下中座の役職は以下のとおりです。
- 座長 1名*4
- 副座長 3名以内*5
- 会計 1名*6
- 幹事 若干名*7
- 監査 1名*8
- 顧問*9
役職のうち座長、副座長、会計の三役で「三役会」を設け
*10、座の運営は三役会を軸に行われています。
座長は座の総会において座員の互選で決定されています
*11。ただし岸忠義前座長、林美禰子座長の二代の座長の選出については、前座長(それぞれ小澤孝蔵元座長、岸前座長)の後継指名がありました。
歴史的には座長あるいは座長格の人たちには、小澤八郎左衛門のような名主や、岸林蔵や小澤弥太郎のような村議を務めるような名士が就任していました。また、人形を遣いながらその職を務める人が多く、林座長も人形を遣うことがあります。
ただし、岸前座長は専らマネジメントのみを行い人形を遣うことはありませんでした。これは岸前座長が、座長就任の際の約束として「(自身は)人形を遣わない」としたことによります
*12。
座長は、座の公演のセッティングや出演依頼交渉、行政や他団体との折衝から座の会務に至るまでを総括しています
*13。
副座長は、座長の補佐をします
*14が、座長から委任を受けて、座の会務の一部を執行することがあります。
会計は、下中座の会計を掌理しています
*15。
幹事は、座の業務に応じて臨時的に座長が任命します
*16。広報・ホームページを担当する幹事や首等備品管理を担当する幹事などがあります。
顧問は、座長が総会の合意を得て委嘱します
*17。設置は任意のため常設の役職ではありませんが、三役会への出席や意見陳述が出来ます。
相模人形芝居の指導は、平成30年(2018年)現在、長年にわたり相模人形芝居を研究してきた林座長を筆頭に、ベテランの人形遣いが若手や新加入の座員に対して指導する形になっています。
昭和中期までの座員は、小竹地区や近郷在住の農民を中心に構成されていました。
しかし、下中座は昭和末年頃に極端な座員の減少を経験し、存続の危機を迎えてしまいました。
その反省から座員になる要件を大幅に緩和した結果、現在では農業従事者以外にも、会社員、公務員、主婦、学生など座員の職業階層は多様化し、年齢層も80代から10代までと幅広くなり、座員の出身地・在住地も小竹地区近郊を中心に広域化しています。
下中座には、写真記録等にのみ従事する座員など、人形を遣わない座員も存在します。活動記録の保存や備品の整備など人形を遣うこと以外にも、座の運営においては大切な業務が数多くあり、サブスタッフの充実は座の活動にとってとても大切であるとしています。
また座員以外の協力者も相当数存在しています。下中座の活動に理解と協力を依頼し、首、衣裳などの備品の整備等、活動環境の充実に努めているとしています。
このため現在存在する相模人形芝居を伝承する5つの座の中でも備品及び周辺環境等の整備が進んでいるとされています。