借金の返済に困ったら？ ４つの解決方法 
コラム
「借金で苦しい。どうにかしたいけれど、どうすればいいかわからない」
借金で悩んでいる多くの方が、こうした気持ちを心の奥に抱え込んでいます。
ひとりで悩んでいると、出口のないトンネルに一人でポツンと取り残されたかのような気分になりませんか。
大丈夫です。専門家に相談すれば、合法的な手段で借金をきちんと整理できます。
ここではその方法を４つお話ししましょう。
１．民事再生
民事再生は正確には「個人民事再生」といい、収入に応じた再生計画を裁判所で認可してもらい、３年間返済できた段階で残りの借金を免除してもらう制度のことをいいます。
条件としては、借金の総額が5000万円以下（住宅ローンなどは除く）で、一定の収入を見込まれていること。よって、失業中の人や収入が安定していない人は利用できません。
民事再生は、浪費・ギャンブルなどが理由でした借金でも利用可能で、資格制限もありません。住宅ローンが残るマイホーム所有者も、そのままそこに住み続けられます。
その一方で、原則３年間、収入から借金を返済しなければならない、住宅ローン残額が多い場合は再生計画案が立てにくいなどのデメリットもあります。
２．任意整理
任意整理とは、裁判所を利用しないで消費者金融などとの話し合いで借金を整理し、�ー擽發鮠�なくする、�⊂�来かかる利息をカットしてもらう制度のことをいいます。
多くの場合、消費者金融の金利は違法な高金利（20％台後半）であるため、返済額の多くが利息に充てられ、借金がなかなか減りません。そこで、利息制限法という法律に基づいて取引の金利を適正な金利（18％前後）に訂正して、借金の残高を計算しなおします。
任意整理を行うと、５年間以上消費者金融から借金をしている人は、借金がなくなることがあり、場合によっては過払い金を回収できます。裁判所に行く必要がなく、専門家に依頼した時点で債権者からの催促が止まります。和解が成立するまでは借金を返済しなくてもかまいません。
３．特定調停
特定調停とは、簡易裁判所を利用して借金を減らす方法で、手続の内容は「任意整理」と似ていますが、裁判所を利用している点で異なります。
特定調停は専門的な知識がなくても自分で申し立てることができるため、専門家への相談費用がない人でも裁判所の力を借りることで借金を整理できます。
また、手続中は強制執行（給料の差し押さえ、不動産の強制競売など）を止めることができ、債権者との交渉は調停委員が行います。
ただし、特定調停では債権者に３年間で返済する額が任意整理の場合よりも大きくなることが多く、特定調停後に返済が滞ると、ただちに給料などを差し押さえられるリスクがあります。
４．自己破産
以上３つの方法と決定的に違うのが自己破産です。上記３つの方法はどれも借金が残り、返済を続けることになりますが、自己破産だけは借金の総額にかかわらず、借金が完全になくなります。
法律の専門家として申し上げますと、自己破産は怖いことでも、やましいことでもありません。
手続は裁判所を通して行うため、債権者との交渉する必要は原則としてありません。
官報に名前が記載されますが、一般の人が官報を見ることはほとんどないため、知人や会社に知られることもありません。
車やマイホームなどの財産が処分される、○○士などの職業には数ヶ月間就くことができないなどのデメリットはありますが、完全に借金がなくなる、すべての借金を一括処理できる点で、人生の再チャレンジとなる機会を確保できる制度といえます。