債務整理Wiki - アコム、プロミス赤字に 過払い金返還膨らむ 11年3月
ニュース記事
消費者金融大手のアコム、プロミスの2011年3月期連結決算は大幅な赤字となる見通しだ。武富士の経営破綻をきっかけに、顧客から過去に払いすぎた利息(過払い金)の返還請求が増えたためだ。両社は大手行の傘下にあり、銀行の業績に影響を与える可能性が高い。プロミス・アコム・アイフル大手3社への返還請求件数は2月に合計4万7000件と過去最高を記録、3月も高止まりし、実際の返還金は1社で月間100億円前後に増えた。大手3社そろって11年3月期連結決算で純損失を計上する見込みになった。

プロミスは「過払い利息」の支払いによる12年3月期以降の損失を前倒しで計上し、2011年3月期連結決算で約600億円積み増す方針を固めた。3月末の引当金残高は計約2600億円となり、すでに引当金を1千億円規模で増やす方針を固めたアコムとほぼ同じ水準になる見通しだ。一方、11年3月末の自己資本比率は昨年12月末の22.7%から15%程度に下がる。来年3月末までにこの比率を引き上げて経営の健全性を保てるようにするため、現在20.7%の出資を受けている三井住友銀行に、追加出資などの支援を求める方針だ。

プロミス・アコム両社がそろって赤字になるのは、利息返還請求が膨らんだ07年3月期以来となる。09年末に成立した事業再生ADR(裁判外紛争解決)に基づいて経営再建を進めているアイフルも小幅な赤字になるもようだ。両社の赤字は大手行の経営に打撃を与える。特に影響が大きいのは子会社のアコムに約4割出資する三菱UFJと、プロミスを約2割の出資で持ち分法適用会社としている三井住友銀だ。アコムとプロミスの赤字は両銀行の出資比率分だけ、最終損益の減益としてはね返る。三菱UFJは11年3月期決算で800億円超、三井住友銀も200億円近くの減益要因になる可能性がある。

ただ両行は業績に既に織り込み済みとみられ、現時点で通期の予想を修正する予定はない。住友信託銀行はアイフルのメーンバンクの役割を担うが、資本関係がないため業績への影響はほとんど出ないとみられる。

焦点は消費者金融の業績が反転するかどうかだ。三菱UFJと三井住友銀は11年3月期決算での資本支援は見送ったが、今後も追加支援が必要となる可能性もある。アイフルも経営が一段と悪化すればADR計画を見直す可能性があり、その場合は住友信託銀も影響を受けかねない。これらの銀行には12年3月期も引き続き経営の重荷になる。
解説
消費者金融業界は、昨年9月に経営破綻した武富士が、広告などで過払い金の返還請求を呼び掛けたため、ほかの大手にも請求が増加しました。武富士の顧客は、2月までに利息返還を求めていないと返金の権利を失ったため、同じような事態の発生を恐れる顧客が、返金を請求しました。

武富士は、負債額が膨らみ、過払い利息の返還額は、請求額の1割未満にとどまることが確実になっています。お金を借りている業者が破綻してしまってからでは、過払い金の返還額は大幅に減額される可能性が高いです。

過払い金が発生している可能性がある人は早急に弁護士・司法書士に相談して、今後の対策についてアドバイスを頂いて下さい。