極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

212 :はと丸 ◆v98fbZZkx. :2005/11/23(水) 20:08:35 ID:QqYcd0w7
投下する前に一つ断りいれます
前振りが思いっきり長い・・・



アスランは後悔していた
「あの時キラをラクスになんか会わせなければ良かった…」
そう呟きながら昔の事を思い出した。



「父さん!母さん!」
「キラ・・・」
思い出の中でのキラは両親の死体を前に泣き叫んでいたそんな友を見ながら自分は友の名前を呟く事しか出来なかった。
惨劇は白昼に起こった。
ブルーコスモス、自分達コーディネーターと言う存在を認めることの無い組織
この事件は自称ブルーコスモスによる犯行だった今もそうだが各地で似たような事件が起きている。
犯人達はキラもろとも一緒に爆死させるつもりだった、そして犯人達はキラ達に襲い掛かった。
だが爆発物が投げ込まれ爆発する瞬間…キラの両親はキラの身を庇った。
そしてキラの両親は死んだがキラ自身は無事だった。
「一人は嫌だ・・・」
泣き疲れたキラはそう呟き眠ってしまった
その一言は俺がキラに一緒にプラントに行こうと切り出させた。
父も母もキラが家族に加わる事を快く承諾してくれた。


キラが家族に加わりいくらか経った日キラが俺以外の人間と交友関係が無く性格もかなり暗くなっていた事に気づいた…
それを心配した俺はキラをラクスに会わせた、少しでも事件が起こる前のキラに戻って欲しい、その為には友人知人は多い方が良いそう思って会わせた。
ラクスが思想的に過激だというのは当時の自分も少しは知っていた、だがプラント最高評議会議長パトリック・ザラの息子であった俺に親しい友人というのは皆無だった。
だから副議長シーゲル・クラインの娘、ラクス・クラインに行き着くのは必然だったのかもしれない。

ラクスの明るさに触れキラも少しは元気になったそしてラクス自信も友達が少なかったのだろうキラとはすぐに仲良くなった。
そして俺とキラとが話している時もよくラクスの事が話題に上った。
ラクスと湖に白鳥を見に行った、一緒に屋敷の庭園を散歩した、今度アスランも一緒に行こうよ。
そんな明るくなったキラを見て俺もホッとした。
そのころからプラントと地球との関係は悪化の一途をたどっていた。
ニュースでは毎日のようにプラント代表団と地球代表団の会合が上手く行ってない事
ブルーコスモスによる自分達を狙ったテロ事件そしてプラント内部では開戦派と穏健派の意見の対立、危ない橋を渡りつつも何年かは戦争も起こさずにやっていた。
あの事件が起こるまでは。
血のバレンタイン、農業コロニーへの核攻撃地球軍の過激派が引き起こした最悪の事態、沢山の人間が死んだ・・・農業コロニーで研究員をしていた俺の母も。
この事件の後プラントの民意は一気に戦争へと突き進んだ、穏健策を主張していた議員も殆どが開戦派に廻りなおも穏健策を主張する者は国賊とまで罵られる始末。
そんな中キラはある事を父と俺の前で口に出した。
「僕・・・士官学校に入る。」


「えっ・・・?」
全く予想していない言葉だった・・・父が開戦派の急先鋒だったことから近い内に自分達は士官学校に入れられ軍人になるかもしれないそうは思っていたがまさかキラの方から・・・
「そうか!分ったすぐに手配しよう。」
その時の父の喜びよう・・・あんな父は始めてみた。
そして俺もキラと一緒に士官学校に入れられた、しかもその後すぐキラの許婚としてラクスが正式に決まったと聞いた時は少し呆れてしまった、自分の知らないところで勝手に色んな事が決まっていたのだから。

「アスラン!」
不意に響いた友の声に俺の意識は一気に現実へと戻された
「ああ・・・キラか。」
「ゴメンびっくりさせちゃって、寝てた?」
「いや、大丈夫だ・・・で何だ?」
「もうすぐ夕食だけど、食堂じゃなくて街に食べに行かない?」
「良いのか?昼も外にいたのに。」
「大丈夫さぁ行こうよ。」
キラに急かされながら俺は部屋を出た何とか平静を保っていたが頭の中は昼間の事で一杯だった。



「暑いな・・・コロニーからいきなり砂漠だから余計に辛く感じるか。」
今日の朝・・・俺はジブラブタルのステーションにいた。
かなり急な話だった本来異動というのはコロニーからコロニーなら距離にも寄るが一週間くらい前に辞令が来てもおかしくはない、だがまさかコロニーから地球への異動の辞令が一週間前に来るとは思っていなかった。
お陰でこの一週間殆ど寝ていなかった。
「アスラン!」
この時は・・・久々に聞いた友の声に胸が高鳴った。
「キラ!迎えに来てくれたのか。」
「ああ勿論だよ・・・一年振りだね。」
「最後に会ったのは地球行きのシャトルが発射する十分前だったな。」
一年前キラの部隊は地球への異動を命ぜられた・・・周りからはかなり驚きの声が上がっていた。
無理もないまさか前議長の息子の部隊が過酷な地上の任に就くとは誰も思っていなかった。
父が所属する評議会の議長の任期はもうとっくに切れていたがその発言力は未だに健在だった、だから俺やキラの部隊には優先的に物資が回っていた。
しかも士官学校で優秀な成績を収めた、通称赤服の新兵も配属されていた、恐らく今回俺の部隊がキラの部隊と同じ場所になったのも父の計らいだろう、だがそんな厚遇をキラは嫌がっていた。
おそらくキラは自分から地上行きを志願したのだろう・・・。
「ん・・・彼女は?」
キラの少し後ろの方で休めの姿勢をしている赤い軍服を着た女性を見つけた。
「ああ彼女は、ほら自己紹介。」
「はい、ヤマト隊長。」
キラが後ろに下がり彼女が前に出てきた、そして綺麗な敬礼姿で口を開いた
「ヤマト隊所属ルナマリア・ホークです以後宜しくお願いします、ザラ隊長。」
「ああ、宜しく。」
彼女の敬礼に俺も敬礼で答えた、しかし彼女の敬礼姿は様になっていた。
「じゃあこっちも紹介しなければな・・・おい!シン!」
「えっあっスイマセン隊長!なんですか?」
彼女と同じ赤服なのにどこか頼りない感じがする少年が慌てて免税売り場からこちらに走ってきた。
「ほら自己紹介だ。」
自分と同じ赤服を見てシンはやっと事態を飲み込んだ。
「あっはいザラ隊長、ザラ隊所属のシン・アスカです宜しくお願いします。」
同じ敬礼姿も彼女と比べるとやはり何処となく頼りなかった。」



「はいアスランのIDカード。」
「ああ有難う、そういえば・・・」
基地につきキラからIDカードを手渡された時ある事を思い出した。
「何?」
「お前の副官は確か・・・イザークだったよな。」
「うんそうだよ・・・ディアッカの事も忘れてないよね?」
「ああちゃんと覚えているよ。」
「二人は今街に出て市長さんと会っているからまた帰ってこないと思うよ。」



「では我々の行動は全て黙認してもらえるのですな?」
「ええ・・・ザフトの方にはこの街を瀕死の状態から此処まで立ち直らせてもらえましたし、少々の事はいくらでも揉み消します。」
「ちゃんとやってくれよ市長さん・・・明けの砂漠のようにはなりたくないだろ。」
二人の銀髪と褐色の青年が一人の男性を捲くし立てる。
「ええ・・・それは分っています。」
「ではこれはほんの気持ちです取っておいて頂ければ・・・よし交渉成立だ、帰るぞディアッカ。」
「あー・・・やっと終わった」
二人が出て行き市長と呼ばれる男性が一人取り残された・・・
「はぁ・・・寿命が縮むとはこのことだな、しかし悪い取引ではないか身柄が保証されなおかつ大金も手に入るんだ・・・」




277 :はと丸 ◆v98fbZZkx. :2005/12/05(月) 16:06:43 ID:R6cDJhtn
お久しぶりですターゲット確定まで行きます。
前振りウザイという方は遠慮なく言って下さい…



「お前といれば顔パスとは・・・IDカードの意味無いんじゃないのか?」
「前線の規律は風紀が乱れない限り緩い方がいいんだよ。」
昼を街で食べよう、キラからの提案だったまだ11時少し前くらいだったがこれでも少し遅いくらいらしい
コロニーと違い地球で高速の移動手段は発展した都市部にしかない、ナビを見ながらキラは思いっきりアクセルを吹かす。
「しかしあの時は驚いたよ。」
「ああ・・・僕が士官学校に入るって言った時の事か。」
不意に昔の話になる。
「人一倍おとなしくて・・・争いごとも嫌いだったお前が軍人になりたいなんて。」
「・・・守りたいんだ。」
「えっ・・・」
「僕は親を二回殺された一回目は只泣く事しかできなかった二回目は自分の非力さが嫌になった。」
言葉が詰る・・・キラは続ける、初めて他人に聞かすのであろう自身の心境を。
「だから僕は守りたい赤の他人であるはずの僕をやさしく迎えてくれた二人目の父さん、アスラン・・・そしてラクス。」
「好きだったのか・・・ラクスの事」
「うん・・・今の僕があるのはラクスのお陰だ生きる気力を失った僕を癒してもう一度立ち上がらせてくれた。」
「あの状況で軍人になるという事は誰かを殺さねばならないそれは考えなかったのか?」
「ナチュラルが何人死んだって、別に構わないと思うけど。」
「・・・・!?」
耳を疑った・・・キラがあのキラが
「いや・・・あっ」
「数が多すぎるんだよあいつらは・・・・」
「キ・・・キラ?」
「間引きってあるよね成長の遅い植物を引っこ抜いて他の植物に栄養を行き渡せられるようにする、あれをナチュラルにもやった方がいいんだよ」
「・・・・」
「って全部ラクスからの受け売りだけどね。」
「ラクスが!?」
「最初は何か凄い事を言うなって思ったけど・・・・」
それからのキラの話は全く頭に入っていない。

「結構早くついたな・・・」
「ここか、結構栄えているな。」
「じゃあ案内するよ美味しいとこあるから。」
「ああ、頼むよ。」
何とか平静を保っていた、だが実際は自分で自分の心臓の鼓動が聞こえてくるくらいに心中は穏やかではなかった。



「あー腹減った。」
そう言いながらシンは食堂に入り配膳場からトレーを持ち出す。
「シン。」
そこで懐かしい声を聞くさきほどとは違う友を呼び止める声を。
「ルナ、ルナも昼飯?」
「当たり前じゃない、メイリンは?あんたの隊に配属されてるでしょ。」
「あれ・・・どこにあ、来た。」
ルナマリアが後ろを振り向くと自身の妹であるメイリン・ホークが小走りで食堂に入ってきた。
「メイリン!こっち。」
「お姉ちゃん!」
「じゃあ俺いくな。」
シンは姉妹の久しぶりの再会という事で気を聞かせその場を立ち去ろうとした。
「あっそうだちょっとシン。」
不意に呼び止められる
「えっ何?」
「あんたステーションでのあれ、みっともなかったわよ。」
「えっ・・・あー」
シンは朝ステーションで隊長であるアスランに大声で呼ばれたことを思い出した。
「だって砂漠のステーションなんて初めてだから、どんな物あるのかちょっと興味が沸いてさ。」
「そんなんじゃナチュラルにも負けるわよ。」
そういい残してルナマリアは立ち去る・・・シンは彼女の残した言葉に言い知れぬ感情を抱く
「やっぱ地上の任務はキツイのか・・・?」
そう呟きながら空いた席を探す
「そういやルナの奴配属先がヤマト隊長の部隊に決まった時凄い喜んでいたよな。」
(そういや戦意高揚のために何人か赤服を地上に就かせるって噂が合ったよな。)
「まさか・・・な。」


「まだ大丈夫なのか?」
「ん・・・そろそろヤバイか、イザークも帰っているだろうし。」
何故だ・・・何故俺は普通に受け答えをしている・・・・
「おい待ちやがれ、クソ野郎!!」
平穏とは程遠い怒号が響く
「この声はまさか・・・ディアッカ?」
「だね。」
キラは答えると同時に走り出していた声のした方へ。

「ちっ・・・やっと捕まえたぜ。」
「ディアッカ!」
「隊長殿、奇遇ですな・・・ってアスラン」
キラの呼びかけに振り返ったディアッカは俺に気づくとばつの悪そうな表情を見せる。
「おいディアッカ一体何をやっているんだ。」
「何ってサイフすられて怒らん人間なんていないだろ。」
「男、女どっち?」
キラは俺を無視して話を進める・・・
「ん、あーまだ確認してなかったな・・・女ですよ隊長。」
ディアッカは乱暴に胸の方に探りを入れて相手の性別を確認した・・・
「そう・・・娼婦雇うにも金かかるし、丁度よかったんじゃない。」
キラとディアッカのやり取りに言葉が出なかった。
「さてと、ディアッカここじゃ目があるし車回してきて路地裏にいるから。」
「了解隊長殿。」
車のキーを手渡されたディアッカは走って駐車場に向かう・・・
「散れ!」
キラは周りに集まってきた野次馬を怒号で一蹴し女の腕をつかみ路地裏に引っ張る。

「ん・・・ドッグタグ?」
「キラもう止めろこんなこと絶対に・・・」
「ちょっと黙ってアスラン。」
違う・・・・こいつはもう俺の知っているキラじゃない。
キラは俺を無視して彼女からドッグタグを引きちぎり確認する。
「これって・・・明けの砂漠のかまだ残党が残っていたんだ。」
「えっと、カガリか・・・取り調べた方が良いねこれは。」



それからのキラの行動は俺の常識をことごとく覆してくれた。
キラはディアッカが回した車の荷台に彼女を放り込みそのまま出発しようとした。
「ちょっとまてキラ!彼女衰弱しているぞそれなのに荷台に放り込むなんて健康体だとしても目茶苦茶だ。」
「そういや抵抗しないし声も出さないな、じゃあ勿体無いけど非常用パックに入っている点滴使おうかな・・・」
「死なしちゃったら間違いなく隊長に非難轟々だしなぁ〜久しぶりの女だし」
「ディアッカ!言うことはそれだけなのか。」
「アスラン。」
あまりにも普通じゃない常軌を逸した行動を正そうとする俺にキラは・・・
「少し頭柔らかくしなよコロニーとは違うんだよ、何もかもが。」
こんな事が・・・こんなことがまかり通っているのか。

「ディアッカ!」
「イザークそう怒るなって。」
「馬鹿者これが怒らずにいられるか、俺ははぐれたと思ってお前をずっと探していたのだぞ!」
「でも俺がサボったお陰でこんな思いがけない収穫があったんだぞ。」
「欠課オーライか・・・お前らしい。」
イザークもか・・・はは・・は
「取り敢えずディアッカ、イザーク、何も無い使ってない部屋あったでしょそこに運んどいて、先に色々と調べてても良いから。」
「了解待ってるぜ。」
「隊長、何処に?」
「ちょっとね、すぐに済むから。」



キラが何処かに行ってしまい俺は半ば強制的にディアッカとイザークに部屋に連れてこられた、部屋を出ようにもしっかり鍵をかけられその鍵はイザークがもっている
「どうする何から調べる?」
「コイツは明けの砂漠の残党なのだろう、だったら・・・・」
「うぁ!」
「くっ・・・・」
イザークはカガリという女の腹に躊躇せずかかとで踏みつける、女は短い悲鳴をあげ俺は思わず目をそらしてしまう。
「まずは他の残党の居場所を吐かせる。」
「異議なし。」

「どうするやはり服は脱がすか?」
「そうだな武器隠し持ってたらヤバイしな。」
言い終わる前にディアッカは腰に備えているナイフでカガリの服をナイフで切り刻もうとした。
「止・・・め・・ろ!」
カガリは残り少ない力を振り絞り最後の抵抗をする
「くそっ、暴れんな!」
「ぶっ!」
横で見ていたイザークがカガリの顔に蹴りを入れる
「全く何をてこずっている、ナチュラルの力にも負けるのか。」
「でもよ傷だらけの女なんて犯すき無くなるだろ。」
「まあ顔は大事にした方が良いな・・・だが。」
「うあああぁぁ!!」
「腕の一本くらいは使い物にならなくてもなんら問題は無いはずだ。」
そういってカガリの片腕を思いっきり踏みつけるしかも離さずにそのまま体重をかけ続ける。



「あっ、ヤマト隊長。」
廊下でキラと出合ったシンはすぐさま敬礼をする朝方の事を思い出しながら
「いいよシンそんなかしこまらなくても。」
「あっはい。」
(結構いい人そうだなヤマト隊長って)
「所で、シン。」
「はい?」
「連合軍の事はどう思う?」
「えっ・・・」
唐突に真面目な話になりシンは少し返答に困る。
「ん・・・やっぱり酷いと思いますよ俺達は何にもしてないのにいきなり核だなんて。」
「それにまだ連合軍の命令に従う人間がいるってことが理解できません、そんな奴ら死んだ方がマシだ。」
苦々しい表情で思いを話すシンそれと対照的にキラの心境は新しいオモチャを手に入れた赤ん坊のようなものかもしれない。
「じゃあさ・・・シン、ちょっとついて来て。」
悪魔が誘う




「お姉ちゃん、あれって。」
何かに気づいたメイリンが近くにいたルナマリアに話しかける
「あれ、シン・・・とヤマト隊長?」
ルナマリアが廊下を歩くシンとキラに気づく
「ほんとだ、何話してるのかなヤマト隊長と、シン凄く難しい顔してる。」
シンの強張った表情に気づいたメイリンは何となしにつぶやく
「さぁ。」
「あれ、お姉ちゃん笑ってる?」
「そう?」
「う・・・うん」
メイリンは少し脅えていたルナマリアの笑みが何となく邪悪な物に見えたから。


「中々頑張るな、こいつ・・・。」
カガリの体は既に衣服が剥ぎ取られ、イザークからの執拗な暴行によるアザそして何処から持ってきたのか両手両足に手錠まではめられている、だがカガリはそんな苦痛にも歯を食い縛り耐え続けている
「イザーク、お前のやり方がぬるいんだよ。」
「俺の好みを忘れたか?ディアッカ。」
「じっくりいたぶるのが好きなんだろ?でもこういう手合いはもっと痛めつけないとなぁ。」
「ちっ…」
ディアッカのそろそろ代わってくれと言わんばかりの振る舞いにイザークは渋々場を譲る。
そんな中アスランは完全に蚊帳の外だった、今彼の心中は葛藤を続けていた。
止めに入るべきか・・・それともこのまま傍観を続けるか。
「お待たせ。」
其処にキラが入ってきた。
「あっ、初めましてジュール先輩にエルスマン先輩。」
シンを連れて。


「シ・・・シン!何でお前が!?」
「あっ、ザラ隊長も一緒だったんですか・・・その俺尋問なんて初めてだから絶対に上手く行かないと思いますけどスイマセン。」
「尋問・・・?」
アスランはシンの口から出てきたこの言葉に引っかかるそして直ぐに気づいた。
キラはシンで遊んでいるのだと。
「コイツが敵対勢力の人間なんですか?」
「そうだよ、一応壊滅させたはずなんだけどまだ残党が残っているっぽいんだ。」
一体キラはシンに何を吹き込んだんだ・・・だが流石にこれは止めなくてはならない、そう思い意を決して口を出す
「キラ、お前はいったいシンに何を教えたんだ。」
「何って・・・ほらまだ知らない事も多いだろうし、テレビとかじゃ絶対に見れない裏側ってのを知っとく必要があると思ってね。」
事情を知っている人間なら明らかに演技と分るような優しげな口調で喋るキラ。
「だがなキラ、いきなりこんなショッキングというか・・・その・・・何だ。」
何も知らないシンが目の前にいるせいかアスランは語気が弱い。
「大丈夫ですよザラ隊長、俺だってガキじゃないんですそこ等へんの事は分かってます。」
シンは強い表情で語気を強めアスランに迫る。
士官学校でトップクラスの成績を収めた先輩達から気遣われている・・・そういう思いがシンの中にあるのだろう彼の表情は清々しさすら感じる。
「で、どうディアッカ?」
今日はこれで何回目だろう、アスランを無視し続け事を進めるキラにアスランは文句も言えずにいた。
ディアッカは不機嫌に「全然」というような感じに首を横に振る、不機嫌なのはせっかく来た自分の番を邪魔されたからだろう。
「そう・・・シンこれ使って尋問しなよ。」
キラが腰にぶら下げているあるものをシンに手渡す。

「えっとこれって、スタンガンですよね。」
「キラお前そんな物を持ち歩いているのか・・・」
「いつ何があるか分らないからね、後ろからいきなり襲い掛かられて接近戦になったら銃よりも役に立つと思ってね。」
もっともらしい答えでアスランから言葉を失わせ、シンからの尊敬をまたしても得るキラ。
「俺やります!」
シンが真剣な眼でスタンガンの電源を入れる。



「恐いんなら逃げてもいいんだぞ。」
「いえ大丈夫です。」
ディアッカの問いかけにシンは気丈に振舞う、本当は早く自分が今目の前に横たわっている獲物で遊びたいという心境なのだが、シンはそんな事は思いもしていないだろう。
シンがスタンガンを強く握り締めカガリに近づいていく。
「・・・・・!」
「うっ・・・」
シンはカガリに睨まれ一瞬たじろぐ、口元が動いているが何を言っているかは分らない、だが先輩達が見ているなかで見っとも無い姿は見せたくない、いい所を見せたいそう思いながらカガリの前にしゃがみ込む。
(やっぱ顔とかは不味いよな・・・)
シンの中にある良心が急所への攻撃をためらわせる、そこで少し腕に押し付けるようにした。
「んっ!」
カガリは絶対にこいつらには屈服しない助けなど請わないという意地でスタンガンによる電撃にも耐える。
「うあぁあぁぁ!!」
だが彼女にも限界という物がある今までは抵抗もせずに耐えていたが、ついにふっ切れる。
「うっ・・・クソ、離せ!」
カガリはスタンガンを持っていない方の手に噛み付いた両手両足を拘束された彼女の精一杯の反撃だ。
「畜生!」
反射的にシンはキラから手渡されたスタンガンの強さを最大にまで上げカガリの顔近くに押し付ける。
「がっ!」
短い悲鳴が聞こえカガリは地面に倒れこんだ、それもそうだキラのスタンガンは既製品を改造した物だ、強さを最大にまで上げれば人一人簡単に気絶する。
「いてぇ・・・」
噛まれた方の手を気にしながらシンはキラの方に目をやる。
「まぁ、いい経験なんじゃないこうやって反撃を食らう事もあるから。」
すかさずキラはシンに優しい言葉をかける・・・叱責されると思ったシンはほんの少しホッとする。
「スイマセン・・・見っとも無いとこ見せちゃって。」
「謝る必要なんて無いって、ほらその傷早く傷薬でもかけといた方がいいよ。」
勤めて優しげに振舞うキラ、そんなキラを見ながらシンの後ろにいるイザークは無言で笑っている。
「はい、あっスタンガン返しますね。」
「うん、シンまだ時間大丈夫?」
「えっ・・・あーそろそろ戻らないと不味いかな。」



キラはシンを見送る時、最大限の優しげな笑みで彼を見送る。
「全く、そうやって何人騙したんだ?」
キラが部屋の鍵を閉めると同時にイザークが口を開く。
「分んない、数えてないから。」
本領発揮とでも言うのだろうか・・・キラの顔はアスランが街で見たそれに戻っていた。
「隊長、自分の番なんですがねぇ・・・」
ディアッカが呟く。
「まぁまぁ・・・もうちょっと待ってよ、一番いい所は二人にあげるから。」
「当たり前だ、隊長だけいい思いはさせんぞ。」
珍しくイザークが悪態をつく・・・この時アスランはこの言葉の意味が分らずにいた

そしてキラの「尋問」が始まる
備え付けの水道で隅の方に置いてある大きなバケツに水を汲む・・・もしかしたらこの部屋では前々から同じような事が繰り返されているのかもしれない。
「よっと。」
キラがバケツを置く・・・そして気絶したカガリの首根っこを掴み水が入ったバケツの中に頭ごと押し込んだ。
カガリの意識は直ぐに戻った水の中で息が出来ずにもがき苦しむ、だがキラは容赦なく更にカガリの頭を水の中に押し込む。
「ごぼぶぁ・・・かっげえ!げぇえ!!」
キラは頃合を見計らってカガリの頭を水の中から乱暴に引きずり出す、そのためカガリは受身も取れずに硬いコンクリの床に打ち付けられる。
「くっ・・・お前らぁ!」
「威勢が良いね・・・あれだけ痛め付けたのに。」
キラは苦々しく呟きながらまたカガリの首根っこを掴むそこに・・・
「んっ・・・」
カガリがキラの顔めがけつばを吐いた・・・その時の彼女の顔はほんの少し勝ち誇ったような物だった。
だが今のキラがそんな反抗を許すはずも無い。
「ん!!」
キラの鉄拳は的確にカガリのアゴを捉えた、その衝撃で口の中を切ったのだろう血が滴る。
「ちっとも喚かないね・・・。」
「喚いて何かが変わる訳でもないし・・・見っとも無い声だしてお前ら喜ばすのも尺だしな。」
以前強気なカガリにキラも少し苛立つ。
「隊長・・・そろそろ。」
ディアッカが痺れを切らす。
「別に良いんじゃないのか、夜になれば・・・ふん。」
悪態をつくイザーク。
「分った・・・。」
そういい残し部屋を出るキラ
「あっ、キラ待て。」
それと同時にアスランもキラを追いかける・・・結局彼は何も出来なかった。



「シン。」
「あっメイ、ごめんちょっと用があってさ。」
「いや、それは良いの・・・」
廊下でシンの姿を見たメイリンは直ぐに声をかけた、メイリンは先ほど見た姉の邪悪な笑みが頭にこびり付きもしかしたらシンは何か酷い目に会っているのではと心配していた。
「さっきヤマト隊長と一緒に歩いてたよね?」
「あ・・・見られてたんだ。」
シンは思わずメイリンに気づかれないように手の傷を隠した、ヤマト隊長に迷惑をかけたくないという思いから。
「シン、その手見せて。」
だがタイミングが悪かった、シンの行動は気づかれていた。
「この傷・・・どうしたのシン?」
「えっと・・・そう不注意、俺の不注意でさヤマト隊長は全然関係ない。」
シンは慌てて弁護する。
「なら・・・いいんだけど、早く消毒した方がいいんじゃない。」
「うん、ヤマト隊長にも言われた、優しいよなヤマト隊長って。」
シンの屈託のない顔を見ているとメイリンは何も言えないでいた。

「撒けたな・・・」
キラがやってきたのはMSの格納庫だった、アスランの姿はない。
「あっ、ヤマト隊長お疲れ様です。」
「うん、僕の機体は?」
「いつものチェックですね、今なら大丈夫ですよ。」
「ありがと、一日一回は見とかないと落ち着かないんだよね。」
整備兵と和やかに話すキラに先ほどの面影は全くない。

「・・・・・・」
真剣な表情で自分に与えられたMSのコックピットに座り操縦やOSの設定などを丹念にチェックする、命に関る事だけありその様子は周りを寄せ付けない空気を持っている。
「ヤマト隊長。」
頃合を見てキラに話しかける一人の女性がいた。
「ん・・・ああ、ルナか。」
「隊長さっきシンと歩いていましたよね。」
「何だ見てたんだ、ホント馬鹿正直な奴だね。」
「でしょ、ちょっと優しくすると直ぐに懐いてくれるから扱いやすいんですよ。」
ルナマリアの顔は・・・先ほどメイリンが見た邪悪な笑みと同じだった。
「で、何やってたんですか?」
「レジスタンスの残党の女を捕まえてね・・・尋問ってことにしてちょっと遊んでた、ついでにアスランも同じ部屋に入れたんだけど何にも言えないでいるからさぁ、もうほんとに・・・」
「へぇ・・・」
女と聞きルナマリアの眉根が少しつりあがる。
「大丈夫、ちょっと殴ったりしただけで後はディアッカとイザークに渡した。」
「なら、良いんです。」
直ぐにフォローを入れるキラ、ルナマリアの顔も再び先ほどの顔に戻る。
「じゃあ、私もMSのチェックしてきますね。」
別れ際にルナマリアはキラの唇に軽く口づけをした、キラもそれに抗う事は無かった。



559 :はと丸 ◆v98fbZZkx. :2006/03/07(火) 02:06:14 ID:ZDQsiQMT
お久しぶりです
全快の投下から二ヶ月も経ってますが完結偏を投下しようと思います



「やっと来たぜ俺の番・・・やっぱ我慢のしすぎは体に悪いよな。」
ディアッカはおもむろにズボンのベルトを緩めた。
「・・・・・・!!」
カガリはディアッカの行動に目を見開いた、だがわめく事も無く意外にもおとなしくしている。
「おいディアッカ、このままやり終えて疲れたから寝ると言うのは無しだぞ。」
「分かってるよイザーク、まだ仕事が残ってるしな一回だけで我慢するよ。」
なら良いんだといった表情を見せたイザークはディアッカと同じようにズボンのベルトへと手をかける。
「時間も無いしな・・・一気に貫かせてもらうぜ。」
ディアッカは自身のモノをカガリの中へと貫かせる・・・
カガリは唇を噛み締め苦痛に耐える。
「ん・・・?おいイザークこいつ処女だぞ!」
ディアッカが腰を振りながら歓喜の声を上げる。
「ほんとうか・・・こいつはレア者だぞレジスタンスの女でまだやったことの無い奴がいるとはな。」
そしてイザークがカガリの顎を掴み乱暴に彼女の口を開けようとする、カガリは目に涙を浮かべ絶対に開くものかと言う表情で抗う。
「いいから口を開け!」
イザークの拳がカガリの顔に無慈悲に吸い込まれる、一瞬カガリが怯んだ隙にイザークは彼女の口をこじ開けディアッカと同様に貫かせる。
「お・・・!ぐっんぅぅ!!」
カガリは必死に抵抗するがどうにもすることが出来ずにイザークのモノを乱暴に出し入れさせられる。
「良いねぇ、やっぱり一人で処理するよりずっと楽しいぜ。」
「ディアッカ本当に良い物を拾ってきたな。」
二人の男に陵辱されカガリの目からは大粒の涙が溢れている。
だがそれに二人が気づくことは無い、最も気づいたからと言ってどうにかなる訳ではないが。



そこに室内に乱暴にドアを叩く音が鳴り響く。
「なんだぁ?」
ディアッカが不機嫌そうな声を上げる。
「副長殿ぉ!二人だけで独占はズルイと思いますよぉ!!」
「我々にも分けてくれませんかねぇ!」
外から兵の声が聞こえるその声は品の欠片もない物だった。
「はぁ?なんであいつらが来るんだ。」
「多分隊長だろうな・・・隊長があいつらに教えたんだ。」
イザークの疑問に答えるようにディアッカが呟く。
「まったくキラの奴・・・さっきお前が追い出したのを根に持っているみたいだぞ。」
「いつでも頼めば股開いてくれる女がいるのによぉ・・・そんなに他の女でも遊びたいかね。」
愚痴りながらも腰を振るのは忘れていない。
「お前ら其処で大人しくしていろ直ぐに代わってやる!」
イザークが怒号を飛ばす
「さてとマジで時間が無くなったな・・・さっさと終わらすか。」
「消化不良の感はぬぐえんな・・・。」


「おお!結構な上物じゃないか。」
「水だ、水ぶっかけろこんなんじゃ汚くて触れやしねぇ。」
「やべ、俺もう勃起してる。」
ドアを開け中に入ってきた兵は口々に好きなことを喋っている。
カガリはと言うと口の中から精液をこぼしながら虚ろな目で床に力無く倒れている・・・・。








「・・・・・眠れん。」
アスランはベッドに入り眠ろうとしていた・・・だが今日の出来事が頭から離れずに彼から眠気を奪っていた。

気分転換のつもりか廊下を歩きわざわざ遠い方のトイレへと足を運ぶ、と言っても何も出さずにただ行って帰ってくるだけなのだが。
(キラ・・・本当に・・・・お前は・・・・・・)
アスランは頭の中で今日の出来事を必死に否定しようとする、だが考えれば考えるほど記憶の中の友と現実の友とのギャップの大きさに打ちひしがれる。
其処である人物とはちあう。
「ん、君は確か・・・・ルナマリアだったな?」
「あっ・・・・ザラ隊長おトイレですか?」
「えっ・・・ああ眠れなくてなつい遠い方のトイレまで来てしまったんだ。」
「そうですか・・・じゃおやすみなさい。」
ルナマリアはそそくさとその場を離れる・・・その行動がどうもおかしいアスランはそう感じる。
「あ・・・ああ、おやすみ。」

気が付くとアスランは彼女を、ルナマリアを尾行していた。
(何をやっているのだ俺は、彼女はただ上官といきなり会って驚いただけだろ・・・・)
その思いは徐々に疑惑へと変わる。
(ん・・・一般兵の部屋を通り過ぎた、いくら赤服で個室を与えられていても・・・いくら何でも隊長クラスの個室なんて。)

(止まった・・・・・!ちょっとまて確かこの部屋は・・・・!!)

(キラの部屋・・・・)
ルナマリアは、キラのいる部屋へと入っていった。




563 :はと丸 ◆v98fbZZkx. :2006/03/07(火) 02:12:06 ID:ZDQsiQMT
次は何をネタにして書こうかな・・・
ダ・カーポやGAで書いてみたいなと思ったり

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