調理します。」
「こちらは、今日は目で見て触って愉しんでもらえればと思います。」

乳房を揉んでみると、どれもひんやりと冷たい感触が手に伝わってきた。
冷蔵庫から出して間がなさそうだ。表面に弾力を感じるものの中にしこりを感じる。脂肪分が固まっているのだろう。
指で強く押すとその跡が元に戻らずに凹んだままになる。面白いので何度も何度も突付いて跡を付けまくってやる。
綺麗だった乳房の表面はもはやボコボコだ。

「では、まずは馬刺し風から。」
はっ、いかん。つい夢中になってしまった。これは後日の食材だった。

赤い皿の上に乳房がそのままの状態ででてきた。小ぶりの乳房に小さなピンクの乳輪が映えている。
彼女のそれよりもさらに小ぶりに思える。この可哀相なくらい薄っぺらい胸の持ち主が誰かは明らかだ。
よく見ると凍ったまま刺身のように縦にスライスされている。その切断面を箸で引き剥がすと、黄色と赤の断面が見える。
黄色い部分よりも赤い部分の方が多いようだ。

「お好みでにんにく醤油と、生姜醤油でどうぞ。」
まずは、生姜醤油にくぐらせ口に運ぶと、ひんやりとした冷たさが口中に広がる。
しゃくしゃくと凍った身を噛み切るときの心地よさ。舌の上で転がしたときの、まったりとした脂の旨み。
かなり脂っこいはずだが、生姜の風味と身の冷たさが、さっぱりした余韻を与える。
「うーん。たまらんねえこの甘くてとろける感触。脂と一緒に肉までとろけだす。まるで大トロのようだ。」
にんにく醤油で食してもこれまたよい。量が少ないのが残念だが、小ぶりの胸ならではの食感だろう。


●「団欒」22/25

「では、今度は焼肉でどうぞ。」
さきほどと同様にスライスされた中くらいの乳房が、青の皿に載ってでてきた。こちらも乳輪は小ぶりではあるが、色はやや黒っぽい。
断面は黄色い部分の占める割合が大きい。中くらいの大きさとは言え、乳腺の発達具合は十分だろう。
炭火コンロで焼かれた網で、その身を焼く。瞬く間に溶けだした脂身が、じゅわじゅわと音を立てて滴り落ちる。
ぼっぼっと赤く大きな炎が燃え上がり、黄色い脂身が白く沸騰し焦げ始め、瞬く間に真っ黒な煤が立ち上がる。
「うあはははっ。すごい脂だな。こりゃ。」

くちゃくちゃに小さく縮み上がった身を、ポン酢でさっぱり仕上げたタレにくぐらせる。
口の中では、アツアツのその身が舌を焼いてくる。
「あつあつあつ!」
「いやあ、さすがはのえる嬢。口のなかでも暴れてくれる。」
味の方は、甘みがあるものの脂っこささと焦げ臭さが前面に出て、あまり好みではなかった。やはり直火はお勧めできない。


「では、次はしゃぶしゃぶでどうぞ。残り2人分です。」
やや大きさが違うが2つの豊満な乳房が薄くスライスされて皿に盛られている。
剥がしてみると断面の面積もひかる嬢のそれとくらべるとかなり大きい。
断面の色は、全体に黄色くところどころ赤い斑点が見える程度だ。
どちらの乳房も似たような大きさではあるが、大きなピンクの乳輪と小さく黒ずんだ乳輪と個性が出ている。
どちらが誰なのかは、容易に想像がついた。

「湯にくぐらせて、全体に白くなったら食べ頃です。」

どこか寒ブリのしゃぶしゃぶに似ている。
昆布でダシをとったよく煮えた湯にその身をくぐらせると、その身は縮み上がり、黄色い断面が白く変わっていく。
それとともに溶け出た脂が点々と浮かびあがってくる。
食べ頃だ。こちらもポン酢でいただく。口に運んだそれはとても温かく、ねっとりと脂が舌に絡みつく。
だが、焼肉のときよりも甘みがつよく、肉のとろける食感もたまらない。

「うーん。これはいい!馬刺し風にも引けを取らない味だ。」
「ありがとうございます。」


●「団欒」23/25

「うまいうまい。」

湯にはかなりの脂が層になって溜まる、それをお玉で掬い上げて捨てながら、どんどんとしゃぶしゃぶを作る。
まさに、やめられない止まらないだ。
2つの乳房は、次第にその量を減らし、やがてはすべてが腹の中へと消えていった。どちらも甲乙付けがたい味だった。

ふーっ。随分とお腹が膨れてしまった。

「かなり脂っ濃かったでしょう?」
「まあね。」
「このあとは正統派の肉料理にまいります。大丈夫でしょうか?」

そうだった。今まで出された料理は、私の特殊な性癖に合わせたが故の所謂ゲテモノ料理の数々だった。
そして、ここからがようやく普通の料理だという。私としたことがすっかり忘れていた。
食材は4体もあるのだ。まだほんの一部分を食したに過ぎない。

「残念だが、もうあまり入りそうにない。あと少し、味見程度いただこうか。」
「かしこまりました。」

目の前の鉄板に脂が引かれる。これは先ほどの乳房のしゃぶしゃぶから出た脂を利用している。
旨そうないい匂いが湯気とともに立ち上がる。その上に、赤身の肉の塊が4個置かれた。それぞれ、直径20センチ、厚さ2センチ程度はあるだろうか。
ジュワッと焼かれた部分から鼻をくすぐる匂いが放たれる。まだ焼けていない赤身の面に、ささっと塩胡椒をふりかけて手際よく裏返す。
肉の表面に焼き目が付いて、実に美味そうだ。
適度に裏返しながら両面に火を通すと仕上げに赤ワインをふりかけて味を調える。燃え上がる赤い炎がとても綺麗だ。
よく熱しておいた大きなプレートに移し変えられて、目の前に置かれた。

「どうぞ。腿肉のステーキ4種盛りです。ミディアムに仕上げました。」

見事な赤身のステーキだ。ナイフで切り分けるとピンク色の断面から肉汁が染み出す。
どれも脂が少ないためくどくなく、肉そのものの味が良くわかる。数日間寝かされたことによる肉の柔らかさも格別だ。
もはやどの肉が誰のものか見た目で区別は付かない。だが、私の舌はその味と食感の微妙な違いをすべて捉えていた。

ひかる嬢、脂肪はやや少なめ。肉の柔らかさは一番。若さ溢れる味。
こべに嬢、脂肪はやや多いが、味と食感のバランスは一番。豊かな肉体を持った少女らしい味。
のえる嬢、脂肪はかなり少なめ。筋肉質のその肉は歯ごたえがある。躍動感溢れる味。
かすみ嬢、脂肪はやや多め。肉は硬くもなく柔らかくもなく。だが肉自体が持つ旨みは一番。熟した女の味。
どの肉も甲乙つけがたい。

今日のところはこれで終わりにしておこう。


●「団欒」24/25

「あー。食った食った。久しぶりに満足だったよ。」
「それはようございました。」

オーナーとは、店を借り切るのは2日間と約束している。
普段は著名人が出入りするこの店を、何日も休業にするわけにはいかないのだろう。
ましてや、外国のガイドブックに星を何個も付けて貰っている店だ。
よしんば長期間借り切ることができたとして、私にとっても、毎日肉料理というのは、正直つらい。
すでに対策は考えていた。

「明日のメニューですが、リクエストはございますか?」
「そうだな。さっきの腿肉のステーキは美味かったのでまたもらおうか。」
「焼肉もいいね。カルビ、ハラミ、ハツ、モツ、コブクロ、キモはもらおうか。各人少量ずつ盛り合わせてくれ。」
「骨髄でダシをとったスープも忘れずに。ユッケも付けてくれ。」
「そして、顔の皮。北京ダック風に照り焼きにしたものを頼む。北京マスクってとこだな。4人前だ。」
「あと、日持ちしなさそうな部分は脳みそか。料理方法は任せる。」
「かしこまりました。」

「残りの部分は、保存食として加工することでよろしいですね。」
「ああ。」
「リクエストがあれば承ります。」
「では遠慮なく。」

「腿と腕の肉はハム。骨付きのままでいい。左右の片方は生ハム、もう片方はスモークハム。」
「舌はスモークタンとペッパータンの2種類。誰をどれにするかは任せる。」
「焼肉の具になりそうな肉とホルモンの類は、タレに漬け込んで真空パックに頼む。」
「残った肉と内臓は、ソーセージにでもしてもらおうか。」
「それでも残った部分は全て煮込んでゼラチンとして分離してくれ、自分で菓子にでも加工するよ。」
「あと、どうやっても骨は残るだろう?乾燥後粉末に砕いてビンに詰めてくれ。サプリメントの代わりだ。カルシウムは取らないとね。」
「こんなとこか・・・。あ、そうそう。」
「乳房は、冷凍してスライスの上、真空パックでよろしく。」

「かしこまりました。」
板長は手早くすべてをメモに書き取った。


●「団欒」25/25

「じゃ、そろそろ行こうか。」
「はい、食後の余興でございますね。」

4つ並ぶ少女たちの顔。この可愛い少女たちの顔ともここでお別れだ。
板長と2人で4人の首を厨房に運び入れた。

厨房はかなり広い。普段ならば、ここはきっと戦場のような忙しさに違いない。
今は人も道具も材料も片付けられており、がらんとしている。
その中心にあるステンレスの大きな台の上に4人を置いた。
頭部の解体だ。ここで解体した食材が明日調理されるというわけだ。

オーナーとは約束していた。彼女のビデオを見てからというもの、私の中で別の何かが芽生えてしまっていた。
一度自分の手でやってみたくててどうにも仕方がなかったのだ。
なあに、方法なら彼女が解体されるビデオを何度も繰り返し見て、勉強済みだ。

ちょっと手元が狂って目玉や顔を大きく傷つけるかもしれないけど。問題ないよね?
しっかり顔の皮を剥いで、脳みそと舌を取り出してあげるよ。
「さて誰からいく?」

少女たちの寝顔が恐怖に引き攣っているように見えた。


●「団欒」 エピローグ

あれから数ヶ月。以前に比べると、荒んだ心が癒えてきたように思う。
大量の保存食があるおかげだろうか。一度には食べず、ほんの少しずつ食べるように心がけている。

この保存食を食べた日の夜は、必ずと言っていいほど夢を見る。
私が食した少女たち。その少女たちが楽しく語り笑いあう団欒の光景。当然彼女も居る。
歌とダンスを披露してくれたこともあった。

その光景を眺めているだけで、とても幸せな気持ちになる。

保存食はあとどれくらい持つだろう?まあ、今は考えないでおこう。
餌付けされた獣が再び吼え始めるまで、暫く間がありそうだ。

−完−

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