債務整理Wiki - 信販会社の立替払債権(ショッピング利用分割払その3

信販会社の立替払債権(ショッピング利用分割払い)には取引履歴の開示義務はないのか?その3官公庁との攻防


コラム
管轄官庁
貸金業者を監督する許認可権限を持った官庁は、金融庁、財務局、都道府県貸金業の担当課(県により名称が異なる。ちなみに東京都は、産業労働局金融部貸金業対策課)
となりますが、
割賦販売業者の監督官庁は、経済産業省となります。
立替払取引の取引履歴開示
割賦販売法の対象取引となると、取引履歴の開示義務が法律上ないことになります。
そして、そのことを盾にとって、開示しない信販会社もあります。
しかし、実質的には貸金取引であり、破産手続においても貸金と同様に処理するために、(裁判所が)取引履歴の提出を求めるのが通常です。
信販会社との交渉で、「行政指導の上申しますよ」というと「どうぞ」というので、
各官庁に問い合わせて調べてみました。(どうぞと言われなくても調べましたが)

まず、金融庁に問い合わせ
「金融庁としては、直接管轄のある業者以外には直接の指導はしていません」との旨、
具体的にいうと、銀行等の金融機関以外に対しては、「管轄財務局」や都道府県の「金融業者の担当課」が直接の指導をすることになります。
都道府県にまたがって所在している貸金業者は財務局の管轄、都道府県内で単独に営業している業者は都道府県が管轄です。
信販会社で貸金業も行っている会社は(ほとんど大部分そうですが)貸金業登録しないといけないので、上記管轄官庁に登録しています。
関東財務局に問い合わせ
「立替払契約については、(財務局が管轄する対象としての)貸金ではないので、管轄は、経産省(経済産業省)の管轄になるのでそちらに聞いてください」
予想通り、財務局の紹介してくれた部署に連絡すると、「その見解については、こちらでお答えできません。○○課(正確な名称は忘れた)に問い合わせてください」
聞くと、「割賦販売法においては、開示義務についての規定について当庁ではお答えできません。契約当事者の約款で開示規定があれば、開示しないといけませんね」「約款になければ開示義務はない・・ですね」「約款を見ていただいて御判断ください」「あと一点聞きたいのですが、取引履歴の開示について例えば、約款上には開示規定があるのに、開示しない場合に御庁で指導はやっていますか?」「そういうことはやっていません」「監督官庁なのに、指導はしないんですか?」「やっていないですね。」
以上が監督官庁に問い合わせた結果です。
実質、貸金取引であっても「立替払い契約」であれば、割賦販売法の管轄になり、信販会社が「開示しない」と言えば、開示させる法令は無い以上、どうにもならないというのが現状です。
実際は、ほとんどの信販会社が立替払取引についても開示しているのが現状ですが、中には、上記の業者もあります。
しかし、上記のように、実質金利となる手数料や損害金に付いては、制限があるので(手数料は、出資法の上限利率(20%)が上限、損害金は生じ法定利率(6%)が上限と、制限があるので、正しい利率計算になっているのか確認する義務があります。
(弁護士や司法書士は、依頼人の利益を守る法的義務があるので、依頼人に損失を被ることを防ぐ義務があります)
よって、現在の法令では、難しいところですが、貸金業者への開示請求は今後も続けるつもりです。