福岡市中央区の心療内科・精神科 「メンタルクリニック桜坂」 - 最後の将軍(司馬遼太郎著・文春文庫)


私の愛読書です。江戸幕府最後の征夷大将軍「徳川慶喜」の伝記風読み物です。
私がなぜこの書物が好きかというと、徳川慶喜の人間くささかな。

この書物から、印象を受けたり、感銘を受けたりした、文章を引用していきます。



「慶喜にすれば大政を奉還した自分をなぜ朝廷は朝敵とみなしたのか、という根の深い恨みであった。具体的には朝廷に対してではなく、薩人の大久保と西郷に対してであった。慶喜の薩人へのうらみは深く、あるとき側近に『長州人は最初から幕府を公然と敵視していたから自分はなんともおもわぬ。その点、薩人は違っていた。最初は幕府と親しみ、ともに長州を追い落とした。が、情勢が変化すると、表面親しみを保持するがごとく偽装し、裏面で工作し、ぎりぎりのところで寝首を掻くような仕方をした』」といった。