債務整理Wiki - 被災9県支援へ2000億円の取り崩し型復興基金創設
ニュース記事
川端達夫総務相は17日、東日本大震災で被害を受けた岩手、宮城、福島など9県に対し、復興基金を設けるための原資として計1960億円を特別交付税で配分すると発表した。復興事業には国が補助金を出しているが、使い道が限られることが多いため、自治体が高齢者支援や二重ローン対策といった独自の施策で自由に使えるようにする。

復興基金は、阪神・淡路大震災の際にも設けられた例があるが、被害状況などから今回の交付税による支援額はその2倍を上回る規模。財源には、第2次補正予算で上積みされた今年度分の特別交付税約4600億円の一部を充てる。現在の低金利を反映し、阪神大震災で採用した運用益を活用する基金ではなく、県が必要に応じ取り崩す新たなタイプの基金とする。

基金を創設するための予算案や条例案が県議会で成立し次第、必要額を配る。配分予定額は、青森80億円、岩手420億円、宮城660億円、福島570億円、茨城140億円、栃木40億円、千葉30億円、新潟10億円、長野10億円となっている。
解説
今回の「取り崩し型」復興基金は、プールした資金を必要に応じて取り崩す仕組みで、年度に縛られずに使える利点があります。阪神大震災の際は、資金の運用益で事業を実施する「運用型基金」の創設を交付税で支援しましたが、今回は低金利で運用益が見込めないことから方式を変更したようです。

川端達夫総務相は、今回の配分で約10年間はさまざまな事業の実施が可能になるとの認識を示した上で「今後の展開を見て、さらなる対応も検討したい」と述べ、必要に応じて配分額を積み増す考えも示しています。

使途は各県の判断に委ねられ、震災孤児や高齢者など災害弱者対策、企業・個人の「二重ローン」対策などのほか、コミュニティー再生に向けた祭りや商店街活性化、文化・芸術復興などが想定されています。各地の復興需要にきめ細かく対応できるよう創設されるものですので、効果的な利用により、被災した地域のいち早い復興が望まれます。