SC2の日本語による戦略・ビルドオーダー解説wiki. ビルドwikiなどと呼んでください。Starcraft2: Heart of the Swarmの内容が中心です。有志で書いてます。


大きく変更される2015年のWorld Championship Series

2011年のBlizzconにおけるSC2 Invitational、2012年の各国代表、各大陸代表が競った2012WCSを経て、2013年に始まった現行システムのWCSは、2015年に再び大きな変化を迎える。

ブリザードから、2015年のWorld Championship Seriesについての変更案が発表された。→リンク

2015年のWorld Championship Seriesは
・WCS公式大会は1年に3つのシーズンが開催される
・WCS公式大会のみならず、基準を満たしたその他の大会でもポイントが得られる
・3シーズン終了後のWCSポイント上位16名がWCS Global Championshipに進出する

という点は変わっていないが、

・WCSが完全にリセットされ、地域予選に参加するための条件が厳しくなる(リージョンロック)
・WCSEUとWCSAMが統合され、新しくWCS Premier Leagueが開催される。
・韓国ではGSLに加えてSPOTVもWCS公式大会を開催し、WCS公式大会が2つになる


という大きく分けて3つの大規模な変更が行われた。

まずはこの3点について解説、雑感をいれながら説明していこうと思う。なお解説・雑感に関しては新情報が出たり状況が明らかになったりした時に必要に応じて書き直していくつもりなので悪しからず。

WCSが完全にリセットされ、地域予選に参加するための条件が厳しくなる(リージョンロック)

今までのWCSEU/AMでは、ヨーロッパ・アメリカに居住している韓国選手や、海外チームに所属している韓国選手が上位を独占するケースがほとんどで、実際WCS公式イベントで海外選手の優勝者は出ていない(一度だけStephanoが準優勝した)。
これは2013WCSでは予選参加に何の地域制限も無く、2014WCSでもその地域に居住していれば予選参加可能であったり、地域外から参加可能な予選枠が存在したり、2013WCSAM/EUに参加していたプレーヤーはそのまま2014WCSに残ることが出来たことなどから生まれた問題であった。
それもあり、2014WCS Global Finalでは参加選手16人全てが韓国選手という事態になっている。

これを受けて、2015WCSではまずWCSの完全リセットが行われる。
具体的には至ってシンプルで、2014年シーズン終了時のWCSEU,AM及びGSLの選手在籍状況を完全にリセットし、2015WCSではまっさらな状態で全員予選からスタートする、というものである。

加えて、後述するWCS Premier League(2014年のWCS EU/AMに相当するもの)のチャレンジャーリーグ予選に参加するための条件がかなり厳しくなる。

韓国選手に限らず、チャレンジャーリーグ予選が行われる地域にその地域以外の国籍を持つプレーヤーが参加するには
・プロアスリートビザ
・就労ビザ
・学生ビザ
などの厳しい身分証明書が必要となった。

現在WCSEU/AMで活動している韓国選手は、その地域に住んでおらずWCSイベントがある時のみスタジオに行く選手(WCSAMに多い)や、その地域に居住していてもワーキングホリデービザしか所有していないケース(WCSEUに多い)が殆んどで、
前述した身分証明書を持つプレーヤーはアメリカでプロアスリートビザを取得したPoltやviOletくらいしか居ないのではないかと言われている。
もちろん他に公式なビザを持つ選手が居る可能性はあるし、今後ビザを取得しようとする動きがあるという報道もある→リンクが、このWCSリセット+リージョンロックによって、海外で活動していた韓国選手の多くが海外でのWCS公式イベントへの参戦を諦めなければならなくなるだろう。

追記:その後、「2013年1/1以前にその地域にいた選手はビザがなくても参加可能」という条件が追加された。ForGG選手がこれにあてはまり、ForGG選手はEUでのプレーを続行することになりそうだ。
また、ROOT gamingのHydra選手のビザの取得が発表され、StarDust選手もビザを獲得しNAでプレーすることが明らかになった。WCSKRであるGSL/SSLの予選会場にJaedongが現れなかった事から、彼もビザの取得などでアメリでのプレーが予想される。
また、オセアニア/SEA地域にKingkongという韓国選手がおり、この選手もおそらく海外でのプレーが可能だろう。



このWCSリセット+リージョンロックは世界中のSC2シーンに大きな影響をもたらすため、韓国、そしてそれ以外の地域のWCSイベントにも大きな変更が加えられた。ここからはそれを解説していく。

WCSEUとWCSAMが統合され、新しくWCS Premier Leagueが開催される。

WCSリセット+リージョンロックにより、(おそらく)WCSEU/AMから韓国選手がほとんどいなくなることになる。これは海外選手にとっては喜ばしいことかもしれないが、当然大会としてのレベルの低下も招いてしまう。それを補うために行われるのがこのWCSEU/AMの統合だ。

2013,14年はヨーロッパ地域でWCSEU,アメリカ地域でWCSAMがそれぞれ独立して行われていたが、2015年からはこれらが統合され、WCS Premier Leagueとして生まれ変わる。WCS Premier Leagueは、ESLが開催する。
以下がシステムをわかりやすくまとめた画像である。



2015年の新しいWCS Premier Leagueにも、これまで通りチャレンジャーリーグとプレミアリーグが存在するが、その形式はこれまでと大きく異なる。

チャレンジャーリーグ

新しいWCS Premier Leagueにおけるチャレンジャーリーグは、WCS Premier League進出者を決めるための地域大会である。

まず、新しいWCS Premier Leagueでは6つの「地域」が定義されており、それぞれでチャレンジャーリーグ予選及びチャレンジャーリーグを開催する。
以下が地域とチャレンジャーリーグのプレーヤー数である。
また、日本人プレーヤーはオセアニア/東南アジア予選でプレーすることが可能となった。

・ヨーロッパ/中東/アフリカ 28人
・北アメリカ(アメリカ合衆国、カナダ) 16人
・中国 8人
・ラテンアメリカ 4人
・オセアニア/東南アジア 4人
・台湾/香港/マカオ 4人

※チャレンジャーリーグの定員全てを予選で選ぶのではなく、各チャレンジャーリーグの定員のうち半数が予選通過プレーヤー、半数が前シーズンにWCS Premier Leagueに進出したプレーヤーとなる。

予選終了後チャレンジャーリーグ本戦を行い(執筆時現在フォーマットは不明。2014年はBo5の試合をそれぞれが1試合行う形であった)、半数が脱落、半数がプレミアリーグ進出となる。
チャレンジャーリーグ予選・チャレンジャーリーグ本戦ともにオンラインで行われる。

WCS Premier League

各地域のチャレンジャーリーグを突破してきた32人の選手がWCS Premier Leagueに進出する。32人の内訳は以下のようになる。

・ヨーロッパ/中東/アフリカ 14人
・北アメリカ(アメリカ合衆国、カナダ) 8人
・中国 4人
・ラテンアメリカ 2人
・オセアニア/東南アジア 2人
・台湾/香港/マカオ 2人


32人がRo32としてオフラインのグループステージを行い、突破した16人がシーズンファイナルとしてオフラインでの決戦に挑み、WCS Premier Leagueの優勝者が決定される。

※これまでのWCSEU,AMでは上位16人に入れば次シーズンもプレミアリーグに残ることが出来たが、新しいWCS Premier Leagueではプレミアリーグ進出者全員が次シーズンチャレンジャーリーグからのスタートとなる。

WCS Premier Leagueについての雑感

以上が新しいWCS Premier Leagueの詳細となる。この大会は(今のところ)韓国選手はごくわずかしかいない、最高のnon-Koreanを決めるための大会となる予定である。
WCSEU/AMが統合されてしまったため、韓国選手が居なくなったとは言え若干プレー出来る選手の枠が小さくなってしまったのは残念な点である。
そのかわり賞金もWCSEU/AMを統合したものになり、既にチャレンジャーリーグ進出者には最低2000ドル(=WCSEU/AMプレミアリーグ進出者の最低賞金)が与えられる予定であると告知されているため→リンク
これまで韓国選手に阻まれていた選手たちにとっては今までより多くの賞金を得るチャンスが出来るのではないだろうか。

現状WCSプレミアリーグに参戦する韓国選手はアメリカでPolt,viOLet,StarDust,Hydra,JDの5人、EUではForGG、SEA/オセアニアではkingkong、中国でHeart(ただしシーズン2から)となっている。
当初よりもかなり増えたため最高のnon-Koreanを決める大会という感じはだいぶ薄まってしまい少し残念ではあるが、海外選手の活躍も期待したいところだ。

また、ラダーシーンのレベル低下も懸念される所ではある。多くのEUプレーヤーがForGGやStarDust,jjakjiやMC,YoDa等のプレーヤーがEUラダーに参戦してから、ヨーロッパのプレーレベルが上がったと発言している。
もしそれらの韓国選手がEUラダーから離れれば、地域のラダーレベルはどうしても落ちてしまう。WCSEU/AM統合による他リージョンとの競争の激化でそれを補えるかが注目される。

一方でラテンアメリカやオセアニア/SEAのような地域にも2枠が与えられたことはその地域の競技シーン発展に大きく役立つだろう。ラテンアメリカやオセアニアプレーヤーのうち4人が最低2000ドルを受け取れる、というのはこれまでのWCSでは
あり得なかったことである。ただ選手のレベルを考えれば中国や台湾にはもう少し枠があってもいい気はするので、それこそワールドカップと同じように枠の変動が起こっても面白いかもしれない。
なお日本人はオセアニア/SEA予選に参加出来る運びとなった。レベル的にも時差的にも参加しやすい予選なので、今後の日本プレーヤーのWCS参戦にも期待していきた。

韓国ではGSLに加えてSPOTVもWCS公式大会を開催し(SSL)、WCS公式大会が2つになる


WCSリセット+リージョンロックで、大量の韓国選手が韓国に戻ってくることが予想される。これまでただでさえ韓国シーンは激戦区であり、プロリーグの存在もありWCSポイントや賞金を得ることが難しいと言われていたのに拍車がかかってしまう。
それを補うために行われるのが、WCS KRのデュアルリーグ化だ。

韓国には2つの大きなSC2大会組織が存在する。1つはGSL(Global StarCraft2 League)やHot6ix Cup等を開催するGOMTVであり、もうひとつはプロリーグ、KeSPA Cup等を開催するSPOTVである。
これまで韓国におけるWCS公式大会はGSLがその役割を果たしてきたが、2015年からはSPOTVも独自にWCS公式大会を開くこととなった。
これで韓国選手はGSLとSPOTVの大会の両方に参加出来るようになる。

GSL

GSLのフォーマットは変わっていない。
オフラインのコードA予選を行い、24人のコードA予選通過者及び前シーズンのコードS下位24人の48人でオフラインのコードA本戦を行う。コードA本戦はグループリーグで、24人がコードSに進出する。
コードA通過者24人と前シーズンのコードSトップ8の32人でコードSが行われる。(シーズン1は若干形式が異なる)コードSはRo32とRo16がグループステージ、Ro8以降が決勝トーナメントスタイルだ。


シーズンごとの賞金総額は2014年の1.6億ウォンから1億ウォンに下がった。優勝者には4000万ウォンが与えられる予定だ。
またGSLにはリージョンロックが無く、世界中のプレーヤーが参加可能である。WCS Premier Leagueと同時参戦出来るかどうかは明らかになっていないがスケジュール的にやはり厳しいか?

SPOTV StarLeague(SSL)

新しくSPOTVが開催する個人戦である。
シーズン1は予選を行い32人が通過、32人でチャレンジステージを行い16人が通過。そこからがメインイベントとなり、グループリーグのRo16,そこからノックアウトステージになる。
Ro8の敗者4人は次シーズンはチャレンジステージから参加可能。上位4人は次シーズンのメインイベントから参戦か可能となる。


シーズンごとの賞金総額は7500万ウォン、優勝者にはGSLと同じ4000万ウォンが与えられる予定だ。こちらもリージョンロックが無く、世界中のプレーヤーが参加可能となる。
シーズン1では海外選手も招待され、中国のJim選手とカナダのScarlett選手が出場した。

その他韓国シーンの拡大

これは直接WCSシステム変更とは関係ないが、今年は1回のみだったKeSPA Cupが年3回になることが予告されていたり、それ以外にもWCSポイントが与えられるような大会が韓国で行われることをブリザードが予告している。→リンク

GSL+SSLデュアルリーグ化への雑感

「韓国に居るとWCSポイントが得づらい」ことに対するアイデアとして、GSLのポイントを増やす、プロリーグにもポイントを与える・・・色々な案があったが、今回の変更はそれら2つよりはるかに良いものと言えよう。
GSLの賞金が下がったのは残念だが、SPOTVの大会と合わせれば全体の賞金は増している。韓国選手は韓国にいながらより多くの機会を得ることが出来、WCSポイントも得やすくなるため、プロリーグにも専念出来る。
韓国選手やスポーツマスコミからも好意的な意見が多かったのも不思議ではないだろう。立ち上がりが遅かった韓国SC2シーンではあるが、去年のプロリーグの成功もあり、今後の盛り上がりが期待される、いい改革になったと考える。

まとめ

長々と書いてしまったが、こんな感じで認識してOKだと思う。
韓国選手が海外のWCS公式イベントで活動するのは難しくなるよ
海外選手のためのでっかいWCS公式イベントが出来るよ
韓国はWCS公式イベントが2つになって、他の大会も増えるよ

賞金やWCSポイントの割り振り、韓国選手の就労・アスリートビザ取得状況などまだまだ未確定なところは多いが、個人的にはなかなかいい感じの変更だと思う。みなさんはどう感じただろうか?
願わくば追加情報でこの印象が変わらないことを祈りたい。そして何より、2015年がSC2にとっていい年になりますように。


執筆者:Horiken

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