極めて容赦のない描写がメインになりますので、耐性のない方、および好きなキャラが残酷な目に遭うのがつらい方はご遠慮ください。

547 :名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 01:32:52 ID:OwmaxrKE
流れ的に合ってるかな……
まだ猟奇まで
行ってませんが
投下します。



青い狸の様な風貌の自称猫型ロボットは
先程からあーでもない、こーでもないと、部屋をうろうろと歩き回っている。
「おかしいなぁ…のびた君、ボクの誕生日忘れちゃったのかなぁ…いやいた、そんな事はない!!
きっと、ボクの為に超巨大なドラ焼きを用意しているに違いな…あっ、でも、そんなお金ないか……」
どうやら、この自称猫型ロボットは友達であるのびたと言う少年が
自分の誕生日を覚えているかどうかが気になっているらしい。
のびた君の幸せがボクの幸せと言い切ってきても
やはり、自分の誕生日ぐらいは気にかけてもらいたいものらしい。
朝、少年を送り出してからずーっとこんな調子で彼は
部屋を歩き回っている。
「そろそろ、帰ってくる時間なんだけどなぁ……」
ロボットはちらりと時計に目をやる。
時計の針は五時を差していた。
「おかしい!!やっぱり、おかしい!!!」
いつもならどんなに遅くても三時半には帰宅している少年である。
道草を食う事もあるが滅多にしないし
友達の家に行ったとしても電話の一本ぐらいはかけてくるはずである。
ロボットを仲間はずれにして遊んだりする少年ではない。
それに、今日は大事な日でもあるのだ。
ポケットに手を入れタケコプターを取り出そうとしたその時だった。
──ガチャン──
乱暴にドアを開けた音が家中に響いた。
いつもなら少年の母親が注意するところだが
幸い、彼女は夕飯の買い物に行っていて留守にしてるらしい。
「あっ、帰ってきた!!!」
ロボットの表情が明るくなる。


──ダッダッダッダ──
少年は急ぎ足で階段を駆けあげ襖を開けると
いきなるロボットに抱きついてきた。
「ドラエモーン!!!!!」
「ちょっ……ど、どうしたののびたくん?!」
抱きつかれた弾みでロボットは後ろにひっくりかえってしまった。
後頭部に感じるじんわりとした鈍い痛みも今日ばかりは
苦痛に感じない。
彼がこうしてロボットに泣きつくのはいつもの事だし
慣れていた。
少しばかりの痛み位彼の為なら我慢をする覚悟らしい。
しばらく彼はロボットの胸で泣き続けていた。
ロボットはじっと動かずに彼の好きな様にさせていた。
だが、ロボットは静寂を破ってしまった。
彼の手に泥だらけの画用紙を見つけたからだ。
「のびた君?これは………」
「………」
ロボットの問いに少年は答えなかった。
答えの代わりに彼はその泥だらけの画用紙を差し出した。
ロボットは黙ってそれを受け取った。
画用紙と言うより画用紙だったものと言った方がいいだろう。
泥にまみれて今にも破けそうになっている。
ロボットはタイム風呂敷を取り出すと黙って
それにかけた。
「こ…これは………」
ロボットの言葉がつまる。
風呂敷を取るとそこにはお世辞にも上手いとは言えないが
ロボットの自画像と共にこれまた汚い言葉で
【ドラエモン大好き】と書いてあった。
「の、のびたく……」
「うわぁぁぁん!!!」
ロボットが言葉を言い終わる前に
少年は泣き出してしまった。
少年は泣きながらこれまでの事を説明した。
少年が言うにはこうだ。


クラスメイトの出来杉にロボットの誕生日プレゼントは
何が良いのか相談したところ
「う〜ん…似顔絵なんてどうかなぁ?」
「似顔絵?」
「うん、ボクもこないだお母さんの誕生日の時に悩んでたらね。しずか君が似顔絵はどうかって
言ってくれたんだよ。そしたら、お母さん凄い喜んでくれてさ。泣いちゃったんだよ」
「に、似顔絵かぁ…で、でも、ボク、絵はあんまり………」
「のび君!!!」
いきなり大きい声を出した出来杉に少年は小さくなってしまう。
「は、はい……」
「上手い下手じゃないよ。要は気持ちの問題さ」
「き、気持ち?」
「気持ちのこもってないプレゼント貰ったって嬉しくないだろ?」
「う、うん」
押し気味の出来杉に小年は思わず返事をしてしまう。
「それで簡単なメッセージなんかも書いてだね……」
出来杉の言葉が熱を帯びてくる。
悪い奴ではないがいかんせん頭が良いせいか
やや理屈ぽい所があり話だすと止まらない時が多々ある。
のびたも彼の事が嫌いではないこういう所は
好きになれない。
「で…のびくん……」
「出来杉さーん!!!」
一人の少女が廊下を走ってきた。
「国語のプリントまだ出してないでしょ?後は出来杉だけだから
悪いんだけど…出してくれないかな?あ、ごめんなさい。話中だった?」
少女は申し訳なさそうに少年を見た。
「あーごめん。ボクとした事が…じゃ、のび君悪いけど……」
「いや、良いよ。気にしないで。早く出してきなよ」
出来杉と少女は行ったのを確認すると小年は深い溜め息をついた。
「似顔絵かぁ……自信ないけど書いてみるかぁ」
ちょうど美術のテーマが自由だったので
小年はこれ幸いとばかりにロボットの似顔絵を書いた。
いつもの二人にからかわれながらも少年なりに必死に書いたらしい。


それをクラスのマドンナ的である少女に
「のびたさんは一生懸命やってるのよ!!笑ったら悪いわよ!!」
と言われたにが気に食わなかったのだろうか……
いつもの二人は帰り道大事そうにしてるそれを
奪い取ると溝に投げ捨ててしまったと言う。
そして、あろう事かロボットと二人で食べようととっておいた
お小遣いさえも騙しとったと言うから性質が悪い。
話を聞いたロボットは無言で立ち上がると
机の引き出しを開けた。
「ド、ドラエモン?」
「心配しないで大丈夫だから」
ロボットは振り返らなかった。
振り返ってしまうと決意が揺らいでしまいそうだったから
ロボットはタイムマシンに乗ると生まれ故郷である二十二世紀を目指した。

「で……幾らで買って欲しいのよ?」
コーヒーを片手にロボットにぶっきらぼうに
言い放つ女性がいた。
派手な化粧と服装が気の強さをより引き立てている。
広い敷地からして相当な資産があるのだろう。
噂で聞いた事があったなとロボットは思う。
あそこの一人娘は変わった性癖を持っていて
生きた人間特に少年を連れて行けば高額で買い取ってくれるのだと
不良ロボット達はよくその話をしていた。
噂では知っていたものの実物を見るのは初めてだった。
噂の当時彼女はまだ少女だったし
ロボットが思ったより派手に思うのは仕方がない事かも知れない。
「お金なんていりません」
コーヒーを啜る手が止まった。
彼女は黙ってロボットを見つめている。
「どういう意味よ?」
「お金なんて意味がないんです」
平然とそう言い切るロボットに女性は少しばかり笑みを浮かべた。
「それ、どういう意味?」
「お金はいりません…ただ、その代わりに………」
ロボットの表情に一瞬迷いの様なものが見えたが
彼はそれを消し去った。
「死ぬよりも辛い目に合わせて欲しいんです」
ロボットの答えに彼女は満足そうに微笑んだ。


「悪いわね…タダで二人もなんて……」
「いいえ、ボクがお願いした事ですし…それにおみやげまで…」
ロボットが頼んだ事とは言え
タダ同然で少年二人が手に入るのだ。
ドラ焼き代など痛くも痒くもない。
彼女の機嫌はすこぶる良い。
その証拠に彼女はロボットをタイムマシンの入り口まで
送っている最中なのである。
メイド達はお嬢様が人を送るなんてと囁きあったが
すぐに意味を悟りみな黙り込んでしまった。
「じゃぁ、ここで…」
「楽しみにしてるわよ」
「ええ、後悔はさせませんから」
ロボットの脳裏に二人の少年の笑顔が浮かぶ。
みんなで力を合わせて乗り越えた苦難の数々。

だが──彼らはそれを裏切った。
ボクの大事な友達を傷つけたんだ。
それ相応の罰を受ける義務がある。
例え、ボクが間違っていようとね。
そうだろ?のびたくん?
だから、泣かないでよ。
ボクが彼らをこらしめるから。
ねっ?帰ったら一緒にドラ焼き食べよう。
あっ、しずかちゃんや出来杉も呼ぼうか。
きっと、楽しいパーティになると思うんだ。
待っててね。のびた君───

ロボットはタイムマシンに乗り込むと
親友の待つ家へと急いだ。
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