猟奇・鬼畜・グロ・嗜虐・リョナ系総合スレ 保管庫 - グロまっぴー feat TQN 5スレ
5 :救済 ◆Tt.7EwEi.. :2006/04/12(水) 01:35:06 ID:pk98eQsU
とりあえず即死回避(?)に『グロまっぴー feat TQN』の続きを投下(゚∀゚)アヒャ



 まひろは斗貴子の死に気付いていない。
 ただ一心不乱に斗貴子の大腸にかじりついている。
「あぐぐぐ……ぐっ、ぐっ……」
 そうしているうちにまひろの犬歯がついに腸壁を突き破った。
 その破れ目からは次々と糞便が漏れ出し、まひろの口中は刺激の強い苦味でいっぱいに
なっていく。
「う、うげっ……。はぐ……むぐ……んぐっ……」
 まひろは込み上げてくる吐き気と闘いながらも懸命に大腸を喰い千切り、糞便と共に咀
嚼し嚥下する。
 背の低い男は必死に笑いを堪えながらその様子を見守っていたが、やがて我慢出来なく
なったのか下品な高笑いを巻き散らした。
「ギャハハハハハハ! ギャハハハハハハハハハハハ!! まひろちゃ〜ん、ちょお〜っと
頑張りが足りなかったねぇ〜。斗貴子さん死んじまったぜ!? ギャハハハハハハ!」
「へ……?」
 血と糞便で口の周りを汚したまひろは顔を上げた。
 そして呆けた様な表情で背の低い男をしばらく見つめると斗貴子へと視線を移した。
 視線の先にはピクリとも動かない血の気の失せた白い顔がある。
「斗貴子、さん……? 斗貴子さん、斗貴子さん……」
 なぜ? どうして?
 どうして斗貴子さんが死んでいるの?
 内臓を食べれば助けてくれると言ったのに。
 自分が命を救えるはずだったのに。
 まひろは斗貴子の名前を呟きながら、その肩を何度も揺り動かした。
「斗貴子さん、斗貴子さん、斗貴子さん、斗貴子さん、斗貴子さん、斗貴子さん、斗貴子
さん、斗貴子……さん……」
 だが、いくら名前を呼ぼうと身体を揺らそうと返事は無い。
 呼吸する事を止めた斗貴子は乾いた瞳を天井に向け、血と糞便のおぞましい臭気を放っ
ているだけである。
「う、嘘つき……」
 まひろは涙で潤んだ眼でリーダー格の男を睨みつけると、彼の元へフラフラと近付いた。
「嘘つき! 嘘つき! 嘘つき! 助けてくれるって言ったのに!! 嘘つき! 斗貴子さんを
返して! 返してよぉ!!」
 そしてリーダー格の男を罵りながらその身体をポカポカと殴りつける。
「嘘つき! 馬鹿ぁ! 死んじゃえ! アンタなんか死んじゃえばいいんだ!!」
「おいおい、ひどいな。ククク……」
 リーダー格の男はニヤニヤ笑いを浮かべつつ、簡単にまひろの両手首を掴んでその動き
を封じた。


「いやっ! 離してっ!」
「臓物を食われて生きてる人間がいる訳無いだ……ろっ!」
 リーダー格の男が力を込めてまひろの両手首を握り締めると、部屋中にバキバキという
聞くに耐えない音が響いた。
「うぎゃああああああああああああ!!!!」
 まひろは絶叫を上げるとその場に座り込んでしまった。
 彼女の両手首は骨が粉々に砕け、皮膚と潰れた筋肉で辛うじてぶら下がっている。
「あ……あぁ……痛い……痛いよぉ……」
 あまりの激痛にまひろは蹲って震え出した。
「さてと……」
 リーダー格の男は足元に転がり震えているまひろを無視して、他の二人に向かって話し
始めた。
「ククク……簡単なものだな。早坂秋水、早坂桜花、中村剛太、そして津村斗貴子……。
おい、寄宿舎のガキ共はどうした?」
「ヘヘッ、ちゃ〜んとここに来る前にバラしておきましたよっと。特に武藤カズキのダチ
は首ィねじ切って、奴の部屋に並べときましたぜ。今頃驚いてるんじゃないっすかねぇ!?
ギャハハハハハ!」
「フフッ、いいぞ。これで武藤カズキの周辺人物はあらかた片付いたな」
 リーダー格の男と背の低い男のやりとりはまひろの苦痛を一時的に忘れさせた。
「そ、そんな……。みんな……みんな死んじゃったの……? ちーちんは……? さーちゃ
んは……? どうしてこんな──んぎゅっ!」
 筋肉質の男はまひろの頭を虫の様に踏みつけて床に押し潰すと、鼻息荒くリーダー格の
男に詰め寄った。
「後は武藤カズキ一人だけなんだろ? それならあのクソガキは俺に殺らせろ! 早坂姉
弟も中村剛太もチビが殺ったじゃねえか! 俺ァいい加減ストレス溜ってんだ!!」
「ダメだ、奴は殺さん。奴には生きてもらう。いいか、考えてもみろ。奴は唯一核鉄を持
っているにも関わらず、自分の愛する者達を守りきれなかったんだ。平和だの日常だのを
脳天気に味わってる間にな。奴は一生自分の無力さを呪い、罪悪感を背負う事になる。ど
うだ? あの偽善野郎に、そして俺達にピッタリの復讐だと思わんか? ククク……」
「んな事で納得出来るか!! 俺はムカつく錬金の戦士共を皆殺しにしてえんだよ!!」
 リーダー格の男は笑いを引っ込めると、筋肉質の男に射抜く様な眼光を向けた。


「俺の言う事が、聞けんのか……?」
 その眼光と言葉が筋肉質の男を氷の矢の様に貫く。
 その時、彼の眼には自分より一回り小さいリーダー格の男が何倍にも巨大に映った。
「い……いや、分かったよ……。アンタの言う通りだ……」
 筋肉質の男は視線を外し、青白くなった顔を下に向けた。
「ククク……。いい子だ……」
 リーダー格の男の顔には既に笑いが戻っている。
 そして二人のホムンクルスに背を向け、扉の方へ歩き出した。
「ああ、その娘はお前らに任せるぞ。適当に遊んだらキチンと殺しておけ」
 それだけ言うと彼は重い扉を開けて夜の闇に消えていった。
「……。プッ……。ブフフフ、ギャハハハハハハ! ダッセーな、オメエわ! 最初の勢い
はどうしたよ!? ギャハハハハハハ!」
「うるせえ!! クソッタレがぁ!!」
 苛立った筋肉質の男は足元に転がっているまひろを強く蹴り飛ばした。
「ぐえぇ!!」
 まひろは軽々と吹っ飛ぶと、その身体を壁に叩き付けられ床に転がった。
「うっ……ぐぅ……」
 まひろは全身がバラバラになりそうな程の痛みで動けずにいる。
 背の低い男は転がっているまひろに歩み寄ると、その長い髪の毛掴んで無理矢理上体を
起こした。
「おいおい、いきなり死んじゃったらどーすんだよ。あの方も言ってたろ?『キチンと遊
んだら適当に殺しておけ』ってよぉ。ギャハハハハハハ!」
「う……た、助けて……助けて……。お願い……死にたくない……」
 死が間近に迫っている事を悟り、涙を流しながら息も絶え絶えに命乞いをするまひろ。
 斗貴子に向かって叫んだ自己犠牲の言葉は何処へ行ったのか、嗚咽と共に見苦しい哀願
の言葉を吐き続ける。
「ぐすっ……お願い、殺さないで……。だって、斗貴子さんがおなか切ったら……ひっく
……私の事は助けてくれるって……」
「いやいやいや、約束した人間が死んじまったら約束は無効だろ。つーか約束したのはあ
の方だし。……さ〜てと殺っちまう前に犯っちまうかね」
 背の低い男は突然まひろの胸を制服の上から鷲掴みにすると手荒く揉みしだき始めた。
 15歳という年齢に似合わない豊満な膨らみは力の入れ方によって様々に形を変える。
「やだっ……! い、痛い……! 痛いよ!」


「ほへ〜、結構でっかいのね〜。D? E? ま、それはいいとして……」
 背の低い男は胸から手を離すとまひろの髪の毛を掴んだまま、空いた手で自分のベルト
を外し始めた。
 そしてズボンのジッパーを下ろすと中からいきり立ったペニスを勢い良く引っ張り出す。
「ひぃっ……い、いや……」
 自分の顔に近付いてくる生まれて初めて眼にした男性性器。
 以前、カズキの部屋でいかがわしい雑誌を盗み見た時には黒く塗り潰されて見えなかっ
た部分が、今は何も隠す物も無く自分の顔のすぐ前にある。
「や、やめて……。こんなのやだ……」
 必死に拒絶するまひろだが、頭の片隅には(あの本では男の人のをお口でくわえてた…
…)という切羽詰まったこの状況に似つかわしくない思考が浮かんでいた。
 しかし背の低い男のペニスはまひろの予想を裏切り、口ではなく鼻の穴に押し付けられ
た。
「ふがっ!?」
 まひろは間抜けな声を発して背の低い男を見上げる。
 背の低い男はいやらしいニヤニヤ笑いを浮かべていたが、眼だけは凶暴な獣に似た光を
放っていた。
「いや、せっかくなんだからよ、フツーに犯っちまうのも面白くねえだろ? 口やマンコ
なんてありきたりだし。眼ってのもやった事あんだよ。だから鼻マンコなんてどうかなっ
て思ってな」
 そう言うと背の低い男は腰に力を入れた。
 勃起したペニスは金属並に硬質化しており、凄まじい力でまひろの鼻孔を押し広げてい
く。
「がぁっ!! ふががががががっ!! 」
 いとも簡単に鼻軟骨は折れ、塞がっていない方の鼻孔から鮮血が流れ始めた。
「ん〜、やっぱなかなか入んないねぇ。お〜し!」
 背の低い男は両手でまひろの頭をガッチリと掴むと、それまで以上の力を腰に込めた。
 ブチブチと嫌な音を立てて鼻中隔が破れて、本来二つのはずの鼻孔が一つに繋がる。
 そして鼻孔が一つになり大きく拡がった為か、徐々にではあるがペニスがその中へ沈ん
でいった。
 鮮血は前にも増して溢れ出し、鼻骨と上顎骨が押し砕かれて洋梨型の骨鼻腔は歪にその
形を変えていく。
「ふぎっ、ふぎいぃぃぃぃぃ!! ぶぎゃあああああああああああああ!!」
 まひろは豚の様な悲鳴を上げながら両手で背の低い男の身体を叩き、両足をバタつかせ
た。


 自分の顔の中に男性性器がめり込んでいくという普通では考えられない状況に、恐怖を
感じるというよりもパニックを起こしている。
 背の低い男は鼻腔内にペニスを2/3程埋めると、侵入を止めてその感触を味わうかの
様に眼を閉じた。
「うぉ……。あぁ〜、こりゃすっげえ! 処女穴より締まるぜ! おら、動くぞ!!」
 ペニスを締めつけるまひろの鼻腔の狭さに大喜びの背の低い男は猛烈なピストン運動を
開始した。
「んがっ……! はがっ! がぁっ! がぁっ! がぇっ! がぁっ! がぇっ!」
 鼻腔内にペニスが打ちつけられる度にグチャグチャという音と共に、まひろの口からは
痰の絡まる咳払いの様な声が響く。
 もはやまひろの鼻そのものは原型を留めておらず、あちこち裂け千切れて辛うじて顔に
ぶら下がっている状態だった。
 そして鼻腔内から吹き出す血はペニスがギッチリ詰まって拡がりきった鼻孔からは流れ
る事が出来ず、すべて口内に流れて行く。
「がっ! んがっ! ぶぎぃ! ぐげぅ! ごえぇ……! おね、がい……も、もお……ごろ
じでぇ……!」
 休む間も無く遅いかかってくる強烈な痛みと呼吸困難に、まひろはついに死を懇願し始
めた。
 しかし、背の低い男は構わずにピストン運動をどんどん速めていく。
「おあ〜。やっべ、もう出る……! あ〜、イクぞぉ! イクイクイク!」
 快感が頂点に達した瞬間、背の低い男は一際強くペニスを打ちつけて鼻腔の最深部に精
液を放出した。
「ふごっ……! ぐぶえぇっ! がはっ! がはっ! げへっ! がはっ!」
 鼻腔の奥から直接喉へ流れ込んだ精液はまひろをひどく咳込ませる。
「ふぃ〜っ。最っ高だっだぜぇ」
 背の低い男がズルリとペニスを引き抜くとまひろは前のめりに倒れ、口から白濁した液
体を大量に吐き出した。
「おえぇっ……。げう……」
 続いて顔の真ん中に開いた穴からも鮮血と共に僅かに白濁液が流れ、ピンク色の糸を引
く。


 背の低い男は萎み始めたペニスを仕舞いながら筋肉質の男を振り返り言った。
「よお、いつまで不貞腐れてんだ。どうせなんだからお前も楽しめよ。な?」
 筋肉質の男はしばらく背の低い男を睨みつけていたが、やがて不機嫌な顔でまひろに近
付いた。
 そして勃起したペニスを取り出すと、倒れているまひろを強引に起こして後ろを向かせ
た。
「俺ァこっちをもらうぜ」
「お、おいおい、ちょっと待てよ……」
 背の低い男が止める間も無く、筋肉質の男はまひろの後頭部に狙いを定めて腰を強く打
ちつけた。
「あうぅ!?」
 まひろの頭にズン!という激しい衝撃が伝わった。
 その直後、激しいめまいを覚えて目の前の景色が大きく揺らぐ。
「わわっ……。な、何……?」
 何故か後頭部に違和感を感じ、グチグチという妙な音が頭の中で響いている。
 まひろはゆっくりと後頭部に手を回して違和感の正体を探ろうとした。
 両方の手首が折れている為、その作業は非常に困難だったがそれでも徐々に自分の置か
れている状況が理解出来てきた。
 先程まで自分の鼻に突き刺さっていたのと同じ種類の物が、今度は後頭部に突き刺さっ
ていたのだ。
 頭蓋骨を割って頭の奥深くまで。
「な、何……? 何なの、これぇ……。い、いや……いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ……」



 まひろは後頭部にやった手を下ろすとそのまま動けなくなった。
「うああ……いやぁ……」
 めまいはますます酷くなり、頭の中ではずっと不気味な音が響いている。
 それにペニスに貫かれた後頭部が遅れてジワジワと痛んできた。
 そして、そんなまひろの様子に背の低い男は思わず声を上げる。
「うおあ〜、すんげぇ〜」
 背の低い男は二人の側にしゃがみ込むとマジマジと結合部を覗き込んだ。
「脳姦なんて初めて見たぜ。まあ普通やろうとは思わねえけどな。ププッ」
「おい、あんまり見てんじゃねえよ」
 ペニスに絡みつく脳の感触を楽しんでいた筋肉質の男は、背の低い男の出すちょっかい
に不機嫌そうに言葉を返す。
 しかし背の低い男は構わず言葉を続けた。
「しっかしオメエも後先考えねえなあ。もちっと遊ぼうと思ったのに、これじゃオメエが
イッちまう前に逝っちまうだろが。ったく……」
 まひろの耳に背の低い男の声がまるで遠い所から聞こえてくる様に入ってくる。
 あらゆる感情や意識がグルグルと歪んだ渦を巻く中、まひろは自分の人生の終焉を確信
した。
 自分はあと数分もしないうちに死ぬ。
 それは背の低い男の言葉よりも自分の頭がペニスに深く貫かれているという事実がそう
思わせているのかもしれない。
「そんな……そんなぁ……。わ、私……もう死んじゃうんだ……」
 先程、鼻腔内を犯された時は苦痛のあまりに死を望む言葉を口にしてしまったが、逃れ
られない死の運命を感じとってしまうと却って激しい拒絶の念が湧いてきた。
「やだ……やだよ……。こんなのって……こんなのってないよぉ……。死にたくない……
死にたくない……。お願い、助けて……」
「おいおい……。殺してって言ってみたり死にたくないって言ってみたり、言う事が一貫
しねえなぁ。これがゆとり世代ってヤツか?」
 強靭な肉体を持つ上に不老不死のホムンクルスには人間の心の機微など分からないのだ
ろう。
 とはいえ、まったく死に興味が無い訳でも無いが、どちらかと言えば死に行く脆弱な人
間をからかいたいという気持ちの方が強い。
 身体中を細かく震わせてボロボロと涙を流すまひろに背の低い男はニヤニヤしながら問
い掛けた。
「まひろちゃん可哀想にね〜。どう? なんか言い残す事は無いかい? プププッ」
 目の前は涙で曇り思考は掻き乱れていたが、まひろの掌は確かにカズキや両親の温もり
を思い出していた。


「うぅ……ぐすっ……お兄ちゃんに会いたい……。お父さん、お母さ──」
「オラッ!」
 まひろの言葉が終わらないうちに筋肉質の男は強く腰を突き入れた。
「あ」
 まひろは短く声を上げると口を開けたままグルリと白眼を剥き、ビクンビクンと身体を
痙攣させた。
 筋肉質の男がピストン運動を繰り返す度に彼のペニスには灰白色の脳細胞が絡みつき、
グチャグチャと湿った音を立てる。
「あ……あ……あ……あ……あ……」
 まひろは律動に併せて断続的に小さくか細い声を漏らす。
「あ……あ……あ……あは……えへへ……」
 まひろの上げる声の中に何故か笑い声が混じり始めた。
 彼女の顔はまるで白痴の様な笑いに歪み、だらしなく開けた口からは舌がダラリと垂れ
下がっている。
 ただその眼から流れる一筋の涙だけが失われたまひろの意思を表している様だった。
「お〜お〜、いい顔してるねえ。よお、まひろちゃんをもっと喜ばせてやれよ。ギャハハ
ハハハ!」
 激しく腰を振る筋肉質の男を背の低い男が囃した。
「うるっせえな! うおっ、やべえ……。もう出ちまう……!」
「あんだよ、もうイッちまうのかよ。早すぎだろ」
 筋肉質の男の動きはどんどん速くなる。
 あまりにも激しい動きに結合部の周辺にはシェイクされドロドロになったまひろの脳細
胞が飛び散った。
「あ、あへ……あは……あは……あははっ……はへへっ……」
 まひろは相変わらずだらしない表情で無機質な笑い声を漏らすだけである。
「で、出るぞっ……!」
「ギャハハハハハ!! いいぜいいぜ、イク時は顔までブチ抜いてやれよ! 鼻の『穴』か
らチンポ飛び出させてやれ! イェー!! ウー、イェー!!」
 突然、山吹色の光が走った。
「な、何だっ……!?」
 気付くと背の低い男はいつの間にか何かを腕に抱えていた。
 それは筋肉質の男の生首だった。
「お、俺……どうなっちまったんだ……?」
 首だけの筋肉質の男は背の低い男の腕の中で情けない声を上げている。
 まひろと首の無い筋肉質の男の身体はドサリと崩れ落ちた。
 背の低い男が恐る恐る光の発せられた方向に首を捻ると、そこには突撃槍を持った学生
服姿の少年が無言で立っていた。
「てっ、テメエはっ!?」
 とっさに背の低い男は生首を放り出し身構える。


 だが、既に背の低い男は火薬の臭いを纏った無数の黒い蝶に囲まれていた。
「ひっ……!」
 次の瞬間、派手な爆発音と共に背の低い男は跡形も無く消し飛んだ。
 爆煙が立ち込める中、床に転がる首だけの筋肉質の男に少年がゆっくりと歩み寄る。
「て、テメエ……武藤カズキ……! よくも──」
 何か言い掛けた筋肉質の男の顔を突撃槍が素早く刺し貫き、生首は塵と化して消滅した。
 カズキはまひろから筋肉質の男の胴体を引き剥がし、痙攣を続ける彼女の身体を学生服
で包んだ。
 そしてまひろをきつく抱き締めながらも、少し離れた場所に転がる斗貴子の死体に目を
やる。
「斗貴子さん……まひろ……。ごめん……本当に、ごめん……」
 カズキは血に濡れたまひろの髪に顔を埋めると、身体を震わせて涙をこぼした。
 闇の中で「謝るなよ、偽善者」という言葉が小さく響いたが、カズキの耳には届いてい
なかった。



 北日本のとある地方都市。
 初夏の木漏れ日が射す公園に一組の少年と少女がいた。
 少女は車椅子に座っており、少年はその少女の前にしゃがんで優しく話し掛けている。
「やっぱりこっちの方はこの時期でも少し涼しいんだね。寒くないかい? まひろ……」
「あー、あう……」
 カズキとまひろは錬金戦団の庇護を受け、名前や身分を変えてこの小都市に移り済んで
いた。
 戦団の最先端医療技術と核鉄の治癒力によってまひろの顔の傷や折られた手首は完全に
修復され、失われた耳や指も精巧な義肢を装着する事により傍目にはまったく健常な状態
と変わり無く見える。
 しかし、戦団の医療技術や核鉄を持ってしても破壊された脳神経を元通りにする事は不
可能だった。
 知能は極端に低下し、話す事や歩く事はおろか食事や排泄すらも自力では行えない。
 カズキの言葉にも一切反応せず、焦点の合っていない視線を虚空に向けてだらしなく笑
っている。
 まさに『ただ生きているだけ』の状態だった。
「ほら、まひろ。ハナが出てるよ。あぁ、ヨダレも……。そんなんじゃお嫁さんに行けな
いぞ?」
「あは、あはは……」
「今日はカレーにしようか。まひろは超甘口が好きだもんな。でもニンジンもちゃんと食
べなきゃダメだよ」
「あはは……」


「なあ、まひろ……。父さんや母さんに……会いたいかい……?」
「あはは……」
「………………。そうだね……。オレも会いたくない……。誰にも会いたくないよ……」
「あはは……。あー、うー……」
「さてと……。そろそろ、部屋に帰ろうか……」
 今更どうなるというのだ。
 銀成市に戻ったところでカズキは斗貴子らの殺害や銀成学園寄宿舎大虐殺の重要参考人
として警察に拘束される。
 まひろはカズキから引き離され養護施設に送られるだろう。
 愛する人々が死に絶えた中、兄妹は一緒にいる事も出来ない。
 今更どうなるというのだ。
 この先、カズキはずっとまひろと二人きりで生きていくのだろう。
 無力感と罪悪感と斗貴子への想いと、そして時折浮かぶまひろへの悲しい殺意を抱えな
がら。


[完]



73 :救済 ◆Tt.7EwEi.. :2006/04/17(月) 03:26:54 ID:ZbfsvAHj
終わりだよ(゚∀゚)アヒャ
んじゃ、またいつの日か会いましょう。
天国でもあり地獄でもあるこのスレと、素晴らしい職人さん達と、紳士な住人さん達に幸多かれ(゚∀゚)ノシ