極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

586 :名無し@FFT物1:03/09/15 04:50 ID:oARNnLla

獅子戦争勃発の1年前――
この頃、イヴァリースでは『骸旅団』による戦乱が巻き起こっていた。
その骸旅団の勢力も次第に衰え、ベオルブ家の三男ラムザらによって団長ウィーグラフが敗れ、この戦乱も終わりを告げようとしていたのである。

フォボハム平原に於ける、ラムザとウィーグラフの戦いに決着が着いた、丁度その頃…
聖騎士ザルバッグ率いる北天騎士団は、ジークデン砦へと向かっていた。
途中、集落跡にて骸旅団の残党との戦闘があり、北天騎士団は、戦闘の疲れを癒す為にその集落跡に留まる事にした。
あのアルガスも、そこにいた。ザルバッグより与えられた兵を率いて…。


アルガスは、石造りの廃屋の中でその身を休めていた。
明日はいよいよジークデン砦へ侵攻する。その戦いの為に、疲れは完全に癒しておく必要がある。
「もうすぐあの骸旅団が全滅する…ククッ、楽しみで堪らないな。
特にあのウィーグラフって野郎は、この俺の手でズタズタにして、晒し者にしてやる。」
平民を人一倍蔑むアルガスにとって、平民によって結成された骸旅団が壊滅するのは、快感以外の何物でもなかった。
それに、骸旅団は王侯貴族に悉く抵抗する勢力なのだから。


楽しげに薄ら笑いを浮かべているアルガスの下へ、部下がやってきた。
「どうした?」
「アルガス様、ラムザ様がフォボハム平原にてウィーグラフを破りました!」
「なんだとぉぉ!?」
その報告を聞いて、血相を変えて答えるアルガス。その表情には、怒りが満ちている。
ウィーグラフをあのラムザが倒した。
ウィーグラフは自分の手で倒す、そう決めていたアルガスにとって、それは堪え難い事実であった。
それも、倒したのはあのラムザだ。貴族でありながら平民であるディリータを庇い、
自分を追い出したあの男…。
そう思うと、自分の体内を煮え滾る溶岩が今にも噴き出しそうなぐらいに、激しい怒りが込み上げて来る。
そんなアルガスを見て、部下は汗を滝の如く流しながら、その身を震わせずに居られなかった。

「あ…あの、アルガス様」
「なんだぁぁ〜っ!?言いたい事はさっさと言えよ、あぁん!?」
怒号を発しながら答える彼に一瞬身を竦ませながら、
「さ、先程の…戦闘で、連中を…あの、捕えたのですが…如何なさいますか…?」
「捕虜だとぉ〜っ!?」
「は、はい…。ザルバッグ様が、ほ、捕虜の処遇を、アルガス様に、委ねると、仰られ…」
その報告を聞き、アルガスは邪悪な笑みを浮かべた。それを見て部下はまた、身体を竦ませた。小水を漏らさないのが、不思議なくらいだ。
「…案内しろ。」


アルガスが案内されたのは、自分が身を休めていたのと同じような、石造りの廃屋だった。
薄暗く、そこら中埃だらけな殺風景な部屋。いや、誰も住んでいない、集落の跡地にあるのだから、何処もそうなのだが。
捕虜は、拘束具で口や手足を拘束された状態で床に転がされていた。
捕虜は男がナイトと弓使いが1人ずつで2人。女はナイトで1人だ。

「ケッ、相変わらず汚らわしい奴等だ。」
捕虜達を見て、アルガスは吐き捨てるように言った。
「よぉ豚共。何時も何時もご苦労さんだなァ〜。」
口元を緩ませ、顔をやや上に傾けながら、ギロッと転がっている捕虜を睨み付けながら言う。
「貴様等平民如きに俺達貴族様が手を焼く羽目になったかと思うと…」
「全く、腹立し過ぎて堪らねえよ!!!!」
怒鳴りながら、ナイトの男を思い切り蹴り飛ばした。それから何度も腹を踏み付ける。
男は口から血を吐き、大きく咳き込んだ。
「いいかぁ?平民如きが御貴族様に逆らうとどうなるか、見せてやるぜ。まぁ、どうせ皆死ぬんだから、冥土の土産って奴になるんだろうがな。」
そう言うと、アルガスは腰に差してあるロングソードを鞘から引き抜き、その男の腹に突き刺した。
「ぐああっ!!」
男が悲鳴を上げると、アルガスの顔に邪悪な笑みが浮かんでくる。
「ふははははは!!」と大きく笑いながら、何度も男の腹にロングソードを突き刺す。
そして、男が死の直前まで迫った時、アルガスは容赦無くその首を刎ね飛ばした。勢いよく飛んだ首が、弓使いにぶち当たる。


弓使いは自分に当たり、床に転がった仲間の首を見て、気が狂いそうになった。
「ああああぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
いや、気が狂ってしまった。あまりの恐怖を感じたがために。
彼は部屋中を暴れ回り、その内にアルガスにぶち当たった。
「きっ…きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!!!!!」
アルガスの怒りは頂点に達した。いや、その頂点より遥か上に行きそうなぐらいかも知れない。
その弓使いの背中を殴り飛ばし、壁に激突したところへ、猛烈なストレートを何度も加える。
男の悲鳴と、アルガスの怒号、そして殴る音が、廃屋の中に大きく響いている。
外にも聞こえそうだが、案外この廃屋は防音効果に優れており、他の者がどうした、と此処に駆けつけるような事は無かった。
そして、男が壁に血をべっとりと付けながらズルズルと床に倒れたところに、アルガスは床に散らばっている煉瓦の欠片で頭を殴打した。

アルガスは、残った女に目を向ける。女は、ガタガタとその身を震わせながら、アルガスと目を合わせてしまっていた…。



590 :586:03/09/15 05:00 ID:oARNnLla
初めてSSを書いてみました。文章や表現とか変だとは思いますが…
続きはまた後の機会に。とりあえず今日はこの辺で失礼します。

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